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カミーノを母子3人・60日間・930㎞を歩いた日々・旅ブログ

47/60新聞に載る!長距離巡礼者の絆・夢は決めると本当になるよ!

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601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 牛行進 12
この記事を書いている人 - WRITER -
「中学校に行けないなら、スペインをひたすら歩く旅に出てみない?」と15歳の次女と10歳の弟を連れ、スペインのサンティアゴ巡礼(カミーノ)へ行くことにしました。初日にガイドブックを失くし、スマートフォンも使えなくなるという状況に陥り、私たちはまるで中世の巡礼者のように道にある黄色い矢印だけを頼りに歩きました。かかった日数は60日、歩いた距離は930kmでした。その後長女と夫と2回ほどカミーノの一部を歩きました。
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6/1(火)→ポルトマリン 暑さ限界の寝苦しい夜 16.4km/€51泊、素敵な四角教会の町 @€5×3

 

私は夜中、お腹がぐわぐわした違和感で、目が覚めました。枕もとに置いた懐中電灯で荷物を探り、整腸剤を探して飲みました。

暑い、アツ〜イ。ああ~、寝苦しい。何でこんなに汗をかくのだろう…。熱でもあるのかしら…。

Kumi3

汗ビッショリでした。部屋はかなり蒸していました。

すると、下の段のベッドに寝ているDenが、蝉の幼虫のように、はしごを這い登り上段の私のベッドにやってきました。

アーン、暑いヨー、アツーイ

Den

そうして私の横で、パタリと寝入ってしまいました。

時々、Denは私のベッドに寝袋を引きずって入ってきました。二人で寝るには窮屈、けれどDenが怖い夢で怯えたり不安を感じて、何となくママの隣で寝たいと思うときは、いつでもウェルカムにしていました。

幼児でもないのにママと一緒に~??と思われるかもしれません。

けれど、Denは男の子、あと23もすれば、身体も大きくなり、変な声と変なヒゲで親離れしていくのは目に見えているのでした。

こんな風に甘えて頼りにしてくるのも、一生のうち、あとほんの少しの期間なのよね〜。

Kumi3

増してこのカミーノ暮らしは、毎日が違うベッド、違う枕で寝て過ごしているのでした。

日本でさえ、寝相が悪く、朝起きると枕が足にあり、逆さまになっていることが、しょっ中あるDenよくベッドから落ちないで寝ているなぁ〜と感心しているぐらいでした。

寝ながらも、それなりに緊張感を持っていると思うのです。

しかし、5分もすると…

ヒーッ、やっぱり上もアツ〜イ!

Den

そう言うと、またハシゴを降り下の寝ぐらへと引き戻っていきました。

しかし、本当に暑い!

この部屋は、通路を挟んだ両側に2段ベッドが並んでいました。その夜は熱帯夜でしたが、エアコンはおろか、換気も無しでした。

暗闇の中、多くの人が暑さで寝苦しく身をよじり、寝返りをうち、やり場のなさに耐えている気配が、そこここに感じられました。

うーん、このベッドは「行」と思うことにしよう…。

Kumi3

けれど、いつのまにか寝入っていました。

 

515分に電気が点く

 

ふと、ガサガサ支度する音、シャワーを浴びる音で目が覚めました。

気が付くと、まわりの人々が出発の支度を始めていました。どのベッドも手探りで動いていました。まだ、窓の外は真っ暗でした。腕時計を見ると

えっ、5時?みんな早いなあ!

Kumi3

すると、誰かが暗闇の作業にしびれを切らし、勇気を出して電気を点けました。

それが515分!でした。

わあ、こんな早い時間に電気を点けられたのは初めて〜!

Kumi3

ここはサリアから西、サンチャゴ大聖堂まであと100km少しの地点でした。ここから先は、宿の確保が困難になると聞いていました。それでみんな、殺気立っている様子でした。

アラン先生が言っていたのはこのことか

部屋の巡礼者たちは我れ先に!と出発して行きました。

普段、寝ぼすけの私たちも、危機感を感じ、なんとかそれに続きました。

一昨日は、ラッキーでした。巡礼仲間がシェアしてくれたので民間のアルベルゲの個室をリーズナブルな価格で泊まることができました。ですが、この先、アルベルゲがフル(満員)で泊まれなかった場合、ホテルやペンションだと、1人が一泊40ユーロぐらいすることもあるのだと聞きました。

それは痛い出費です。

是非とも避けたいわ~。

Kumi3

6時に起こすね、と言っておいたChaiとDenですが、起こすことにしました。5時20分でした。

突然の早い出発の声掛けも

暑いね~、うん、いいよ…。外に出たほうが涼しいかも。

Chai

ここ暑い〜、よく眠れなかった~、もう出発するの?わかった~。

Den

と、すんなり起きました。そして周りの巡礼者たちの未だかって見たことのない素早い出発に刺激され、支度の手を早めたのでした。

 

闇夜の月、版画の中を歩く

 

3人は、起きてから超特急で支度をし、アルベルゲをあとにしました。

6時前には出発することができました。

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 出発暗い12

わーっ、真っ暗!

Den

まだ本当に夜中でした。

懐中電灯で、黄色い矢印を探しながら進みました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け 月

わあ!月がきれい!

Chai

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう朝暗い12

黄色い矢印を見失わないように…。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 出発版画木

濃紺の空、木のシルエットに囲まれました。

版画の中を歩くみたいね~。

Kumi3

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け雲月と太陽の勤務交代の時間です。空が忙しく動き始めました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け 薄い月

月があるのに太陽も出てきたよ!

Den

 

仕方なく泊まったアルベルゲの意味

 

突然起こしたから、眠い~!とか、文句が出るかしら…?

Kumi3

という心配もよそに…

 601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝日焼け 2

外のが涼しくて全然いいね!

Den

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け 太陽7時、朝日が昇り始めました。

わあ!夕焼けみたい。きれいだね~!

Chai

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け明るい景色

畑もおはようの時間だよ~!

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう朝 薄暗い12公園へ

ChaiとDenは思いのほかサクサクと進み、むしろ暗い早朝から歩くのを楽しんでいました。

昨日のアルベルゲには、仕方なく入った感じがあったのですが、そこにはいくつかの巡り合わせがありました。

私とChai真紅の薔薇を貰ったり、欲しかったXDカードが手に入ったり

更に、この素晴らしい夜明けを歩くために、あの暑苦しく寝苦しいベッドが存在していたのかもしれない…とさえ思えてくるのでした。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け明るい光 きれい

日中、かなり暑くなるので、今までも朝5時台に出発したいと思っていても、3人の寝起きと支度を繰り上げることが難しく、実行出来ずにいました。

朝焼け歩き、一度やってみたら良かったね!これからは朝型になって歩こうよ。

Kumi3

うん!涼しくていいね。

Den

昨日の寝苦しいベッドはさ。この朝日の中を歩くために必要だったのよ。失敗は成功のもと。アンラッキーはラッキーのもと!

Kumi3

ママは楽天家だもんね。

Chai

 

朝日の美しさと息苦しさ

 

空が明るくなり出すと早い早い~。

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼けデジタリアン

デジタリンだって綺麗きれい!(別称ジギタリス・毒がある)

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け明るいかかし

カカシ君、夜明け前までは、自由に動きまわっていたんじゃないの?

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝焼け明るい景色の空今日の空が始まりました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝日公園へ景色

わあ、眩しくて行き先が見えないね!

Chai

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 夜明け道23

朝の光の美しさと裏腹に、明るくなった世界に目に付き出したのは、牛の糞がいっぱいということでした…。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 朝日、向こう町12

Denはニオイに敏感なので

うーん、鼻で息ができなーい!

Den

と、口呼吸をして歩いていました。

 

牛の出勤

 

このあたりの道は、牛の牧場があちらこちらにありました。

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 牛小屋にいるいる

さあさあ、ホルスタイン種チーム、牧場へ出勤ですよ~。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 牛行列ほら、よそ見しないでね!ハーイおかあさん、モー!

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 牛行進 いるいる草っぱらまで止まらないのよ~!ハーイ、モー、モー!

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 茶牛小屋にいるいる

モーッ!ジャージー種チームは、草っぱらに出勤済みでした。

 

あと100㎞の道標!

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 柵の木

何でもない道端に座り、パンをかじりました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 石造り家右2人

やっぱり、牛のにおいがするんだよな~。

Den

仕方ないでしょ。慣れるしかないんだから。

Chai

あ、あれ見て!

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin カミーノ100km石碑

道の途中、あと100km道標を発見しました。(落書きが残念…。)

あと、もう少しでサンティアゴ大聖堂だね!

Den

 

あなたたち、新聞で見たわよ!

 

4~5人のスペイン人のグループが私たちを追い抜いて行きました。

と同時に

「あなたたち、新聞で見たわよ、日本から来た親子でしょ。わあ、ほんとにそうだわ!一緒に写真を撮っていいかしら!」と声を掛けてきました。

「いつの新聞ですか?」と聞くと、2~3日前の日曜版に特集されていたのだそうです。

へえー、見たいなあ。

Chai

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 新聞に出てた

一緒に写真を撮りました。

「スペインに来てくれて嬉しいわ!あと100km、お互いに頑張りましょうね!」と励ましてくれました。そして、速足で先に行ってしまいました。

どこかで、その新聞を探してみようね。

Kumi3

2010531日(日)前後スペイン、ガリシア地方の新聞(多分)に、私たちの記事が出ていたそうです。当時の新聞を持っている方、または何かご存じの方、おられましたら是非、メールにて教えてください!一応、ここで呼びかけておきます。(^^)

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 一本石上 2人

石がゴロゴロで歩きにくいけど、、この石の柱は助かるね~。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin カミーノ99km石碑

そしてとうとう、あと二桁になったよ!

99㎞!

 

無人休憩所のおもてなしに2度びっくり!

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 123カゲ

まだ10時前でしたが、陽が昇り暑くなってきました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 朝日公園へ23

ちょっと止まって上着を脱ごうか。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin バル 水買う 

途中、バルで1リットルの水を買いました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin バル12水買う

休憩ターイム!

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 石垣左 12

再び、歩き出しました。今日はいいペースで進んでいます。

道の途中、民家の前の机に果物がいっぱい載っていました。

その横にDONATIVE(寄付)と書いてありました。

わぁこれ、ありがたいね〜!

Chai

素敵な企画にびっくりしました。

それぞれ、バナナリンゴキウイをいただきました。小銭をかき集め、お皿に入れました。

わーい、嬉しいね!

Den

写真を撮るね~と言っている間に、DenChaiは歩き出しました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 寄付民家

パチリ!と写真を1枚撮ると

今いくよ~、待って〜!

Kumi3

と、私は慌ててその場を離れ、ChaiとDenに追いつきました。

 

5分ぐらい歩いたところで…。

あ!1リットルのペットボトルの水を、机の上に置き忘れたわ~!

Kumi3

えーっ!あれ、まだ水が3分の1ぐらい残ってたよね?

Chai

そう、水は大事だものね!

仕方ない…。

来た道を戻りました。トホホ…。

すると、また びっくり。

え〜⁉ 嬉しい~‼︎

Kumi3

飲みかけの1リットルのペットボトルの水が、満タンになっていました!

親切だね!お礼を言いたいね。

Chai

門を少し入って

オラー、オラー!

Den

と叫びました。

が、誰も出て来ませんでした。

見てるか見てないか、

聞こえるか聞こえないかはわからないけれど、

ペットボトルの水を高くかかげ

「ム〜チョ・グラシア〜ス!」

3人は、大声で叫びました。

 

無人見張り付き販売所

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 右にレンガ家 2

ペットボトルの水を無事に手にし、歩き出しました。

 

途中、中世の巡礼者のような出で立ちのおじさんが犬と一緒に歩いていました。

 

しばらく行くと、またさっきと同じように家の前に机がありました。

その上にポットに入ったコーヒー、水桶に入ったコーラ、ジュースがありました。

横に1」と書いてありました。

これは、無人販売所なんだね。

Kumi3

うわっ、あそこの柱の陰から、ほらっ、人がこっちをジーっと見てる!

Den

そーっと見回すと、あらま?この家の人かしら…。

確かに私たちを柱に隠れながら注視しているのが分かりました。

なんだかちょっぴり怖いので

私たちは、まったく手を付けずスルーしました。

歩きながら

かえってドナティブ(寄付)の方が、みんな気軽に立ち寄って、お金入れていくのにね。

Chai

 

カミーノで犬が...

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 石垣左下り12

田舎道をしばらく行きました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin バル スタッフ

すると11時頃、センスのいいバルを発見しました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin バル12

敷地の中の外テーブルと椅子で、休むことにしました。

カフェレチェとチーズケーキをたのみました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin チーズケーキバル2

おいしい!チーズケーキの甘さとコクが最高!

カフェからの眺めもいいね~!

Chai

今朝の出発はバタバタしたけれど、これで疲れが飛んでいくわね~。

Kumi3

あ~、このまま眠りたいなぁ〜。

Den

ホッコリしたのも束の間、にわかにテーブルの周囲がざわざわと騒がしくなりました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin バルシェア

2頭のシェパード風の巨大な犬が、私たちのテーブルの周りをウロウロし始めました。

落ち着いて食べられないほど、寄って来ました。

食べものが欲しいのかな…、でも、チーズケーキはあげられないよ!

Chai

すると、オスとメスらしき2頭の大型犬は、私のすぐ横に来て、止まりました。

そこに留まると、二頭はあやしい動きを始めました。

なんとすぐ隣でおんぶガエルのように交尾を始めました。

すると、Denゲラゲラと笑い出しました。

なにあれー!?変なの、ギャハハハ~!

Den

Denは犬がおんぶしてじゃれていると思いました。

あらら〜。もー、何でわざわざここで…。

Kumi3

私はコーヒーを味わうどころでは無くなってしまいました。

まてよ….

これは、性教育のいい機会かもしれない…、と考えました。

Den、笑っちゃいけないのよ。これは交尾っていってね。

オスには精子、メスには卵子が、それぞれの性器の中にあってね。それがくっつく事を「受精する」って言うの。受精すると、心臓がドッキンドッキンと動き出して、生命が生まれるの。赤ちゃんが出来るのよ。

そのために、しているのが今のこれ、交尾ね。子孫を残すために、とても大切なことなんだよ。

Kumi3

ふーん

Den

Denの表情は真顔になりました。

しかし、ワンコたち….

私のすぐ横でず~っと…。

大きな犬だから、存在感のあること….

なんだか落ち着かないので、食べ終わると直ぐに出発しました。

さ、いこうか!

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 両側石造り家12並んで

Ⅾen、学校で保健の時間にやらなかった?

Chai

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 田舎道 右黄色花12

うーん、女子だけ集められてやったような気がする…。

Den

 

ポルトマリン・アルベルゲ着36番目

 

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 青空 田舎道 2人

石垣にヘビがいるかもよ。50㎝は離れて歩くんだって。アラン先生が言ってたよ。

Chai

橋を渡るとアルベルゲのある町、ポルトマリンでした。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 階段2

長い階段がそびえ立っていました。荷物があるので、階段の上りは一段一段がきついのでした。

うんしょ、うんしょ、ふうっ~。

Kumi3

片足でリュックと身体を、勇気を出しつつ引き上げるのでした。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 階段1

ChaiDenきゃんきゃんと跳ねるように階段を登って行きました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 階段の門

てっぺんに門が見えました。

そこをくぐると、ポルトマリンの町が始まりました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin 街並み12

この町はとても分かりやすいのでした。マカロニウエスタンの映画のように、大きな通りの両側に、お店が軒を連ねていました。

そこをずんずん歩いていくと

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 教会

四角くて、大きな丸い窓の素敵な教会がありました。初めてみるデザインでした。

その先を、まだまだ歩いて行くと、

あった、あった!

アルベルゲは、人が並んでいるので、すぐに分かりました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう アルベルゲ 並ぶ

入り口から、大きな荷物を足元に置いた人々が、それぞれに休んでいました。時間は13時半でした。

まだまだ、定員まで余裕でした。このアルベルゲは150が泊まれます。DenChaiは、何回も入り口から待っている人を数えました。

36番目だよ!

Den

と数えている途中で

前のほうにホセがいたよ!

Chai

と、知った顔を発見しました。

150人定員で余裕と思っていましたが、一時間後には、ここも満員になってしまいました。

 

ホセ発見!

 

30ぐらい待ち、玄関がオープンしました。

ここ、ガリシア地方は、

ひとり一律5ユーロでした。(2010年当時)

クレデンシャルにスタンプを押して貰うと中に入りました。

オラー、ホセ!

Den

ホセに再会してChaiとDenは喜んでいました。

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin アルベルゲ12h

ホセはスペイン人で英語が上手でした。前のアルベルゲでChaiの弾くピアノを正座して聞き感激してくれ、みんなでムカデ鬼ごっこで一緒に走り回りました。

また、日本に来たことがあり、カタコトの日本語が話せました。

とっても親しみやすい陽気なお兄さんのホセと、DenChaiすっかり仲良しになっていました。

ここのアルベルゲの受付でも、やはり紙シーツをもらいました。それは使い捨てのため、朝になると部屋のすみに、ゴミの山ができました。

仕方ないのよねベッドバグという、南京虫の防止策なのだから。

Kumi3

たしかに、ベッドバグが一匹でもベッドに居たら、身体中を刺され、ひどい痒みと皮膚のただれで、旅ができなくなるぐらいのダメージを受けるのです。

一度、冗談で

「かゆいなあ、ベッドバグかなあ〜?」と、ひと言口にしました。

すると、アルベルゲから出たばかりの巡礼者たち4~5人が、

急に私のそばから飛び離れました。

「どこで?」「どこが?」「今の宿?」「ベッドの場所は?」

質問攻めにあいました。

あ、これは、冗談でも口にしてはいけない、深刻なことなのだわ…。

Kumi3

と悟ったのでした。

 

キッチンに道具がない

 

ポルトマリンのアルベルゲに入り、荷物を置き、キッチンのチェックをしました。

あら、ここも綺麗なキッチンなのに、調理用具が一つもないのね…。

Chai

スプーンも、きれいさっぱり取り払われていました。

キッチンに来た人は皆、ため息残念な声をあげていました。

ホセも仲間たちも怒っていました。

「お湯ひとつ、沸かすことができないじゃないか!」

私たちは、気持ちを切り替え今晩は冷たいディナーと思い決めました。

シャワーをササッと浴びました。特にトラブルもなくOKでした。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin アルベルゲ洗濯

洗濯も協力して、サササッと終えました。

 

ポルトマリンの町探索

 

さて、一番楽しい時間、町探索に繰り出しました。

メインストリートを行くと

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin お葬式花

昨日に引き続き、お葬式が行われている所を目にしました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin お葬式花たくさん

花束が歩道に続きました。

 

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう 13クロス

クロスのモニュメントがありました。

途中のお店でDenが、カミーノケーキを発見しました。お土産屋さんやスーパーでよく見かけるものでした。

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin カミーノケーキ

これは、昨日のアルベルゲのデザートに出ました。アーモンドプードルが入っているマドレーヌのような焼き菓子でした。

これ買って~!

Den

昨日食べて、味が分かったからもういいよ~!

Chai

スーパーメルカドを発見しました。私たちの好きなディア・スーパーマーケットでした。

日焼け止め、パン、ハム、チーズ、オレンジ、タコの缶詰、水、ポテトチップス、

さっき、ケーキを断られて残念だったDenにチュッパチャプス

今晩は、乾きもので豪勢にいこう!とカゴに入れレジに並ぶと

日本人ぽい人がいるよ⁈

Den

見回すと日本人らしきおじさんがいました。

向こうも私たちに気が付いて

「あれ?君たちは日本から?」と聞きました。

「あら、日本の方ですか?」とわたしも聞きました

「おー、おーーっ!」互いに歓声が上がりました。

おじさんは、私たちの分のビールとコーラを買い足してくれました。

アルベルゲまで、4人並んで歩き出しました。

外のベンチに食べ物飲み物を広げ、さっそくパーティーが始まりました。

お疲れさま、カンパーイ!!

おじさんはSTさんと言いました。

 

夢はなると決めると本当になる

 

STおじさんは、もと新幹線の運転手だったそうです。

息子さんが、去年この巡礼に来て

「おやじ、行ったら。きっといい!」と勧められ、今年ひとりで来たのだそうです。

あれこれ今までの旅の話日本での話…STおじさん、私、ChaiDen、順繰りに主役となり脇役となり、止めどなく話しました。

同じ、厳しい道のりを歩いてきた長距離巡礼者でした。なんだか、それだけで、出会って数時間なのに

互いの気持ちの距離の近さを感じました。

STおじさんは、DenとChaiに向き直して座り

601 カミーノ caminoポルトマリンportmarin に向かう アルベルゲst12

「おいちゃんなぁ、子どもの頃の夢は新幹線の運転手って決めていたんだ。

なりたい、じゃないんだよ。なる!ってね。そう決めるとね、不思議と夢は叶うんだよ。

ニコニコしながら言いました。

「なりたい!」じゃなくて「なる!」だね。

Chai

なんてシンプルで強いメッセージだろう!

STおじさん、ありがとう。コーラとビールもご馳走様!

Kumi3

 

 

 

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