40/60カミーノで聞く前世レッスン日々レッスン・味付に国境無し
5/25(火)→ルイテラン チョコ独り占め 25km/€41 公営 坂の上 @€ 5×3
荷造りをして、朝食をゆっくり食べました。
クリスチーナがみんなでどうぞ〜!と出したチョコレートをDenが全部食べてしまいました。
クリスティーナは、以前マザリフェというアルベルゲで出会ってから一緒に歩く仲間でした。
コリャ!コリャ〜!と、どつかれていました。
山越えして季節が変わる
出発しました。天気が今一つでした。
石造りの建物を後にしました。
古いレンガの素敵な建物を通りました。
長い坂を下りました。
坂の下には川が流れていました。
杖に巡礼中の思い出の品を、括り付けて歩く人がいました。
古い教会を通り過ぎました。
景色がいいから山道を行こう!
道が二つにわかれていました。
山道を選びました。足元はきついけれど、たぶん景色が素敵だろうから。
山をひとつ越えると建物のデザインが違っていました。今までのレンガや石造りの建物から、白い壁や黒い屋根になっていました。 新しい町なんだね。
坂が結構きついよ~!
そして暑かった昨日と季節が変わったようでした。
寒〜い!
昨日は夏みたいだったのにね…。
心が届く言葉の使い方
今日は雨が降ったり止んだりでした。 うわーん、雨やだヨ~!
エリカは言いました。
いつも心から願うんだ。
「雨降るなー。」じゃなくて「天気だよ。」
「傘忘れるなー。」じゃなくて「傘を持って行こう。」
「戦争反対!」じゃなくて「世界平和!」っていうようにね。
ネガティブなことを否定する考え方は、伝わらないのだよ。と言いました。
道に矢印を作る
エリカは、カミーノのそこ、ここでハートや矢印を作りながら歩いていました。
アルベルゲのベッドが埋まるのは、到着が早いもの順です。皆ベッドの確保にやっきになって、余裕がなくなっている頃でした。少しでも戻ることや、無駄なことをするのは勘弁してくれ~、という気持ちで歩みを早めていました。
そんな中、松ぼっくりを集め、矢印やハートを作る時間を割くなんて、出来そうで出来ない仕業でした。
花の価値
エリカのリュックに、タンポポがくくり付けてありました。
エリカが言いました。
「タンポポや、レンゲ草なら摘めるのに、ポピーやユリ、バラは摘んではいけない気持ちになる、なんでだろう….。同じ花なのに??」ある時、ふとそう思ったのだそうです。
それはどうやら、エリカ自身の中で
花屋で買う花の値段が、花の価値基準を作っている事に気が付きました。 なるほど〜。私もそう思ってしまってるかも。それ、興味深い発見だね!
道端ランチは楽しい
なんでもない道端に座りこみ、それぞれが持ってきた食料を広げ、分け合いました。
道端ランチは楽しい!
人が持ってきたものを見て食べ、そこに新しい発見があり、楽しさも倍増でした。
もう、歩道の石の上に、パンでもオムレツでも広げちゃう。みんなカミーノ旅生活に慣れたものです。
リンゴの素手割りに挑戦!
途中、私がトイレを借りにバルに入りました。
待たせてごめーん!
オスピタレロのイゴルがやって見せてくれたリンゴの素手割りに挑戦していました。
うーんうううっ〜!
パカッ!
割れた〜!!
ええっ!すごい、やらせて!リンゴまだある?
みんな「うーんうーん!」と唸って力んでいました。
再び、歩き出しました。
前世療法のメカニズム
晴れてきたよ!
私は前世療法士のエリカに、思いつくままに質問をしながら歩きました。
エリカは即座に答えてくれました。
エリカの言う「ヒプノセラピー」とは「前世療法」のことでした。
前世療法は、退行催眠(リラックスしてウトウトした状態、普通に受け応えができる)で、現在の自分の問題が発生した所まで遡ってもらうのだそうです。すると、自分の幼少期をも超えて、前世の領域まで遡ったとされる情景を語り出すというのでした。
アメリカの科学者であり精神科医でもあるワイス博士は、クライアントの恐怖症を取り除くべく退行催眠を使った治療をしてました。(アメリカでは1958年に催眠学という学問として、催眠を使った心理療法を医学部のカリキュラムとして取り上げていました。)
ワイス博士は「自分を苦しめている問題が発生した時点まで遡ってください。」と語りかけて誘導すると、クライアントは自分の幼少期を超え、生まれる以前と思われる時点まで遡り、過去の人生の話を始めたそうです。そこで起きた事象が現在の不安や恐れに関連しているのでした。
それは、作話にしてはあまりにディティールが細かい事や、その時代の背景が一致することなど、常識では計り知れない数々の事例を、長年にわたり臨床経験をしたそうです。
ワイス博士は科学者の立場から、生まれ変わりやスピリチュアルを全く信じていませんでした。
しかし、多くの症例から前世はあると認めざるを得ないと確信したのですが、それを発表するまでさらに長い年月にわたる、ためらいと葛藤がありました。
マイアミ大学附属病院の精神科主席教授をしていたワイス博士は、今まで積み上げて来たアカデミックなキャリアを失うかもしれないという大きなリスクがありました。
しかし「科学では説明できない何か」というこれからの新しい研究領域として、世に発表しなければいけないという、使命感を感じて書いた本が『前世療法』ブライアン・L・ワイス博士(PHP出版)でした。(この本を参考文献としました。)
後書きに「人生は、目に見えるもの以上のものだと知ることが大切なのだ。人生は五感を超えた所にまで広がっている。」とありました。
エリカはニューヨーク在住で、ワイス博士に直々に教わっていたのでした。
エリカは一つの例を話してくれました。
「とても太っているクライアントがいるとするね。退行催眠の中で自分自身の前世を見てもらう。
その人は前世で奴隷だった。麦を作っても作っても食べさせてもらえず、いつも飢えていた。
また別の過去生を見てもらうと、そこでは、裕福ででっぷりと太った経営者となっていて、使用人には食べさせず、自分だけが豊かでぜいたくな暮しをしてた。
また別の過去生では、食べても食べても太ることができなかった。
それで感じるんだよ、だからこんなに食べ物に強い執着を持つようになってしまったのだ….、ってね。
今世のレッスン
日差しが出てきました。山道は続きます。
前世療法は気付きのメソッドなのだそうです。
ああ、この原因はこれだったのか!
自分自身でそれを確認すると、問題が解けたように、その事に対する執着や不安、ネガティヴな感情が消えていく、またはその対処法が見つかるというのでした。
さらに自分のルーツを探り、人生の重大な気付きに巡り合うことも起きるというのでした。
今苦しんでいるこの状態はいったい何故なのか。どこから来たのか。
先の例の女性の場合、食べ物により人に傷つけられ、人を傷つけ、自分自身を傷つけている魂の履歴がありました。
その繰り返しを断ち切るのが今世のレッスンなんだね。
日々のレッスン
次、やらせて~!
そして、日々「レッスン」は起こるのでした。
ある時、エリカが泊まったアルベルゲは二段ベッドが三つありました。真夜中に一人のおばさんが
「いびきがひどくて眠れない!」と激しく怒り、他の人が起きてしまうほどでした。
おばさんは、いびきの大きな女性のベッドまで行き
鼻をつまんで起こし注意するほどでした。
注意された女性は不意に起こされ怒られ、驚きと怖れおののき謝っていました。
その後、みんなが眠りに付いた後もエリカは眠れませんでした。再びいびきが部屋の中で聞こえてきました。
そして驚いたことに、そのおばさんのいびきが最もひどいのでした。そのことに本人は気が付く訳もありません。だって寝ている間に発現することだから。
エリカは、これは「自分に対するレッスン」なのだと思ったそうです。
翌朝、彼女にそれを伝えることにしました。
感情を込めないで
「あなたのいびきがひどくて、正直わたしも眠れなかったよ。」と言いました。
おばさんはひどく驚き、素直に
「ごめんなさい…。」と言ってくれたそうです。
こんな風に、心に何かざわめきや動揺が起きたとき
「さて、これは何のレッスンだろう?」と
考え、解決して過ごしていくのだよ、と言いました。
そんな日々のレッスンは、常に身の回りで起こっているのでした。
導いてくれる案内役(ガイド)
いつも、感じるように、気がつくようにしているんだよ。
どんなに困った状況でも助け導いてくれる案内役のようなものが存在するから!とエリカは言いました。
その存在はエリカにだけでなく、誰にでもあるとも言いました。
そこにいたり、木、雲、石、土、羊、ベンチ、人に現れていたりする。どれにでも。
いつでも私たちのまわりにいて、いろんな形でアピールをしているんだよ。
「あれはダメだよ!」「これはOKだ!」そういったことではなく
それらを見て感じ取ったもの、それがメッセージなのだよ。
何かにとても迷っていて、決めかねているような時
「こうしようかな…。」とアイデアを胸に浮かべた時に
ふと、空を見たら、美しい雲がバーンッ!と目に入ったとする。
その時
「そうだ、これでいいんだ!」
そんな考えが浮かんだら それがメッセージ。
「ほら、あのコウノトリも何かを語りかけてくれているよ。」
母さんコウノトリが、ちょこんと座り、こちらを見下ろしていました。
門前の小僧
私とエリカの会話を、後ろからDenとChaiが一言一句、逃さないように聞いていました。
今日の山道の上り下りは、相当こたえました。やっとアルベルゲのある町に着きました。
しかし、エリカは「もっと先まで行くつもり。」と言いました。
DenもChaiを見ると、かなり疲れているのが見てとれました。
どうする?私たちは、この町にとどまる?
すると エリカと行きたい! Denも!
それが二人の答えでした。私もそうでした。
オッケー!
みんな、まだまだエリカの話しを聞きたいよね。
ベッドにお花
この先に、日本人のオスピタレロがいるというアルベルゲがあると聞きました。そこに行ってみようと歩みを進めた矢先、昨日のアルベルゲで一緒になったアランが、道端に立ち、私たちに手を振っていました。
「この先のアルベルゲはいっぱいだよ。ここも、空きがほとんどないよ。君たち4人のことを話してベッドを4つ押さえておいたところだよ。」と言いました。
それはありがたい! 今日は山道を25㎞も歩いたから、疲れてるね。ヨカッタ~!
クレデンシャルにスタンプを押してもらい、確保してくれていたベッドへ行くと、あらまあ、ベッドにお花が一輪づつ置いてありました。
かわいい!タンポポだ~。
がっくりシャワー
一番最初にDenがシャワーを浴びました。
シャワールームのドア向こうから、Denの叫び声が聞こえました。 ぎゃあ、もおおおっ!
なに?どしたの~。
ドアを開けて覗くと、頭が泡だらけにのまま、途方にくれていました。
途中でお湯が一滴も出なくなったのでした。
あら〜!
キッチンは水しか出ませんでした。鍋に水を汲んでシャワールームまで運び、コップで頭や体にかけて泡を取りました。
もおおおおっ!バカシャワー!
Denは怒り狂っていました。 まあまあ、近くにスーパーがあるようだから、気分転換にアイス食べに行こうよ。
シャワーの後、みんなでアイスクリームを食べました。それでDenの気持ちはなんとか治まったのでした。
即席の日本食!
私たちは、エビとジャガイモと野菜を茹で、マヨネーズであえ、ディナーにしました。
白インゲン豆の瓶詰に、バルでカフェレチェについてきた袋のコーヒーシュガーを1つ、入れて混ぜお正月の白豆きんとん風にして食べました。そんなことで
わぁ、日本食〜!!
プチ和菓子な気分を味わいました。
料理は言葉も国境も越える!
キッチンでトマト缶と、肉、野菜を入れてシチューを作っているドイツ人のおばさんがいました。
私が横を通ると
「どうかしら?」と私に味見をしてみてとばかりに、おたまを渡してきました。
どれどれ、ゴクッ。
ざんねん…、味が足りない。コクがぜんぜん無いわ〜。
ちょっと待って。
と私は閃めいたように人差し指を1本立てました。
小走りでバックパックのところへ行き、食料セットの袋から、ブイヨンを1つ取りました。
キッチンへ戻ると、別のおばさんが味見をしているところでした。おばさんも首をかしげていました。
う~ん…。
私がブイヨンを見せると、おばさん二人はハモりながら叫びました。
「そう、それよ!欲しかったのはそれっ!」
ブイヨンを鍋の中へポンと投げ込み、かき混ぜてから順番に味見をしました。
「うん!」
「OK!」
シチューの味が決まったね!
3人はハイタッチをし、顔を見合わせて
「ワッハッハ〜!」と笑いました。
味付けのツボが決まった時のクリアな気持ち!
料理は言葉も国境も越えるのね!
ワンコとバッジ
私たちは食堂の隅で日誌を書いたり、おしゃべりをしてくつろいでいました。
そこにアランが来て、Chaiに犬のマスコット、Denには巡礼の矢印デザインのバッチをくれました。
可愛いっ!ありがとう。 やったー!かっちょいい‼
さあ、今日はもう休もうか。おやすみなさ~い!