36/60物は指先から離れた時点で所有権失う/カミーノは見てるから!
5/21(金)→サンタ・カタリナ・デ・ソモサ オスピタレラの仕事 午前観光・午後から出発 9.5km/€52 民間ナイスシャワー @€5×2
昨日トモコさんは、私たちとおしゃべりをした後、またオスピタレラの仕事に戻りました。
国籍不明のお姉さんと英語で面談をしていました。なんだか、盗難にあったとかで。警察や大使館などの情報をシェアしていました。
オスピタレラって宿泊の世話だけでなく、いろんなお仕事があるのね~。言葉が流暢じゃないと務まらないわ~。
レモンソーダの所有権
国籍不明のお姉さんは、私たちに
「ヨガマットをいらないかしら?もう使わないのよ。」と声を掛けてきました。パリに住んでいるイラストレーターなのだとか。ChaiとDenも一緒に、少し話しました。
朝ごはんの時、その彼女がドアを開け食堂に入って来るのに気が付きました。挨拶をしようと、何気なくタイミングをうかがって居ました。
すると彼女は、食堂のドアのすぐ横にある冷蔵庫を開けました。中を一べつすると、昨日Denが冷蔵庫のドアポケットの一番はじに置いておいたレモンソーダを手に取り、プシュッと開けグビグビ~と飲み始めました。
Denもそれに気が付き
あ~っ!
それを知ってか知らずか、彼女は素早くドアを後ろ手で閉め、出て行ってしまいました。
Denは逆上して
Denのレモンソーダ、あの人飲んじゃったあ!
ひどいね~!
あららら~、、、
確かにDenのレモンソーダだけれど。
うーん、マジックで名前を書いておけばよかった…。
私はまあまあ…、とDenをいさめる事にしました。
昨日、トモコさんが言っていたこと覚えてる?「ここは日本じゃないのでね。指先から離れた時点で、ボールペンだってチョコレートだって、所有権が無くなるのですよ。」って話のこと。
Denは、まだ怒りに燃えていました。キッチンルームの他の巡礼者たちが「どしたの?」とChaiに聞いてきました。Chaiが手短に説明しました。そして事情を知った巡礼者たちが
「ペケーニョ、これあげるよ!」
と、それぞれ手に手に何か持って来ました。
コーラ1缶、コラカオ2袋、キャンディが5個がDenの目の前に集まりました。
グラシアス‼
わあ、もっと多くなったね~!
まあ、ね….。
カミーノは、ちゃんとどこからか見ていてくれ、Denに代わりの物を与えてくれたようでした。
アストルガのローマ博物館
アストルガのローマ博物館のタダ券をもらいました。
行ってみると、石のレリーフ、いし、イシ、石、石、石の展示でした。
ちょっと、内容が地味なのとそれに関するスペイン語の説明が読めなかったこともあり、ChaiとDenは、さらっと通り過ぎてしまいました。しかし、よく見るとかなり凝ったレリーフで、その意味が気になったのですが…。
そして石垣の映画がありました。それを観ました。
博物館内は、私たち3人のみで閑散としていました。受付の人になんだか悪い気がして、もう一度じっくりと石の展示を観て廻りました。
アストルガの歴史
アストルガの地で紀元前14世紀に都市が形成されました。スペインの主要都市だったのですが、徐々に衰退していました。その後、カトリックの巡礼が始まり、再び賑わいを取り戻しました。3世紀の城壁など発掘された出土品が、このローマ博物館に展示されていたのでした。
※参考文献:聖地サンティアゴ巡礼(日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会)
アクセサリー屋の怪しいおやじ
さあ、買い物の時間です。昨日、チェックをいれておいたアクセサリー屋さんに、突撃!
素敵な色とりどりのストーン、宝石。
わあ!いいなあ、素敵な石たち~!。
石は石でもさっきの博物館の石とは違うね〜。
私とChai は、すっかり買い物モードに入ってしまいました。
Denは、即!飽きてしまいました。
まだ~?まだなの??
ね、ね、1ユーロでとなりのkikos(お菓子屋)でグミやら何やら明日のおやつ買っておいで。ゆっくり選んでね。じ~っくり考えてから買うのよ、いいね!
Denは、お菓子屋さんとアクセサリー屋さんを出たり入ったりしていました。
そしてDenは、どぎつい青と緑のグミ?かガム?かアイス?を食べ、舌が変な色でした。普段なら「そんなのよしなさいよ!」と言いたくなるのですが、今は「いいわよ、もっと食べてていいから~!」と放置でした。(ひどいね、私たち…。)
この青い石、素敵ね~。お姉ちゃん好きかも。
やっぱりスペインはシルバー細工が有名なのね~、ホタテ貝のピアスもかわいいね~!
そしてこのお店は、探せば探すほど面白い物が出てくるのでした。
また、ここのおやじがちょっとすごい。魔法使いみたいな怪しげな雰囲気がぷんぷんと漂うのでした。
けれど、威圧感がなく、優しい放置な感じの接客に、いい人だな、心やさしいヒッピーなのかな…、と勝手に解釈していました。
さらにお金を払うとき、言わないのにおまけをしてくれました。
店を出るとき、おじさんは私たちを呼び止め、お椀の中に入っている沢山の小石を指し
「目をつぶってひとつ取りなさい。」と言いました。それは、どうも占いのようでした。
私がまずやってみました。
つまみ上げた石は深い緑色。
するとおやじは
「この石の意味は『愛』だ。」
次にChaiがつまみました。それは白い透明な石でした。
「その意味は『集中力』じゃな。」
最後はDenの番です。
紫色っぽい石を取りました。
「その意味は『パワー』じゃ。」
それぞれの言葉を、各自とても気に入りました。ほっくりいい笑顔になり店を出ました。
「愛」か。いいなあ。いい言葉もらったなあ。カミーノのプレゼントだわ!
日本に帰ってから、高校受験があるものね。「集中力」が必要よね!
「パワー」って強そう!うひひ!
ガウディの作った美しい教会
少し歩いたところで、ギターの音に気が付きました。
ガウディの作った教会の入り口で、おじさんがギターを弾いていました。近付くとびっくりするほど激しく弾きまくるパフォーマンスを見せてくれました。
ギターケースにコインを入れておくれぇ‼︎という
迫力200%の演奏でした。
実際にものすごい速弾きでした。その絡み付くようなギラギラした目つきもド迫力でした。
は、はい、了解ですっ!
ふう〜、通れるわ…。
ガウディの作った教会は、素晴らしいデザインでした。お城のよう。
中に入ると不思議な気持ちになりました。
しばらくそこに、佇んでしまいました。
生絞りオレンジジュース: Zummo de Naranja
昨日、Denがオスピタレラのトモコさんに聞いていたのは、オレンジがコロコロと転がって中に入り、ギューっと絞られ、ジュースが出てくるというマシンのことでした。
バルやスーパーマーケットで見かけていたのですが、それで作ったオレンジジュースを飲んだことがありませんでした。
たまたま、トイレを借りたバルに、そのマシンがありました。
オレンジジュース、頼んでみようよ!
おじさんが、オレンジをいれました。
コロコロコロ~。
ジュースが絞り出され、カップにたまります。
絞りたての贅沢!おいしい~!!
スモ・デ・ナランハって言えばいいんだね!
道すがら見つけた洋品店で、涼しそうな青に白のチェックのひざ下ズボンを、Chaiに買いました。アルベルゲでシャワーを浴びたあと、リラックスしてはくのに丁度いい感じでした。
暑くなってきたから、こういう楽々パンツ、欲しかったのよね~!
エンドレスなお別れの挨拶
スーパーマーケットで今日の食糧を仕入れました。さあ、楽しい街探査は終わりです。買い物とガウディの教会で、だいぶ予定時間をオーバーしてしまいました。
アルベルゲに戻り、ランチにしました。クリスティーナがイチゴを分けてくれました。コーンフレークと牛乳をかけて食べました。
アルベルゲに預けてあるバックパックを取り
オスピタレラのトモコさんと写真を撮り、ハグをしてお別れしました。
いろんな情報を、ありがとうございました~!!
外に出ると
あ、ケニアがいる!!
巡礼犬のケニアが見えました。
二人は駆け寄りました。ChaiとDenはケニアと一緒に歩いているイニゴ兄さんも大好きでした。時々アルベルゲに着くと「イニゴとケニア、来てるかな~?」と気にしていました。
ケニアは雑種の茶色いおばあちゃん犬、初めて会ったのは、プエンテ・ラ・レイナでした。その後も、ちょこちょこと姿を見掛けていました。
ケニアは利口で大人しく、吠えたところを見たことがありませんでした。石を投げると口にくわえ、素早く取ってくるのでした。
イニゴは「犬が一緒だとアルベルゲに泊まれないことも多くてね。のんびり、野宿も織り交ぜながら旅をしているんだよ!。」と言いました。
イニゴはゼスチャーが大きくて情熱的、タトゥーがいっぱいの陽気なイケメンのお兄さんでした。スーパーモデルのような超かっこいいお姉さんと、いつしか一緒に歩いていました。
アルベルゲの玄関でさよならの挨拶をしたのですが、
ハグしてキスして手を振って。
おしゃべりをして、また
ハグしてキスして手を取って。
頑張れよ!、えらいな!、チャンピオンだナ!と
また、ハグしてキスして手を振って。
私たちは、玄関で一緒に街探索をしたクリスティーナを待っていたのですが、なかなか出て来ないのでした。
イニゴとの情熱的なお別れの挨拶がエンドレス...。
キリが無いわ~!
思い切って、出発することにしました。
「クリスチーナ、先行くね。」きっと、どこかで会えるだろう。目指すアルベルゲは一緒なのだから。目指す町は8㎞先でした。何てことない距離だしね!
午前中、アストルガを探索したので、出発は午後1時半を回っていました。
カミーノ5月、半端ない暑さ!
歩き始めました。
ガウディの作った教会を、横目に見ながら歩きました。
アストルガの教会です。
このアストルガの大聖堂は1471年から建築がはじまり、完成したのは18世紀でした。3世紀掛けて、建造されたわけです。そのため、後期ゴシックと、その後に広がるバロック様式が建物の中にみられるのでした。
直ぐに、クリスチーナが追いついてきて、私を抜かしました。
ヤング3人は速足でした。
ママー、遅いよ~。大丈夫~?
また、言われてしまいました。
3人の後ろ姿をパチリ!
けれど、やはりDenが遅れてきました。クリスティーナとChaiは速足でした。
暑い~!この町はアルベルゲはないんだって…。
水道がありました。AGUA POTABLE= 飲料水という表示がありました。
ゴクゴクゴクッ~!5月なのに、なんでこんなに暑いの~⁈
もう、頭から水をかぶったよ〜!!
しかし、垂れる水しずくも、みるみる乾いていくのでした。
リンゴをかじり休憩~。
一本道は続きました。
あ~ん、追いつけないよ~。
あ、あれ!教会かな?
この町だね!
向こうに見えるのはソモサの教会でした。
新しい建物の民間アルベルゲに入りました。そこはバルが付いていてキッチンはありませんでした。けれどシャワーがとてもいい具合でした。
温かいシャワーで汗を流すと、疲れも流れて出ていくのでした。
これ、昼ご飯?晩ご飯?
夕飯は、アストルガのスーパーで仕入れたもので済ませました。途中で合流したクリスチーナは、ピルグリムディナーを頼みました。
パンとハムとチーズ、果物を同じテーブルで一緒に食べました。
時間は夕方の6時でした。スペインの日は長いのです。日が暮れる夕焼けタイムが9時半ぐらいでした。
ねぇ、これって昼ご飯?、晩ご飯?
え?いちおう晩ご飯なんだけど…。
そうだよね。なんかお昼のような気がしちゃう。ぜんぜん暗くないし。それにいつもビスケットやパンやリンゴを、休憩にも食べているから、どれが本当の食事なのか、わからなくなっちゃった~。
スペイン人は夕方5時6時にお昼ご飯が普通でした。夕ご飯は夜10時過ぎからビール、ワインを飲みながらゆっくりと食べるのでした。
睡眠時間が短くならないのか、とても不思議に感じました。子どもも夜10時にサッカーをしている姿を何度か見かけました。
それは別段、とがめられるわけでもない、まだ遊んでよい時間のようでした。夕飯が出来る前の30分といった感じでした。
シエスタでお昼寝をしているから大丈夫なのかしら…?
活動時間の長い、エネルギッシュなライフスタイルに舌を巻きました。
私たちは巡礼があるので早寝早起き、日本の時間の流れで暮らしていました。各国の巡礼者たちもそうでした。たいてい朝6時過ぎに朝食。12時に昼食、夜6~7時に晩御飯、9時過ぎに寝るようでした。
外のテーブル横に、カエルの口に鉄の分厚いコインを投げ入れるゲームがありました。
それっ!やった~!
シンプルで意外と面白く、みんなでハマってしまいました。
突然、Chaiが
ギャッ!
今日、アストルガで買ったばかりのズボンに、鳥のフンが直撃!したのでした。
クリスティーナがすかさず
「ラッキ~!!」と笑顔で叫びました。
ゲーム€1で20分の取引!
Denは、食後ちょっと元気がありませんでした。聞いてみると
少しお腹が痛い~。
ねえ、ここのアルベルゲ、コインパソコンがあったよ。1ユーロでゲームを20分やらせて~!、そしたら何があっても明日は20㎞歩くから!
ほんとかな~?絶対だよ!
絶対の絶対‼︎!
ちょっと、こそくなやり方が気に入らないんだけどね….。
3人でベッドは2つ!
部屋は、赤いパイプの2段ベッドでした。この頃は ベッドは2つでお願いします。
2つベッドを取ると、たいてい一つの二段ベッドをあてがってくれるのでした。一人だけ離れたりすることがないのでした。
上の段にChai、下の段に私とDenが寝袋を並べ寝るようにしました。Chaiは寝ている時、あまり動かないので、ベッドの上の段でも大丈夫でした。
Denは、寝ぼけと寝相の悪さからベッドの下の段でないと落ちる心配がありました。
一度、パブラシオン・カンポスのアルベルゲで、ベッドの下段で寝ていた時、夜中のトイレへ行こうと目を開けたところ、上の段のベッドからべローンと寝袋が下がってくるのが見えました。
ん?
なんで?何??
と見ていました。と次の瞬間、
ドサッ!
と女の人が寝袋ごと落ちてきました。
女の人は
「ううっ!」っと、床でうめいた後
わりとすぐに立ち上がり、またベッドの上の段に寝袋を引きずって戻っていきました。怪我が無さそうでよかったものの…。
ひえっ!大人でも落ちる人いるのね。怖~い!!