46/60サンティアゴ巡礼サリアからの100㎞を歩かない仲間・バラの奇跡

目次・Contents
5/31(月)→バルバデロ 整腸剤を飲む 7.2㎞/€45 公営何もない草っぱらの宿 @€5×3
私は朝からお腹の調子が変でした。胃がグルグルしていました。どうしてかなぁ…。
泊まった個室の水道の水が濁っていました。もちろん、飲まなかったのですが、シャワーを浴びた時に口をすすいだ覚えがありました….。
持ってきた整腸剤を飲みました。
アラン先生のヨガ教室に参加しました。ドイツ人のお姉さんも飛び入りしました。
カラダを伸ばして腹式呼吸、気持ちいいね~!Chai
遅い出発
朝食を取り、なんだかんだで出発は9時になりました。
相当、出遅れてしまいました。
しかも、道すがらミントの葉を採りながら歩きました。
うひゃあ、牧場のニオイがするね。
Den
魔女みたいな木が見送ってくれました。ほら、もう少しだわよ!
Den、ニオイ大丈夫?
Chai
うん!いい方法見つけたから。
Den
牛の匂いがする道で、Denはミントの葉で鼻栓をする大工夫!!
ナイス・アイデア!
Kumi3
カタツムリもびっくりして暴走~ッ!
サリア教会の前でチーズランチ
サリアの町に着いたのが11時でした。
柵はホタテのデザインなんだね。
街探索をしてみよう。
アラン先生が、郵便局で用事を済ませるというので、私たちは果物屋やティエンダで時間をつぶしていました。焼き立てのバケットを手に入れました。
サリアの教会の前に座りランチにしました。バケットのパンは、中はもちもちホクホク、皮はパリパリしていて、最高でした!
アラン先生が丸い木の箱から
「これは、とっておきのチーズだよ!」と言いながらを出してくれました。ガーリックとハーブのクリームチーズでした。
パクパク食べるアラン先生でしたが、ひと切れ食べたChaiとDenは、それ以降、手が出ませんでした。
私もひと切れ食べたら うわぁ、とってもこってり。胃がでんぐり返りしそう!Kumi3
これは味も匂いも美味しそうなのですが、まるでバターを食べているみたいでした。今日は特にお腹の調子がいまひとつな事もあり、私もほとんど食べることができませんでした…。
ざんね~ん!
アラン先生とお別れ
道端ランチをおいしく食べ終わると、アラン先生は
「さて、ここでお別れだ。」と言いました。
さっき、郵便局でこのスペイン巡礼についての原稿を提出し、ミッション終了ということでした。
本当にフランスに帰っちゃうの?Den
サンティアゴ・デ・コンポステラは、もう目の前なのに~?Chai
するとアラン先生は言いました。
「ここから先は、新しく道も整備され、歴史的な道や建造物に興味がある私にとって、面白みに欠けるのだ。
お店や宿も観光客価格になるし、人が競うように歩く喧噪の中を、歩くのは遠慮しておくよ。
私はカトリックでは無いから、巡礼証明書にこだわりも無いのだよ。ここまででカミーノを充分味わったさ。」
昨日のアルベルゲの歓喜に満ちたパーティーは、アラン先生にとってカミーノ最後の夜だったんだね。
この町のステーションから、フランスへバスで帰るということでした。
カミーノ・サンティアゴ巡礼を歩いたという巡礼証明書は、最低100km以上歩けば手にすることができるのでした。それで、ここサリアからサンティアゴまでの100kmを越えた道は、人が何倍にも増えるのでした。
不眠のツボ
「そうだ!kumi3にお願いがあるのだ。」とアラン先生は言いました。
もう、30年以上、寝つきが悪かったり、寝付いても、うなされて目が覚め、そのあと眠れなくなってしまうというのでした。頭痛がする時もあるそうです。
えーっ、それは大変だったね…。
Kumi3
いつも明るいアラン先生の意外な一面でした。
「自分で押してできる、少しでも楽になるツボを教えて欲しいのだよ。」
私は、アラン先生の足の裏のツボ、失眠と湧泉、頭のてっぺんの百会、後ろ頸の天柱、風池、手のの合谷の6か所を親指で強めに押圧しました。
ちょっぴり痛い感じに!
アラン先生はそれらのツボを、丁寧にメモを取っていました。
「ありがとう。楽になったよ。毎日のヨガと一緒にやってみよう。」
「そして巡礼が終わったら是非、フランスへ遊びにおいで!」と言ってくれました。
わあ、行ってみたい!
Chai
アラン先生、元気でね!コックor ヘンまたやろうね!
Den
それから一緒に写真を撮り、ハグをして別れました。
もっとあれこれ写真を撮りたかったのですが、デジタルカメラのメモリーがいっぱいでした。
不要な写真を整理して使っていましたが、もう限界に来ていました。
サンティアゴ大聖堂に着く前に、XDカードをどこかで手に入れておかないといけないわ…。Kumi3
意気消沈&注意力散漫
私たちは、もとの3人になりました。
寂しい気持ち…、意気消沈して歩き出しました。けれど、今日のことを考えないといけません。
お昼過ぎでした。出遅れています。アルベルゲに入れるか心配でした。
今日の目標は、あと8km歩く予定でした。
街を見下ろしました。
今日も暑いね~。
ほどなく、田舎道になりました。
私はお腹の調子が、引き続き変な感じでした。何度もトイレ休憩をとりました。
そのうちに、完全にお腹が下ってしまいました。一歩いっぽが、ものすごく疲れるようになりました。
うう、つらい…。Kumi3
あと8kmは、進んでおきたいな。Chai
なんか、ちょっと頭が痛い~Den
今日は、炎天下になりました。みんな額に髪の毛が、汗でペッタリと貼り付いていました。
しかも、注意力散漫で、道標を2度も見失い、行った道を戻ったりで、ちっともうまく進めませんでした。
先を急ぎたいChai、残りの体力で頑張って付いていく私とDen でした。
アルベルゲの芝生ベッドで休む
新しい道路が建設中でした。
カミーノも車だと、あっ!という間に行けちゃうんだよね。
歩きやすい田舎道が続きました。
それでも、私とDenは足取りがゆっくりでした。
せっかくのお花畑も、楽しむ余裕がありませんでした。
やっと2時半に、アルベルゲを発見しました。目的地よりも随分と手前ですが…。
ヒー、フラフラする~。 はあはあ~、今日はここで休もうよ。Den
Kumi3
まあ、そうだよね…。二人とも歩けなさそうだしね。Chai
そのアルベルゲは、周りに家も何もなく、建物の前に芝生の草っぱらと隣に教会があるだけでした。
クレデンシャルにスタンプをもらい、荷物を置き、シャワーを浴び、ササっと洗濯を済ませました。
とにかく…、とにかく横になりたい…。
Kumi3
なんとかルーティンワークを終え、外に出ました。
体調不良の休養は、室内のベッドではなく、草っぱらの上で休みたいのでした。
あーいい天気!思いっきり日焼けしそうでした。
草っぱらに大きな木が一本ありました。その木陰が、涼しくて抜群に居心地がいいのでした。
そこで横になって休んでいると、太陽の動きで木陰が移動するのでした。それに合わせて、私たちもゴロンと転がりました。
けっこう影の動きも速いのです。目を閉じていると顔が熱くなり、パッと瞼を開くと、いつの間にか太陽と目が合ってしまうのでした。
3人は随時、転げながら昼寝を続けました。
真紅のバラの不思議
あー、気持ちいいこと、この上ないわ~。こんな時間って、日本で持つことができるだろうか…?Kumi3
携帯もない、電話もメールも来ない。
お店もない、やることもない。
食糧は、とりあえずパンとリンゴがあるから大丈夫。
明日の心配?天気が良ければ何とかなるだろう。
ChaiとDenは、携帯やゲームに触れることもなく、私のそばで子牛みたいに寝転んでいる。
いま、3人が気にするのは木陰だけ…。
何にもいらないな〜。十分だな…!
あ、太陽と目が合っちゃう。転がらなくちゃ…。
その時、何処からかカッポカッポと馬のひずめの音がしました。
音が大きくなったと思うと、草っぱらの前で止まりました。
すると、スペイン人のおじさん二人は、馬から降りました。そして、トコトコと私たちのもとへ歩み寄ってくるではないですか。
ん?何かまずいことしたかな…?
おじさん二人は、私とChaiに
一輪ずつ真紅のバラを手渡しニコッと笑うと、そのまま馬に戻りカッポカッポと行ってしまいました。
わあ!グラシアス~!Kumi3
ムウーチョ、グラシアスー‼Chai
私とChaiは叫びました。
ねえなに?このサービス⁈
いまさっき、心の底から無欲になって、ささやかな人生のひとこまを感謝して過ごしていました。
さっきの瞬間は確かにそう言える…。
夢じゃないよね?
なぜか真紅のバラが手の中にある!!
不思議だね~!うれしいねっ!Chai
うわー!神さまからの贈り物かな…。
Kumi3
しばらくの間、私とChaiは
「ウフ、ウフフ〜!」と笑いがこぼれて止まりませんでした。
葬儀でのんびりタイム終了
17時半になりました。
私たちは、まだ寝転んでいたかったのですが、
カンカンカンカン・・・と鐘の音が鳴り響きました。
すると、この草っぱらに車が入ってきました。次から次へと車が集まり、人々が集まり出しました。そして、隣にある教会へと向かっていきました。
何があるのですか?Kumi3
聞いてみると、今日はこれからお葬式があるのだそうです。30分もすると、駐車スペースがないぐらい、人と車で芝生の野っぱらは混雑してきました。
花をたくさん積んだ車が、到着しました。
私たちの、のんびりタイムも終了にしました。
自動販売機の不思議
2時間半、草っぱらベッドで横になり休養したおかげで、私もDenも、体調がほぼ回復しました。
このアルベルゲに来る途中、歩いて10分ぐらい手前のところに、自動販売機がある小屋を通り過ぎました。草っぱらアルベルゲのまわりには、お店も何もないので、とりあえずそこへ行ってみることにしました。とにかく水は売っているはずです。
小屋に入ると自動販売機が6~7台並んでいました。
ねえ、見てみて!これじゃないっ?
Den
なんと!そこでデジカメのXDカードが自動販売機で売っていました。
ああっ~!今、まさにこれが欲しかったの!自動販売機で売ってるなんて信じられなーいっ!! 超ラッキー!Kumi3
1GB、20ユーロと値段は高いのですが、すぐにも必要な物です。迷ってはいられません。
いま、メモリの空きが無くて困っていたので、ほんとうに助かりました。
しかし、これはスペインの自動販売機です。何度も痛い目にあっていました。
ドキドキしながらお金を入れました。
お願い、出てきてね!20€は大きいのよ…。
Kumi3
コトンッ!出てきました!
うわー、よかった!嬉しい~!Kumi3
ホッと胸を撫で下ろしました。
ほか、飲み物、チョコレート、ハムなどが売っていました。
とにかく水!
500mlのペットボトルが80セントユーロでした。
コインを入れると…、いやな予感は的中!
お金だけが吸い取られ、水は出て来ませんでした。
ぐあーっ!くやしい!!!
Den
その隣の自動販売機でやってみました。
ドキドキドキ…
ガタンッ!
わあああーい!出たっ嬉しーい!Den
もう、くじを引いているみたいでした。
でも3人で500㏄じゃ足りないね。もう一本買わないと…。
Chai
信頼できるほうの機械でもう一度、ドキドキしながらお金を入れました。
やったー!2回連続 出てきた〜‼︎Den
奥のほうに、ハムの自動販売機がありました。
1.2ユーロのハムを買おうとして2ユーロ入れました。
ヨカッタ~!ハムはしっかりと出てきました。
あれれ?おつりが1.8ユーロも出てきました。
何これ?お釣りが1ユーロ多いよ??Chai
あははは!さっきのペットボトルの水の分のお返しじゃない⁇ それと今まで投資した分!Kumi3
怒ったり笑ったり、エネルギーがいることったら…。
スペインの自動販売機はいつもドラマなのでした。
素朴なカミーノの完全食
まだまだ、明るいスペインの夕方でした。
アルベルゲに戻り、キッチンを見ると、ここも鍋や食器がひとつもありませんでした。
持っていたパンに自動販売機で買ったハムを挟みました。サラダがわりにリンゴをかじり、水もたっぷり、素朴な夕食を取りました。
一応、炭水化物とタンパク質、ビタミン、繊維が摂れて
カミーノの完全食?でした。
DenとChaiは、アルベルゲの居間で卓球のラケットを取り出し、打ち合いをしていました。
私は日誌を書いて過ごしました。
お腹の、調子がいまいちだったし、今日は早く寝ることにしよう。二段ベッドの上の段に私、DenとChaiは下の段に場所が取れました。
今日は子どもたちの落下の心配なし、安心ね~!Kumi3
おやすみなさ~い。