サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

1/60サンティアゴ巡礼初日の注意・ピレネー山越え・朝の大切な儀式

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416 カミーノ ピレネー山越え サンティアゴ巡礼1
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「学校に行けないなら、スペインをひたすら歩く旅に出てみない?」と15歳次女と10歳の弟を連れ、サンティアゴ巡礼(カミーノ)の旅へ行くことにしました。私は英語もろくに話せず、そんな体で子ども二人を連れ、海外の巡礼に行くなんて…、巨大なチャレンジでした。けれど、なんとかして現状の流れを変えたかったのでした。歩き始めの頃は、背中のバックパックが重く、足元はふらつき、疲れと不安のかたまりでした。果てしなく続く長い道のり、日照りや雨風、時には雪!、ごろごろの石道、泥道、草や木に囲まれ、自由に歩きまわる動物、見知らぬ町、様々な国の人々と出会いと別れ、そしてひたすら、ひたすらに歩く日々でした。しかし巡礼終盤になると、子どもたちは、自然の声を、心と身体で聞いているかのようでした。そして『カミーノの住人』と言えるような自由さで、旅の不自由を楽しんでいました。歩いた距離は930km、かかった日数は60日間でした。
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4/16(金)→オリソン  カミーノ初日! 8km(距離) / €76(3人の生活費) 宿:納戸に泊まる @€31×2人分

 

朝6時半に起きました。石造りのアルベルゲの部屋で、2段ベッドの下段をベンチにして座り3人は、パン、ハムポテトサラダ、いちごの朝食をとりました。

外は小雨が降っていました。4月の半ばですが、ここはピレネー山の中腹です。かなり冷え込みました。

ジャケット、雨カッパ、タイツ、ズボン、オーバーパンツ、手袋など

着ぶくれするぐらい、着込むことにしました。

 

 

カミーノで大切な儀式・靴ずれ予防

 

カミーノ(サンティアゴ巡礼)を歩くうえで、いちばんの気がかりは靴ずれを起こすことでした。足が乾燥すると、靴下や靴と擦れて、皮膚が破れやすいのでは…と思いました。

それで毎朝、ChaiとDenの両足に、足の指の股までハンドクリームをべったりと塗り込むマッサージをすることにしました。

毎日、これをすればマメは出来ないよ。

Kumi3

くすぐった~い!

Den

足クリームマッサージは、マメや靴ずれを予防するため、欠かすことの出来ない歩くための大切な習慣となったのでした。

このおかげで、ほとんど足のトラブルがなく過ごすことが出来ました。

これは云わば、一日の始まりの儀式でした。

さあ、出発しよう!

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー歩き出すホスタピレロと

アルベルゲのオスタピレロ夫婦が、フランス語で

「頑張ってな、気をつけてね!」

と言ってくれているようでした。わざわざ外まで見送りに出てくれました。

オスピタレロというのは、アルベルゲ(宿)の世話人のことでした。

この先も、お世話好きのオスピタレロ、ビジネスライクなオスピタレロ、一緒に歌ってくれるオスピタレロと、公共営業のアルベルゲは、さまざまなな個性がありました。

民間営業のアルベルゲは、たいてい値段が高い設定ですが、その分、設備もスタッフもサービス良く整っていました。

 

サンティアゴ巡礼、カミーノを歩き出すとき注意は?

 

7時半に、アルベルゲを出発しました。

ピレネー山に入るとお店が一軒も無いという事でした。サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの町で食料を調達して持ち運ばないといけません。

パン、ハム、リンゴ、チョコレートなどバックパックに詰めました。

あ~、三人分の食料、重いわ~。でも仕方ない…。

Kumi3

けれど、そんなに買う必要はありませんでした。私たちは、ピレネー山の中腹の宿(アルベルゲ)オリソンに泊まることができました。歩く予定の距離は8㎞でした。初日の足慣らしには丁度良い距離でした。そして、その宿は朝夕と食事が付いていたのでした。

しかし多くの巡礼者は、今日一日でピレネー山を越え、ロンセスバージェスまで歩いて行くのでした。

初日に25㎞の長距離。

道はアップダウンの未舗装の山道。

しかも、食料を運ぶので荷物が重い。

という、三重苦がぶち当たってくるのでした。

しかし、ラッキーなことに、水は途中に水道があるので、運ばなくてもよいのでした。ペットボトルを持っていないと水を汲むことが出来ません。空っぽでも必ず一本は持って歩きました。

 

そんな訳で、カミーノ初日に一番の難所が待ち受けているのでした。

 

サンジャンピエドポー2人出発

小雨がちらつく中、歩き出しました。

緩やかな坂を下ると、門が見えました。

 

416サンジャンピエドポー門、カミーノ

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの町外れにあるスペイン門を抜けた瞬間、巡礼が始まるのでした。

 

ピレネー山脈で誕生日

 

今日でChaiは15歳でした。

いま、学校を離れフランスのピレネーの山道を歩いているなんて…。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー1菜の花

なんか不思議な気持ち~。ワクワクするね!

Chai

ほんとね!そんな気持ちを聞くと嬉しいわぁ!

Kumi3

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー歩き出す2.3

ホタテ貝とひょうたんをリュックに下げると、すっかり巡礼者となるのでした。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー1山道疲れた風

しかし、わたしたちは初日の初心者でした…。

バックパックが重いのと、歩き慣れていないので、すぐに息が上がりハァハァしてしまいました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー、枯れ木

枯れ木が「頑張れ~!」と応援してくれるようでした。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー山道の霧

牧場の向こうは、霧が広がっていました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー、朝焼け

8時半、ようやく朝日が昇りました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、山霧、オリソン

わあ!ここは雲の上なの?

Den

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン手前山道1

山道を歩くなんて、久ぶりでした。

転ばないように~!

 

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、サンジャンピエドポー1山道

ピレネーの山越えは、美しい景色の連続でした。

けれどその時は、バックパックの重さと山道を登ることに精一杯で、周囲をゆっくりと観て楽しむ余裕がありませんでした。

(カミーノが終わり、写真を見てみると「あら、なんて綺麗な景色だったのだろう~!」と後になって気が付いたのでした。)

 

出会った最高齢と最年少の巡礼者

 

途中、カナダ人の家族と一緒になりました。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン、牧場の道ジョイン一家と

あらら?おばあちゃんかとお孫さんかな?

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソンジョイン一家と

左端が78歳のおばあちゃん8歳と10歳の女の子、お父さん、お母さん、そしておじさんの6人グループでした。

しばらく、一緒に歩きました。

陽気なママさんは、Chaiが今日、誕生日だと知ると、ポカポカした牧場の山道で

『ハッピーバースデー・トゥ・ユー♪』を音頭をとって歌ってくれました。

そして彼女は、ユーモアたっぷりに言いました。

「おばあちゃんがカトリックでね、どうしてもカミーノ(サンティアゴ巡礼)に行くっていうのでね、みんなついてきたのよ。ここはカトリックの道でしょ。私はプロテスタントの大学に行ったのよ。あなたたちは、カトリック?」

いいえ、違うの。カトリックじゃないのだけれど、子どもたちと一緒にカミーノを歩くチャレンジをしてみたい、そして学校だけが勉強じゃないと思って、ここに来たの~。

Kumi3

と言うと

「そう!私もまったく同じよ‼︎とお母さん同士、意気投合しました。

 

フランス側、最初で最後のアルベルゲ、オリソンが見えた!

 

道沿いに、大きな建物が見えてきました。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンみえた2

あっ!あれじゃない?アルベルゲが見えたよ!わーい!

Den

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン看板

お昼頃、出発から8kmの宿、オリソンアルベルゲに着きました。

オリソンアルベルゲ(メールで予約ができます。)

『refuge.orisson@wanadoo.fr』

いつも予約がいっぱいという事でした。

私たちが、ここに泊まることが出来たのは

「 初日だし、子連れだから早めに休んだほうがいいだろう。」と巡礼事務所のおじさんが気を利かせ、満員のオリソンアルベルゲに少々無理を言って予約を入れてくれたのでした。(オリソンアルベルゲは、民営なので予約ができました。)

「納戸でよければ、OK!」ということで、泊まれることになったのでした。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン水道

水道があり、そこからピレネー山の水をごくごくと飲みました。美味しい水でした。ペットボトルにも汲んでいきました。

 

416カミーノ、ボカディージョ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン、

オリソン宿の外のカフェテーブルで、サンドイッチと飲み物を頼みました。

こんなに美味しいサラミ、初めて!でも野菜が欲しくなるわね~。

Kumi3

 

今日はたった8kmだけれど、かなり疲れました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン、ジョイ家族横

けれど私たちは、ここのベッドに横になれるのでした。

ああ、ヨカッタ!休める~。

Chai

しかしカナダ人の家族は、ベッドが満員で、ここに泊まれませんでした。この先の宿まであと17kmありました。

今はもう、午後1時でした。あと、5~6時間、いや、もっと掛かるかもしれません。

 カナダ人のママさんは

「ノーチョイス…!」

仕方がないと両手を広げるゼスチャーしました。

「また会えるといいね!」と私たちはハグをして見送りました。

「グッドラック!」

私たちは8歳の女の子のことを思うと、ここに泊まれて申し訳ない気持ちになりました。

オリソンのアルベルゲは、定員人数が少ないのでした。巡礼事務所のおじさんの手配で、泊まらせてもらえラッキーでした。

 

 

シャワーと洗濯と探索

 

1ユーロのコインを入れると、5分間お湯が出るシャワーを浴びました。

ちょっとぬるーい、そして水圧よわ~い…。

Chai

しかし…我慢がまん。

私たちは、ここで休めるのですから。

アルベルゲに着いてシャワーを浴びたあと、必ず洗濯をしないといけません。洗濯機があれば、使わせてもらいました。

無ければ、シャワールームか洗面で手洗いをしました。

 

干す場所が開いているといいのだけれど…。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソン洗濯場

山の中腹の干場はどうかな?

足場が悪そうね…。

 

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン納戸洗濯場

私たちの寝る納戸の前がいいかな。

山を吹き上げる風が強く、洗濯ばさみで留めておかないと、すぐにどこかに飛んでしまいそうでした。

洗濯ばさみは、必需品ね!

Kumi3

 

洗濯が終わると、アルベルゲの周りの探索をしました。

 

416オリソン、ヤコブ像、カミーノ

ここにも、ヤコブ像があるね!

Chai

そうでした。この先、様々なデザインのヤコブ像が待っているのでした。

 

さあ、岩山に登るよ!

416カミーノ、サンティアゴ巡礼、ピレネー、オリソン、岩山3

登頂、やっほー!

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソン、岩山2座る

本当は大きな岩でした...。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソン、岩山2

しかし、その後ろを振り返ると、ピレネーの麓の景色のひろがりを、一望することが出来ました。

 

 

ディナーで再びハッピーバースデー♬

 

オリソンは一人一泊€31でした。そこにはディナーと朝食が含まれていました。

有難いことに、小学生は無料にしてくれました。

ディナーの時間が始まりました。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンディナー、スープ

鍋ごとトマトスープが出て、自分で好きなだけ注ぎました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンディナー豆

白いんげん豆のトマト煮。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンディナー肉

牛肉とパン、そして赤ワイン。

 

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンディナーケーキ

デザートにクリームパイというメニューでした。

 

そのあと、アルベルゲの奥さんが

「皆さ~ん、順番に自己紹介をしてください。」と声を掛けました。

総勢30人、様々な国から来た巡礼者たちの自己紹介が始まりました。

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンディナー全員

国の名前、自分の名前、どうしてここに来たか…。。

多くの人がヨーロッパ人でした。KOREAの人が1人、あとは私たち日本人が3人でした。

今日は、私の15歳の誕生日です。

Chai

と英語で言うと

ハッピーバースデーの大合唱 が始まりました。

隣に座っていたクリスティーナおばさんが、Chaiに自分のロザリオをプレゼントしてくれました。

 

416カミーノ、サンティアゴ巡礼ピレネー、オリソンロザリオ

指につけてお祈りする、素敵な木製の十字架でした。

うわぁ素敵!ありがとうございます!

Chai

とChaiは嬉しくて嬉しくて、指にはめ何度も眺めていました。

Denの自己紹介は、急きょChaiに仕込まれた英語を言いました。

ウイ アー ジャパニーズ。マヨネーズ(My name is ) Den..。

Den

たったそれだけでしたが、みんなウケてくれました。

こんな子どもの巡礼者は珍しいのと、はるばるアジアの日本から来ているので、さらに歓迎ムードが増大したのでした。

 

 

納戸に寝袋を広げ寝る

 

「寝る場所は納戸しかないのよ、ごめんなさいね。」と言いながら、アルベルゲの奥さんは、寝る場所を案内してくれました。

OKです。泊まれるだけでも有難いです!

Kumi3

 

416カミーノ、ピレネー、オリソン納戸

狭くて物だらけで、すきま風が入ってきますが、私たちは泊まれるだけでも本当にラッキーでした。

 

 日が暮れたのは22時ぐらいでした。

416オリソン、夜景、サンティアゴ巡礼

夕焼けの名残がみえました。

ママ~、トイレ!

Den

深夜、Denに起こされ、Chaiにも起こされ、計2回トイレツアーにいきました。

寝ている納戸からトイレまで、外の道を50歩ほど歩くようでした。

ところが納戸から外へ出ると、ChaiもDenも私も歓声をあげました。

こんなに星がいっぱいなの、生まれて初めて見た!

Den

わあ、すごーい!星の雨?星の海?星の野原?

Chai

空が星だらけでした。

この星空は、カミーノから誕生日プレゼントだね!

Kumi3

うん!

Chai

ピレネー山の中腹は、絶えず風が吹き上げてきました。

さあ、冷えるね、ベッドに戻ろう。

私たちは、星空を胸に納屋へと向かいました。

 

私は心の中で

とにかくここに来れてよかった

この星空が見せられて、もう満足~!!

まだ巡礼は始まったばかりなのですが…。

【物価サンプル】

サンドイッチ、カフェオレなど€14 宿代€31×2 合計 €76

 

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「学校に行けないなら、スペインをひたすら歩く旅に出てみない?」と15歳次女と10歳の弟を連れ、サンティアゴ巡礼(カミーノ)の旅へ行くことにしました。私は英語もろくに話せず、そんな体で子ども二人を連れ、海外の巡礼に行くなんて…、巨大なチャレンジでした。けれど、なんとかして現状の流れを変えたかったのでした。歩き始めの頃は、背中のバックパックが重く、足元はふらつき、疲れと不安のかたまりでした。果てしなく続く長い道のり、日照りや雨風、時には雪!、ごろごろの石道、泥道、草や木に囲まれ、自由に歩きまわる動物、見知らぬ町、様々な国の人々と出会いと別れ、そしてひたすら、ひたすらに歩く日々でした。しかし巡礼終盤になると、子どもたちは、自然の声を、心と身体で聞いているかのようでした。そして『カミーノの住人』と言えるような自由さで、旅の不自由を楽しんでいました。歩いた距離は930km、かかった日数は60日間でした。
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