世界遺産サンティアゴ巡礼・カミーノ・スペイン巡礼って何?

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「サンティアゴ巡礼」「スペイン巡礼」または「カミーノ」
「サンティアゴ巡礼」は、別称「スペイン巡礼」「カミーノ」とも呼ばれています。
実際にスペインを歩いている時に耳にした、世界中から来た人々の呼び方は「カミーノ」でした。
スペイン語で「道」という意味です。
この道の目指すゴールは、サンティアゴ・デ・コンポステラ(星の野原)の地にそびえ立つ
サンティアゴ大聖堂です。ここはエルサレム、ローマと並ぶキリスト教の三大聖地のうちの一つです。
巡礼の目指すゴール、サンティアゴ大聖堂
サンティアゴ巡礼・カミーノの歴史
なぜ、スペインの地に、このサンティアゴ大聖堂が建てられたのでしょうか。
道の途中に多くのヤコブ像 がみられます。それは何故なのでしょうか。
それらの元となるカミーノの歴史を、ざっくりとですが、紹介していきます。
『最後の晩餐』:レオナルド・ダ・ヴィンチ作
イエスには12人の使徒がいました。ヤコブはキリストの右側で緑の服を着た長髪の人物です。
ヤコブは、イエス亡き後、スペインを拠点としたキリスト教の布教活動を懸命に続けていました。
しかし、それが思うように運ばす、いったんエルサレムに戻りました。しかし、そこで命を落としてしまいます。
ヤコブの弟子たちは、ヤコブの遺骸を舟に乗せ、風の向くままに任せたところ、スペインのガリシア地
方の海岸に流れ着きました。
しかし、その後ヤコブの遺骸は行方がわからなくなってしまいました。
それから7世紀ほどが過ぎた813年、スペインのサンティアゴに住む羊飼いが、星の光の導きで、ヤコブの埋葬されたところを発見しました。
それを当時の国王アルフォンソ2世が重く受け止め、その地に教会を建てました。
それがサンティアゴ大聖堂です。
歩く道すがら、様々なヤコブ像を見ることができます。
その後、ヨーロッパ各地からサンティアゴ大聖堂へ、カトリック信者たちが集まるようになりました。
キリスト教の国々の王たちは、道の整備、巡礼者の保護に努め、カトリックの巡礼を奨励していきました。それは当時、競り合っていたイスラム勢力への対抗策でもありました。
巡礼者の行く先々の町には、教会や修道院が次々と建てられていきました。それらの建築物は、その時代、その地方の美術様式が反映しています。
実際に歩きながら目にする教会は『屋外の建築博物館』と言えるほど、バラエティに富んでいました。
このカトリック巡礼の道はスペイン国内のみならず、ヨーロッパの各地からサンティアゴ大聖堂を中心とした蜘蛛の巣状に、道が繋がっています。
1993年に巡礼として世界遺産に登録されました。いまでは世界中の人々がこの道を歩きに来ています。
さらに詳しく知りたい方ははサンチャゴ巡礼友の会の情報を参考にすると良いと思います。
サンティアゴ巡礼・カミーノ『フランスからの道』
サンティアゴ巡礼・カミーノの中で、一番ポピュラーな巡礼路は『フランスからの道』です。
フランスの国境の町、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから出発し、ピレネー山脈を越え、スペインに入ります。
サンティアゴ大聖堂まで約800kmの距離があります。
歩き終わるとサンティアゴ・デ・コンポステラの街の巡礼事務所で、確かにカミーノを歩いたという巡礼証明書を手にすることが出来ます。ここでカミーノは終了です。
さらにヤコブの軌跡を辿るのであれば、大西洋まで道は続きます。
大西洋フィステラの街まであと約100㎞です。
ここでも巡礼証明書が発行されます。このフィステラの海に夕日が沈むのを見届けると、カミーノが終了です。
さらに約30㎞行った先のムシアの町の海岸は、さらなる巡礼の最終地と言われています。ここでも、また巡礼証明書が発行されます。
誰でも歩けるサンティアゴ巡礼・カミーノの道
この道は、カトリックでなくても、どの国の人でも、大人でも子どもでも、何歳でも
つまりは誰でも歩くことができます。
道すがら15カ国ぐらいの人と出会いました。
実際に歩いていて出会った最高齢と最年少は
カナダ人のおばあちゃん78歳。その孫娘8歳でした。おばあちゃん、娘、孫の親子三代で歩いていました。
カミーノは人だけでなく、自転車、バイク、馬で行く人もいました。犬を連れて歩いている人も、何人か見かけました。
私も自分の家で待つ犬と、いつか来たい!と思い、実際に歩いている人に聞いてみました。
すると「宿を探すのがとても大変!」とのことでした。犬がOKな宿は限られていて、時には値段の高いホステルの個室や、キャンプ、又は野宿‼︎ することもあるとのことでした。
犬と歩いているおじいさんは、荷物をロバに持たせています。上級者‼︎
ちなみに、世界遺産の巡礼路は、スペインのサンティアゴ巡礼と日本の熊野古道の2つのみです。
外国人に「オオ、ジャパニーズ! Kumano Kumano~!(クマノ、クマノ~)」と声を掛けられ
「カミーノ、カミーノ~!」と言っているのと勘違いし、ずっと会話がちぐはぐになっていたことがありました。
カミーノの日々と生活は、1日ごとの記事で紹介していきます。