パリから巡礼事務所へ、TGVでサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ向かう。
4/14(水) パリのトイレは有料だった‼︎
パリ空港近くの ibisホテルの朝食は、ビュッフェスタイルでした。
パン、特にクロワッサンが美味しい!
コーンフレーク、ハム、チーズ、カフェオレ、ココア、果物、ヨーグルト、、。
もう一個、チョコクロワッサン食べちゃおうかな!
チーズが美味しい!
みんなお腹がパンパンになるまで食べました。
さて、出発です!
バックパックを背負い、ホテルを後にして歩き出しました。
10分ぐらい歩き、地下鉄の駅に着くと3人は、猛烈にトイレに行きたくなってしまいました。
トイレはどこ?
トイレはどこだ~っ?
やっと見つけました。
ふう~っ!
ところが、ドアが…。 えっ、開かない〜!
しかも25セントユーロのコインしか使えない、自動販売機のようなドアになっていました。
トイレ行きたいよお~!もう無理。開けて~早く早くぅぅ! え~っ、25セント硬貨ないのよ。なんか買ってお札をくずして来るから待ってて。我慢 してよね、ねっ?、頑張って〜!!
私は走り、キャンディだか、ガムだか何だかわからないけれど、とにかく掴んでお札を渡し、おつりで25セントユーロコインを作りました。
それでなんとか3人は、トイレに間に合いました。
日本と同じに考えちゃいけないね…。
荷物を持ってのトイレは大変です。乗り換えの駅では、順番に荷物を見張りました。
ママとお姉ちゃん、遅いな〜!
地下鉄のチケットが買えない~!
パリ空港の駅から、TGVが発着するモンパルナス駅まで、地下鉄で移動しないといけません。
チケットは自動販売機で買うのですが、現金は使えませんでした。使えるのはカードのみでした。
フランスはカード社会なのね…。
昨日、ibisホテルでチェックインした時も、私のカードは読み取りに時間が掛かりました。
磁気が弱いのかしら~。ああ、まずいわ~。どんどん時間が経ってしまう。TGVに乗り遅れてしまう~。
券売機の前で、私たちのアタフタぶりに気が付いたおじさんが、様子を見て取ると
「わたしのカードで買ってあげるから、その分の現金を渡してくれたらいいよ。」
と3人分のチケットを買ってくれました。
その後も
「乗り換えが難しいからね!」
とモンパルナス駅まで誘導してくれました。
メルシー!
救いの神があらわれたのでした。
電車の行き先が変わる⁉
モンパルナス駅から、無事、TGVに乗ることが出来ました。
車窓には、フランスの田園風景が続きました。
座席には大きなテーブルが付いていて、駅の売店で買ったケーキ、ジュースなどを広げ、ゆったり遠足気分でした。
すると…。
あれれ?動かないね...。
10分… 30分… 。
いっこうに、動き出す気配がありませんでした。 なんで?何でだろう…。
待ちくたびれた人が降りて行き、車内の人影はどんどん減っていきました。
何か、アナウンスがあったのかもしれませんが、さっぱりわかりませんでした。というより、行き先の合っている電車に乗っているのだから、座っていればいいのだ!と何も疑うことなく座っていました。
満員だった車内に、いま残っているのは数人でした。
電車の通路を歩いて来た女性の車掌さんに聞いてみると
「この電車は行き先が変わったの。次に来る電車に乗っていくように。」と英語で言いました。
私は、なんとか聞き取ることが出来ました。しかし、半信半疑でした。
え~っ、行き先が変わるなんて…。そんなことあるの⁉ 確かにバイヨンヌ行きだったけれど…。
車掌さんが
「はやく降りて。電車がもう出る!」
と急かされ、バックパックをひっつかみ、3人は慌てて電車からホームへ飛び降りました。
うわあ!
ドドドド~ッ...!
プシュー
その途端、電車のドアは閉まりました。
セーフ!
あぶなかったね~!
ホームで待ちぼうけの人々は、みんな混乱していました。
訳が分からないまま、駅のアナウンスで次の電車に乗り換えました。
この先の予定はバイヨンヌ駅へ行き、そこからバスに乗り換えサン・ジャン・ピエ・ド・ポー駅へ行くのでした。
時間がかなり遅れてるわ…。乗り換えに間に合うかなぁ。
バスの乗り換え時間1分!!
私は、電車の中でヤキモキしていました。通常であればバイヨンヌ駅でバスに乗り換えるのに、2時間ほどの余裕がありました。ところが、途中の駅でストップし乗り換えたばかりに、バスの発車時間は、どんどん近付いているのでした。
でも、バスって、電車の着いた時間に合わせて出発する予定になっているはずよね。たいてい~。
がしかし、かなり時間が押していました。
えっ?、大丈夫かな…。
やっと、バイヨンヌ駅に着きました。
時間は15:08分でした。
バスの出発は15:09分でした。 うわっ、乗り換え時間が1分しかない!しかも、バスのターミナルはどこ?とにかく、わかりそうな人に聞かなくては‼
同じ電車から降りたOL風のお姉さんに、チケット見せました。
すみません。これ見てください。
お姉さんは、バスチケットの出発時間を見た瞬間
血相を変えました。
「こっちよ!」
と、いきなり手招きの猛ダッシュで、一緒に走ってくれました。
あのバスだ!うわあ、行かないで~!
なんとかバスのドア前に着きました。
ハアハア…、
間に合った〜!
慌てて乗り込み、後ろを振り返ると、OL風のお姉さんはニッコリと笑い、手を振って爽やかに行ってしまうところでした。 メルシ~!
今朝、ホテルで教わったフランスの「ありがとう!」を再び、言うことができました。
ついにサン・ジャン・ピエ・ド・ポー到着!
サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(SJPP)は、ピレネー山脈の中腹にある町でした。
バスは、かなりのくねくね道を長い事、登って行きました。
着いた時には、ChaiもDenもすっかりバスに酔ってしまい、真っ青な顔をしていました。
座って休ませよう、と思いました。
すぐ歩いたところに、食料品屋さんを見つけました。
大好物のアイスを買い、ひと息いれました。
もう、気分は大丈夫ね?さあ、行こうか。
バックパックを背負って前を歩いている人は、一人も見当たりませんでした。
ここから巡礼事務所まで、15分ぐらいの距離というのは、調べた時に記憶していました。
とにかく、まっすぐ行ってみよう。
古い石造りの城壁をくぐり、坂道を登る道に出ました。
地元の女性を見つけ
「巡礼事務所はどこですか?」と聞いてみました。
「こっちよ。付いて来て。」
と、一緒に歩きながら案内をしてくれました。
またもや
メルシー!
今日、3回目のありがとうでした。
巡礼事務所にたどり着く
たくさんの人々に助けられ、やっとサン・ジャン・ピエ・ド・ポー巡礼事務所にたどり着きました。
ここだね~。やっと着いた~!
ChaiとDenは嬉々として、中へ入って行きました。
巡礼事務所の中で、係のおじさんが
「ようこそ~!」
とフレンドリーな笑顔で迎えてくれました。
私は、うれしさと安堵の気持ちで、へなへな~と脱力してしまいました。
ガイドブックを無くした大失敗は、ここにたどり着いたことで、半分は埋まったわよね⁈
ニコニコしながら、クレデンシャルと、巡礼者のシンボルのホタテ貝をもらいました。
クレデンシャルというのは、アルベルゲ(宿)にチェックインする時に、スタンプを押してもらうカードのことでした。(これは、すでにスタンプを、押してあるものです。)
これを持っていることが巡礼者の証明となり、アルベルゲに泊まることが出来るのでした。
また巡礼事務所で、私たちはガイドブック代わりとなる
町の名前、アルベルゲ(宿)、距離が乗ったプリントを貰いました。
この先、この紙一枚を頼りとして、歩くことになるのでした。
おじさんは、アルベルゲに泊まる時のルールを説明してくれました。
①アルベルゲは一泊しか出来ないこと。
②予約が出来ないこと。
この二つでした。
ほか、出発の道順、モデルコースなどを説明されました。
「大人がだいたい、一日に22、23㎞程度歩けば、35日ほどでサンティアゴ大聖堂まで歩けるのだよ。無理のないモデルコースじゃな。」
ということでした。
巡礼事務所のおじさんは、とても親切でした。
「今日は。公営のアルベルゲは満員だから、少し駅に戻ったところに泊まりなさい。」と泊まる所の手配をしてくれました。
さらに「初日は距離が長いから、山の途中のオリソン宿に一泊した方がいい。予約してあげよう。民間のアルベルゲは予約が出来るのだよ。」と、初日の宿まで手配してくれました。
早速、今もらったホタテ貝をリュックに付けて歩き出しました。
ホタテ貝を付けていると、巡礼者だとわかるんだね!
ドミトリーってどんな所?(男女共同部屋)
そのアルベルゲは、一泊10ユーロ、小学生は無料でした。
2階建てで部屋が3つ、部屋の中には、2段ベッドが5~6台置いてありました。
男女の区別がなく、入った順に部屋を割り当てられました。
私たちは、この男女共同部屋、ドミトリー形式に泊まるのは初めてでした。
すぐ隣のべっドで、国籍不明のおじさんが荷物をほどいていました。
私たちは、ズボンを履き替えるため、いちいちトイレにこもって着替えていました。
そのうち、ササッとベッドの隅でうまく着替え、隣がまったく気にならなくなって来るのですが…。
そのアルベルゲにはキッチンがありました。
道すがら入ったミニスーパーで、インスタントラーメンを見つけました。
日本では、ほとんど食べないインスタントラーメンでしたが、異国のお店で見ると、なんだか嬉しくなり、買いました。
山の中腹の町、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの4月は、まだまだ寒く、キッチンテーブルですするラーメンは、とりわけ胸に浸みたのでした。
あ〜、ラーメン、うまいな~!
初めての巡礼仲間
ドイツからきた女性モニカと、KOREAの青年キンと一緒に食卓のテーブルを囲みました。
「なぜ、この巡礼にきたの? 」と聞かれました。
子どもたちは、あっという間に成長してしまうでしょ。だから、子どもが子どものうちに、カミーノを800㎞を歩くチャレンジをしてみたかったの。きっと何か発見や学ぶことがあるはず。それを一緒に経験してみたいと思って。学校だけが勉強するところじゃないと思ったのね。
モニカとキンは
「それは、君たちにとって貴重な体験になること間違いない!」とChaiとDenを応援してくれました。
そして
「明日、いっしょに歩き出そうよ。」と誘ってくれました。
一緒に行きたいけれど、私たちは、ここにもう一泊して、杖とナイフを手に入れるつもりなのです。
モニカたちは、とても残念がってくれました。
2段ベッドの上で、この日のために買った寝袋を、初めて広げました。
奮発して、軽くて小さい羽毛のものにして、大正解でした。
3人はジッパーを上まであげ、エビみたいに丸くなりました。
なんだかホカホカして、繭の中にいるみたい~!
毎日がキャンプだね!
ChaiとDenが、ウキウキわくわくしながら横になっているのが伝わって来ました。