52/60サンティアゴ大聖堂ボタフメイロ、ミサで涙し巡礼証明書貰う
6/6(日)サンティアゴ・デ・コンポステラ 巡礼事務所へ向かう 0㎞/€89 神学校アルベルゲ@€12×3
昨日、Koreaのお兄さんに教わった通り8時には巡礼事務所へと向かいました。
神学校のアルベルゲを後にしました。
あの三つのトンガリ屋根がサンティアゴ大聖堂だね!
坂を下って街に向かおう。
古い小さな教会の前を通り過ぎました。
いつの時代に来たのかな?というくらい古い建物の町並みでした。
壁の彫刻がステキだね~。
サンティアゴの街はカテドラル(大聖堂)だけでなく、他にも教会がいくつもありました。
20分ほど歩き、巡礼事務所に着きました。
開くのは9時でした。
すでに20人ほど並んでいました。
巡礼証明書を手に!内容を解明してみた
巡礼事務所の建物の中に入りました。階段までずっと、人の列が続いていました。
巡礼事務所の廊下の壁には、このような絵と文字が描かれていました。
巡礼事務所に入ると、スタッフは証明書の発行手続きをテキパキとこなしていました。窓口は7~8個ありました。
次々とクレデンシャルを審査し、証明書を発行していました。
まるで、日本の銀行カウンターのようでした。
申請用紙は、並んでいる間にすでに配られていました。
そこには三つの欄がありました。
①カトリック
②スピリチュアルの探究
③文化的興味
それらのどれかに、チェックを入れるのでした。
私たちは「スピリチュアルの探究」にチェックをいれました。
いよいよ、順番が来ました。
カウンターのスタッフに、記入済の申請用紙とクレデンシャルを一緒に提出しました。
私たちのクレデンシャルは、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから始りました。途中でスタンプの押すところが無くなってしまい、ノートの表紙を切り取り、布テープで貼り足して使っていました。
どこを歩いて来たのかを、日付とスタンプが証明しているのでした。
5分ぐらいすると、私たちは名前を呼ばれ、それぞれに巡礼証明書が発行されました。費用は掛かりませんでした。(2010年当時)
☆巡礼証明書☆
巡礼証明書の文字は、ラテン語で書かれていました。
CAPITULUM hujus Almae Apostolicae et Metropolitanae Ecclesiae Compostellanae sigilli Altaris Beati Jacobi Apostoli custos, ut omnibus Fidelibus et Peregrinis ex toto terrarum Orbe, devotionis affectu vel voti causa, ad limina Apostoli Nostri Hispaniarum Patroni ac Tutelaris SANCTI JACOBI convenientibus, authenticas visitationis litteras expediat, omnibus et singulis praesentes inspecturis, notum facit:Dnam hoc sacratissimum Templum pietatis causa devote visitasse . In quorum fidem praesentes litteras, sigillo ejusdem sanctae Ecclesiae munitas, ei cofero. Datum Compostellae die 6 mensis Iunii anno Dni 2010. Annus Sanctus.
神聖なこの証書と教会の大聖堂であなたを祝福します。ヤコブが埋葬されたコンポステラの祭壇と一緒に。世界中からの信者と外国人のために献身、誓い、スペインの使徒たちの信仰、 聖なるヤコブが私たちに遺す史跡、私たちの遺す言葉は、最も熱心で神聖な大聖堂にあります。全ての者のそれぞれの内に存在する魂を探求する。このことを熱心に行い訪れたものにもまた、聖なる教会のご加護の印が付いた証書を提供します。 2010年6月6日にCompostellae で与えられました。聖なる年。(2010年は聖年であったので、この言葉が付属されていました。通常の年はありません。次の聖年は2022年です。)
カウンターの職員は、3人の証明書をクルクルっと巻き、一本の赤い筒に入れてくれました。
わあ!嬉しい〜‼︎
私たちは、担当のお姉さん職員と、カウンター越しに握手をしました。ニコニコ笑顔で手を握り返してくれました。 ムーチョ・グラシアス! ムーチョ・グラシアス!
感激で胸がいっぱいでした。
事務所を出るとき、私たちは自然とスキップになっていました。
ヤコブ像にハグをする
軽い足取りで、カテドラルに向かいました。
階段を上り、キンターナ広場に出てみると、カテドラルに向かって長い長い行列ができていました。
なんだろう、これ?
一番後ろに並んでみようよ!
私たちはとりたてて用事もないので、列の一番後ろに付きました。
1時間と少し並び、やっとカテドラルの建物の中に入りました。行列は狭い階段も、そのままに続いていました。
私たちは、押し出されるように上へ進み続けました。
はて?一体何があるんだろう…。もう1時間以上も並んでるわ…。
そのたどりついた先に、ヤコブの像がありました。その背中ごしに、階下のミサの祭壇を見下ろすことができました。
ヤコブ像は、全体が金ピカでした。そしてボディ全体に、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤなどの宝石が散りばめられていました。グリム童話に出て来るような、王様のイメージでした。
なんてゴージャス!
ピカピカで目が眩みそうでした。
みんなヤコブ像にハグをするのために行列してるんだね!
1人だいたい10秒ぐらい、ヤコブ像に両手を回し、自分の頬を肩に預けるのでした。
そうして目を閉じてじっとしている人、何かを願うように囁く人と皆それぞれでした。
順番がきました。ヤコブ像は、私やChaiが ハグするのにちょうどよい肩の高さでした。Denは背伸びをするようでした。
ヤコブ様、全部歩きました。
カミーノが終わるのが淋しいです。
わたしの番が来ました。ヤコブ像を両手で抱え、左の頬に自分の頬を寄せました。
ハグをしながら、
食糧や靴をありがとうございます。カミーノが終わっても見ていていください。
一瞬、時が止まった気がしました。
そして、ヤコブ像を離れたとき、スワッ!とおでこに爽やかな風が吹きつけた感じがしました。
サンティアゴ大聖堂
でっかいね! やっと着いたね。サンティアゴ大聖堂だ~!!
サンティアゴ大聖堂は、出来てから800年も経っているんだって。すごいね~!!
素晴らしい造形だね‼カテドラルの建物が祭壇みたいね。1985年に世界遺産に登録されたのだって。ローマ、エルサレム、そしてこのサンティアゴ・デ・コンポステラがキリスト教の三大聖地といわれているのだって。
見上げながら、周りを歩いていきました。
中は1200人が収容できるということでした。
さあ、ミサに行ってみようね!
ミサは12時から始まるのでした。
サンティアゴ大聖堂でボタフメイロ体験(動画あり)
いよいよカテドラルに入りました。
今日は日曜日でした。さらに聖年でもありました。スペイン国内から来た人、海外からの観光客、そして巡礼者たちでカテドラル内はいっぱいでした。
何とか祭壇近くの、柱のそばに落ち着きました。
11時までに、巡礼事務所で手続きをすると、ミサで名前を呼ばれると聞いていました。
9時半には巡礼証明書をもらっていたからきっと呼ばれるよ!
「ハポン」ていうんだよね!
私たちは、全身の神経を耳に集中させ「ハポン~ 〇〇...」という言葉を待っていました。 わからない、聞こえなかった〜。
早口でもあり、うまく聞き取れず…、言ったかどうかは、わかりませんでした。
そうしているうちに、ボタフメイロに火が入りました。
「ボタフメイロ」というのは巨大な香炉のことでした。
昔の巡礼者たちは、長旅を終えミサのためこの大聖堂に集まると、その臭いは相当なもでした。当時は髪や体を洗うことなど、ひんぱんには出来ませんでした。
それで、その臭いを消し、カテドラル内の空気を浄化させる役目を果たす巨大な香炉、ボタフメイロが登場しました。
教会の空中に6人がかりで綱で引き上げ、南北に振られるのでした。
これは聖年は毎日振られます。それ以外の年は祝日や式典、そして大きな献金があった時に振られるのでした。
6人の剛腕な男の人たちが綱をひっぱり、ボタフメイロを引き上げました。
これは2010年聖年、サンチアゴ大聖堂ボタフメイロの映像です。↓↓↓
ボタフメイロは、空中にぶら下がるとカテドラルの中を南北に、ブオーン、ブオーンと大きく揺れました。
ボタフメイロの隙間から白い煙がこぼれて落ちて来ました。
いつも牛の臭いで悩まされていたDenは いいにおいがする!
あんな、大きなぶんぶく茶釜が空中を飛んで香りを撒くなんて‼ おもしろ~い!すごい発想ね。迫力があって、そして美しい形ね‼
約束どおり名前を呼ぶ!
教会内は、ボタフメイロの出現と一緒に音楽が流れました。人々の歓声やざわめきが湧きおこる中で、Chaiは叫びました。 アンヘリネス〜!
アンヘリネスは、暑さの厳しい日、道の途中で自宅に招き入れてくれ、お茶とお菓子をご馳走してくれたおばあちゃんでした。出発間際、3人の顔に日焼け止めまで塗ってくれました。
そして
「お願いがあるの。サンティアゴ大聖堂に着いたら、私の名前を呼んでくださいな。私の名前はアンヘリネスと言います。」と頼まれていました。
Chaiはしっかり覚えていたのでした。もちろん、Denも私も。
巡礼路の途中、たくさんのスペインの人々に助けてもらいました。
大聖堂ミサ、ハグして涙…
ミサは終わりに近づき、周囲の人とハグをする時になりました。
後ろの人とハグをしました。スペインから大聖堂を訪れた人のようでした。
右側の人は、ドイツから来た巡礼者のご夫婦でした。
「Saint- jean?(サンジャン?)」と一言、聞かれ
「Yes! Saint- jean!(はい!サンジャンから!)」と答えました。
すると、うんうんと頷き、お互いの眼に涙がジワッと浮かんできました。
ご夫婦それぞれと、ギューッとハグをし、お互いの背中を叩き合いました。
そして、最後に左側のChaiとDenと思いっきりハグをしました。
そこで堪え切れず、涙がポタポタとこぼれ落ちました。
グスッ、よく歩いたね。ChaiとDenは、こんな小さな身体で800kmも…。頑張ったね。
昨日、サンティアゴの街にたどり着いた時
「ついにサンティアゴ大聖堂、巡礼のゴールだ~!!」
と嬉しい気持ちで見上げました。
しかし、どこか実感が湧いてきませんでした。
それが今日、大聖堂の中で歩いた日々を思い起こしたとき、涙が後から後からあふれ出て自分でも驚いたのでした。
カトリックの信者の人々は「聖体拝領」に並びました。神父様に聖なるお煎餅を貰うのでした。
カトリックでない人は絶対にもらってはいけないのでした。
以前、パンプローナの教会のミサでもらってしまい、大ひんしゅくをかった事件がありました。
ミサが終わりました。
静かに人々が広がり出しました。
私たちは、広いカテドラルの中を歩きました。
祈るための小さな祭壇の部屋がありました。そこには、ロウソクが灯され、厳かな雰囲気が漂う中、ひざまづき祈りを捧げる人が幾人もいました。
私たちは、その扉の中に入りました。すると、ChaiとDenも自然と背筋が伸びました。
しばらく椅子に座り、目を閉じ大聖堂の空気を感じていました。
大聖堂の天井に「目」がありました。
お土産はサンティアゴの名前の入ったナイフ
大聖堂の中に、お土産屋さんがありました。
そこで、カミーノすごろくを買いました。
カテドラルから広場を眺めました。
サンティアゴ大聖堂から出て、通りの賑わいのほうへ向かいました。
お土産屋さんに寄りました。
Denは、刃にSantiago と文字が彫り込まれているナイフ。
Chaiはブレスレットを買いました。
私は、サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂の絵が彫ってあるキーホルダーと小さなカバンを模した銀細工を買いました。
懐かしい顔と再会
巡礼事務所のある通りに出てみました。お昼は何にしようかナ~、と探索していると
あ、日本人?STおじさんだ!
「SNおじさんは?」と聞くと、パラドールに泊まったということでした。
キンターナ広場にドデンと構える古くて重厚な建物のサンティアゴ・デ・コンポステラのパラドールは、スペイン国営の宿泊所でした。
入り口にシークレットサービスのようなスーツのスサンティアゴ・デ・コンポステラタッフが、常駐していました。
パラドール、一泊2万5千円だって! うわっ、いいお値段!私たちは一泊12ユーロ。だいたい1440円ね!
あ、私たちをかくまってくれたお姉さん!
レオンのアルベルゲでベッドが隣だったお姉さん!
わあ!アルベルゲに泊まれるよう戦ってくれたホセ!
午後になっても巡礼事務所に並ぶ人の列は途絶えませんでした。
ああ、ピノがいる!! ねえ、昨日、ゴゾのアルベルゲにメモの紙を貼ったんだよ、見た?
「見た見た〜!同じ神学校のアルベルゲにベッドを取ってあるよ!」とピノは言いました。
ヤッター!あとで会えるね!
打ち上げご馳走ランチ
たどり着いた巡礼者で、賑わう巡礼事務所の通りは、外にイスとテーブルを出したバルがいっぱいでした。
さあ!ごちそうを食べようよ、何が食べたい? プルポ!プルポ!茹でだこ食べたーい!
街を歩き回り、タコ料理のありそうなレストランが地下にありました。
ドア越しに覗いてみると、お客さんで賑わっていました。
うん、美味しそうな予感!
スペイン、お隣のモロッコはタコの産地でした。お店のディスプレイが大きな茹でタコを頭を下にして吸盤の丸まった足を上にして置いていました。
アハハ!面白いね。
案内をしてくれたバルのお姉さんも親切でした。
それぞれ、好きなものをオーダーしました。
プルポ(茹でだこ)、ムール貝のスープ。 やったー!タコタコ、プルポ!! わあ~、ムール貝のスープ、だしが利いていて美味しい~!
チキンソテーとエビもたのみました。
このチキン、柔らかくておいしい!最高!!
聖地にたどり着き、巡礼証明書を手にしたお祝いに相応しいランチでした。
ピノが言ってたよ。大西洋の海に沈む夕陽を見たら、巡礼が本当に終わるんだって~。
フィステラまで歩こうよ。大西洋の海が見たい!ここは、人が多過ぎて疲れちゃう。もう、明日にはカミーノに戻ろうよ! フィステラまで、あと100kmよね。5日間ぐらかな。OK! 明日出発しようね!
そうなると、今日でサンティアゴの街はお別れでした。
ランチの後、気が済むまで街探索をすることにしました。
サンティアゴ街角アート
さすが、サンティアゴの街はカミーノのゴールであり、大観光地でもありました。たくさんの出店があり、道端のパフォーマンスも様々なものがありました。
練りチョコおじさん。
お願いすると、ココアの粉と砂糖とオイルを練って棒状にしてくれるのでした。
油絵を描いているおじさん。
花、茎、葉を使い、サンティアゴ大聖堂を作っているグループがいました。
どんぐりも並べてる!作るの楽しそう!
道に大きなを厚紙を貼り、マジックインキで描いたサンティアゴ大聖堂のイラストがありました。その紙の上に、寄付のコインが集まっていました。
ピノがピザを買っていました。
あのね、フィステラまで5日かかるんだけどね、明日から行くんだ。ピノたちも行こうよ。
「そうか、OK~!」
「Bien vamos!(いいね、行こう!)」
図書館に新聞を探しに行く
Chaiが街の案内図を見て、近くに図書館があることを発見しました。
そこに行けば、セブレイロ峠で取材された新聞の記事が、あるかもしれないね。
先週の日曜版の新聞に載ったと聞きました。
図書館へ、新聞のバックナンバーを探しに行こう~。
しばらく、歩きました。
あの建物の向こうかな?
図書館!と思っって入ったところは、教会でした…。
あ〜ん、がっかり…。
三人ともすっかり疲れてしまい、木陰のベンチで昼寝をすることにしました。
スペインの4時はまだまだ暑く、額に髪の毛がべったり張り付くようでした。小一時間、そこでじ~っとしていました。 そろそろ、神学校アルベルゲに帰ろうか。
ため息交じりの帰り道でした。
しかし、救いの神が現れました!
チョコパン買って~!
おこげご飯とお醤油で和食気分
神学校アルベルゲまでの帰り道、日陰を選んで歩きました。
地下キッチンでお米を炊き、アボガドにお醤油をかけて食べました。
ああ、おこげにお醤油、うまいうまい!
ランチにご馳走食べたから、今晩はこんなんでいいわよね!ねっ!
昨日に引き続き、残ったご飯でお醤油おにぎりを作り、キッチンを片づけました。
スペイン夕焼け、夜9時半まで公園で遊ぶ
晩ご飯を夕方6時に食べても、ここスペインは、夕暮れが9時半ぐらいでした。まだまだ、明るく散歩するには余裕の時間でした。
スーパーマーケットの探索に行こうよ!
ところが、きょうは日曜日。お店はお休みでシャッターが閉まっていました。
残念〜。
通り道で見た公園で、遊ぶことにしました。
公園に着くと、お兄さんが壁にイラストをペンキで描いていました。
夕方8時になりました。
「少し寒い~」というDenに、私の赤と黒のチェックのプルオーバーを着せてあげました。ダボダボだけれど。 うん、これで大丈夫!
わたしは、亡くなった母が天国で微笑んでいるのを感じました。そのシャツは、私が高校生の時、母がミシンで縫って作ってくれたものでした。
3人で好きなだけ遊びました。
ブランコ、すべり台、シーソー...。
何をしても、嬉しくて楽しくて、ゲラゲラ笑ってしまいました。
大聖堂のミサ、ボタフメイロ、巡礼証明書、ヤコブ像にハグ、巡礼仲間と再会、お土産選び、タコやチキンのご馳走ランチ、道端アート、図書館探し、お醤油ご飯、公園遊び…、
サンティアゴの街はなんとまぁ、忙しくエキサイティングな一日をくれました。
寝不足では明日、つらくなるよ。もうそろそろ帰ろうか。
明日、ここから大西洋へ向かいます。
あと100㎞を歩くのでした。
カミーノがまだ続くと思うと、嬉しい~!
大聖堂が夕焼けに包まれました。
サンティアゴの街、出会えて嬉しかったヨ!
おやすみなさい。