サンティアゴ巡礼を目指し日本出発!学校は3ヵ月お休みする事に
2010年4/13(火)学校は3カ月休む、空港へお姉ちゃん見送り!
いよいよ、サンティアゴ巡礼へ出発の日が来ました。
慣れないバックパックを背負った弟と妹を、上のお姉ちゃんが駅まで見送りをしてくれました。
行ってらっしゃい! 私はお留守番してるからね。
お姉ちゃんと3ヵ月も会えないなんて…、寂しいな。パパも犬のプちゃんも寂しがるだろうな…。
これでメールを使い、犬のプちゃんの様子などが聞けそうです。
やった~!学校休み〜。でも算数と漢字のドリル、持っていくんだって~(๑˃̵ᴗ˂̵)。でも、巡礼って何それ?
お姉ちゃん、お父さんとワンコ、よろしくお願いしますね~! オッケー! まかせて。楽しんで来てね!
2010年4月、中学3年生のChaiと小学5年生のDen、そして母Kumi3は空港へ向かいました。
学校を休むいきさつは、こちらに詳しく書いてあります。
サンティアゴ巡礼の靴選び
巡礼の靴選びは、とても大切です。
私は散々迷った末、いつも履いている靴でサンティアゴ巡礼に行くことにしました。
子どもたちも、同様でした。
私の家にあった山用の靴は、かなり重く 本当にこんな重い靴で、長い距離を歩けるのかしら…。
出発の前日まで、どの靴を履いていくか迷っていました。
靴ずれが怖いし、子どもたちと同じでいいかな…。
左は私の靴、真ん中がChai、右がDenのものでした。
3人とも、普段履きのスニーカーで行くことにしました。
履き慣れているので、靴ずれも出来ず、サンティアゴ巡礼の道で、なかなか調子が良かったのでした。
歩き出して、700㎞ぐらいまでは…。
先に結論を言うと、この靴でカミーノの全行程の歩きは、厳しかったのでした…。
荷物が重く、石ゴロゴロの道、山道、アスファルトの道等で、靴底が思ったよりも早く擦り減り、ついには穴が開いてしまったのでした。
まわりの巡礼者たちは、重いがっちりした山靴の人もいれば、かかとがある皮のサンダルで歩いている人もいました。
後から感じたのは、重量の軽いトレッキングシューズがベストだった~という事でした。
山歩きもOK、街歩きもOKといった靴です。
パリから巡礼事務所へと向かう
私たちは、フランスのパリにある、シャルル・ド・ゴール空港へ到着しました。
どんな旅になるのかな…。
歩く道はスペインですが、サンティアゴ巡礼のスタート地点は、フランスのピレネー山脈の中腹にあるサン・ジャン・ピエ・ド・ポー町からでした。そこに巡礼を始める手続きをする巡礼事務所がありました。
そこへ、パリから電車とバスで移動するのでした。
シャルル・ド・ゴール空港の壁画が、お出迎えをしてくれました。
ここはパリ!ほら、言葉がフランス語〜!
パリ上陸の後は、ウキウキした高揚感がしばらく続きました。
パリ!パリ〜! パリ〜♪
空港ロビーのポスターもフランス語でした。(当たり前だよ~)
わあ、なんだかおしゃれだね!
空港を出てから行動しやすいようにトイレに行っておこうね!
は~い!
時間は19時でした。23時30分発の夜行電車に乗り、翌午前中には、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー駅に着く予定でした。
聖地サンティアゴ巡礼ガイドブックが無い⁉
さあ、こっちよ~!
ロビーを、電車のマークを探して、歩き出しました。
さて、地下鉄に乗り換えなくては…、
とパリ路線図をガイドブックで見ようと思ったとき、気が付きました。
あれれ?無いっ!あっ、空港のトイレに、メモとガイドブックが入った手さげ袋を置いてきてしまったわ〜‼︎
ええ~っ!
どうしよう。あれがないと、サンティアゴ巡礼のことがさっぱりわからないわ! 子ども連れだっていうのに〜っ!こ、これはまずいわ…。
因みに、その本はこれでした。↓↓↓
『 聖地サンティアゴ巡礼 世界遺産を歩く旅』 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会、メイン執筆・写真提供は森岡朋子さんという方の本でした。
どうしよう…。
もう私たちは、空港のゲートを出て来てしまいました。
そして、今日はこのあと、電車に乗って移動という外せないスケジュールがありました。
あの本がないと、サンティアゴ巡礼の巡礼事務所、巡礼の始め方、土地名や教会、宿、他あれこれがさっぱりわからないのでした。
しかし、今夜の電車を逃すわけにはいかない のでした。 う~ん…、困ったわ。
悩んだ末、取り戻す努力はしないことにしました。今夜の電車に無事に乗れるかどうか、それが確認できた時点で、ガイドブックのことを考えようと思いました。
とにかく、パリのから、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー駅にたどり着けば何とかなるわ!
フランスのストライキは本気!
とにかく情報を仕入れなくては!と
空港から鉄道マークを見ながら移動しました。
すると、インフォメーションカウンターを見つけました。
受付は黒人のお姉さんでした。英語がOKでした。
私は英語の単語を並べ、身振り手振りで伝えました。
とにかく「モンパルナス」「バイヨンヌ」
「サンジャンピエドポー」「カミーノ」
「ピルグリム(巡礼)」を連呼してみたのでした。
実際はこう言いたかったのでした。
「私たちは、パリのモンパルナス駅から23:10分発のバイヨンヌ駅へ行き電車に乗りたいです。そして、サン・ジャン・ピエ・ド・ポー駅に行きたいです。」
それぐらいの駅名は暗記していました。
しかしお姉さんは、首を振って
「ノー、ノー」(無い無い)
のゼスチャーばかりでした。
私たちは、ガイドブックもないので具体的に「これ👉」と地図を指し示すことも出来ませんでした。
発音が悪いせいかしら…。全く伝わっていないようだわ。
その電車に、今夜乗りたいと思っていました。
どうやって発着駅にいくのか、わかりませんでした。
ノ~ノ~ってばかり…。どうしてわかってくれないのおぉ〜。
すると…、
お姉さんのほうも
「どうしてわかってくれないのぉ〜?」
モードに入っていました。
すると、紙に書いてくれました。
なになに?
「Strike」
「今日は ストライキ!
だから全ての電車が、止まっているの。」
ということでした。
ええ~!全部の電車が止まってるなんて!そんなことがあるの~⁉
「それでは、明朝発の電車を予約してあげるわ。」と
07:40モンパルナス駅発→ 11:10 ボルドー駅着
12:19ボルドー駅発→ 14:30バイヨンヌ駅着
15:09バイヨンヌ駅発→ 16:30 サンジャンピエドポー駅着
というスケジュールのチケットを3人分、取ってくれました。
お姉さんは
「今晩、泊まる所はあるの?」
と宿の心配までしてくれました。私たちは、夜行電車に乗る予定でした。
無いのです。探してほしいです。
「歩いて行ける所で、お値段が高くない所がいいでしょ。」と気を利かせてくれました。
一番近い ibisホテル というところを予約してくれました。道順を教えてくれた上、明日の乗り換えの案内までしてくれました。
お姉さんは、何度も聞き返す私のつたない英語に、根気よく付き合ってくれたのでした。
お礼の言葉は何語?
手続きが終わりました。 ありがとうございました!
サンキュー ベリーマッチ! サンキュー ベリーマッチ!
歩き出しながら、ChaiとDenが口をそろえて言いました。
ママさ、変だよ。日本語で言ってもわからないのにさ!
大丈夫よっ。アリガトウは伝わるのっ!自分の国の言葉のほうが、心が込められそうだったから言ったのよ!
と言い張りました。
とっさにサンキュー ベリーマッチが、出てこなかっただけなのですが…。
ibisホテルでほっこり
お姉さんが、ホテルを手配してくれて本当に助かりました。
ibisホテルは、歩いてすぐの所でした。
そこにたどり着いたのは、フランス時間の20時半、日本では夜中の3時半でした。
もう、緊張の連続と長時間の飛行機の疲れ、さらにあらゆる心労で私たちはヨロヨロになっていました。
カウンターで私たちが戸惑っていると、見た感じ思いっきりフランス人のフロントスタッフのイケメンお兄さんが、流暢な日本語で話し掛けてくれました。
「コンバンワ!疲れたでしょう。」
わあ、日本語上手ですね!
この意外性に、私も子どもたちも嬉しい驚きと安堵感で、疲れていることも忘れ、思いっきり笑顔になりました。
しかし、チェックインをしている最中に、Denが立ったまま、ガクッガクッと膝が折れていました…。
ねむい~。ふふぁあ~。
チェックインの手続きが終わり、無事ベッドへたどり着くことができました。
みんな疲れと眠さで、クタクタでした。
ベッドは清潔で広々としていて、お布団はフカフカでした。
私も眠かったのですが、出発からここにたどり着くまでを日誌に書きとめました。
ああ、ガイドブックを失ったのは痛いけれど、なんとか無事に前に進んでいるわ~。ふ~う。
さて、明日は5時起きです。
いよいよ、サンティアゴ巡礼の日々が始まります。
おやすみなさい。