スペイン・メノルカ島サンフアン馬祭り・カミーノ後の子連れ旅
メノルカ島 サン・フアン馬祭り
「今日は、メノルカ島で最高のお祭りに行くよ!」
ホセの掛け声で、私たちは車に乗り込みました。
着いたところはシウタデラの街でした。
そこで、年に一度の「サン・フアン馬祭り」が開催されるのでした。
このお祭りは、キリスト教の聖人サン・フアン(San Juan、聖ヨハネ)の6月24日の誕生日を、盛大に祝うものでした。
わあ!あそこ、人がいっぱい集まってるね‼
海に近い川を渡りました。
♫タラララ~、タラララ~
♫ティ~ティ、ティ~ティ~
音楽が流れてきました。それと共に歓声が聞こえてきました。
ホセは
「うわあ!鳥肌が立ってきた!!」
と腕の毛が逆立っていました。
まずは、大事な飲み物を調達~!
大人は、レモネード・ジン。
子どもはセブンアップを手にしました。
「これを飲まないと、お祭りは始まらないのさ!」
沢山の人々が向かう広場へ、私たちも向かっていきました。
あ、馬だ~!
群衆の中を、かき分けるように馬が闊歩していました。広場を何頭もの馬が、グルグルと大きく周回しているのでした。
馬の頬は、カラフルな布で飾られていました。
そして馬の額には、星型の刺繍に飾られたピンポン玉大の鏡が付いていました。
ホセは言いました。
「馬のひたいの鏡に自分の姿が映ると、最高に幸運な一年になるんだ。」
馬の顔の正面⁉馬は動き回っているから無理だ~!
「大丈夫、任せて!」とホセ。
おお?大人しい馬がいる、
それっ、今だ!
ホセは、Denを肩車して近付きました。
Denの顔、映ったよ!
私もChai も、緊張しながら小さな鏡の中に自分の顔を見出しました。
映った、やった~!
それっ、逃げろ~!
ヒヒーンッ!
馬は突然、後ろ足で立ち上がるのでした。
わぁ、あぶな~い!
なんてエキサイティングなお祭りなの~!
馬の前に躍り出て、鏡に自分の姿を映してラッキーになる
また、走っている馬の胸を叩けばラッキーなる
とも言われていました。
それで人々は、右から左から、果敢に馬の前に踊り出るのでした。
タッチ~!
タッチ~!
今だっ、息子よ!タッチ~!!
「タッチするぞ~!」
ヒヒ~ン!うわ~!!!
それっタッチ~!
幸運な一年をゲットよ~!
うわあ!みんな勇気あるね~!
多少のケガも祭りの華!
とばかりに、あちこちで馬のいななきと歓声が上がっていました。
メノルカ島サン・フアン馬祭りおばあちゃんちに集合!
馬たちの広場周回が、休憩になりました。
人々も、のんびりの構えになりました。
パン屋さんでもレモネード・ジンを販売中ー!
飲んでしまうと、すぐにホセが
はい、お代わりね~!
とお酒の弱い私に、お構いなく買って持たせてくれるのでした。
グラシアス~!
けっこうアルコール度が強いわ~!
時間は夜の7時半ですが、日差しがまだ暑いのでした。
騒ぎすぎて、少し疲れベンチで休んでいました。
すると、ホセの友だちに会いました。
「これから、おばあちゃんちに行くのさ。ホセたちも来たらいいさ!」と
私たちも誘ってくれました。
「お祭りで家族みんなが、おばあちゃんちに集まるんだよ。」
ワイワイガヤガヤ~ サル~!
一体何人いるんだろう、この家は⁈
部屋の壁にこんな素敵な写真を見つけました。
おばあちゃんを囲んだ一族全員の集合写真。
一組の夫婦から55人!
素晴らしい~!
サン・フアン馬祭りは、家族が集まる嬉しい日でもあるのね。
「さあ、まだまだ祭りは続くよ~。付いておいで。」
ホセはウフフフ!と楽しさを我慢できないようでした。
メノルカ島の祭り・ヘーゼルナッツ合戦
街の別の通りへと歩き出しました。
「メノルカ島シウタデラのお祭りは、これからだよ~!」
ホセの楽しそうな背中に、付いて行きました。
素敵な教会だね~。丸い窓がレオンみたい。
人々は、まだまだお祭りを楽しんでいました。
レモネード・ジンとともに。
あれなんだ⁈
白い大きな袋が、何か所かに積み上げられていました。
中はいったい何なの?
丸いどんぐりのようでした。
それは…
ヘーゼルナッツの殻でした。大量に積み上げられていました。
こんなにいっぱい、何が始まるの~?
「拾って投げるのよっ!」
それっ!
大人も子どもも、
ヘーゼルナッツ合戦!
今日は、投げつけられても決して怒らないのよ!
街中が、ヘーゼルナッツの殻だらけ~‼
拾っては投げ、拾っては投げ、拾っては投げ~!
よーし、やるぞ~!
そりゃっ!
おじさんが帽子を貸してくれた~。集めてあつめて~。
ワッハッハー、それ~!
こんなお祭り、見たことな~い‼
それ~っ、楽しい~!
レモネード・ジンもヘーゼルナッツ・インだ~!アハハハ!
もう、こんな面白いお祭り、見たことありません!
節分が、街中にやって来たような~。
それっ!ギャハハハ~
私は、笑いっぱなしで頬の筋が疲れてしまうほどでした。
一年に一度のこのお祭りの日に、たまたまメノルカ島に来れてラッキーだったね!
街中が、ヘーゼルナッツの殻だらけだぁ!
あ~楽しかった。でも、あとのお掃除が大変だね。
ホントね~!
私たちは、ヘーゼルナッツだらけの通りを離れました。
いつの間にか日が暮れていました。
いま午後9時、夕焼けタイムだよ~。
夕焼けが照らす先は…
緑に覆われた教会のようでした。カフェもあるようでした。
この、赤い旗のマークは、カミーノのマンハリンのアルベルゲのミサで見た覚えがあるよ。
「サン・フアンのお祭りは、夜12時過ぎてもまだまだ続くんだ。けれど酔っ払いも増えるから、これで帰ろう。」
私たちは、ホセの車に乗り込みました。
メノルカ島プンタナティ灯台
シウタデラの街~。さようなら~!
大きな大聖堂!シウタデラは、お祭りじゃない時にゆっくり散歩したい街だったね~。
もう直ぐ日が落ちるよ~。
地中海に、夕焼けが沈みました。
車で15分ほど走ったところで降りました。シウタデラの北のはずれでした。
一本道を歩きました。
あら、自由な羊たち。
日が暮れた直後から夜までの狭間の時間は、幻想的な空気が流れていました。
海のほうを見ると、丸いメノルカ島の要塞の跡がありました。
中に人が住めそうだね!
イヤッホー!
メノルカ島のプンタナティ灯台まで歩きました。
「さあ、そろそろマオンの街へ戻ろうか。」
時間は、夜の11時半でした。
「お気に入りのお店でディナーを食べよう!」
グロキ・ブラウ~!
カタルーニャ語で「青と黄色」という意味でした。
マオンの美味しいピザ屋さんでした。
サル~‼
午前0時の夕飯タイム、いつもはヘビーだけど、今日は馬祭りやヘーゼルナッツ合戦でお腹すいたわ~!
巡礼仲間テレビで観てスペイン・日本の家庭料理
ホセの家で過ごす最後の夜、ディナーを作ることにしました。
明日の朝、11時の船でバルセロナへ戻り、モロッコへ行く飛行機チケットを取ってもらいました。ホセはスペイン語のほか英語も話すことが出来る上、ネットにも詳しく、とても頼りになりました。
私たちは、スーパーマーケットへ買い物に行きました。明日の船の中の食料も買っておかないといけなないのでした。そして、今晩のディナーの食材を買いました。
最後のディナーは、インスタントラーメン食べさせてあげた~い!
そうね~。汁物はちょっと食べにくいと思うけれど…。平皿とマグカップしかないからね。
ホセの家に戻りました。リビングでテレビを観ていると、カミーノ(サンティアゴ巡礼)の特集番組をやっていました。
あ、ホセが出てる‼
それは、カミーノのアルベルゲでのホセの映像でした。
「おお!インタビューされたんだよ、うっはは‼」
今晩のディナーのメニューは…
「スパニッシュオムレツを作ったぞ~!」
料理人のジョルディは、フライパン一つで上手に大きなオムレツを焼いてくれました。
美味しそう~!キッチンでオムレツの作り方、見せてもらった~。ジャガイモがたっぷり入ってるよ!
ホセがパンにトマト、ガーリック、バターを塗り込んだトーストを作ってくれました。
インスタントラーメンを使って炒めラーメンにしたよ~。お皿に取りやすいからね。
メノルカ島の最後のディナーは、スペインと日本の素朴な家庭料理でした。
スペインのギター カミーノ最高のプレゼント!
翌朝、良い天気でした。朝8時でも、すでに暑くなっていました。船は11時に出発でした。
お世話になった部屋を、きれいに片付けました。
このあと、メノルカ島を船で出て、バルセロナで一泊し、翌朝に飛行機でモロッコのカサブランカへ行く予定でした。
2階バルコニー横のテーブルで、朝ごはんを食べていました。
すると…。
♫ジャカジャカジャーン!
ホセが、バルコニーにギターを持って現れました。
それは、スパニッシュギターでした。
ホセは
「これ、Chaiにプレゼントするよ。カミーノとメノルカ島の思い出にね!」
ええっ!いいの?嬉しい~。グラシアス‼
さあ、荷物とマイギターを持って。出発だ~!
(帰国後、そのギターはホセギターと名付けられ、Chai、Denは今でも弾いて楽しんでいます。)
「港まで送るよ。車に乗って~。」
ホセは「メノルカ島のお土産は、チーズだよ!」と買って持たせてくれました。
他にもメノルカ島のマホンで作られたジンを持たせてくれました。他、たまごたっぷりのパン、メノルカチョコレート。これらがメノルカ島の名物でした。(マヨネーズ発祥の地として有名ということは、この時は知りませんでした。)
港に着き、船に乗り込みました。
ブエン・カミーノ!
ホセとエンカルネ~、本当にありがとう‼
今度、日本に遊びに来てね~!
いつまでも、手を振ってくれる二人の姿に、胸がジーンと熱くなりました。
さよなら、メノルカ島。そして、スペイン。
カミーノでホセに助けてもらいました。そこから、気持ちが繋がってメノルカ島に来ることになりました。
スペインの普通の家庭で、こんなに楽しく過ごさせてもらい、素晴らしい「サン・フアン馬祭り」「ヘーゼルナッツ合戦」を体験することが出来ました。
それから6年後…。
二人は日本に遊びに来てくれました。着物を着せてあげ、日本を案内することが出来ました。
バルセロナ行き客船フェリー
メノルカ島のマホンの港を出発しました。
行きの夜行の船で行った時より、帰りの船は乗客が多くいました。
これって地中海なんだね。
船のデッキには、プールがありました。
暑さから逃れようとプールサイドで涼をとる人々が、沢山くつろいでいました。
犬のお客さんもいました。やはり、自由な犬でした。ハーネスもなく、飼い主に呼ばれれば行く!という信用あるのみでした。
もう、バルセロナに着くよ!
午前11時にメノルカ島を出港し、今19時でした。8時間の船旅でした。
あ、コロンブスだ~!
私たちは、船から降りバルセロナの街に上陸しました。
船のお客さんに「君はミュージシャンかい?」と何回も聞かれちゃった~、アハハ!
サンティアゴ巡礼(カミーノ)を歩き終えた後、帰りの飛行機のチケット日まで、2週間以上ありました。メノルカ島で沢山の思い出と、素敵なお土産、ギターを手にしたカミーノ後の旅は、まだまだ続くのでした。
次回は、モロッコの壮絶な旅⁉をお送りします‼
お楽しみに~(^^♪