サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

23/60スペイン巡礼を逆コースで歩く人・日常的な親子ケンカ

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508見ざる言わざる聞かざる
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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5/8(土)→オンタナス:サヨナラは無し! 10.6㎞/€25  時計台近くの宿@€5×2 

 

先に朝食を済ませたセルジュが、体育館にやって来ました。
 
「先に出発するよ。」と伝えに来てくれたのです。 
 
Denは起こしても起こしても寝袋をかぶってしまうので、そのままにして、Chaiと私は体育館の外へ見送りに出ました。

それじゃ、ここでサヨナラだね。

Kumi3

セルジュは「いや、必ずまた会えるから、サヨナラは無しにしておこう!」と言いました。

うん、そうだよね!

Chai

 
私たちはハグをしてお互いに声を掛け合いました。
「ブエン・カミーノ!」
 
セルジュはバックパックを背負い、歩き出しました。
 
私たちは、体育館へ戻りました。
Denを起こしベッドを畳み、倉庫の中へと片付けました。
 
 
508オンタナス朝食
それからダイニングで朝食をとりました。
 
 
8時半、私たちも歩き出しました。
 
508オンタナス笑顔で巡礼出発
セルジュが、出発前に巡礼仲間として、わざわざ声を掛けてくれたことが嬉しくて、私とChaiは足取りも軽く歩き出しました。
 
 

カミーノを逆行する人

 

昨夜の雨は上がっていますが、道は泥でグチャグチャでした。

 
508オンタナス田舎道1.2
しばらく田舎道が続きました。
 

あれ?向こうから道を逆に歩いて来る人がいるよ⁈

Den

そんな人は滅多にいないので、ことさら注意を引きました。
 
カミーノを逆方向へ歩いていると、
必ず
「いったいどうしたの?」と聞かれます。
「何か忘れ物したの?」
「歩いて戻るつもり?」などなど。

その人がだんだんと近くなってきました。

あれっ?3人はビックリしました。
 
おとといブルゴスで別れたリアでした。
こんな田舎道で再会するとは!
しかも逆戻りしてるなんて!
 

リア!どうしたの?

Kumi3

リアは言いました。
 
「途中で足が痛くなってどうにもならないの。
舗装路に出てブルゴスまでヒッチハイクするわ。
それからバスでレオンの街まで行くつもり。
レオンの大聖堂を見て、スケッチをしながらゆっくり過ごそうと思うの。
巡礼は…もう難しいのよ…。と言いました。
 
確かに…。
足を引きずって辛そうでした。
 

そうなの…、本当に残念だけど、また顔が見れて嬉しいよ!

Kumi3

 
508オンタナス、襟巻き
「これ、Denに!」リアはDenの首に、
かわいいワンコがついたブルーの襟巻きをしてくれました。
 
きっとリアは、カミーノを逆に歩けば、私たちに必ず出会うだろうと予想していたのでした。
 
私たちはハグをして2度目のお別れをしました。
 

リア、サンキュー!

Den

 
 

Chaiと私のバトル

 
 
リアと別れ、歩き出すと、Chaiが私に向かい言いました。

リアと話した時や、他の外国人と話すとき、ママの英語文法がめちゃくちゃ。ゼスチャーもすごく変だよ。ちょと恥ずかしくなるよ…。

Chai

ええっ~?

Kumi3

がっくり…。

ショックでした。
 
私だって変なのは十分に知ってるわよ!
なんとかして20%しか伝わらない言葉の意味を、必死に30%、50%〜に上げようとして身振り手振りのジェスチャーを加えているというのに。
 
私は英語がダメなのはわかっているけれど、、、
必要な情報を聞き出すために…
 
みんなのために、なりふり構わずやってるっていうのに~っ!
 

それなら、自分から話すことをしてよ。私はみんなの為に骨を折ってやっているのに。黙っていて、失敗しない立場にいて、そんなことを言うのって無いでしょっ!

Kumi3

もういいよっ!

Chai

Chaiは怒って口を聞かなくなりました。
 

そんな風に横で見られていたのか…。もう、外国人と話すことをやめようかな。

Kumi3

と思いました。
 
  

DenとChaiのバトル

 

それから少し歩いたところで、休憩にしました。

道端の草の上にバックパックを置き、座りました。

508Diaチョコサンド、カミーノ

Diaスーパーマーケットのチョコサンドビスケット

これは3パックで€1、リーズナブルなうえ最高に美味しい!と、みんなのお気に入りでした。わーいわーいと包み紙を開き、食べようとしたその時…、

Chaiが、Denのリュックを倒してしまいました。

雨でぬかるんだ道に、Denのバックパックは倒れてしまいが付いてしまいました。
 

あ、Den、ごめんね!

Chai

Chaiはすぐに謝りましたが、Denはに怒りました。
 

ああっ!汚れちゃったじゃん、もおおー、許さないからっ!

Den

大好物のチョコビスケットにも手をつけませんでした。
 
私とChaiは、ポケットやバックパックからティッシュをかき集め、泥を拭いました。
 
そんなこんなで、気持ちが安らぐこともなく、早々に休憩を終え歩き出しました。
 
Denはダンダンダンッ怒った足どりでした。
 
私は、追いつき

ねぇ、わざとじゃないんだから。事故なんだからさ。Chaiは謝ったのだし、一緒に泥を拭いて終わりでいいじゃない。Den!アンタ幼稚っぽいよ。いつまでもその態度!

Kumi3

ふんっ!

Den

Denは全く聞く耳を持たなくなってしまいました。
 
 

それぞれが怒って歩くカミーノ

 

Chaiはをきかずものすごい早足で歩きました。

その中間をDenは貸さず乱暴に歩いていました。
 
そして足取りの重い私が続きました…。
こんな景色、たくない…せっかくのカミーノで…。
 
 
508オンタナス、バラバラに巡礼1.2
どんどん3人は離れていきました。
 
それぞれがささくれた心でカミーノを歩いているのでした。
 
私たちは、母と子どもでスペインの大地を歩くという滅多にできない貴重な経験をしている!という特別な心の持ちようがありました。
 
しかし、人の中身が入れ変わった訳ではありません。
 
日本での狭い家の中と同じようなささいなもめ事が、日々繰り返し起るのでした。

あ~、こんなやりとりは、もうたくさんっ!

Kumi3

この先、この「マイナスの感情」少しでも減らすにはどうしたらいいんだろう。
 
絆創膏か、それとも何か部品を足すか取るか…、
出来る工夫はないのだろうか。
 
いじけて歩く2人の背中を見て

せっかくのカミーノに来ているのに…。残念だよ、もったいないよ…。

Kumi3

せめて私だけでも景色を楽しもう…と思ったのですが

 
今日は、あいにくの、どんよりとした暗い空、淋しい景色でした。
 
見上げてもゼロ…。
プラスの感情が上がってきませんでした。
 
この日は、思うように距離を進めることができませんでした。みんなの気持ちがバラバラで、足もバックパックも、いつもより重く感じられました。
 
 
508オンタナス田舎町
 
10kmちょいの町まで歩くのが、やっとのことでした。
 
 

オンタナスの町は違う国のよう

 
 
オンタナスの町が見えてきました。
 
 
508オンタナス道の先に町
 
古く寂れた雰囲気でした。
オンタナスの町は、華やかなブルゴスの街から比べると、何百年か前の町のように感じられました。
 
 
508オンタナス町と教会
新しい町はワクワクするものなのですが、空の暗さも手伝って、いまひとつ興味が湧いてきませんでした。
 
晴れた日の余裕のある気持ちで来たなら、古いヨーロッパの田舎が見れて楽しめると思うのですが…。きょうのこの、下向きな気持ちでは…。
 
 
508オンタナス道の洗濯物
このあたり、人が住んでるのかな?洗濯物があるから住んでるのよね。
 
注意深くアルベルゲを見つけると、早々にチェックインしました。
3人は、口をききませんでした。
  
昼はパンサラミチーズオリーブ、ツナ缶、トマト。
夜は、またその残りを食べました。

曇り空でかなり冷えました。

水道の水が冷たいこと!それでも、下着は洗わないといけません。服の持ちものがギリギリでした。

3人は、黙々と自分の服を洗いました。
衣類を絞る手が悲鳴をあげました。一緒に絞れば少しは楽なのだけど、、。
 
やっと下着やシャツを干し、洗濯が終わりました。
 
 

おじさんの咳で寝そびれる

 

その日の夜は、ChaiとDenは、夜8時には寝袋に沈み込みました。

私は日誌を書き、夜10時ぐらいに寝袋に入りました。

ところが、上のベッドのおじさんの激しい痰がらみの咳で眠りそびれてしまいました。

ゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッ!
ゲホッ、ゲボッ、ガロン、ガロン、ガーッペッ!
 

あら~…この人風邪? 明日、歩けるのかしら…? 

Kumi3

 
508オンタナスアルベルゲベッド
 
 
 

子育ては1+1=2にならない

 
 

は~あ…考えちゃうな。

Kumi3

 
子どもたちの為になると思って、様々なことを当たり前と思ってやってきました。
 
それが
この頃「1+1=2」にならなくなってきたのでした。
 
やってくれてよかっよ!、うまくいった!、助かったありがとう!
となると思ったら大間違いでした。
 
いらないのに!、うるさいの!、見ないでよ!
来ないでいいよ!余計なことしないでよ!なのでした。
 
ほんの数年前まで
子どもたちが幼い頃は考えもしませんでした。
無我夢中で母親をすることができました。
 
もう、今まで通りには、やれなくなってきました。
子どもたちが、私を批判し始め、煙たがり始めているのでした。
つまりは、子どもたちが成長してきたということでした。
 
できるようでできないような
わかっているようでわかっていないような
大人のようで子どものような…。
 
 
508 子連れ海外 子ども大人 かえる カミーノ
しっぽが生えたオタマジャクシのカエルのようでした。
 
 
 

片目をつぶって任せてみる…か

 
 
子どもたちを取り巻くあれこれが目に入ってしまう、言わずには、また、やらずにはいられなくなってしまうのでした。
 
親だから、助けたり、正しく導いていかなくては!と思ってしまうのです。
 
けれど、その加減に大きな変化が必要な時がいつかは必ず来るのでした。
 

きっと今がその時なんだ。少しやり方を変えてみないといけないわ~。

Kumi3

 
例えば、このカミーノで外国人やオスピタレロに
「スーパーマーケットはどこですか?」とほぼ毎日のように聞いていました。
 

それを聞くときは、Chaiにお願いしてみようかな。

Kumi3

今まで「私が聞かなくちゃ!」腕まくりをし必死にコミュニケーションをとってきたのだけれど、、、
 
Chaiは、できるのよね。
 

私が、子どもたちの機会を奪っているのかもしれない…。

Kumi3

 
ひんぱんに起きるDenとChaiのバトルも、2人に任せておけばいいのだ。
追いかけてまで「アンタ、幼稚っぽいよ!」なんて言わなくてもいいんだね。
2人は、仲直りするか、ずっと険悪かは知れないけれど、2人で解決すればいいだけなんだ。
私が介入することで、Denの怒りの矢印は複雑化する。
そこには何もいいこと無いのでした。
 
人間関係もシンプルが一番よね…。
 
彼らを信じて任せてみよう!
 
気になるだろうな…。言いたくなるけど…。
たとえ結果がうまく運ばなかったとしても…だ。
 
そうしていかないと、ずっと煙たいままだ。
 

煙たいままの 煙たいママ…。

Kumi3


教会の鐘が鳴りました。2回、午前2時でした。
 

やだな~、眠れない…。

Kumi3

 
けれど、3回目の鐘は聞きそびれました。
 
よかった〜。
 
 
 
 
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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