サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

34/60いつ迄もカミーノに居られない、日本のシャツは現実の導火線

WRITER
 
519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ
この記事を書いている人 - WRITER -
「学校に行けないなら、旅に出てみようよ!」と不登校をきっかけに15歳次女と弟10歳を連れ、サンティアゴ巡礼・カミーノへ行くことにしました。930kmを60日間かけて歩きました。もちろんカミーノは初めてです。英語もろくに出来ない私は、一体どんな旅になるのか見当もつきませんでした。はじめは、歩き慣れず背中の荷物も重く、疲れと不安でいっぱいの子どもたちでしたが、次第に五感をフルに働かせ、たくましくなっていくのでした。
詳しいプロフィールはこちら

5/19(水)→オルビゴ /水無しプールを後にする  14km/€23   原っぱの庭の宿 @€5×2

 

キッチンがあったので、朝、温かいコラカオビスケットサラダをお腹に入れることができました。

 

519 カミーノマザリフェ 朝ごはん12

クリスチーナも一緒のテーブルで、コーヒーを飲みました。

お腹ホカホカ、気持ちもフル充電。

目まぐるしいレオンの街と比べ、マザリフェの田舎の佇まいに、なんだかホッとしました。

 

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲ 恐竜1

左の青壁の水の無いプール、右の恐竜オブジェをあとにして、歩き出しました。

 

519 カミーノ マザリフェ 町でる

10分も歩けば町は終わりました。

 

519 カミーノ マザリフェ 影

今日は暑くなりそうです。

 

519 スペイン巡礼 camino マザリフェ 田舎道1

一本道が真っすぐに続きました。

 

意気揚々が意気消沈

 

私たちは、8時半に出発しました。ちょうど1時間歩いた所で…。

あっ!忘れ物!

Chai

と不意に叫びました。

えっ、なに?

Kumi3

中学校のユニフォーム。でも、別にいいや…。

Chai

それは、背中に中学校の名前がプリントされていました。漢字が、外国人に地味にウケていました。

さらに速乾性で洗ってもすぐに乾くので、カミーノで重宝していた半袖シャツでした。

いやー、だめでしょ。また使うでしょ。取りに戻ろうよ。

Kumi3

私は、何の気なしに言いました。

 

519 カミーノ マザリフェ 一本道 12 先に小さな教会

来た道を戻りました。なんだか、意気揚々と出発したのに、1時間後には、すっかり意気消沈でした。

誰が悪いとか責めたりはしません。わたしたち3人はお互い様運命共同体なのです。

わかっているけれど、密かにため息が出てしまうのでした。

Chaiに見えないように…。

はあ~あ・・・。

ため息は、道を長く感じさせるのでした。

やっとの思いで、アルベルゲに戻ると、

あったあった~!

有りました。Chaiのユニフォーム。

ところが…、

Denの靴下とパンツも洗濯ロープに気持ちよさそうに、ゆらゆらとなびいているではないですか…。

あ〜っ、Denのもある〜!

Den

もお!いま気付いたの?着替えや荷物をぎりぎりに減らしたのだから、靴下、パンツが一組でも無くなったら大変じゃない‼︎ もうっ、ノーテンキねぇ…。

Kumi3

やあやあ、よかった!

Den

Denは、大事な靴下とパンツをリュックにしまい、Chaiも、中学のユニフォームを無事に取り戻しました。

 

 

話しかけないでくれる?

 

さあ再び、もと来た一本道を歩き始めました。

出発して1時間歩き、忘れ物で1時間戻り、再出発して1時間歩き、やっと今日の遅れをゼロにしました。時間は11時半になっていました。

雲一つなし。いい天気!

遥か向こうの山の頂きに雪が見えました。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12

抜ける青空とはうらはらに、無駄に疲れたことで3人の空気はどんよりと重ったるくなっていました。

それを感じ、私は楽しく盛り上げようとしました。

ところが

考えごとしたいから、しばらく話しかけないでくれる?

Chai

と言い、歩速を猛烈に上げました。

519 カミーノ オルビゴ 田舎道2 広い道

みるみる後ろ姿が、小さくなっていきました。

あ~ん、私、うざかったのかしら?さみしいわぁ…。

Kumi3

と思ったのですが…、

私もよく考えてみると…、

忘れ物は、ただ取りに戻ればいいのです。

Chaiの落ち込みは、そういう類いのものでは無いようでした。

 

いつまでもカミーノに居られない

 

Chaiは学校のことなどすっかり忘れて

無我夢中でカミーノを歩いてきました。

それが不意に私に

「学校のユニフォーム、また使うでしょ!」という意味を言われたことで、急に日本に帰ってからの現実が、胸に浮かび上がってきたのかもしれません。

せっかく体力も付いて来て、様々な国の人とコミュニケーションをとりながら、自然、動物、食べ物...。

あらゆるカミーノを楽しむ余裕が出来てきたというのに…。

私たち3人は、いつの間にかカミーノの旅暮らしに慣れ、居心地を感じ始めていました。それと同時に、カミーノの終わりも、少し見えてきた頃でした。

いつまでもカミーノに居られないんだ…。

ドウナルノカナ、コノサキ....。

学校のユニフォーム着るのかな、着れるのかな。無くてもいいのに…。

Chai

様々な考えが頭の中を交差していたのかもしれません。

 

519 カミーノ オルビゴ 木の机 1座り 2手前

ここは、話しかけてはいけません。

 

小さな流れにカエルがいました。

519 カミーノ オルビゴ カエル

日本に帰る時が来るんだよ…、帰るカエルケーロケーロ!

 

水飲んじゃダメ!AGUA NO CLORADA

 

教会を通り過ぎました。

519 カミーノ オルビゴ 途中教会 鐘3つ

コウノトリの巣がないと淋しいわ~。

Kumi3

と、この頃は思うようでした。

 

519 カミーノ オルビゴ 水道水組む 3

暑い~!、途中で水道をみつけました。

ペットボトルに水を汲もうとすると、どこからともなく、おばあちゃんが出てきて

「ダメだダメだ~!」とスペイン語で言っているようでした。

なんでダメ?あ、ヒトんちの水道だからなのね。ごめんなさい。

Kumi3

いや、どうもおばあちゃんの身振り手振りによると、ここの水道の水は飲料用ではないのだ、というのでした。

向こうに、飲料用の水道があるからそこの水を汲め、と言っているようでした。

今通り過ぎた道の、だいぶ向こうに見える小屋を指さしていました。

え~っ!戻るの?じゃあ、いいよ。次のところまで水、我慢する!

Den

そうしようか。

Kumi3

「グラシアス〜」とお礼を言い、通り過ぎようとすると

「ナダ、ナダナダ!」おばあちゃんは立ちはだかり(違う、ダメダメ!)と引き留めるのでした。振り切って行く訳にもいかず…

あ、行くのダメ?ですね。はい、あそこの水道ですか…。

Kumi3

うひゃ~ん、もどるの…

Den

道を戻るのはつらいのよね、特に今日は…。

しかし、ここは仕方ない。トボトボと50メートルほど戻った小屋の横に、水道がありました。

するとおばあちゃんは、遠くから手を「どうぞ、どうぞ!」というように振って見せて、バイバイをして家へ戻っていきました。

ふ〜っ、これね〜。

Kumi3

しかし、さっきの水道の水と、この水道の水、どっちがどう違うんだろう…。スペイン人の地元民だけが知っていることなのかしら。

後でわかりました。おばあちゃんの所の水は

「AGUA NO CLORADA」と表示があり、調べてみたところ

「塩素なし」という意味でした。

水道水じゃないから、お腹壊すよ〜、とおばあちゃんは心配してくれたのでした。

 

ベリーのグミに心ほぐれる

 

Chai の気持ちは↘︎。Denは暑さでバテていました。

3人は、気持ちに余裕が無く、歩くことでいっぱいいっぱいになっていました。

今日は、アルベルゲまで長いわ〜。

Kumi3

途中の小さな町でパンを買いました。もう見てるだけでも嬉しくなるような直径30㎝のでっかいごつごつした膨れパンでした。

ランチは済ませたので、アルベルゲまで持って行くことにしました。

519 カミーノ オルビゴ 巨大マルパン

(あとでアルベルゲで撮った写真) 

お店のおばちゃんは

「こんなに小っちゃい子が巡礼してるんかい!」とスペイン語でできる限りの賞賛を寄せてくれました。

それから「さあさあ、これ食べて!もっと取って!」とカゴに入ったクランベリーのグミを持たせてくれました。

それが甘くて酸っぱくて…

わあ!こんなに美味しいグミ、初めて!

Chai

3人は、グミにビックリするほど感激しました。

私たちは、疲れていて、気分も沈んで、さらに飢えていたのでした。

味覚が喜ぶと、自然と心もほぐれていきました。

今まで会話を無くし、沼底にいた私たちは、グミのおかげで水面に浮き上がり、フレッシュな空気を胸いっぱいに吸い込んだようでした。

それがきっかけで、互いに会話が飛び交うようになりました。

 

暑すぎる!水道で水浴び

 

途中に、家の集落が有りました。

あ~、疲れた。アルベルゲあったら休みたいナ。

Chai

道行く人に聞いたところ、この村には、アルベルゲはないとのことでした。

あと3㎞先だって。

Kumi3

519 カミーノ オルビゴ 線路見下ろす

線路を越えました。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 犬と巡礼者

犬と巡礼をする人がいました。ワンコは毛皮が脱げないから暑そうね~!

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12暑い

暑い暑い~!

途中、Denが立ったりしゃがんだりしていました。

519 カミーノ オルビゴ 白い石

この石、きれいだよ!真っ白で少し透き通ってるんだ!

Den

寄り道しないで、早く行こうよ!

Chai

 

519 カミーノ オルビゴ まっすぐ田舎道12 右に木

まだまだ、町が見える気配がありませんでした。

 

519 カミーノ オルビゴ 鉄橋を渡る1

あの木の向こうに、町がありそうだね!

 

やった~!町の入り口に、水道を発見しました。

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1

Denは早速、頭から水を浴びました。

 

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1ぐったり

Chaiはぐったりと疲れ切っていました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋12 3右手

水を飲んで少し元気になり、また歩き出しました。

ねえ、アルベルゲはあの橋の向こうだよ!きっと。

Den

 

たどり着いたオルビゴのアルベルゲ

 

町が近づいて来ました。

519 カミーノ オルビゴ 石の橋 水浴の人

暑さの中、川べりで水浴をしている西洋人が居ました。

私たちが橋を渡ると

「コンニチハ〜!」

「カネマタ〜!」(多分、じゃねまた〜、と思われる…)と声を掛けてきました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋渡る2

私たちも「コンニチワー!」と叫び返しながら、橋を渡りました。

アルベルゲは、すぐに見つかりました。

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲソファ 疲れ21

クレデンシャルにスタンプを貰い、チェックインが済むと同時に荷物を放り投げ、ChaiとDenはソファに、なだれ込みました。

オルビゴのアルベルゲは、中庭がありシャワーも大当たり!でした。

なかなか居心地が良さそう!キッチンもありました。

 

スペインは日本と違い、暑く乾燥していました。

519 カミーノ オルビゴ 2カオクリーム

シャワーの後、昨日買ったスキンクリームを顔に塗りました。

 

カミーノの食材探索は楽しい!

 

ChaiとDenは昼寝をしたいというので、私一人で食料の買い出しに出かけました。

私は、地元の野菜や食材を見るのがとても楽しいのでした。。一人で気の済むまで、お店の食材を探索しました。

余ると持って行くのが大変なので、厳選した結果ひょうたんかぼちゃ、ピクルス、赤ワイン、エンパナーダなどを買いました。

 

519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ

同じウリ科のキュウリとカボチャを、ベンチに置いてみました。『久し振りに会う、都会と田舎の親戚同士』といった感じでおしゃべりをしているようでした。

ピクルス:おまえさん、のんきに好きなだけ膨れちゃってまあ~。

かぼちゃ:洒落た瓶に入ってまあ、窮屈な暮らしだね~。

 

アルベルゲに戻り、ひょうたんかぼちゃを切って中の感じを見ると

519 カミーノ オルビゴ ひょうたんかぼちゃカット

当り〜!

ねっとりしたポクポク系でした。カボチャのポタージュスープを作ることにしました。

 

夕食に昨日のお姉さん合流

 

夕食の時間です。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 カボチャスープエンパナーダ

エンパナーダかぼちゃのスープ。

するとまた、昨日Denに薬をくれたお姉さん、クリスチーナに会いました。

やさしい味に仕上がった、ひょうたんかぼちゃのスープをお裾分けしました。赤ワインも飲みきれないので半分、助けてもらいました。するとクリスチーナは黒オリーブのサラダを作って分けてくれました。

クリスティーナは

「明日、アストルガに行くつもり。そこに日本人の女性のオスピタレラがいるはずよ。」と言いました。

それは会ってみたいわ~!明日、私たちもアストルガへ行くわ!

Kumi3

と話しました。

夕食が終わると、クリスチーナが「ついでだよ〜」と、私たちのお皿や鍋まで洗ってくれました。

わあ、ありがとうございます‼︎

Chai

 

食後の散歩

 

夕食を食べ終っても、まだあたり一帯は明るいのでした。

再びアルベルゲの周りを、探索に出掛けました。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 おばちゃんと12

パン屋さんはありますか? 

Chai

情報を仕入れないとね。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 チョココッペ

その結果!パン屋さんを発見。

チョココッペ、ゲット~!

そして袋入りのドーナッツを買いました。

519 カミーノ オルビゴ 教会夜景暗い

8時半、日が暮れかかりました。アルベルゲに戻ることにしました。

 

お礼のマッサージ

 

アルベルゲに戻ると、ベッドで休んでいるクリスチーナの所へ行きました。

昨日はお腹の薬ありがとう。もう大丈夫、オッケ~だよ!

Den

さっきは、サラダとお皿洗ってくれて、ありがとう‼︎

Chai

巡礼者たちは、朝は皆、それぞれのタイミングで出発をしていきます。

いま、お礼を伝えておかないと、2度と会えないかもしれないのでした。

薬のお礼に、背中を指圧するね。うつ伏せになってくださ〜い。

Kumi3

私たち巡礼者は、重いバックパックのせいで肩がガチガチでした。長時間、歩き続けるので下半身もパンパンに張っていました。肩から背中、腰、足と念入りに指圧マッサージをしました。

終わったよ~!と背中をポンッと叩きました。

「オオ~、サンキュー!」

クリスチーナは、ハグをして喜んでくれました。横でChaiとDenが羨ましそうに、ジーッと私を見ていました。

はいはい、わかってるわよ、言いたいことは。ハイ、次はDenの番ね。

Kumi3

わ~い!

Den

ふくらはぎをマッサージし

そのあとChaiもね!

Kumi3

うん!!

Chai

同様にマッサージをしました。

ここは、1人だけという訳にはいきません。きょうだいの公平性を考えないと…。

疲れていてもお母さんは、いつも忙しいのでした。

仕方ないわよね~。

Kumi3

今日の暑さと疲れのせいもあり、二人とも直ぐにぐっすりと眠ってしまいました。私は、それから日誌を書いて寝ました。

 

真夜中トイレは星見日和

 

夜中2時…

トイレ〜。

Den

と、起こしに来ました。

あら~、そうなの〜。

Kumi3

ここのアルベルゲは、トイレが外にありました。サンダルを履いて裏庭の草っぱらを30メートルほど歩くのでした。

外に出ました。すると…

うわああ~!

Den

2人とも真夜中だというのに歓声をあげてしまいました。

夜空に満天の星!★★★★★!!

トイレのあと、あまりの壮大な夜空に

星がいっぱいだ~!降ってきそう‼︎

Den

外のベンチ座り込み、しばらく夜空を観ていました。

お腹いっぱい星を観て満足したDenは、ベッドに戻りました。

それから30分もしないタイミングで、Chaiが

ママ、トイレ〜。

Chai

と、起こしに来ました。

あら、立て続けに…。めずらし~。Chaiもなのね…。

Kumi3

夜中に「トイレ」と言われたら無条件で付き合うのでした。

私たちは、サンダルを履いて外に出ました。今度はChaiが歓声をあげました。

うわああ〜、星がきれい‼︎

Chai

トイレの後、Chaiは外のベンチに仰向けに寝転がり星空を眺めました。

星って、こんなにあるんだね!

Chai

私も、ベンチに寝転がりました。

この辺りの地名は、コンポステラ=星の野原という意味なんだって。本当にそうね~!

Kumi3

夜中にトイレに付き合わされても、こんなに素敵なはことがあるのなら、何回でもいいわ!

カミーノの初日、ピレネー山の中腹のオリソン・アルベルゲ

降るような星空を見ました。けれど、風がとても強い寒い夜で、じっくりと天体観測というわけにはいかず、早々に部屋に戻るようでした。

今晩は、暑さも引いた涼しい夜でした。

星見日和とでも言うのかしら。

リ~ンリ~ンリ~ン、虫の声がしました。

さあ、Chai、ベッドに戻って寝ようか。

Kumi3

うん!

Chai

Chaiとベッドに戻りながら、

今日みたいな、心が曇ってしまう考え事も、こんなに壮大な星空を見せられたら、考えてもいられなくなるよね。

明日も暑くなりそうね。

おやすみなさい!

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
「学校に行けないなら、旅に出てみようよ!」と不登校をきっかけに15歳次女と弟10歳を連れ、サンティアゴ巡礼・カミーノへ行くことにしました。930kmを60日間かけて歩きました。もちろんカミーノは初めてです。英語もろくに出来ない私は、一体どんな旅になるのか見当もつきませんでした。はじめは、歩き慣れず背中の荷物も重く、疲れと不安でいっぱいの子どもたちでしたが、次第に五感をフルに働かせ、たくましくなっていくのでした。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です