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カミーノを母子3人・60日間・930㎞を歩いた旅ブログ・カミーノ鍼灸CS60マッサージ院

51/60「歓喜の丘」を通り越し心の準備も無くサンティアゴ大聖堂へ

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605スペイン巡礼 道12手繋ぎサンティアゴ Santiago
この記事を書いている人 - WRITER -
「中学校に行けないなら、スペインをひたすら歩く旅に出てみない?」と15歳の次女と10歳の弟を連れ、スペインのサンティアゴ巡礼(カミーノ)へ行くことにしました。初日にガイドブックを失くし、スマートフォンも使えなくなるという状況に陥り、私たちは、まるで中世の巡礼者のように歩きました。かかった日数は60日間、歩いた距離は930kmでした。その後長女と夫と2回ほどカミーノの一部を歩きました。帰国後、この旅の名前をとって『カミーノ鍼灸マッサージ院』を始めました。マッサージとCS60という器具を使った施術をしています。
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6/5(金)→サンティアゴ・デ・コンポステラ 朝食モリモリ 21.3㎞/€60 レンガの古い神学校@€12×3

 

に起きました。 

604 サンティアゴ巡礼 スペイン ディナー アルカ

昨日はパスタをたくさん茹で、その残りがかなりありました。出発前、お皿に山盛りにしてワシワシと食べました。

お腹がすいているというより、

今日一日を、なるべく早く歩くため、エネルギーをしっかり取っておかねば!

Kumi3

という気持ちでした。

はたからみたら、朝から食欲旺盛な人たち!と思われたかもしれません。

キッチンでカフェラテ、コラカオを飲みながら、出発までの時間を、5分間だけ味わいました。

 

サリアから先は6時台に出発!

 

6時30分、出発しました。

605スペイン巡礼 出発早朝12 3サンティアゴ Santiago

まだ、外は暗い様子でした。

 

605スペイン巡礼 朝モヤ暗い12 サンティアゴ Santiago

あと二日でサンティアゴの街だね。巡礼が終わるんだね…。

Chai

605スペイン巡礼 朝モヤ暗い12 肩組みサンティアゴ Santiago

わ~ん! 終わりたくない!まだDenは歩けるよ!!

Den

605スペイン巡礼 早朝12 サンティアゴ Santiago

まだ薄暗い中、巡礼が終わることを惜しみながら歩きました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ アスファルト右手ゴミ箱12 Santiago 街 

道はしばらく舗装路が続きました。

 

605スペイン巡礼 畠道右手向け12 サンティアゴ Santiago

だんだんと畑の広がる田舎道になってきました。

 

ホセと歩く

 

途中でホセに会いました。「コンイチワ!」

ホセは少し日本語が話せるのでした。

私たちの救世主、ホセ!!

アルベルゲの怖いおばちゃんと私たちが泊まれるように戦ってくれたり、昨日も険悪な食卓の中、子どもたちをバルに連れ出してくれました。

わ~い! ホセ!! 昨日は花火楽しかったね、うひゃひゃ~!

Den

605スペイン巡礼 2h サンティアゴ Santiago

二人は、しばらく帽子を取り換えっこして歩きました。

 

605スペイン巡礼 トンネル12 サンティアゴ Santiago

トンネルを抜けました。

 

605スペイン巡礼 杉並木12 サンティアゴ Santiago

杉の木の林は、日本の田舎道のようでした。

 

605スペイン巡礼 杉並木123 サンティアゴ Santiago

なんとなく今日は、いつもより道を大切に歩きました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 木文字看板のみ

「Santiago ⇒」の看板がちらほら現れました。

 

605スペイン巡礼 道標石 サンティアゴ Santiago

ええっ!あとサンティアゴの街まで12.5㎞!なんだ…。

Chai

 

605スペイン巡礼 クロス枝 サンティアゴ Santiago

金網には、小枝で作ったクロスが見えした。

 

605スペイン巡礼 モニュメント123 サンティアゴ Santiago

今日はなんとなく、巡礼の終わりを意識して、3人一緒の写真を何回も撮ってしまうのでした。

 

605スペイン巡礼 飛行機 サンティアゴ Santiago

わあ、飛行機!

 

605スペイン巡礼 電圧所12 サンティアゴ Santiago

途中、3~4か月の赤ちゃんをベビーカーに乗せて巡礼をしている夫婦を見ました。このあと、ママさんがが道端に座り、母乳をあげていました。

通り過ぎる人々が皆、微笑ましく眺めながら通り過ぎていきました。

 

オレンジの皮のむき方

 

 

605スペイン巡礼 右手木田舎道12 サンティアゴ Santiago

 ちょっと休もうか~。

歩き出して1時間半ほど経ちました。

オレンジの皮のむき方、アラン先生に教わったんだ。

Den

605スペイン巡礼 オレンジ4 サンティアゴ Santiago

オレンジの上と底を切るのね。

Den

605スペイン巡礼 オレンジ5 サンティアゴ Santiago605スペイン巡礼 オレンジ6 サンティアゴ Santiago

そして、横に切り込みを何ケ所かつけるの。

Den

それから手でむけば、硬いオレンジも楽にむけるんだよね!

Chai

605スペイン巡礼 民家 サンティアゴ Santiago

庭に花がいっぱいのスペインらしい民家を通りました。

 

605スペイン巡礼 モニュメント顔 サンティアゴ Santiago

これは、ちょっと謎のオブジェ…。

 

バルでスパニッシュオムレツとバーガー食べる

 

途中でバルを見つけました。

605スペイン巡礼 バル2 サンティアゴ Santiago

オムレツハンバーガーをオーダーしました。

605スペイン巡礼 バーガー サンティアゴ Santiago

ハンバーガーは野菜っ気なしの肉だけバーガーでしたが、とってもおいしかったらしく、始めは一つを2人で分けると言っていたのですが、結局もう一つ頼むことにしました。

 

605スペイン巡礼 スパニッシュオムレツ サンティアゴ Santiago

私はオムレツを頼みました。

このスパニッシュオムレツというのは、各々の家庭により独自の味があるというものでした。

うちは、を入れる、うちは入れない。ガーリックを入れる、入れない。玉ねぎを入れる、入れない。ミルクを入れる、入れないと様々でした。

ここのバルのオムレツはどうかしら?

Kumi3

それが気になり頼んでみました。ここのは、ジャガイモ玉ねぎでした。

うん!塩の味付けがいい味、おいし~い!

 

サリアから先の増える巡礼者

 

大聖堂まで数キロと迫っているせいか、巡礼者がとても増えてきました。

605スペイン巡礼 お墓 サンティアゴ Santiago

前も後ろも人が重なり、連なって見えました。

 

605スペイン巡礼 シダ サンティアゴ Santiago

普段なら、ぜんまいの先端の丸まったところを、摘んで食べてみたりするのですが(アーモンドのような味がする)今日はそんな余裕が湧いてきませんでした。

 

605スペイン巡礼 家左右12 サンティアゴ Santiago

さあ、どんどん行こう!

 

605スペイン巡礼 緑左右田舎道12 サンティアゴ Santiago

とにかく距離を稼ごう!

 

605スペイン巡礼 自転車 サンティアゴ Santiago

わっ!あんな自転車で巡礼する人いるんだね!

Den

605スペイン巡礼 道12手繋ぎサンティアゴ Santiago

もうそろそろ、今日のアルベルゲに着くね。明日はサンティアゴの街。巡礼のゴールだね!

Chai

ChaiとDenは、自然と手をつないで歩いていました。

 

Gozo・歓喜の丘、モンテ・ド・ゴゾ

 

アルベルゲが近くなると、人も多くなってきました。

605スペイン巡礼 石造り右12 サンティアゴ Santiago

小さなリュックの巡礼者は、バックパックを配達してもらうサービスを利用しているのでした。(それは、最近のカミーノでとてもポピュラーなサービスでした。)

あ、あれが「歓喜の丘」だ~!

Den

605スペイン巡礼 モニュメントゴゾ123 サンティアゴ Santiago

 

モンテ・ド・ゴゾの「歓喜の丘」に着きました。この丘からサンチャゴ・デ・コンポステラの街が見え、巡礼者たちが歓喜の声を上げたという場所なのだそうです。

なんか、曇りのせいかな。サンティアゴの街、大聖堂、見えないね…。

Chai

多くの人が巨大モニュメントの前で写真を撮り、そのまわりで休んでいました。私たちも、丘の斜面の草っぱらで休憩することにしました。

丘の下のほうで、針金細工をしているおじさんがいました。

近くまで見に行くと、おじさんはDenに巡礼者の姿をした針金細工をくれました。おじさんは、ずっと針金とペンチで、器用に巡礼者の姿を作っているのでした。

おじさんは、針金細工が出来たそばから、手にした巡礼者に無料であげているのでした。

ムーチョ・グラシアス!

Den

丘を登りながら、もらった針金細工を手の平に乗せ

「へえ、面白いね、上手だね~!」

と3人でとっかえひっかえ眺めました。

するとDenは、急に猛ダッシュで自分のバックパックの所へと行きました。

草の上に座り込み、バックパックをゴソゴソと探り始めました。

そのうち、服や寝袋をそこら中に放り出し、まるでお店を広げているようでした。

あれ~どこだ?拾った1ユーロがあるはずなんだ…。

Den

あった!

やっと見つけ出すと、1ユーロコインを握りしめ、再び猛ダッシュで丘を駆け下りました。

そして、針金細工をくれたおじさんに

グラシアス!

Den

とハアハアしながら

そのコインを手渡しました。

おじさんは、ニッコリ笑って受け取ってくれ、そしてもう一つ針金細工をくれました。

ムーチョ・グラシアス!

Den

ちょうど、そこを白馬の巡礼者が通り過ぎました。

605スペイン巡礼 馬 サンティアゴ Santiago

カッポカッポカッポ~!

白馬も素敵だけれど、

Denの気持ちも素敵ね~!

 

ゴゾのアルベルゲ到着

 

「歓喜の丘」からアルベルゲへ向かう矢印に沿って歩きました。

605スペイン巡礼 ゴゾアルベルゲ野原 サンティアゴ Santiago

野原を横切ると、800人定員のゴゾのアルベルゲがありました。

 

605スペイン巡礼 ゴゾアルベルゲバックパック サンティアゴ Santiago

到着順に置かれたリュックが、蛇のように長々と続いていました。

13時少し前に着きました。

アルベルゲの受付手続きが始まりました。30分ほど並び、自分たちの順番が近づいてきた時、既にチェックインしたKoreaのおじさんが

「ここは、トイレもシャワーも無いよ!」と言いました。

そんなことってある?

Kumi3

ああ、別棟まで歩くということなのだな…。

中をササッと見てみました。無機質な感じでした。沢山作った箱のようなイメージでした。この近くには、お店もありませんでした。

どうする…?

ChaiDenの意見を求めるべく、順番を待ちながら作戦会議を始めました。

せっかく着いたけれど、ここに泊まる気がしないのよね…。

Kumi3

Denもなんかヤダ~。人がいっぱい過ぎる!

Den

サンティアゴに行っちゃおうよ!だってあと4㎞だよ!

Chai

そ、そうね…、

この800人定員の巨大アルベルゲで、シャワーの順番、水道場、洗濯場の確保…、考えただけで気が遠くなってきました。しかも、楽しみな探索が出来るお店も周囲にありませんでした。

けれど、サンティアゴの街に行くのは明日!と決めていました。今日は心の準備がまったく無いのだけれど…。

え~い、サンティアゴの街へ行ってしまおう!

 

巡礼仲間に書き置き

 

でも、待って。ピノがここに泊まるかもしれないよ~。

Den

Denは、ピノが大好きなのでした。(ピノはリバディソ・ダ・バイショで出会った日本人のお兄さん。)

それじゃあ、張り紙をしていこう。

Kumi3

『ピノ、この先のアルベルゲに行くね。サンティアゴ・デ・コンポステラで会おう。DenChaiKumi3  6/5

ノートをちぎってこのように書き、アルベルゲの入り口にバンドエイドで貼り付けておきました。これでDenは、安心したのでした。

 

心の準備なしサンティアゴに突入!

 

さて、心の準備もないまま、サンティアゴの街へと突入することにしました。

なるほど…、こうして、大事なシーンは、突然に起きるのね…。

Kumi3

大聖堂へ行くのは明日と決めたのは….。

前日は、余裕を持ってアルベルゲで休養し、アラン先生に教わったヨガ、瞑想などをしてから、ラスト4㎞の道を、くたびれた愛着のある靴で、踏みしめ味わいながら歩こう、と思っていたからでした。

行くよ、出発!

サヨナラ、ゴゾの丘!先に行くね。

Chai

605スペイン巡礼 モニュメントゴゾ2サンティアゴ Santiago

「歓喜の丘」を後にしました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 文字看板のみ

歩き出すとすぐ、道端にSantiago という看板が目に入りました。しかし、町の名前だけで、矢印が無いのでした。少し不安になりながらも、進みました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ アスファルト正面12  Santiago 街 

今日サンティアゴだ!

なんだか気持ちが高揚してきました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ 街並み右手12  Santiago 街 

しばらく歩いたところで、実は3人ともかなり疲れていることに気が付きました。そして、どうも道に迷っているようでした。

あれれ、しばらく矢印、見てないよね…。

Den

それは、疲れと不安を増長させるものでした。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 看板12

あ!あった!地図と矢印があった、ヨカッタ~!

Chai

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 標識

おや?こんな看板発見!

耕運機馬車も道を通るんだね。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 ガードレール2

カラカラカラカラ~。

橋を渡る時、必ずやるDenの得意技。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ 歩道12  Santiago 街 

市街地の街歩きは、迷子になりやすく、ことさらに注意が必要でした。

 

サンティアゴまでのラスト4㎞が長い

 

サンティアゴの街は思ったよりも大きいのでした。

水道を発見しました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 水道

口を付けて飲まないでよ~!

Chai

わかってるってば!

Den

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 パン屋パン屋さんを見つけました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 チョコパン

パクリッ、うま~!

クロワッサン生地にチョコ掛け~。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 横断歩道

ラスト4㎞がなんて長いのかしら~。

Kumi3

途中で見つけたアルベルゲは、一人一泊10ユーロと書いてありました。

「高~い!」

全員一致で却下しました。

今まで5ユーロ寄付でアルベルゲに泊まって来たのでした。しかも、そこはサンティアゴの街の中心からかなり離れていました。

もう一つのアルベルゲは、もっと街の中心にあるようです。そこを目指すことにしました。

 

カナリア諸島から来た道案内人

 

すっかり、街の風景になりました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ街並み12 正面家群Santiago 街 

しかし、目指すアルベルゲの場所が分かりません。矢印が少ないのでした。

重い荷物と疲れた身体で右往左往していると、4人の男女の若者グループが、声を掛けてくれました。

「君たちどうしたの?」

私は前のアルベルゲで手に入れたサンティアゴ街の地図を見せ

「ここのアルベルゲに行きたいのです。」と指を指しました。

すると、エネルギッシュでスタイリッシュな彼らは、4人頭を突き合わせ地図を覗き込み、あっちこっちを指しながら考えてくれました。

彼らはカナリヤ諸島から来たのでした。どうりでお日様のような明るさを放っていました。

途中まで一緒に歩いて探してくれました。けれど、彼らも途中で地図をひっくり返し、ああでもないこうでもないと一緒に迷子になりました。(当時はグーグルマップなど、まだあまり使っていないのでした。)

605スペイン巡礼 カナリヤフレンド サンティアゴ Santiago

「あ、あっちだよ!」とわかるところまで来ると、

「がんばってね!」と言いながらキットカットチョコを差し入れしてくれました。

私たちも

「ムーチョ・グラシアス」とお礼を言い、みんなでハグをして別れました。

いつも、誰かが助けてくれるね!

Chai

605スペイン巡礼 クレヨンしんちゃんモニュメント サンティアゴ Santiago

途中の公園に「クレヨンしんちゃん」らしき、落書きがありました。

わあ!スペインのテレビでやってるんだね‼

Den

 

神学校がアルベルゲだった!

 

 

605スペイン巡礼 サンティアゴアルベルゲ 1Santiago 街 

これ、学校みたいよ~。

Chai

アルベルゲって書いてない?宿舎なのかな???

Kumi3

近くに来ているようなのですが、なかなかアルベルゲが見つかりませんでした。

その場所は教会?いや、学校のようでした。

605スペイン巡礼 サンティアゴ アルベルゲ 前の公園12Santiago 街 

私たちはもっと街の中心まで行ってみようと、学校を通り過ぎました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ アルベルゲ 前の公園2Santiago 街 

今、15時半でした。4㎞の道のりを2時間のあいだ、さ迷っていました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴアルベルゲ 2Santiago 街 

坂を下り、賑やかな街に入っていきました。

アルベルゲの近くに来ていることは分かっているのですが、決め手が見つからず行ったり来たりしていました。だんだん疲れがピークに達してきました。

ラストの歩きは優雅に行きたいのに~。

Kumi3

あれは? 教会だね…?

じゃ、あれは? 古い市役所かな…?

すみません、アルベルゲはどこですか?

Chai

向こうから来る、血のついたおろしたての肉片を、透明な大きな袋に入れて歩いているおじいちゃんに聞いてみました。

「ふむふむ、ついておいで。」

三人はカルガモの親子のように、おじいちゃんの後ろに連なりました。プラプラ揺れるお肉を見ながら。

わぁ、これ鳥?豚?牛?それとも羊??血が袋の底にたまってる…、わわわ…。

Den

一気にアルベルゲよりも、肉の正体に気持ちがシフト...。

すると、途中で別のおじさんが

「アルベルゲ?」と言って道案内を変わってくれました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ アルベルゲ 横道12 Santiago 街 

あ、何だ…。さっき古い建物、学校がアルベルゲだったのね~。

Kumi3

「おじいちゃん、おじさん、ありがとう!」

だいぶ遠回りをしました。

そこは神学校アルベルゲになっていたのでした。

レセプションに着きました。

「一人一泊いくらですか?」聞くと

「12ユーロ」と言われました。

ええっ!さっきのアルベルゲより高いね!!

Chai

でも、もうここしかないよね。疲れたね…。

Kumi3

もう、とにかく休みたい一心で、ベッドを確保することにしました。

しかし、考えてみれば、こんなクラッシックで立派な建物に泊まるチャンスは、なかなか無いのでした。私たちはチェックインしました。

とにかく疲れた〜!

シャワーを浴びよう!

私とDen は、シャワーを浴びに走りました。

Chaiは、汚れた服のままベッドに倒れこみ、そのまま熟睡してしまいました。

 

子ども巡礼者の悩み

 

シャワールームは、広めの顔を洗う洗面台のスペースに、個室のドアが67並んでいました。

お湯の温度と量は、ともにまあまあでした。シャワーを浴びた後、洗面で髪を整えていると、

Denは、シャワーのドアの外側の取っ手に、脱いだ服と着換えを掛けて、シャワーを浴びていました。

シャワーの中の釘に掛ければいいのに。盗られるものも無いと思うけどさ。

Kumi3

だって、服をかけるところが、高くて届かないんだもん。だから外のドアの取っ手に服を掛けてシャワー浴びてるんだよ。

Den

あら~、そうなの〜!

Kumi3

今頃、気付いたの?ずっとだよ。シャワーのレバーだって、届かない時もあるんだよ。そういう時は人に頼むんだ。

Den

と言うのでした。

それはそれは…、今までご苦労だったのね~。

Kumi3

今まで、男女別にシャワールームが分かれていたので、気が付きませんでした。

手が届かない高さのシャワールームの釘、シャワーレバー、

子ども巡礼者の悩みだったか〜。

 

ついにサンティアゴ大聖堂!!

 

 

605スペイン巡礼 ホタテリュック サンティアゴ 探索12Santiago 街 

ひと休みして、夕方6時ごろ出掛けることにしました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ街並み12探索 Santiago 街 

サンティアゴの街を探索に出ました。

あっ、あれじゃない!

Chai


605サンティアゴ大聖堂 正面camino スペイン

サンティアゴ大聖堂だっ!

わあ、すご~い

Den

 

サンティアゴ大聖堂 スペイン巡礼123

あぁ!!

Kumi3

ついに到着したね~!

Chai

まわりには、感激のあまり泣いている人もいました。

私たち、しばらくそこに立ち尽くしました。

これがサンティアゴ大聖堂なんだ!

ここに来るまで、あんなに長く大変な日々だった…。

...。

Chai

感動が大きすぎて、言葉に出来ないのでした。

ただ、そこに座り込んで大聖堂を仰ぎ見ていました。

しばらく、そうしていました。

「明日また、ゆっくり見に来ようね。」

「うん!」

「うん‼」

 

 

大都会サンティアゴの街はご用心

 

あのアルベルゲ、もう一泊するよね?

Chai

そうね~。もうちょっと安い宿ないかしらね~。

Kumi3

ホテル、ペンションの看板を見ながら歩きました。小さなアコモデーションという看板を発見しました。参考までに、値段を聞いてみると、一部屋55ユーロでした。

いまの神学校は、336ユーロでした。

アルベルゲは、プライバシーはゼロだけれど、移動はやめようね。ここは都会だからアルベルゲもお値段が高いのよね~。

Kumi3

広場から階段を降りました。人々がお土産を買ったり、屋台を見たりしていました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ 噴水 探索 Santiago 街 

噴水のあるプラテリアス広場の先で、巡礼事務所の場所を確認しました。

明日、私たちもクレデンシャルを提出し、巡礼証明書を受け取る予定でした。

 

605スペイン巡礼 移転前 巡礼事務所 サンティアゴ Santiago

これが巡礼事務所の入り口でした。(現在は移転しています。)

 

広場ほうへ戻ると、たくさんの屋台がありました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 スパイス

これは、スパイス屋さん。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 パン

わあ!美味しそうなパン屋さん!

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 エンパナーダ

これはエンパナーダの切り売りの屋台でした。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 エンパナーダ皿

それぞれ、好きな味を一切れづつ買いました。

広場の石の壁の前に座り、エンパナーダを食べていました。

605スペイン巡礼 サンティアゴ ベンチ12 探索 Santiago 街 

すると、スペイン人のおじさんが日本語で話しかけてきました。

「コンニチハ! ワタシタチ トモダチネ。

オミヤゲ  オミセ   シッテイルヨ~、アンナイスルヨ~!」

わっ、なんか怪しい!!

Chai

みんな、すぐ移動よっ!わざわざ日本語で話しかけて来て、お土産屋さんへ連れて行くなんて、お金しぼり取られたら大変!

Kumi3

いままでの巡礼で寄った街 とは、明らかにスケールの違う人、人、人でした。

物売りも、物乞いをしている人もいました。

 

605スペイン巡礼 サンティアゴ Santiago 街 大道芸

人だかりに移動すると、コントみたいなお笑いパフォーマンスをしている人たちがいました。サンティアゴ大聖堂の周囲は、いつでもお祭りのようでした。

 

615 Santiago town サンチャゴ街 大道芸シルバー23

大道芸人のシルバー像マリア様がいました。

 

605スペイン巡礼 犬 サンティアゴ Santiago 街 

カバンからひょっこり顔を出したお上品そうな犬が

「そうよ、ここは大都会だから、カミーノの田舎町とは違うのよ。ご用心してくださいよ!」と言っているようでした。

 

 

スペインでキッコーマン

 

神学校アルベルゲはキッチンがあり、道具もありました。自炊が出来るのでした。

スーパーマーケットに探索しにいこう!

何があるかな~?

あ、醤油だ!!キッコーマン。

Chai

キッコーマン醤油があれば、和食料理ができそうでした。

帰り道、ワクワク~、スキップしながらアルベルゲへ戻りました。

以前の寄付のアルベルゲのディナーで

ジャパニーズソイソースだよ。」とオスピタレロが勧めてくれました。

お醤油だ、ヤッター!

と料理にかけたところ、焼き鳥のタレのような妙に甘いもので、3人ともがっくりしたのでした。

これをソイソースって言うな~っ!

Den

今回は、日本でもお馴染みのキッコーマンでした。

早速、お米を鍋で炊きました。

アボガド、たことツナの缶詰に醤油をかけました。キュウリとトマトのサラダを添えて。

ただこれだけで、シアワセになりました。

お醤油があるだけで和食でした。

さらに、鍋で炊いたご飯のおこげに、お醤油を掛けて食べました。

ああ、これ。焼きおにぎりだわ。しあわせ!

Kumi3

605スペイン巡礼 キッコウマン サンティアゴ Santiago 街 605スペイン巡礼 サンミゲル サンティアゴ Santiago 街 

キッコーマン醤油、サイコー!!

私は、スペインのサンミゲルビールを開けてグビリ!

ついにサンティアゴ大聖堂に来た~!

到着祝いのディナーになりました。

残ったご飯で、お醤油をつけた握り飯を作り、ラップがないのでビニール袋を破いて包みました。

「お醤油おにぎり」は貴重なごちそうの食糧でした。

 

この古い神学校アルベルゲは、連泊が可能でした。

605Spain KOREA camino JAPAN アルベルゲで

いつも応援してくれるKoriaのお兄さんも、一緒のアルベルゲでした。

「君たち、あした巡礼証明書をもらうなら、朝9時前には巡礼事務所に着いたほうがいいよ。そうすれば、待たなくてすむからね。」と教えてくれました。

ナイスな情報、ありがとう!!

 

ベッドは横三並び

 

 

605サンティアゴアルベルゲベッド camino スペイン

三人、3つベッドが並んでいました。ここは二段ベッドはありません。それが新鮮で安心でした。

チョコレートケーキを一切れつまんでから、歯を磨きました。

うふふ、着いたんだね。本当に!

Den

なんか、じっとしてても笑えてきちゃうね。

Chai

ピレネーの山越えが、すごく昔のことに思えるね!

Kumi3

私たち、お互いが穏やかな優しい顔をしていることに気が付きました。

おやすみなさい。

DenChaiもすぐに寝息をたてていました。

私は窓辺に寄り、教会の鐘が明りに照らされているのを見ました。

605サンティアゴアルベルゲ窓から教会 camino スペイン

青い夜の中、金色にもれる光が美しいのでした。

なんて言ったらいいんだろう。

サンティアゴの街に到着することをずっと目指し、フランスの国境の山を越え、800㎞を歩いてきました。

なんて嬉しんだろう!! あの日、踏み出した一歩が、ここまでたどり着いてしまうなんて!

Kumi3

荷物が重くて、暑くて寒くて…、

足が限界と感じても止まるわけにもいかず…、

嘆いても仕方がないので、歯を食いしばりながら一歩一歩足を動かし続けた日も、幾度となくありました。

ついにサンティアゴ大聖堂に到着!

やった!

嬉しい!!!

しかし…、それは慣れた日々とのお別れを意味しました。

仕事や学校や家事なんか気にすることもない。

携帯もパソコンも離れ、

夜は、暗くなったら星をみて眠る。

そして朝日の中を歩き出す。

心配ごとは、足と食事と宿だけでした。

私の人生の中で、こんなにシンプルでワイルドでエキサイティングな日々は、後にも先にも無いだろうな…。カミーノを離れるのが淋しい。

Kumi3

これが、サンティアゴに到着してから押し寄せてきた正直な感想でした。

私は、憧れのサンティアゴの街で眠るというのに、口角が上がるというよりは、眉毛が下がったような顔をしていました。

 

 

 

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