カミーノを知る入院事件
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「学校に行けないなら、スペインをひたすら歩く旅に出てみない?」と15歳次女と10歳の弟を連れ、サンティアゴ巡礼(カミーノ)の旅へ行くことにしました。私は英語もろくに話せず、そんな体で子ども二人を連れ、海外の巡礼に行くなんて…、巨大なチャレンジでした。けれど、なんとかして現状の流れを変えたかったのでした。歩き始めの頃は、背中のバックパックが重く、足元はふらつき、疲れと不安のかたまりでした。果てしなく続く長い道のり、日照りや雨風、時には雪!、ごろごろの石道、泥道、草や木に囲まれ、自由に歩きまわる動物、見知らぬ町、様々な国の人々と出会いと別れ、そしてひたすら、ひたすらに歩く日々でした。しかし巡礼終盤になると、子どもたちは、自然の声を、心と身体で聞いているかのようでした。そして『カミーノの住人』と言えるような自由さで、旅の不自由を楽しんでいました。歩いた距離は930km、かかった日数は60日間でした。
仕事・家事・3人の子育てでオーバーヒート。
Kumi3
2002年のことです。
その日、仕事場に出勤し、休憩時間にトイレに行ってびっくり!
真っ赤な血尿が出ていました。
突如、検査と休養を兼ねて、入院することになりました。
思えば仕事、家事、2歳男子、6歳女子、9歳女子の3人子育て、さらに仕事を家に持ち帰り、パソコン入力などをしなければならず、睡眠不足が連日におよび続いていました。
Kumi3

子どもたち、どうしよう…。
おばあちゃん無し、お父さん帰宅遅しで、子育ては全て自分と保育園の助けでやってきました。
私が居なかったら、どうなるのだろう?
想像もつきませんでした。
食事、洗濯、保育園、小学校、送り迎え、寝かしつけ…
やらなければいけない事が、子どもたち一人ひとりにあり
私だけが把握している、あれこれがあるのでした。
Kumi3
自分がいなければ、自分でなくては・・・
しかし
いざとなったら、何とかなるものでした!
お父さんやきょうだい、友だちの協力で、無事に入院中を乗り切ることが出来ました。
そして、思えば…。
この時の入院が、後々に大きな意味を持ってくるのでした。
カミーノ、サンティアゴ巡礼、スペイン巡礼を知る。
あ~、このところ、活字に触れていないわ。映画もぜんぜん観れていないし~。
Kumi3
子育て中は毎日が目まぐるしく、本も映画(DVD)も、ほとんど親しむことが出来ませんでした。もう、夜になるとバタンキュー!と気を失ってしまうのでした。
そうだ!入院中はきっとヒマなはず。本なら読めるだろう…、それだけが楽しみね!
Kumi3
と、図書館で本を借りてから病院へ行くことにしました。

図書館をキョロキョロと見て回ると
Kumi3
彼女の出演している『愛と追憶の日々』という映画が好きでした。娘を持つ母親の複雑な喜怒哀楽が伝わってくる映画でした。
シャーリー・マクレーンが書いた本の題名は『カミーノ』と言いました。
カミーノって何のことだろう、まあいいや。借りてみよう。
Kumi3
他、ザクザクっと本や雑誌を10冊ほど借りてから、病院へと向かいました。
その中にパウロ・コエーリョ著の『星の巡礼』という本も入っていました。
入院しているベッドで、それらの本を読んでいるうちに
『カミーノ』と『星の巡礼』は
同じ道について書いてあるんだ!ということに気が付きました。
そして
●その道はスペインに実在するということ。
●シャーリー・マクレーンは、60歳で800㎞を歩いたということ。
●パウロ・コエーリョによると、不思議な体験をする道だということ。
●『カミーノ』『星の巡礼』の翻訳者が同じだったこと。山川鉱矢・亜希子夫妻。
(その後、この二人が翻訳した本を芋ずる式に読んでみました。それは
『アルケミスト』パウロ・コエーリョ著、
『ソウルメイト』『前世療法』ブライアンLワイス博士著
(このブライアンLワイス博士の『ソウルメイト』という本は、カミーノに行く直前に読みました。前世についての内容で読んだ後、前世療法士に会ってみたいなぁ…と思いました。
すると、カミーノを歩き出して39日目に出会うのでした。)
39/60カミーノの奇跡、会いたかった人・前世療法士に出会う!
カミーノが心の中にインプット!
無事に腎臓の検査と休養が終わり、退院した後
サンティアゴ巡礼、スペイン巡礼、カミーノ
(どれも同じものです。)が、
心の中にインプット されていました。
カミーノか~。いつか行ってみたいナ!シャーリー・マクレーンのように、私が60歳になった時、還暦記念に歩いてみようかしら!
Kumi3
と思ったのでした。
それから約8年後の2010年。
中学2年生の娘は、学校へ行くと腰痛と頭痛が出てしまい、登校が困難になりました。病院への通院、相談、休養など半年以上が経過しました。
そうだ!60歳でカミーノへ行くのではなく、今、娘と一緒に歩いてみたらどうだろう…。何かが変わるかもしれないわ!!
Kumi3
とその時、
サンティアゴ巡礼を思い出したのでした。あの入院の時に、手にした本からカミーノを知り
その瞬間から、カミーノが始まっていたような気がするのでした。