サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教えてくれないこと。

48/60東洋人にベッドはない!助けてくれたBeautiful friends

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602 サンティアゴ巡礼 差別 カミーノ 芝生
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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6/2()→パラス・デ・レイ 眠れない夜 24.5km/€32  公営2つ目の宿@€5×3

 

また朝焼けが見たいね!

Kumi3

と前の晩に相談し、5時に起きる予定にし早くにベッドに入りました。

3人とも二段ベッドの上の段しか取れませんでした。

柵があるから大丈夫だよ!

Den

二段ベッドは4つ、十字の仕切りのようにくっ付いていて、ChaiDenが隣同士、私が一人で寝るようでした。

私の隣は、女のひとが来るといいな…。

Kumi3

ドミトリーのベッドでは、いつも思う事ですが、確率は50%なので

だっだらいいなあ…程度の望みでした。

しかし、その望みはあっさり消え、私の隣は、国籍は分からない西洋人の太ったおじさんでした。

お互いに「ハーイ!」と軽く挨拶を交わしました。

親切そうな人でよかった!

Kumi3

後はそれぞれ、いい意味の無視をして、終始それぞれ自分の支度をするようでした。

 

その夜は、再び暑さで寝苦しい夜でした。ChaiとDenは枕の向きを変え、3人の頭が十字の中央に寄るように、寝ていました。

暑い、あつ~いよ~...

Den

と、寝付けずにもがいていました。

暑がるDenの顔にむけ、ノートをウチワがわりにしてあおいでやりました。それでDenは、なんとか寝入ることができました。

Chaiはわりあい、どんな状況でもスーッと入眠できるタイプでした。

Chaiはお得よね~。寝顔のほうを見ながら思いました。

 

そして私は、この晩は最も眠れない夜を過ごしました。

暑さで寝苦しいだけでなく、隣のベッドのおじさんのいびき。

半端ない爆音なのでした。

んがああ~おお~

ボリュームが未だかつて経験したことの無い大きさでした。

眠っている人が、こんなに大きな呼吸音を出すことってあるのだろうか

叫び声に近い

相当なショックを受けました

ん~!耐えられな~い!

Kumi3

しかも、おじさんは、私のすぐ隣でした。

暗闇の中、私だけでなく数人がおじさんのいびき眠れなくなっていることが伝わってきました。

爆音ボリュームのいびきの狭間に

「はぁ~...。」残念な気持ちのため息が部屋のそこここから聞こえてきました。

私は耳をふさいだり、寝袋に頭から入ってみたりしたのですが、ダメでした。

気分転換にトイレへ行ってみたりしたのですが、それでまた目が冴え、寝付くのが出直しになりました。

まずい…、眠らないと。明日歩けない!でも眠れない…、でも眠らないと、ああ~焦ってきた…。

Kumi3

どんどん、どつぼにハマっていきました。

朝方4まで、寝苦しさを記憶していました。ハッと気が付くと5時半になっていました。まわりの大半の人は起き、出発支度を始めていました。

もう、おじさんたらっ!と目を向けると、ベッドはカラでした。おじさんは自転車チームのようでした。

もう行っちゃったんだ。あ~ん、ろくに眠れなかった〜!

Kumi3

まあ、横にはなってはいたので、睡眠時間は取った!とカウントする事にしよう。

休まった、睡眠した、睡眠した…!

自分に暗示をかけました。

 

目覚ましの儀式

 

DenChaiを起こし、足にクリームを塗りました。これはもう起きるよ〜!という目覚ましの儀式で、カミーノ初日からずっと続けていました。足にマメを作らないための対策でもありました。

何とか6時に出発することが出来ました。

 

ピーコック色の空。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン教会

四角い教会がとてもきれいに映えました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝焼け 建物

川を渡りました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝焼け 木々

町が終わっていきます。

朝の静かな空気と、蒼い暗さが探検に出るような気分にさせました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝焼け 木二本

空は、朝焼けが始まりました。

 

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝焼け ピンク

雲と朝日。ピンク、紫、水色、、、ドラマチックに展開しました。

きれいだね!早く出てよかったね。

Den

早起きは三文の徳』ってこのことね。三文て、昔のお金のことなんだけどね。早起きしたらちょっと小銭が儲かるぐらいお得なことがあるよっていう諺どおりね。

Kumi3

アルベルゲは半分以上の人が出発してたね。STおじさんも行っちゃったよね…。

Chai

 

昨日の夕食の時のSTおじさんとの話を思い出し、心が元気になってくるのを感じました。子どものころから新幹線の運転手になりたいじゃなくて、

なる!って決めていたという

「信念を強く持ち続ければ叶う!」というシンプルで強力なメッセージでした。

 

ライ麦パンの朝ごはん

 

1時間ほど歩き明るくなってきました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道夜明け12

お腹すいてきたね。

Den

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝食

バックパックに座り朝食をとりました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝食ライ麦パン

日本では見向きもしなかったライ麦パンにチーズを挟んで食べました。

シンプルで美味しいね。日本でもこういうパン食べたいな。

Chai

ホントね!でも日本では手に入りにくいのよ~。もっと手軽に全粒粉や、ライ麦のパンが売っていたらいいのにね。

Kumi3

 

 

サリアから先のたくさんの人

 

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道夜明け12並ぶ風景

わりあいに開けた田舎道をしばらく歩いていきました。

途中、サンティアゴまでの残りのキロ数の道標がしばしばでてきました。

道標を見ながら、計ってみたらね。750歩500m進むことがわかったよ!

Chai

ということを発見しました。

私は68㎞の道標をみて

え~、あとそれだけ…!!

Kumi3

と、カミーノに終わりが来ることへの寂しさを感じていました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ポルトマリン朝焼け 2

これ見て~!

Den

と足元をみると

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう トカゲ

こんなトカゲがいました。タッタッタッター!

カワイイー!

Chai

黙々と歩くとき、こんなカラフルなトカゲは気持ちを楽しませてくれました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道12一列

あっ、あれは牛の糞!気を付けて~。

Kumi3

サリアから先は歩く人が増えてきたのを感じました。10時過ぎ、後ろから話し声が近づいてきました。

振り返って見ると、スペイン人の15人ぐらいの団体でした。遠足のようないでたちで小さなリュックを背負い、楽しそうなおしゃべり声が聞こえてきました。

ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ〜

それは絶え間なく続き、声のボリュームがどんどん大きくなり、迫ってきました。

うわ、たくさん来た~、抜かされたら大変だよ~!

Den

 猛ダッシュで歩き始めました。

うん、それに、このあたりの景色はイマイチだから早く抜けようよ。

Chai

と、それに続きました。

私たちは、競歩選手のように、腰をくねくねしながら、超特急で歩きました。

それで、11時には15km以上進んでいました。

バルを見つけ、ひと休みしようと入っていくと、そこにSTおじさんがいました。

STおじさんは、すごく早いペースで歩くと聞いていたので、追いついたなんてびっくりでした

やった!追いついた〜!

Den

STおじさんも目を丸くして

「この時間に、よくここまで来れたね!」と驚いていました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう ランチ

バルの外テーブルで、カフェラテと一緒に、ランチをとりました。あいかわらずいつものメニュー(リンゴ、パン、チーズ、サラミ…)なのですが、いつもお腹すいて食べるので、飽きることなどないのでした。

少しするとSTおじさんの休憩は終わったようで

「じゃね!あとでね〜!」と出発して行きました。

そして私たちも

はい、またどこかで〜!

Kumi3

と答えました。

縁があれば、きっとまた会えるね!

 

どうしてカミーノにきたの?定番の質問

 

私たちもバルから歩き出しました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道石造り家 12

田舎道を行きました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道おじさんとロバ

わあ、ロバに荷物を持ってもらってるんだ。犬も一緒、しかも逆行してる…。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 犬モニュメント家のワンコを思い出しちゃったよ…。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 墓

これは、スペインのお墓だね。

 

30分ぐらい歩くと、バルに日本人らしきおじさんがいました。

その人はSNおじさんといいました。STおじさんと同じぐらいの年齢でした。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道犬 12n

ちょうどカフェを出るタイミングだったようで、一緒に歩きだしました。

SNおじさんも、なかなかの速足でしたが私たちに合わせ歩いてくれました。

おたがい、巡礼で出会ったもの同士の質問は、たいてい決まっていました。

 『どうしてカミーノに来たの?』でした。

挨拶がわりに歩きながら話しました。

私は、カトリックではないけれど、いつか、サンティアゴ巡礼に行きたいと思っていたのです。学校は、体調を崩したのをきっかけに休んで来ているのです。でも、学校では教わらないたくさんのことを子どもたちはカミーノで教わっています。

Kumi3

SNおじさんは、同年代の友人が、ここ数年で3人も亡くなってしまったそうです。いつか行ってみたいと思っていたスペイン巡礼を

「もう、今いかなくていつ行く?と思い立ってね。」という訳で、ここに来たのだそうです。

SNおじさんは、仕事で住んでいたこともあり、スペイン語、英語、フランス語、イタリア語が話せるのでした。

わあ、すご〜い!

Chai

 

カミーノ仮家族

 

私たちは、行く先々でファミリーに間違えられました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道林 12n

通りすがりのひとやお店やバルで

「あら、家族でカミーノ?いいわね〜!」と挨拶がわりに声を掛けられました。

はじめはその都度

「違うんですよ〜、たまたま会った同じ日本から来た仲間で〜」と説明していたのですが、途中で面倒になり

「そうなのですよ〜。」と返しながら歩きました。

SNおじさんもChaiDenも、ニヤニヤ笑いながら

「ウフフ、まあ、いいやね。カミーノ仮家族ってことで!」

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道牛 12n

牛がよく太ってるね!

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 石造り倉庫

SNおじさんは「この細長い建物は穀物倉庫だよ。この地方特有なんだよ。」と教えてくれました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道12並ぶ森

途中から日差しが強くなってきました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 田舎道石造り家 赤い花12

SNおじさんは「ガリシア地方の石造りの壁はケルト人から伝わっているんだよ。」と教えてくれました。

 

2時頃、やっとアルベルゲに着きました。

暑かったね〜

Chai

アルベルゲのすぐ向かいのバルに、STおじさんが休んでいました。だいぶ前に到着し、チェックインを済ませていたのでした。

あ~、STおじさん!また会えたね!

Den

「はやく、アルベルゲにチェックインしておいで。それから一緒にランチしよう。」と言いました。

SNおじさんは「不眠症気味なので、この近くのペンションに、すでに予約をとってあるんだよ。」ということで、このアルベルゲにはチェックインしないということでした。

STおじさんとSNおじさんは、テーブルを囲み

「私たちは先にビールを飲んで待っているからね〜。ベッド確保しておいで~。」

ハイ、了解で〜す!

Kumi3

と、私たちはおじさん二人に送り出され、向かいのアルベルゲに入りました。

 

アルベルゲの受付の列に並ぶ

 

アルベルゲの受付から続いている列の最後尾に並びました。

見ると受付けは一人で手続きをしていて、なかなか列が進みませんでした。

すると、SNおじさんが様子を見に来ました。手にはバルで出されたグラスのビールを持っていました。

「おーい、ひと口!今日は暑かったね。お疲れだ~!」

私はぐび~っ!

うわぁ、なんて美味しいビール!この最初の一口が最高!!

Kumi3

と、グラスをSNおじさんに返しました。

「まだ、時間かかりそうだね。STおじさんとランチ食べないで待ってるからね!」

SNおじさんは、ニコニコしながらバルへ戻っていきました。

そうやって、ひとくちの幸せを運んで来てくれた粋な計らいに、大感謝でした。

ずる~いっ、あとでコーラねっ!

Den

ハイハイ。

Kumi3

 

アルベルゲのチェックイン待ちの列は、その後も人がどんどん増えていきました。振り返ると、15人ぐらい並んでいました。

わあ、いつの間に!列が外まで伸びてるよ~!

Chai

受付の太った大きなおばちゃんは、一人5ユーロを受け取りクレデンシャルにスタンプを押したあと、ベッドチケットを切って渡していました。

私たちの前に、小さなデイパックを背負ったスペイン人のマダム4人グループが、受付のチケットの番号をチラ見しに行き、戻ってきました。

「あなたたちで終わりじゃないかしら。

ラッキーね!

と言いながら振り返り、かわいいハイタッチをしてくれました。

チョン・チョン・チョン!

そうですか、良かった~!

Kumi3

後ろから、今歩いて着いたばかりのお姉さんが、わしわしと受付まで番号を見に入って来ました。ベッドチケットの残りの番号並んでいる人数を数え出しました。

そして、私たちのすぐ後ろの人に

「この辺から無理かもよ!」と声を掛けました。

お姉さんはそのまま道に戻り、歩き去って行きました。

私たちのあとに並んでいた15ぐらいが

「オ~ッノ〜!」一斉に溜め息やガッカリした声を上げ、よろよろとバックパックを背負い、アルベルゲから出ていきました。

うわぁ、ぎりぎりセーフだったね!

Den

 

見回すとアルベルゲの玄関奥の階段の下に、ニコニコした顔がありました。

ChaiDen

あ、ホセがいる〜!

Chai

二人はピョンピョン跳ねるように喜びました。

オラ~!

Den

というと

「こんいちは~!」とホセはちょっとあやしい日本語で返してくれました。

私たちがチェックインするのを待っている様子でした。

 

おばちゃんとホセのバトル

 

もうすぐ私たちの順番でした。クレデンシャルを広げ、お金をぴったりにして待っていると

おばちゃんは…

「フル!」満員と言いました。

えっ?泊まれないって、なんで~?

Kumi3

スペイン語でしたがダメ!と言っているのがわかりました。

強いネガティブな響きが伝わりました。

そして、なにやらおばちゃんが

○○!×××□△~!!」と言った

その瞬間!

階段の下に居たホセ

「なんだとっ~!」と怒鳴り

おばちゃんにくって掛かりました。

大きなおばちゃんも全然負けていませんでした。

□×○~!」と何やら怒鳴り返し

ホセの肩を突き飛ばしました!

ヒッ!こっ怖い~!!

Kumi3

私はおばちゃんの迫力に心底、怯えました。

ChaiとDenも目を丸くして震え上がりました。

 

二人の

突き飛ばし合い激しい怒鳴り合いが続きました。

周りの人が二人を離そうとしましたが、それから逃れつつ、激しい口論は続きました。

私たちは何が起きたのか解からず、

オロオロとその場に立ち尽くすほかありませんでした…。

 

すると、ホセの友だちお兄さんら3が、

「大丈夫、泊まれる。今のうちに行こう!」

私たちのバックパックを持ち、階段を駆け上って行ってしまいました。

え〜っ荷物!あっあの…!

Kumi3


私たちはバックパックを追いかけ、彼らの後を追いました。

 

部屋に隠れる

 

3階の部屋に追い付きました。

部屋に荷物を置くと、ホセの友だちのお姉さん2人が

「こっちこっち!」と部屋の奥へと案内してくれました。

「私たちは、マットを持っているから、そこで寝るわ。あなたたち、このベッドを使っていいわよ!」

とチェックインしたばかりのベッドを差し出してくれました。

私たちにそんなことを言ってくれるなんて…。

その申し出に胸が熱くなりました。

「ムーチョ・グラシアス!」と答えたものの

でも…、でも…、いいのだろうか…。

Kumi3

あまりの急展開に頭が回りませんでした。

まだ、ホセとおばちゃんの怒鳴り声が聞こえてきました。

不意にお姉さんが

「隠れて!」というので、私たちは部屋の奥の入口から死角となる壁にぺったり貼り付きました。

人は川の字になった立ちんぼで、しばらく息を殺していました。

おばちゃんは各階の部屋を探して回っているようでした。バタバタした足音と、怒鳴る呼び声が聞こえて来ました。

私たちはひそひそ声で話しました。

ううう、怖い~。

Den

ね、ChaiDenどうする?このまま彼女たちの申し出をありがたく受けて泊まる?それとも、おばちゃん怖いし

Kumi3

そうやって泊まると、タダで泊まることになるよね。まずくない?どうしよう

Chai

お姉さんとお兄さんたちが、入り口に見張りに立ってくれていました。

今はここで息を殺し立っているしかないのでした。

 

あ~ん、お腹すいた〜。

Den

ああ、待たせている!

Kumi3

私たちがなかなか来ないから、きっとSTおじさんとSNおじさんは心配しているはずでした。

 

んん…??

怒鳴り声がおさまり、外が静かになりました。

入り口で見張ってくれているお姉さんに言いました。

向かいのバルに行きたいのです。友だちが待っています。心配しています。説明しないといけません。

Chai

Chaiと私で一緒に言うと

「オッケー!でも、おばちゃんに見られるとマズいね、付いてきて!」とお姉さんが先頭に立ち、階段まで誘導してくれました。

おばちゃんは、この4階建てのアルベルゲの中のどこかにいるのでした。不意に出てくるかもしれません。

私たちは、忍者のようにぬき足さし足で移動しました。

これは遊びではなく、本気のおそろしく緊張したものでした。隠れて様子を窺いながらお姉さんに付いて進みました。

階段まで来るとお姉さんは

「オッケー、大丈夫そうだよ!4階に行ったみたい。今のうちにGo!」とささやき声で私たちを送り出してくれました。

 

叫びながら強行突破!

 

階段は学校のように広く、半分降りるとUターンをするようでした。

私たちは3階からそろりそろりと降りて行きました。

一階までもう少しのところで

ひっ!

Kumi3

息を飲みました。

階段の途中におばちゃんがいました。

うわっ、下にいたんだ

Chai

私たちに背中を向け、誰かと立ち話をしていました。

私たちは、しばらく階段の上に身かがめ、様子をうかがっていました。おばちゃんは、なかなかそこを動く気配がありませんでした。

私は、ここがダメならもう2km、

それがダメならその5kmでも歩くのは仕方ないと思いました。

けれど、ホセの仲間たち45人が、私たちのためにいま、頑張ってくれていました。私たちが泊まれなかったとなると、おばちゃんと全面戦争になるかもしれない…。

そして、おばちゃんは本当に怖かったのでした。怒鳴りながらホセを突き飛ばしたのを見た時、その迫力に度肝を抜かれました。

ヒイイ、見つかったら絶対、叩かれる

Kumi3

わわわわ、怖い〜!

Den

おばちゃんのおしゃべりは続いていました。時間が過ぎて行きました。冷や汗…。

どうしよう、バルでおじさんたちが心配して待っている

Kumi3

えーい、強行突破だ!

DenChai、いいかい?おばちゃんに目を合わさなで、階段を一気に駆け下りてバルまで走るよ!

Kumi3

うん、わかった!

Den

OK

Chai

いくよ~!ドカドドドッ〜・・・

おばちゃんは振り返り私たちをみると怒鳴り声をあげ通りざまのDenのシャツをひっ掴みました。

ぎゃぁっ!

Den

パシッ!私も瞬時にそれを振り払い

うわあああああ!

Chai

3人とも大声をあげながら階段を駆け抜け、そのまま向かいのバルへと掛け込みました。

 

アドバイスは流れに任せる

 

ハアハアハアハア…。

Kumi3

STおじさん、SNおじさんのSSコンビは

「どうしたの遅かったね~。と言いながら

私たちの慌てふためきぶりに、目を丸くしました。

これこれこういう訳で、、、、

と今さっきまでの一部始終を説明しました。

お姉さんたちがベッド使っていいよって言ってくれたんだけど、おばちゃんがすごく怖いの…。

Den

いま、とりあえず抜けてきました。まだ3人のバックパックは3階にあるままなのです。スペイン人の巡礼仲間4.5人が私たちが泊まれるようにと協力してくれいて。それで…、私たちは、どうしたらいいと思いますか?

Kumi3

どこか別の宿へ行ったほうがいいのかな….

Chai


STおじさんSNおじさんのSSコンビは、腕を組みながら考え出しました。

「うーん、そこまでホセたちが言うのなら、

流れに任せてみたら?とSTおじさん。

「そうだね、

スペイン人地元の彼らのやり方に沿ってみるのもありだね。」とSNおじさん。

そう…、そうですね。流れに任せてみましょうか…。

Kumi3

とにかくとにかく…、腹ごしらえしよう!

ハンバーガーセットとコーラをChaiDenに、わたしは野菜サンドセットを頼みました。

 

602 camino bar バル 12stsn

安堵感が押し寄せ、私たちはワシワシと食べました。

ああ、おいしい~!まともな食事は久しぶりのような気がしました。

そしておじさんたちがご馳走してくれました。

有り難うございます!!

バルでひと息つくと、ホセがやって来ました

SNおじさんさんがスペイン語で受け答えをしてくれました。

ホセは言いました。

アルベルゲのおばちゃんは…、

私たちのベッドの空きを、別のスペイン人に回したかったのでした。それだけでなく

「東洋人なんかにあげるベッドはないわ!」と言ったそうです。

それを聞いた瞬間

ホセは頭に血がカーッ!と上って

「こんな小さな子どもが炎天下のなか25kmも歩いて来たっていうのに!

何で断るんだ。差別するのか!

それに、臨時用のマットが向こうにあるのを見たぞ。

もっと人数が泊まれるはずなのに!

何でそんな意地悪をするんだ!」

と怒鳴ってしまったのだそうです。

しかし、おばちゃんは主張を変えず、口論は続いたのでした。

そうだったんだ…。

さらに、ホセは私たちのために、最良の方法を考えてくれていました。

「ここから1km離れたところのアルベルゲに予約が取れたから、そこに行くといい。このアルベルゲは、おばちゃんも最悪だが、シャワーも最悪だ。男女いっしょでドアも釘もないから、ChaiKumi3は、多分シャワーを浴びれないだろう。」と言いました。

1kmなんてへっちゃら。大丈夫!!

Den

ホセ!私たちのためにありあがとう!

Chai

なるほど、流れとはそういうことになったか。

よかった…。気が楽になった!

Kumi3


私たちは、バックパックを取りにアルベルゲに戻ろうとすると、ホセの友だちが3階の部屋からバルまで運んで来てくれました。

「おばちゃんに顔を合わせるとややこしくなるから、このまま行けばいいさ!」

ホセ、かくまってくれたお姉さん、荷物を運んでくれたお兄さん。

みんな、本当にありがとう!

私たちは、ハグをして別れました。

603 カミーノ リバディソ・デ・バイソ 123仲間たち

ホセ!またどこかで会えるだろうか…。

 

タクシーに乗っちゃっていいの?

 

その1km先のアルベルゲは、たまたまSNおじさんの泊まるペンションの近くでした。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう 街並み 12n

一緒に歩き出しました。

まだまだ暑いね、今日は疲れたでしょう。ビールも飲んだことだし、ここはタクシーで行きましょう。」とSNおじさんは言いました。

これまた、ありがたい!

正直、寝不足とおばちゃん事件、そして暑さでクタクタでした。

さらに、私もバルでビールを飲んでしまったので、バックパックを背負って歩き出すと、フラフラしていました。

ところがChaiDen

え、乗り物に乗っちゃうの?

Chai

全部歩いたってことにならなくなるよ~

Den

躊躇しました。

とにかく、ここも流れで行こう!ホセが予約してくれたアルベルゲにたどり付けなかったら、それも困るからね。

Kumi3

SNおじさんがタクシーを呼んでくれました。私たち4人は荷物をトランクへ入れたり、抱えたりで座席に小さくなって乗り込みました。

歩いて15分の道のりをタクシーは5分でピューンと移動しました。

 

二つ目のアルベルゲ

 

アルベルゲの前にタクシーが止まりました。

私たちを降すと、SNおじさんはそのまま座席に残り、ペンションへと向かいました。

 アルベルゲに入り、受付でホセの名前をいうと

「ああ、OK〜!」とスムーズにチェックインすることができました。

 

シャワーと洗濯を終えると、やっと落ち着きました。

新しいアルベルゲは、キッチンがありましたが、まわりには何もお店がありませんでした。

食料を仕入れておかないといけません。最初のアルベルゲの町は、バルやスーパーメルカドがあり賑やかでした。

ね、思ったのだけどね。さっきの町に戻って買い物しようか。そして、タクシーに乗った区間を歩き直せば、乗り物に乗ったことにならないんじゃない?

Kumi3

うん!無事チェックインできたって、ホセたちに知らせたいな。

Chai

うん!そしてコーラとチップスも買おうよ。

Den

ChaiとDenの顔がパッと明るくなりました。

Chaiは、何やらノートをちぎってカードを作っていました。

 

タクシーに乗った距離を歩き直す

 

アルベルゲにバックパックを置き、さっきの町へ戻ることにしました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう教会23

途中、教会がありました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう教会 椅子

中に入ってみました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai 向かう教会祭壇

素朴な祭壇を見学しました。

 

バックパック無しで歩くと足取りも軽く、すぐに町に着きました。スーパーメルカドを発見し、ピザやヨーグルト、パンにハム、シリアル、果物などを買い込みました。

コーラとチップス、ホセたちにも買おうよ!

Den

わあサクランボ、美味しそう!これもホセたちやSNおじさんに、お土産に買っていこうよ。

Chai

グッド・アイデア~!

Kumi3

買い物が終わりました。

 

サクランボの差し入れとカード

 

最初のアルベルゲに行ってみました。多分、定員まで受付を済ませると、オスピタレロは居なくなってしまうのが、ガリシア地方に入ってからのアルベルゲでした。

でも万が一、おばちゃんがいたら気まずいので、入口でホセたちが来ないか、待っていました。

待ち始めてすぐ、ベッドを譲ってくれたお姉さんが、通りがかりました。

聞くと「ホセは出掛けてしまって、何時に戻るかわからないわ。」ということでした。

では、これみんなで食べてください。

Chai

コーラチップスサクランボカードを添えて渡しました。

カードに書いた言葉は

”Thank you Jose and beautiful friends!”

でした。

お姉さんは「ワーオ!」と歓声を上げビッグスマイルで手を振りながら、アルベルゲの中へ入って行きました。

これで、ホセも安心してくれるね。私たちのために、あんなに頑張ってくれて、涙がでるほど嬉しかった~。

Kumi3

まだ残る日差しの中、3人は車で飛び越えた道を、歩き直しました。

これでタクシーに乗ったことにならないね!

Den

DenChaiは満足そうなピカピカした顔になっていました。

 

青空の下ブランコセラピー

 

道の途中、SNおじさんにのペンションにサクランボを届けに寄りました。

美しい芝生に囲まれた山小屋風のしゃれた建物でした。

「ほら、こんなとこだよ。見てみるかい。」

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai  ペンション部屋2

落ち着いた木調のシンプルな部屋でした。

これで、€45ならいいですね

Kumi3

「たまに、こういう所へ泊まるといいよ、ドミトリーだと、イビキや話し声で眠れない時があるでしょう。」SNおじさんは言いました。

ええ、ええ、まったくその通りです!

Kumi3

と、力強く頷きました。今朝のアルベルゲは

まさしく爆音イビキで、睡眠崩壊でしたから!

ペンションの外に出ました。芝生は公園のようになっていました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai  芝生 ディナー

木のベンチとテーブルに座り、晩御飯にしました。

今日は、おばちゃん怖かったね~!

Den

いつも、誰か救いの神が現れるよね~!

Chai

ことのほか、おいしく感じられる野っぱらディナーでした。

食事が済んだ後、ブランコに乗りました。

途中、SNおじさんが芝生に出てきました。

イタリアにはね。ブランコセラピーという心理療法があるんだよ。大人もブランコに乗ると童心に返るでしょ。それで、うつが治ったりするらしいのね。裸足で乗るのがいいんだよ。」と教えてくれました。

 

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai  芝生ブランコ13さっそく裸足になりました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai  芝生ブランコ3

わはは~い!

Kumi3

Denは芝生に大の字になりました。

602 Camino カミーノ パラスデレイ papas de rai  芝生ねころび2

気持ちいい~や。

Den

私もChaiも、ブランコから降りてDenの真似をしました。

スペインの青空の下、笑いがこぼれプカプカと浮かびあがるようでした。

プラスマイナス、プラスだね!怖い事もあったけど、優しさがいっぱい詰まった一日だったね!

Chai

 

 

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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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