モロッコ子連れサンティアゴ巡礼後の旅/カサブランカ
バルセロナで宿探し
サンティアゴ巡礼・カミーノを歩き終えた後、巡礼仲間のホセを訪ね、地中海に浮かぶメノルカ島へ渡りました。
そこで、シーフード料理を堪能 ( ロブスタースープ)しました。
さらに、サン・ファン馬祭りに参加することが出来ました。
「せっかくここまで来たのだから、モロッコへ行ってみるといいよ!」
と、巡礼仲間のピノやホセの勧めもあり、モロッコ行き飛行機の予約をしました。出発地は、バルセロナ空港からでした。
メノルカ島の港から、バルセロナに向かう船に乗りました。
午前11時から午後7時までの昼間8時間の航海、海をたっぷりと眺める時間がありました。
時々、海鳥が飛び交う姿が見えました。
水平線の彼方を見ながら
人間も動物ならいいのに…。動物は人間より知能が低いから、でも、かえって何も考えないで普通のことをしている…。
そうだね。ある意味、動物はいいよね、迷ったり比べたりなんてしないものね。
あ!バルセロナが見えたよ!!
バルセロナのシンボル、コロンブスの像がはっきりと見えてきました。
今、19時半でした。スぺインの日暮れは21時半ぐらいです。暗くなる前に今晩の宿を探さないといけません。
ランブランス通りに向かいました。
宿を探しながら歩きました。目にしたYH=ユースホステル(アルベルゲ/ゲストハウス)の看板に入っていきました。
すると、そこのスタッフは
「Full!(満員!)」と言いました。
しかし「2軒先へ行ってごらん。」
と、別のアルベルゲを教えてくれました。
そこへ行くと、
「Full!(満員!)」
そこもいっぱいでした。
なんか、レセプションのおじさん、目がキョロキョロしてて変!
その通りは、アルベルゲやホステルの看板がいくつもありました。
「サン&ムーン/Sun & Moon」というホステルに入ってみました。
レセプションは、ドミトリー6人部屋が空いている、という事でした。
金額は、一人20ユーロでした。
カミーノの時のアルベルゲは一人5ユーロ程だったから、かなり高いわ~。でも、ここはバルセロナだから仕方ないね。とにかく部屋を決めて安心したいわ~。
二段ベッドが三つある部屋を、案内されました。
下の段を三人、それぞれ確保しました。その後、宿泊者は来なかったので、部屋は私たちで貸し切り状態でした。
ひと段落すると
ねえ、スタッフの人、ディナーフリー、ブレックファストフリーって言ったよ。
ほんと?
レセプションへ確認しに行くと、
「そうだよ!21時半にここへおいで。案内するよ。」
と言いました。こんな時、Chaiの英語の聞き取りの良さに助けられました。
ゲストハウスのお兄さんに付いて行くと、いま閉店になったバルが、ゲストハウス宿泊者のために、再オープンしました。
ちょっと、お店の残りものっぽい感じで、パサパサしたパスタでしたが、無料とは有り難い!
翌朝、日が昇り窓から外を眺めると、窓は全て頑丈な網が掛かっていました。
防犯がしっかりしているってわけね!
朝食は、ゲストハウス内の食堂で、パンとシリアルと飲み物が無料でした。
好きなだけ食べて良いのですが、移動日はトイレが近くなると困るので、少し控えめにしました。3人とも、今までの旅で学んだのでした。
これ、おもしろーい!
このトーストマシーンは、ベルトコンベヤーみたいに、パンが焼けて出てくるのでした。
モロッコ行きのガイドブック
今日は、モロッコへ移動する日でした。
困ったことに、モロッコに関して何も情報がありませんでした。カミーノであれば、道標があり、様々な国の人が歩いているので何とかなるという感覚がありました。
しかし、今回の移動は、初めて行くアフリカ大陸、しかもイスラム文化のモロッコとなると、言葉もわからず、もし子どもたちと離れたら、どこに連絡しどこへ行ったらいいやら、さっぱり見当が付きませんでした。(2010年当時、スマホを使っていない…。)
メノルカ島に居る時から、モロッコのガイドブックを探していたのですが、手に入れることが出来ませんでした。
まずいわ~。もう空港へ行く時間だわ~。
出発直前に、このゲストハウスのリサイクルコーナーをのぞくと…
なんと!
スペインポルトガル&モロッコという本がありました!
神様!ありがとう~!!
ホッとした気持ちで、バルセロナ空港行きのバスに乗ることが出来ました。
バスの窓から、景色を眺めました。
スペインとお別れだね~。
スペインのお菓子屋さん、大好きだったよ!
ギターを背負って聞かれること
バルセロナの空港に着きました。
Chaiは、いつものバックパックのほかに、ギターを背負っていました。メノルカ島で巡礼仲間のホセがプレゼントしてくれたものでした。
そのため行く先々で、バルセロナ空港のロビー、モロッコの町、帰りのフランス空港 ….etc.
「お前はミュージシャンか?」
と何人にもに聞かれました。
そのたびにChaiは
これは、巡礼仲間がカミーノを歩いた記念にプレゼントしてくれたものです。
しかし何度も何度も、挨拶がわりに聞かれるので、
終いには、
「やあ、君はミュージシャン?」
と聞かれれば…
イエース‼
帰ってから、練習するんだからいいよね。ウフフ!
ロイヤル・エア・モロッコの愉快な旅
バルセロナ空港に着いた私たちは、搭乗手続きに全力投球でした。
ゲストハウスのパソコンで、旅行会社からのメールを確認しました。そこには搭乗手続きのための E -チケットが送られてきました。しかし、私たちはそれを紙にプリントすることが出来ませんでした。
それで、腕にボールペンでタトゥーのようにフライトの予約番号「X2RDLW」と書いておきました。
こんなので大丈夫かしら?でも、これだけが頼りよ~。
受付で、腕のボールペンタトゥー番号を示すと
「OK~!」と笑顔で!
問題なくチケットを発行してくれました。
よかったね!
それからバックパックを預けました。カミーノで買った思い出のナイフが入っていたので、機内持ち込みが出来ないのでした。
荷物を預けたあと、両替所に行きました。
500ユーロをモロッコの通貨、dh(ディルハム)に換えました。
手元に来た金額は、4690ディルハムでした。
€1 = 9.38dh(ディルハム) = 130円
でした。(2010年当時)
水を調達してから、飛行機に搭乗するための列に並びました。私たちのすぐ前に並んでいたモロッコ人の男の人が、優しそうだったので声を掛けてみました。
すみません、カサブランカの空港から、カサブランカの市内まで行きたいです。どうやって行くのが良いですか?そして、手ごろな宿を見つけたいです。
すると
「電車がいいよ。降りる駅はカサ・ポートね。そして、駅にはたくさんのタクシーの客引きがいるけれど、それには乗ってはいけないよ。赤い表示のタクシーを探して乗ってね。そして、リーズナブルなホテルのあるところに行きたい、と伝えてね。」
サンキュー ・ベリーマッチ!
「僕はカサ・ポート駅の近くだから、もし旅に余裕があれば寄ってください。僕の名前はシモンと言います。ここに電話番号を書いておくね。」とまで言ってくれ、メモを渡してくれました。
ありがたいなぁ!
列が動き、私たちは、ロイヤル・エア・モロッコの機内に入り座席に座りました。機内は、子ども、特に赤ちゃん連れが多いのでした。
いよいよ飛行機が離陸しました。
ゴゴゴゴ~ッ!
うわ~、ギャ~!
飛行機が気流にかかりました。
ゆらゆら~!
すると大人も子どもも
わあ~!オオッ~!オンギャ~!
とその都度、激しく騒ぎ反応するのでした。
なんか、大人もうるさいんだね!
機内食は、チキンサンドイッチかベジタリアンサンドイッチかを聞かれました。左側のはスパイシーな豆ペーストが入っているエンパナーダ(パイ)でした。
モロッコは、宗教上の理由で食べられない肉があるのね。チキンは無難なのね~!
カサブランカの街が見えてきたね。やっぱり砂漠に近いのかな。緑が少ないね~。
飛行機は、着陸態勢に入りました。
ゴゴゴゴゴゴ~ッ!
無事、着陸しました。
イェ~イ!! オンギャ~!!
パチパチパチパチパチパチ~!!
大歓声と拍手喝采が起きました。その大騒ぎに、私たちも思わす笑ってしまい、手を叩いて参加しました。
まるでアトラクションの乗り物のような、愉快な2時間のフライトでした。
遂にモロッコ上陸~!
入国手続きの列に並びました。なかなか列が進まず、結局1時間半並んでいました。
そのあと、やっと荷物を受け取りました。
よかった!バックパック出て来たよ~。いつも、ドキドキしちゃうんだ。
モロッコの電車に驚いた!
次なる関門は、空港からカサブランカ市内に入り、今日の宿を探す事でした。
まずは、バルセロナ空港でモロッコ人のシモンから教わったように、電車の表示を見ながら進みました。
切符売り場を見つけ、カサ・ポート駅までの切符を買いました。
このホームに来た電車に乗ればよいと言われ、荷物を抱え待っていました。
電車が到着、ドアが開きました。
プシューッ!
すると…、
ビックリ!
開いたドアが荷物で埋まっていました。
荷物が多すぎて乗れないよ~!
この電車に乗るのよ、それっ!
こんなのいいのかな?踏んづけちゃうけど、ヒトの荷物...。
プシュッ~!
電車のドアが閉まりました。
みんな、虫みたいに荷物にしがみついた状態でしたが、電車が発車するとなんとなく足が床に着きました。少々変な恰好でしたが、なんとかやり過ごしていました。まわりの人々も、窮屈はお互い様!という感じで立つ位置を確保していました。
この電車の乗客は、全てモロッコの地元人でした。
ふと気づくと、ChaiとDenが潰れないようにと、電車のドアに手を突っ張って、さりげなく隙間を作ってくれているおじさんがいました。
そうだ!という顔をしたChaiが
モロッコで「ありがとう」は、なんて言いますか?
「ショコラン!」とニコニコして教えてくれました。
揺れる電車の中で押されると、潰されないように他のおじさんも、気にかけてくれました。その度に
ショコラン!
私たちの降りる駅になりました。いま荷物に貼り付くように乗っている、反対側のドアが開きました。
ひえっ、あっち側から降りるの⁉
ふうう~!やっと電車から解放された~。
モロッコの赤い文字の公式タクシー
カサ・ポート駅の改札を出ました。
すると、シモンの言うとおり、タクシーの客引きが私たちを取り囲みました。
Chai、Den!赤い表示のタクシーを探してっ!
あった、あそこ!
運転手のおじさんは親切そうでした。窓を叩いて、ドアを開いてもらいました。
おじさんは「ホテルのある繁華街まで40dh(380円)だ。」と言いました。
もう少し、ディスカウント~!プリーズ!!
「下げて下げて~のゼスチャー」をして見せました。
すると
「30dh(280円)でいいよ!」
と快くディスカウントしてくれました。
タクシーに乗り込むと、安堵感で
ふうう~!
私たちは、タクシーの運転手さんに、リーズナブルな価格のホテルがあるエリアをお願いしました。
タクシーのフロントガラスから眺める街の様子に目を見張りました。
人々、街並み 、建物….etc
遂にモロッコに来たわ!いったい何が待っているのかしら?ワクワクするけど、ちょっぴり怖い感じもするわ~!
「このあたりでどうだい?」
運転手さんは、車を歩道に寄せてくれました。ホテルが軒を並べていました。
私たちが降りると、バックパックを下ろすのを手伝ってくれました。
ショコラン!
カサブランカのホテル探し
タクシーから降りて、バックパックを背負い歩き出しました。
目に入ったホテルの看板を見て、レセプションに向かいました。
私たち3人です。一部屋いくらですか?
「一泊 500dh(ディルハム)です。」
と言われました。
うーん、日本円で4500円か~。モロッコはもっと安いはずだわ。他を探してみよう。
2つ目のホテルは、気さくなおじさんが
「一部屋 165dh(約1500円)だよ。」と言いました。
部屋を見てみました。
古い階段を上って行きました。部屋は3階にありました。
セミダブルとシングルのベッドがあり、部屋の中にシャワールームがありました。
お湯が出るかどうか、チェックさせてもらいました。
ちゃんと熱いお湯が出るよ。ここいいかも‼
そこは『TOURING HOTEL』といいました。
手ごろな値段と、感じの良いおじさんが決め手でした。
2泊お願いすることにしました。
うひゃひゃ!シャンプーで遊んじゃお!
そして、2段ベッドではない普通のベッドも、これまた嬉しいのでした。
モロッコの物価探索
荷物を置いて、カサブランカの街に出てみました。
まだまだ、日差しは強く日暮れには2、3時間ありました。
道すがらお菓子屋さんを見つけました。
暑いよ~。アイス食べたーい!
お菓子屋さんの冷蔵庫には、スペインの巡礼の時に食べていたハートのマーク、FRIGOのお気に入りのアイスクリームがありました。
ChaiとDenは、アイスの冷蔵庫からそれぞれ一本づつ手に取りました。店番のおじさんにお金を払いました。
おじさんは「ハイ、48dhね。(432円)」
といいました。
ええっ!高いわ、ホテル代だって一泊165dhなのに…。アイス2個がその三分の一の値段だなんて!。きっとボラれているわ!
身振り手振りで伝えたのですが、おじさんは
「このアイスはどこでも同じ値段だよ!」と言っているようでした。
そ、そうですか…。
スーパーマーケット無いかな。値段調べしたいね!
賛成~!
私たちは、スーパーマーケットを探して歩き出しました。
見つけたスーパーマーケットは、スイカがゴロンゴロンと売っていました。平たいパン10dh、ラスク10dh、チーズ20dh、マンゴー3dh、メロン5dh、バナナ一房2dh、オレンジ3個2dh、チップス25dh、ビスケット8dh、ドライフルーツ10dh、水6ℓ 6dh、コーラ2本 4dhを買いました。支払いは丁度100dh(900円)でした。
1dhが9円とすると…、うーん安~い!
路地の屋台で、おじさんが変な果物?を売っていました。
気になって仕方ない私は、買ってみました。
おじさんは「サボテンだよ!2つで1dh。」と言いました。
こんな形をしていました。
ホテルへ戻り切ってみると、熟れた果肉が甘さの控えめなキウイフルーツのようでした。
みずみずしくて美味しいね、甘さが自然!
タネを全く気にしないでザクザク食べる私に
Denはいらない。ママは、何でも食べれるね!
モロッコ料理食堂で旅に思い巡らす
昨日は地中海のメノルカ島に居ました。地中海を船で移動しました。
昨夜はバルセロナで宿を探し、3軒目でチェックイン出来ました。
今朝はスペインのバルセロナの街からバックパックとギターを背負い午前6時半のバスに乗り、バルセロナ空港へ移動。
そこから飛行機でモロッコに上陸、荷物満載のローカル電車でカサブランカに移動。
客引きをよけて赤い表示のタクシーで市内へ。
カサブランカでホテルを探しチェックイン。ベッドに落ち着いたのは午後7時でした。
その後、スーパーマーケットで食料、日用品のの物価を調査…。
とまあ、昨日と今日は分刻みの忙しさと緊張の連続でした。
あ~、お腹すいたぁ!晩ご飯食べにいきた~い!
ホテルの向かいの通りにアーケードがありました。そこにレストランや食堂がいくつも並んでいました。
どこがいいか行って戻って、しげしげと見てまわりました。
鳥を丸ごとグリルしている食堂を見つけました。
1羽の4分の1で20dh(約180円)でした。チキンの他、オリーブのタレ、パン、ポテト、米が無料で付いてきました。
私は、隣の店でミックスシーフードフライをたのみました。67dh(約600円)でした。これには、パンや、ポテトは付いてきませんでした。ちょっとお得感がないけれど…。
揚げたてにライムをギューッ!と搾りました。
う~ん美味しい~!あらら、Chaiはあんまり食べてないね。どうしたの?
昨日から今まで、移動移動で目が回りそうに忙しくて、大変過ぎて考える暇がなかったけれど、こうやってモロッコにたどり着いて落ち着いてみると、ホセやピノやみんなが、どんなに有難かったか、思い出されて泣けてくる…。
Chaiは、今までの旅に思いを巡らせていたのでした。移動の時の緊張(はぐれないか、乗り遅れないか、スリに遭わないか、物を落とさないか‥。)の連続のあと、食堂でホッとした瞬間、今までどれほど守られて旅をしていたのかを、しみじみと感じていたのでした。
ああ、そうだったの…。ホントにね。ママも同じ思いだわ。これからは私たちだけになったね。カミーノみたいな道標もないわ。ここからがまた形が違った旅ね。自分の目で見て、耳を澄まして、感じながら決断していく旅になるわね。いいことも悪いことも、全部が自分の選択なのよね。私たちの手作りの旅ね!
3人は、今まで出会った人々のことや、助けられた沢山のエピソードを、話しながら食卓を囲みました。
食べ終わりお店を出ようとすると、食堂の主人が
「チキンとパン、ポテトの食べ残しを持って帰りな~。」と袋をくれました。
ショコラン!
カサブランカ街探索
翌日は、カサブランカの街を自由気ままに探索しました。
何と言ってもアラビア語の文字看板が、面白いのでした。
これは、写真の現像、コピー、ファックスを送ってくれるお店の看板でした。
あ、アルベルゲの文字がある!
たいてい、アラビア語、英語、スペイン語、フランス語で書いてあるね。
アラビア語の文字なのか模様なのか、わかんないよ~。
お土産屋さんには、民族風のビーズのアクセサリーがいっぱい。
カフェのコーラの文字が、これまた不思議な気持ちにさせられました。
『タイタンの妖女』日本語の本発見!
ツーリングホテルのロビーに、本や雑誌が置いてありました。それは、世界中の旅人が置いていった様々な国の雑多な本でした。その中に、一冊だけ日本語の本がありました。その本は
『タイタンの妖女』 早川書房
カート・ヴィネガット・ジュニア 著/ 朝倉 久志 訳 でした。
主人公が火星、水星、タイタン、そして地球へと、運命に翻弄されていく不思議な世界を描いたSF小説でした。
Chaiは、日本語が恋しくなったようで、手に取ると夢中で読み始めました。
その後、Denまでも読み出し、二人でその摩訶不思議な世界について語り合っていました。
今まで、サンティアゴ巡礼の日々では、毎日歩くという仕事がありました。そのあとメノルカ島に住む巡礼仲間のホセの家では、毎日がイベントのような賑やかな日々を送りました。
このモロッコへ来て、私たちはついに自分たちの旅を始めるのでした。
ここ、カサブランカでは特にすることも決まっていませんでした。移動時の煩雑さはあったものの、滞在後のゆったりと流れる時間は旅そのものでした。
日本では勉強や部活、ゲームが優先してしまって、きょうだいでこんな風に小説を読むこともないわね。歳も4歳違いだし。なんかいいわね~。
モロッコを発つとき、ホテルのおじさんは『タイタンの妖女』が私たちの忘れ物だと思い、玄関まで追って渡してくれました。私は、このホテルの思い出だな…、と思い、受け取って持ち帰ることにしました。
ショコラン!
モロッコでサンティアゴ巡礼仲間に出会う
カサブランカの街で交差点を渡ったとき、日本人の男の人とすれ違いました。その時Chaiが、声を上げました。
あっ!あの人の帽子見て!ホタテマーク発見!!
ChaiとDenも同じものを帽子に付けていました。
あの~、カミーノを歩いたのですか⁈
「おお!君たちも行ったんだね!! そこのカフェでお茶でも飲みましょうか。」
その人はGOさん。自然や生き物のカメラマンでした。GOさんは、ケガで1年間歩くことが出来ませんでした。それで、歩けるようになったら、サンティアゴ巡礼の道を歩いてみようと思ったのだそうです。
モロッコの名物料理
近くのカフェでコーヒーをお願いしようと思ったのですが、GOさんは
「モロッコではミントティがポピュラーなんだよ。」と教えてくれました。
私たちは、初めてミントティをたのんでみました。
それは、ポットに熱々の状態で出て来ました。
暑い国なのに…、ちょっと意外でした。
そして、熱いお茶なのにガラスのコップというのも意外でした。
さらに飲んでみて
うひゃっ!すっごく甘いよ~!
わ、こんな甘いお茶、無いわ~。
「はじめは甘すぎると思うのだけどね、暑さで消耗すると案外この甘さが、美味しく感じてくるのだよ。」と言うのでした。
その時は、こんなに甘いお茶、好きになれるかな?と思ったのですが、モロッコに滞在するうちに、どこに行っても出される、この緑茶をミントで爽やかにしたような芳香と濃厚な甘さが、クセになってくるのでした。
「モロッコに来て、タジンは食べたかい?」とGOさんが言いました。
まだです。食べてみたいナ~!
私たちは、チキンのタジンをたのんでみました。量が多いようなので、3人で一つにしました。47dh(約400円)でした。
おいし~い!
サービスいいのね!でも、パンだけで十分、食べきれないわ~!
ところが、会計の時に、一人8dhのポテト代がいつの間にか計上されていました。
あら~、勝手に付けられてしまったわ。注文が来たら、常に確認しないといけないね。
サハラ砂漠の行き方を教えてもらう
ミントティやタジンを食べながら、私たちとGOさんは、それぞれのカミーノのこと、日本のこと、モロッコのこと…、ずっとおしゃべりをし続けていました。そしてGOさんは言いました。
「モロッコに来たのなら、サハラ砂漠に行くといいよ。いや、絶対行ったほうがいい!! ラクダに乗って、砂漠のテントに泊まるのだよ。」
ラクダに乗るの?行きた~い!
そうですか!サハラ砂漠へ行くには、どこでどうやって申し込んだらいいのですか?
明日、マラケシュに移動しようよ!
私たちは、モロッコでサハラ砂漠をラクダで行くコースがあるなんて、全く知りませんでした。巡礼仲間のGOさんが教えてくれて旅が動くことになりました。
カフェを出ました。
「じゃあね、サハラ砂漠、楽しんでね。ブエン・カミーノ!」とGOさん。
ナイスな情報、ありがとうございました!ブエン・カミーノ!!
ブエン・カミーノ!!
モロッコの親切なお土産屋さん
そのあと、お土産屋さんに寄りました。Denは、木で作られたからくり箱に釘付けになってしまいました。
お店のおじさんが、箱の表面の板をずらし、逆さや横に動かすと、箱が開くのでした。
「ほらね。開いたよ。」と英語で言ってくれました。
Denがいくら同じようにやっても、箱はどうしても開かないのでした。
ああ~ん、何でだ~!もう一回!!
そうしている間に、1時間が経っていました。お店のおじさんは、私たちに熱いミントティを入れてくれました。
そしてタネ明かしをしてくれました。箱の動かし方によって、中のひっかかりが動くのでした。
面白ーい!Denはこれ、お土産に買いたい!
こんなに長くお店に居て、お茶まで出してもらって、、。買わない訳にわいかないわ~。
何より、Denが気に入って嬉しそうに手にしているのが一番!でした。箱は、150dh(1350円)でした。多分、もっと安いと思ったのですが、おじさんが親切なので、あまり値切らないでおきました。
お店を出ました。明日のマラケシュ移動のために、バスステーションを確認しておきたいと思いました。
そうだ、おじさんに聞いてみよう。
マラケシュ行きのバスステーションは、どこですか?
すると、おじさんは「こっちこっち~!」と
お店をカラにして(いいのかな?)、バスステーションまで道案内をしてくれました。
5分ぐらい歩いたところに、カサブランカのバスステーションがありました。
ショコラン!!
私たちは、ホテルへ戻りました。
ホテルの窓から、通りを眺めました。
アラビア文字の看板に、ライトが点きました。
日が落ちると、あたりは速やかに暗くなりました。
ホテルの部屋で、私たちは明日のマラケシュ行きに向けて、せっせと荷造りをするのでした。
合言葉は
サハラ砂漠!
ラクダトレッキング!