8/60カミーノを犬と巡礼する人に出会う、それは犬の夢をみた日
4/23 (金)→プエンテ・ラ・レイナ / 朝の支度1時間 7.8km/ €24 公営芝生きれいな宿 @€4×3
気がついたら朝7時半、巡礼者としては遅い目覚めでした。
5時過ぎに起き、夜明けと共に出発する人も多くいるのでした。
朝の支度をしなければ…。
寝袋をたたみ、ベッドのパイプに干していた洗濯物を、リュックにしまいました。(全部湿っぽい…)
朝食にビスケットとりんごを食べ、ChaiとDenの足にクリーム塗り込みました。
それだけで1時間が過ぎてしまいました。 ああ~、出来るだけ早く出発したいのに…。仕方な~い。
2人が同じ犬の夢を見る
日本で犬を飼っています。
トイプードルのプちゃんです。家でお姉ちゃんとお父さんと、留守番をしていました。
明け方、夢を見ました。普段は、夢をほとんど覚えていない私ですが、久しぶりに鮮明に残っていたので、朝食の時にChaiとDenに話しました。
プちゃんの夢をみたよ。抱っこしようと思ったら、全身にトゲが生えてきて、抱っこ出来なかったの!
と言いました。するとDenが驚いた顔をして言いました。
Denもね、プちゃんの夢見たんだ!プちゃんにご飯をあげればあげるほど、赤ちゃんになっていくの。
へえ~、面白いね!2人が同じ夜に同時にプちゃんの夢をみるなんてね。
3人はプちゃんが恋しくなり、すっかり寂しくなってしまいました。
もしや何かあったのでは…?
と思い、アルベルゲのパソコンで家にメールを打ち、確認してみました。特に健康上の問題はなかったのですが、上のお姉ちゃん Raiによると
凶暴化してるよ。私のメガネを噛んで壊したのよ!
「ママとChaiとDenが居なくなって、寂しそうなんだよ。やけに甘えてくるんだよ。」とお父さんの談でした。 ああ、そうなのか…。
その気持ちを、トゲが生えたり、赤ちゃんになったりして、夢で私たちに寂しさを伝えて来たのかもしれません。
カミーノは、そんな不思議があってもおかしくない道でした。
犬に会いたいと願えば犬を引き寄せる…。
昨日の雨で道がドロドロ
アルベルゲを出ました。
昨日の雨で、道がドロドロでした。 今日は、歩くのを少しにしない?
距離として10km足らずのところに、大きな街があります。プエンティナレイナでした。足元が悪いので、今日はそこに泊まる予定にしました。キッチン付きのアルベルゲがあるようです。 また、インスタントラーメンが食べたいナ!
とアピールしてきました。こないだ久しぶりに食べたのが、よほど美味しかったのでしょう。
大きな街には大抵、メルカド(スーパーマーケット)があります。 買い出しもしたいね。インスタントラーメンが売っているかもしれないね!
しばらく田舎道が続きました。
途中、一面の菜の花畑が見えました。
春の花がいっぱいに咲いていました。 天気がよかったら、もっときれいに見えるのにね~!
あ、犬くん!待ってよ~っ!
途中に公園を発見!
わあ~い!
早く行こうよ〜。
だんだんと建物が増えてきました。
カミーノはその人に必要な時期に呼ばれる
道の途中、一緒になったカナダ人のお兄さんは、バケットの長いパンを、そのままペットボトルのように、リュックの横に刺して歩いていました。
あんなやり方もあるのか、、と感心していると、休憩で一緒になり、話しかけてきました。
「ヨーロッパの火山大噴火のために、飛行機が飛ばなくて、巡礼を諦めた人が何人もいるよ。」と言いました。
「きっとその人にとって、カミーノは時期じゃなかったんだね、、。」
とも言っていました。
後ろからパッカパッカという音が近づいてきました。
馬に乗ったおじさんが
「ブエン カミーノ‼︎」=(巡礼頑張れよー‼︎)
と声を掛け、さっそうと走り去りました。
スペインは野菜、果物が全て計り売り
プエンテラレイナまで8キロ弱でした。お昼前にはアルベルゲに着きました。
荷物を置き、町を探索しに歩き出しました。
メルカドを発見しましたが、Denの大好物のインスタントラーメンは、見つかりませんでした。
そしてスペインでは、肉も野菜も果物も
全て計り売りでした。
日本で、ひと山いくらで買い慣れている私には、まどろっこしい事この上ないのですが、ここのルールに慣れるしかないのでした。
けれど、いろんな果物を少しづつ食べたい時には、便利かもしれないと思いました。
今日は、りんご3つ、オレンジひとつ、サクランボ片手に山盛り、洋ナシひとつ、桃3つ、バナナ2本、アボガド1つを買いました。これで5ユーロ(650円)でお釣りがきました。
スペインにも、ガチャガチャがありました。一回1ユーロ(130円)
Den、ガチャガチャあったよ!やったら?
いいっ。これ子どもっぽいもん!
子どもだからって、何でもいいわけじゃないんだよっ!と言いたそうでした。
観光地ではない、普通の生活が感じられる風景がいいな~。
黄色くて丸い郵便ポスト、巡礼者は切手無し‼︎
家族や友達にハガキを出しました。
ポストは丸くて黄色でした。
驚いたことに
アルベルゲにある所定の絵ハガキを使うと (⇧これがそう。)
カミーノの道から投函したエアメールは
切手が要らないという事でした。
(無料で海外に届く)
裏の印字が、このようでした。(グーグル訳を付けてみました。)
本当に、切手無しで日本に届くのかしら?
※本当でした‼︎ 帰国後、家に出したハガキが届いていました。(2010年は聖年)
カミーノ聖年の粋な計らいということでした。
(聖年というのは、7月25日が日曜日に当たる年のことを言います。)
芝生の庭で遊ぶ
洗濯ものを干しに、アルベルゲの裏庭へ出ました。
芝生がイイ感じね!
木が4本づつ、2列に生えていました。
わあ、なんか、すごく身体が軽い!
背中に重たいリュック無しでいる感覚が、身体が浮き上がりそうなほど、身軽に感じました。
走れる走れる‼
3人で仮想敵と戦うべく、リレーをして遊びました。
木の枝をバトンにし、猛ダッシュをして渡します。一回り走ってきては
「リード、リーリー、ハイッ!」
とバトンを手渡し、バトンを受け取ると猛ダッシュ!
「ガンバレー!」と応援しました。
3人は、しばらくこんなリレー遊びを続けていました。普段は
こんな意味のない疲れること
を決してしないはずの大人の私も (生活で疲れているもので…)
「バトン、早く早く!」
と叫び、アンカーになった気持ちで全速力で走りました。
「ゴォォール!!」
3人とも疲れ、芝生にドテンと仰向けに寝転びました。
あ~、気持ちいい~!!
こんなに楽しそうに走るChaiを見たのも、久しぶりでした。
寝っ転がりながら、歩き始めて一週間、地面と気ごころが知れてきた感じがしました。
空に飛行機雲が、描かれていくのが見えました。
あ、へんな虫!
あら、ほんとだ~。
あれ、トッケーじゃない?ほらあそこ。
あ、いたいた!
3人は、まわりの虫や草花の見つけ合いをしました。
こんなささやかで何でもないやりとりが、日本では忘れられていました。
青空なんて、子どもたちと見たのはいつが最後だったっけ?なんだか忙しく過ごしていたんだなぁ…。
Koreaから来たパクお母さん
そうやってはしゃいでいる私たちを、Koreaから来たお母さん、パクさんがニコニコしながら見ていました。
パクさんは
「もう子どもたち3人が大学生になったから、子育て終了よ。それでカミーノに来たのよ。ああ、こんな頃が懐かしいわ。」と目を細めて言いました。
「この巡礼はね。スピリチュアルなエナジーを受け取る旅なのよ。あなた、子どもたちに素晴らしい経験を与えているわ。」と英語で言いました。
それから、アルベルゲの自動販売機でカフェラテ、子どもたちにはココアをごちそうしてくれました。
ChaiもDenも嬉しくて、英語で出来る限り話そうとしていました。
パクさんは、夕ご飯の時もピクルスとチーズのサンドイッチを分けてくれました。
わお!犬に会えた!その名も「ケニア」
夕方になると、アルベルゲに人が増えて来ました。一人のスペイン人のお兄さんが、ランドリーコーナーで洗濯機の空き待ちをしていました。すごくフレンドリーで、私と子どもたちに話し掛けて来ました。
私は、一生懸命に単語をつないだ英語で話していたのですが、彼は首をかしげChaiのほうにばかりに答えていました。
途中で、Chaiが私に言いました。 ママの言ってること、全然わかんないって。
え~ッ!そ、そうなの~?ガックリ…。
私は、いつも単語だけ並べてしまうのでした。英語力のある相手なら、想像して返してくれます。それで、コミュニケーションが取れている気になっていました。
このお兄さんはスペイン人で、英語はなんとか話せる、という感じでした。Chaiが中学校で習ったキチンとした文法で話すシンプルな英語が、とても分かりやすかったようでした。
私は淋しい気持ち….、そして一気に、
このお兄さんの
「好感度がゼロ!」
になり、その場を離れました。
DenとChaiは、お兄さんの話を聞きながら、嬉しそうにぴょんぴょんしているのが見えました。
私は、どんよりした気持ちであさっての方を向いて、別なことをし始めました。
まあね、そりゃ分かってますよ。自分でも….。
しばらくすると、Denが、興奮しながら走って来ました。
ママ~!ねっ、お兄さんね、イニゴっていうんだ。イニゴすごいよ。犬と巡礼してるんだって。洗濯が終わったら見せてくれるって‼︎
ああ、なるほど。
Denのぴょんぴょんの意味がわかりました。
イニゴのあとに付いて、アルベルゲの横に行きました。
そこに、大きな茶色の犬がいました。
見た瞬間…
賢い犬!
というのが、伝わってきました。
落ち着いた瞳、決して吠えない、触られてもじっとして、子どもたちを見守るような余裕さえありました。
一気に、飼い主イニゴの
「好感度、超アップ⇈」でした。
犬の名前は「ケニア」と言いました。 ケニアはね、生まれつき、片耳が折れているんだって。おばあちゃん犬なんだって。
わ~い、ケニアと同じ格好するんだ!
もうChaiもDenも嬉しくて、ずっとケニアの側で過ごしました。
今日、夢に家の犬、プちゃんが出てきて、とても寂しくなっていたところに、こんなやさしい犬、ケニアが現れるなんて‼
これ、カミーノのミラクル!だね!
カミーノは食べ物の好き嫌いなし!
メルカドでインスタントラーメンは買えませんでしたが、代わりにピザを買いました。オーブントースターはありません。
フライパンに蓋をして温め、チーズが溶ければOKです。
あとは、豆の缶詰めを使ってスープを作りました。ChaiとDenは普通にパクパクと食べていました。
私は、内心ニヤニヤしました。日本では好き嫌いを言って豆はヤダー!と文句を言う二人。ここでは、そんなことも忘れ、美味しそうに食べていました。
こんな小さなことも、カミーノのミラクルだなぁ!と感じました。
Denは寝る前に、今日の分の計算ドリルを始めました。
けれど、気持ちはケニア…。
なかなかページが進みません。
明日もケニアに会えるかなぁ…。
うん、ここに泊まっているからね。
ね、今、ちょっと見てきてもいい?
明日、きっと会えるから!早く終わらせて ٩(๑`^´๑)۶ もう遅いよ。早く寝ないとね!