34/60いつまでもカミーノには居られない、忘れ物は現実への導火線

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519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ
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スペイン巡礼の道は子どもと一緒に歩くことが出来ます。英語もスペイン語もダメな母は、二人の子どもの知恵と勘を頼りに歩いた2か月、930km。毎日が驚き、感激、悩み、ケンカの連続。記事を読んで笑えたり、旅気分を味わってもらえたら嬉しい!と思いながら作るサイトです。Kumi3の絵本作品、他の子連れ旅も掲載していきます。
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5/19(水)→オルビゴ /水無しプールを後にする  14km/€23   原っぱの庭の宿 @€5×2

 

キッチンがあったので、朝、温かいコラカオとビスケットとサラダをお腹に入れることができました。

 

519 カミーノマザリフェ 朝ごはん12

クリスチーナも一緒のテーブルで、コーヒーを飲みました。

お腹ホカホカ、気持ちもフル充電。目まぐるしいレオンの街と比べ、のんびりとしたマザリフェの田舎の佇まいに、なんだかホッとしました。

 

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲ 恐竜1

アルベルゲの庭の水の無いプール、恐竜オブジェをあとにして、歩き出しました。

 

519 カミーノ マザリフェ 町でる

10分も歩けば町は終わりました。

 

519 カミーノ マザリフェ 影

今日は暑くなりそうです。

 

 

意気揚々が意気消沈

 

私たちは、8時半に出発しました。

ちょうど1時間歩いた所で

あっ!忘れ物!

Chai

と叫びました。

えっ、なに?

Kumi3

学校のユニフォーム…。

Chai

それは背中に中学の名前がプリントされていました。漢字が外国人に地味にウケていました。さらに速乾性で洗ってもすぐに乾くので、カミーノで重宝していた半袖シャツでした。

いやー、だめでしょ。また使うでしょ。取りに戻ろうよ。

Kumi3

519 カミーノ マザリフェ 一本道 12 先に小さな教会

来た道を戻りました。なんだか、意気揚々と出発したのに、1時間後には、すっかり意気消沈でした。

誰が悪いとか責めたりはしません。わたしたち3人はお互い様運命共同体なのです。

わかっているけれど、ため息が出てしまうのです。

Chaiに見えないように。

はあーあ・・・。

 

ため息は、道を長く感じさせるのでした。

やっとの思いで、アルベルゲにもどると、あったあった、有りました。Chaiのユニフォーム。

ところが、Denの靴下とパンツも洗濯ロープに気持ちよさそうに、ゆらゆらとなびいているではないですか…。

あ〜っ、Denのもある〜!

Den

いま気付いたの?着替えや荷物をぎりぎりに減らしたのだから、靴下、パンツが一組無くなったら大変じゃない‼︎ もうっ、ノーテンキねぇ…

Kumi3

やあやあ、よかった!

Den

Denは大事な靴下とパンツをリュックにしまい、Chaiも、中学のユニフォームを無事に取り戻しました。

 

 

話しかけないでくれる?

 

さあ再び、もと来た道を行きます。一本道でした。

出発して1時間歩き、忘れ物で1時間戻り、再出発して1時間歩き、やっと今日の遅れをゼロにしました。時間は11時半になっていました。

雲一つなし。遥かむこうに雪の頂きの山が見えました。なんだか長野県の安曇野を思い出しました。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12

抜ける青空とはうらはらに、3人の空気はどんよりと重ったるくなっていました。

 

楽しく盛り上げようとする私

 

考えごとしたいから、しばらく話しかけないでくれる?

Chai

と言い、歩速を猛烈に上げました。

 

519 カミーノ オルビゴ 田舎道2 広い道みるみる後ろ姿が小さくなっていきました。

あーん、うざかったのね。さみしいなぁ、、。

Kumi3

と始めは思ったのですが、私もよく考えてみると

忘れ物は、ただ取りに戻ればいいのです。Chaiの落ち込みは、そういう類いのものでは無かったようでした。

 

 

いつまでもカミーノに居られない

 

Chaiは学校のことなどすっかり忘れ、無我夢中でカミーノを歩いてきました。それが不意に私に

「学校のユニフォーム、また使うでしょ!」と言われたことで、急に帰ってからの現実が、胸に浮かび上がってきたのかもしれません。

それと同時にカミーノの終わりも少し見えてきた頃でした。

せっかく体力もついてきて、様々な国の人とコミュニケーションをとりながら、自然、動物、食べ物とあらゆるカミーノを楽しむ余裕が出来てきたというのに…。私たち3人はカミーノ旅暮らしに居心地を感じていました。

いつまでもカミーノに居られないんだ…。

どうなるのかな、この先….。

学校のユニフォーム着るのかな、着れるのかな。無くてもいいのに…。

様々な考えが頭の中を交差していたのかもしれません。

 

 

 

519 カミーノ オルビゴ 木の机 1座り 2手前

ここは話しかけてはいけません。

 

小さな流れにカエルがいました。

519 カミーノ オルビゴ カエル

日本に帰る時が来るんだよ…、帰るカエルケーロケーロ!

 

 

 

水飲んじゃダメ!AGUA NO CLORADA

 

教会を通り過ぎました。

 

519 カミーノ オルビゴ 途中教会 鐘3つコウノトリのい巣がないと淋しいなあ。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 水道水組む 3

暑い~!、途中で水道をみつけました。

ペットボトルに水を汲もうとすると、どこからともなく、おばあちゃんが出てきて

「ダメだダメだ~!」とスペイン語で言っているようでした。

なんでダメ?あ、ヒトんちの水道だからなのね。ごめんなさい。

Kumi3

いや、どうもおばあちゃんの身振り手振りによると、ここの水道の水は飲料用ではないのだ、というのです。

向こうに、飲料用の水道があるからそこの水を汲め、と言っているようでした。今通り過ぎた、道の、だいぶ向こうに見える小屋を指さしていました。

えーっ!戻るの?じゃあ、いいよ。次のところまで我慢する!

Den

そうしようか。

Kumi3

「グラシアス〜」とお礼を言い、通り過ぎようとしました。

すると、おばあちゃんは立ちはだかり「ナダ、ナダナダ!」(違う、ダメダメ!)とけん制するのです。振り切って行く訳にもいかず

あ、行くのダメ?ですね。はい、あそこの水道ですか…。

Kumi3

うひゃーん、もどるの…

Den

道を戻るのってつらいのよね、特に今日は…。

しかし、ここは仕方ない。とぼとぼと50メートルほど戻った小屋の横に水道がありました。

するとおばあちゃんは手を「どうぞ、どうぞ!」というように振って見せてから、バイバイをして家へ戻っていきました。

ふ〜っ、これね〜。

Kumi3

しかし、さっきの水道の水と、この水道の水、どっちがどう違うんだろう。スペイン人の地元民だけが知っていることなのかしら。

(後でわかりました。おばあちゃんの所の水は「AGUA NO CLORADA」と表示があり、調べてみたところ「塩素なし」という意味でした。水道水じゃないから、お腹壊すよ〜、とおばあちゃんは心配してくれたのです。)

 

ベリーのグミに心ほぐれる

 

Chai の気持ちは↘︎。Denは暑さでバテていました。3人は歩くことにいっぱいいっぱいになっていました。

今日はアルベルゲまで長いわ〜。

Kumi3

途中の小さな町でパンを買いました。もう見てるだけでも嬉しくなるような直径30㎝のでっかいごつごつした膨れパンです。

ランチは済ませたので、持って行くことにしました。

519 カミーノ オルビゴ 巨大マルパン

あとでアルベルゲで写真を撮りました。 

お店のおばちゃんは

「こんなに小っちゃい子が巡礼してるんかい!」とスペイン語でできる限りの賞賛を寄せてくれました。それから「さあさあ、これ食べて!もっと取って!」とカゴに入ったベリーのグミをくれました。

それが甘くて酸っぱくて…

びっくりするほどおいしかったのです。3人は感激しました。

こんな美味しいグミ、初めて!

Chai

味覚が喜ぶと、皆の心がほぐれていきました。今まで会話が無くなり沼底にいた私たちは、グミのおかげで水面に浮き上がり、フレッシュな空気を胸いっぱい吸い込んだようでした。

それがきっかけで、話しながら歩くようになりました。

 

暑すぎる!水道で水浴び

 

途中に、家の集落が有りました。

あー、疲れたね、アルベルゲあったら休みたいナ。

Chai

道行く人に聞いたところ、ここにはアルベルゲはないとのことでした。

あと3キロ先だって。

Kumi3

 

519 カミーノ オルビゴ 線路見下ろす

線路を越えました。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 犬と巡礼者

犬と巡礼をする人。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12暑い

暑い暑い~!

 

Denが立ったりしゃがんだりしていました。

519 カミーノ オルビゴ 白い石

この石、きれいだよ!真っ白で少し透き通ってる!

Den

寄り道しないで、早く行こうよ!

Chai

 

519 カミーノ オルビゴ まっすぐ田舎道12 右に木

まだまだ町は見えません。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 鉄橋を渡る1あの木の向こうに、町がありそう!

 

町の入り口で水道を発見しました。

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1

Denは早速、あたまに水浴びです。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1ぐったり

Chaiはぐったりと疲れ切っていました。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋12 3右手

水を飲んで、歩き出しました。あの橋の向こうだね!きっと。

 

 

やっとたどり着いたオルビゴアルベルゲ

 

町が見えてきました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋 水浴の人

暑さの中、川べりで水浴をしている西洋人が居ました。

私たちが橋を渡ると

「コンニチハ〜!」 「カネマタ〜!」(多分、じゃねまた〜、だと思われる…)と声を掛けてきました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋渡る2

私たちも「コンニチワー!」と叫び返しながら橋を渡りました。

アルベルゲは、すぐに見つかりました。

 

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲソファ 疲れ21

アルベルゲに入ると同時に荷物を放り投げ、ChaiとDenはソファになだれ込みました。

オルビゴのアルベルゲは、中庭がありシャワーも当たり!でした。なかなか居心地が良さそう!キッチンもありました。

 

日本と違って暑く乾燥しています。

519 カミーノ オルビゴ 2カオクリーム

シャワーの後、昨日買ったスキンクリームを顔に塗りました。

 

カミーノの食材探索は楽しい!

 

ChaiとDenは昼寝をしたいというので、私一人で食料の買い出しに出かけました。

私は地元の野菜や食材を見るのが好きで、一人で気の済むまでお店の食材を探索しました。余ると持って行くのが大変なので厳選した結果、ひょうたんかぼちゃ、ピクルス、赤ワイン、エンパナーダなどを買いました。

 

519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ

同じウリ科のキュウリとカボチャをベンチに置いてみました。『久し振りに会う都会と田舎の親戚同士』といった感じでおしゃべりをしているようでした。

アルベルゲに戻り、ひょうたんかぼちゃを切って中の感じをみると

519 カミーノ オルビゴ ひょうたんかぼちゃカット

アタリ〜!ねっとりポクポク系でした。カボチャのポタージュスープを作りました。

 

夕食の時間です。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 カボチャスープエンパナーダ

エンパナーダとかぼちゃのスープ。

するとまた、昨日Denに薬をくれたお姉さん、クリスチーナに会いました。やさしい味に仕上がった、ひょうたんかぼちゃのスープをお裾分けしました。赤ワインも飲みきれないので半分、助けてもらいました。するとクリスチーナは黒オリーブのサラダをお返ししてくれました。

彼女は「明日アストルガに行くつもり、そこに日本人の女性のオスピタレロがいるはずよ。」と話してくれました。

「それは会ってみたいなぁ!明日、私たちもアストルガへ行くわ!」と話しました。

夕食が終わると、クリスチーナがついでだよ〜と、私たちのお皿や鍋まで洗ってくれました。

わあ、ありがとう‼︎

 

食後の散歩

 

夕食を食べ終っても、まだあたり一帯は明るいのでした。

再び周りを探索に出ました。

 

519 カミーノ オルビゴ 買い物 おばちゃんと12

お菓子屋さんはありますか?パン屋さんはありますか? 情報を仕入れないとね。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 買い物 チョココッペ

やったー!パン屋さん発見。

 

 

519 カミーノ オルビゴ 教会夜景暗い

8時半、やっと日が暮れかかりました。アルベルゲにもどろうか。

 

 

お礼のマッサージ

 

アルベルゲに戻り、ベッドで休んでいるクリスチーナの所へ行きました。

お腹の薬ありがとう、もうオッケーだよ!

Den

さっきは、お皿洗ってくれて、ありがとう‼︎

Chai

朝は、皆んなそれぞれのタイミングで出発をします。いま、お礼を伝えておかないと、もう2度と会えないかもしれません。

お礼に背中を指圧するね、うつ伏せになって〜

Kumi3

私たちは、重いリュックのせいで肩がガチガチです。長時間、歩き続けるので下半身もパンパンに張っています。肩から背中、腰、足と念入りに指圧マッサージをしました。

終わったよ!と背中をポンッと叩きました。

するとクリスチーナは「オオ~、サンキュー!」ハグをして喜んでくれました。横でChaiとDenが羨ましそうに、ジーッと見ていました。

はいはい、わかってるわよ、言いたいこと!次はDenの番ね。

Kumi3

わーい!

Den

とふくらはぎと足をマッサージし

そのあとChaiもね!

Kumi3

うん!!

Chai

同様にマッサージをしました。

ここは、1人だけという訳にはいきません。きょうだいの公平性を考えないと…。疲れていてもお母さんは、いつも忙しいのです。仕方ないわ~。

今日の暑さと疲れのせいもあり、二人とも直ぐにぐっすりと眠ってしまいました。私はそれから日誌を書いて寝ました。

 

真夜中トイレは星見日和

 

夜中2時ぐらい

トイレ〜

Den

と起こしに来ました。

あら~、そうなの〜

Kumi3

このアルベルゲはトイレが外にありました。サンダルを履いて裏庭を30メートルほど歩いて行かないといけません。

外に出ました。

うわああ~!

Den

2人とも真夜中だというのに歓声をあげてしまいました。夜空に満天の星!トイレのあと、あまりの壮大な夜空にDenは

すごい、すご〜い!いっぱいだね!星が降りそう‼︎

外のベンチ座りこんで見上げました。それからおもむろに ベッドへ戻りました。

 

すると30分もしないタイミングで今度はChaiが

おかん、トイレ〜

Chai

と起こしに来ました。

あら、めずらし~。Chaiもなのね。

Kumi3

夜中に「トイレ」と言われたら無条件で付き合うのです。

私たちはサンダルを履いて外に出ました。今度はChaiが歓声をあげました。

うわぁ! うわあああ〜、きれい‼︎

トイレの後、Chaiはベンチに仰向けに寝転がり、星空を見上げました。

こんなに星があるんだね!

Chai

私も寝転がりました。

この辺りの名前は

コンポステラ=星の野原 という意味なんだって。本当にそうなのね!

Kumi3

ずっと見ていたいナ、外のベンチで寝てもいいくらいだね…。

 

夜中にトイレに付き合わされても、こんな素敵なはことがあるのなら、全然いいわ!

カミーノ初日、ピレネー山脈の中腹のオリソンアルベルゲで、降るような星空を見ました。けれど風が強く寒い夜で、じっくり観るわけにはいきませんでした。

今晩は、暑さも引いた涼しい夜でした。星見日和とでも言うのかしら。

さあ、ベッドに戻って寝ようか。明日も暑くなりそうね。たくさん歩くよ。おやすみなさい!

 

 

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