サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教えてくれないこと。

34/60いつ迄もカミーノに居られない、日本のシャツは現実の導火線

アバター
WRITER
 
519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ
この記事を書いている人 - WRITER -
アバター
2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
詳しいプロフィールはこちら

5/19(水)→オルビゴ /水無しプールを後にする  14km/€23   原っぱの庭の宿 @€5×2

 

キッチンがあったので、朝、温かいコラカオビスケットサラダをお腹に入れることができました。

 

519 カミーノマザリフェ 朝ごはん12

クリスチーナも一緒のテーブルで、コーヒーを飲みました。

お腹ホカホカ、気持ちもフル充電。目まぐるしいレオンの街と比べ、マザリフェの田舎の佇まいに、なんだかホッとしました。

 

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲ 恐竜1

左の青壁の水の無いプール恐竜オブジェをあとにして、歩き出しました。

 

519 カミーノ マザリフェ 町でる

10分も歩けば町は終わりました。

 

519 カミーノ マザリフェ 影

今日は暑くなりそうです。

 

519 スペイン巡礼 camino マザリフェ 田舎道1

一本道が続きました。

 

意気揚々が意気消沈

 

私たちは、8時半に出発しました。ちょうど1時間歩いた所で

あっ!忘れ物!

Chai

と叫びました。

えっ、なに?

Kumi3

中学校のユニフォームでも、別にいいや…。voicel]それは背中に中学の名前がプリントされていました。漢字が外国人に地味にウケていました。

さらに速乾性で洗ってもすぐに乾くので、カミーノで重宝していた半袖シャツでした。

Kumi3

いやー、だめでしょ。また使うでしょ。取りに戻ろうよ。

Chai

519 カミーノ マザリフェ 一本道 12 先に小さな教会

来た道を戻りました。なんだか、意気揚々と出発したのに、1時間後には、すっかり意気消沈でした。

誰が悪いとか責めたりはしません。わたしたち3人はお互い様運命共同体なのです。

わかっているけれど、密かにため息が出てしまうのでした。

Chaiに見えないように…。

はあ~あ・・・。

ため息は、道を長く感じさせるのでした。

やっとの思いで、アルベルゲに戻ると、

あったあった!有りました。Chaiのユニフォーム。

ところが、Denの靴下とパンツも洗濯ロープに気持ちよさそうに、ゆらゆらとなびいているではないですか…。

あ〜っ、Denのもある〜!

Den

もお!いま気付いたの?着替えや荷物をぎりぎりに減らしたのだから、靴下、パンツが一組無くなったら大変じゃない‼︎ もうっ、ノーテンキねぇ…

Kumi3

やあやあ、よかった!

Den

Denは大事な靴下とパンツをリュックにしまい、Chaiも、中学のユニフォームを無事に取り戻しました。

 

 

話しかけないでくれる?

 

さあ再び、もと来た一本道を行きました。

出発して1時間歩き、忘れ物で1時間戻り、再出発して1時間歩き、やっと今日の遅れをゼロにしました。時間は11時半になっていました。

雲一つなし。遥かむこうに雪の頂きの山が見えました。いい天気!

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12

抜ける青空とはうらはらに、3人の空気はどんよりと重ったるくなっていました。

それを感じ、楽しく盛り上げようとする私に

考えごとしたいから、しばらく話しかけないでくれる?

Chai

と言い、歩速を猛烈に上げました。

519 カミーノ オルビゴ 田舎道2 広い道

みるみる後ろ姿が小さくなっていきました。

あーん、私、うざかったのかしら?さみしいわぁ…。

Kumi3

と思ったのですが…、

私もよく考えてみると、忘れ物は、ただ取りに戻ればいいのです。

Chaiの落ち込みは、そういう類いのものでは無いようでした。

 

いつまでもカミーノに居られない

 

Chaiは学校のことなどすっかり忘れ、無我夢中でカミーノを歩いてきました。

それが不意に私に

「学校のユニフォーム、また使うでしょ!」という意味を言われたことで、急に日本に帰ってからの現実が、胸に浮かび上がってきたのかもしれません。

せっかく体力も付いて来て、様々な国の人とコミュニケーションをとりながら、自然、動物、食べ物

あらゆるカミーノを楽しむ余裕が出来てきたというのに…。

私たち3人はいつの間にかカミーノの旅暮らしに居心地を感じていました。それと同時にカミーノの終わりも少し見えてきた頃でした。

いつまでもカミーノに居られないんだ…。

どうなるのかな、この先….。

学校のユニフォーム着るのかな、着れるのかな。無くてもいいのに…。

Chai

様々な考えが頭の中を交差していたのかもしれません。

 

519 カミーノ オルビゴ 木の机 1座り 2手前

ここは話しかけてはいけません。

小さな流れにカエルがいました。

519 カミーノ オルビゴ カエル

日本に帰る時が来るんだよ…、帰るカエルケーロケーロ!

 

水飲んじゃダメ!AGUA NO CLORADA

 

教会を通り過ぎました。

519 カミーノ オルビゴ 途中教会 鐘3つ

コウノトリの巣がないと淋しいな~。

Kumi3

とこの頃は思うようでした。

 

519 カミーノ オルビゴ 水道水組む 3

暑い~!、途中で水道をみつけました。

ペットボトルに水を汲もうとすると、どこからともなく、おばあちゃんが出てきて

「ダメだダメだ~!」とスペイン語で言っているようでした。

なんでダメ?あ、ヒトんちの水道だからなのね。ごめんなさい。

Kumi3

いや、どうもおばあちゃんの身振り手振りによると、ここの水道の水は飲料用ではないのだ、というのでした。

向こうに、飲料用の水道があるからそこの水を汲め、と言っているようでした。

今通り過ぎた道の、だいぶ向こうに見える小屋を指さしていました。

え~っ!戻るの?じゃあ、いいよ。次のところまで水、我慢する!

Den

そうしようか。

Kumi3

「グラシアス〜」とお礼を言い、通り過ぎようとすると

「ナダ、ナダナダ!」おばあちゃんは立ちはだかり(違う、ダメダメ!)と引き留めるのでした。振り切って行く訳にもいかず…

あ、行くのダメ?ですね。はい、あそこの水道ですか…。

Kumi3

うひゃ~ん、もどるの…

Den

道を戻るのはつらいのよね、特に今日は…。

しかし、ここは仕方ない。とぼとぼと50メートルほど戻った小屋の横に水道がありました。

するとおばあちゃんは手を「どうぞ、どうぞ!」というように振って見せてから、バイバイをして家へ戻っていきました。

ふ〜っ、これね〜。

Kumi3

しかし、さっきの水道の水と、この水道の水、どっちがどう違うんだろう…。スペイン人の地元民だけが知っていることなのかしら。

後でわかりました。おばあちゃんの所の水は

「AGUA NO CLORADA」と表示があり、調べてみたところ

「塩素なし」という意味でした。

水道水じゃないから、お腹壊すよ〜、とおばあちゃんは心配してくれたのでした。

 

ベリーのグミに心ほぐれる

 

Chai の気持ちは↘︎Denは暑さでバテていました。

3人は歩くことにいっぱいいっぱいになっていました。

今日はアルベルゲまで長いわ〜。

Kumi3

途中の小さな町でパンを買いました。もう見てるだけでも嬉しくなるような直径30㎝のでっかいごつごつした膨れパンです。

ランチは済ませたので、アルベルゲまで持って行くことにしました。

519 カミーノ オルビゴ 巨大マルパン

(あとでアルベルゲで撮った写真) 

お店のおばちゃんは

「こんなに小っちゃい子が巡礼してるんかい!」とスペイン語でできる限りの賞賛を寄せてくれました。

それから「さあさあ、これ食べて!もっと取って!」とカゴに入ったベリーのグミをくれました。

それが甘くて酸っぱくて…

びっくりするほどおいしい~‼

こんなに美味しいグミ、初めて!

Chai

3人は感激しました。

味覚が喜ぶと、皆の心がほぐれていきました。

今まで会話が無くなり沼底にいた私たちは、グミのおかげで水面に浮き上がり、フレッシュな空気を胸いっぱい吸い込んだようでした。

それがきっかけで、互いに会話が飛ぶようなりました。

 

暑すぎる!水道で水浴び

 

途中に、家の集落が有りました。

あ~、疲れた。アルベルゲあったら休みたいナ。

Chai

道行く人に聞いたところ、この村はアルベルゲはないとのことでした。

あと3㎞先だって。

Kumi3

519 カミーノ オルビゴ 線路見下ろす

線路を越えました。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 犬と巡礼者

犬と巡礼をする人。

 

519 カミーノ オルビゴ 線路沿い 12暑い

暑い暑い~!

途中、Denが立ったりしゃがんだりしていました。

519 カミーノ オルビゴ 白い石

この石、きれいだよ!真っ白で少し透き通ってる!

Den

寄り道しないで、早く行こうよ!

Chai

 

519 カミーノ オルビゴ まっすぐ田舎道12 右に木

まだまだ町は見える気配がありませんでした。

 

519 カミーノ オルビゴ 鉄橋を渡る1

あの木の向こうに、町がありそうだね!

 

町の入り口に、水道を発見しました。

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1

Denは早速、頭から水を浴びました。

 

519 カミーノ オルビゴ 頭洗う2 1ぐったり

Chaiはぐったりと疲れ切っていました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋12 3右手

水を飲んで、歩き出しました。

ほら、あの橋の向こうだね!きっと。

Den

 

たどり着いたオルビゴのアルベルゲ

 

町が見えてきました。

519 カミーノ オルビゴ 石の橋 水浴の人

暑さの中、川べりで水浴をしている西洋人が居ました。

私たちが橋を渡ると

「コンニチハ〜!」 「カネマタ〜!」(多分、じゃねまた〜、と思われる…)と声を掛けてきました。

 

519 カミーノ オルビゴ 石の橋渡る2

私たちも「コンニチワー!」と叫び返しながら橋を渡りました。

アルベルゲは、すぐに見つかりました。

519 カミーノ オルビゴ アルベルゲソファ 疲れ21

アルベルゲに入ると同時に荷物を放り投げ、ChaiとDenはソファになだれ込みました。

オルビゴのアルベルゲは、中庭がありシャワーも当たり!でした。

なかなか居心地が良さそう!キッチンもありました。

 

日本と違い、暑く乾燥していました。

519 カミーノ オルビゴ 2カオクリーム

シャワーの後、昨日買ったスキンクリームを顔に塗りました。

 

カミーノの食材探索は楽しい!

 

ChaiとDenは昼寝をしたいというので、私一人で食料の買い出しに出かけました。

私は地元の野菜や食材を見るのが大好きでした。一人で気の済むまでお店の食材を探索しました。

余ると持って行くのが大変なので厳選した結果ひょうたんかぼちゃ、ピクルス、赤ワイン、エンパナーダなどを買いました。

 

519 カミーノ オルビゴ ピクルス ひょうたんかぼちゃ

同じウリ科のキュウリとカボチャをベンチに置いてみました。『久し振りに会う都会と田舎の親戚同士』といった感じでおしゃべりをしているようでした。

アルベルゲに戻り、ひょうたんかぼちゃを切って中の感じをみると

519 カミーノ オルビゴ ひょうたんかぼちゃカット

アタリ〜!ねっとりしたポクポク系でした。カボチャのポタージュスープを作りました。

 

夕食に昨日のお姉さん合流

 

夕食の時間です。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 カボチャスープエンパナーダ

エンパナーダかぼちゃのスープ。

するとまた、昨日Denに薬をくれたお姉さん、クリスチーナに会いました。

やさしい味に仕上がった、ひょうたんかぼちゃのスープをお裾分けしました。赤ワインも飲みきれないので半分、助けてもらいました。するとクリスチーナは黒オリーブのサラダを作り分けてくれました。

クリスティーナは

「明日アストルガに行くつもり、そこに日本人の女性のオスピタレロがいるはずよ。」と言いました。

それは会ってみたい~!明日、私たちもアストルガへ行くわ!

Kumi3

と話しました。

夕食が終わると、クリスチーナがついでだよ〜と、私たちのお皿や鍋まで洗ってくれました。

わあ、ありがとう‼︎

Chai

 

食後の散歩

 

夕食を食べ終っても、まだあたり一帯は明るいのでした。

再びアルベルゲの周りを探索に出ました。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 おばちゃんと12

パン屋さんはありますか? 

Chai

情報を仕入れないとね。

519 カミーノ オルビゴ 買い物 チョココッペ

その結果!パン屋さん発見。

そして袋入りのドーナッツを買いました。

519 カミーノ オルビゴ 教会夜景暗い

8時半、日が暮れかかりました。アルベルゲに戻ることにしました。

 

お礼のマッサージ

 

アルベルゲに戻ると、ベッドで休んでいるクリスチーナの所へ行きました。

昨日はお腹の薬ありがとう。もう大丈夫、オッケ~だよ!

Den

さっきは、サラダとお皿洗ってくれて、ありがとう‼︎

Chai

巡礼者たちは、朝は皆、それぞれのタイミングで出発をしていきます。

いま、お礼を伝えておかないと、2度と会えないかもしれないのでした。

お礼に背中を指圧するね、うつ伏せになって〜

Kumi3

私たちは、重いバックパックのせいで肩がガチガチでした。長時間、歩き続けるので下半身もパンパンに張っていした。肩から背中、腰、足と念入りに指圧マッサージをしました。

終わったよ~!と背中をポンッと叩きました。

すると「オオ~、サンキュー!」

クリスチーナはハグをして喜んでくれました。横でChaiとDenが羨ましそうに、ジーッと見ていました。

はいはい、わかってるわよ、言いたいこと!ハイ、次はDenの番ね。

Kumi3

わーい!

Den

ふくらはぎをマッサージし

そのあとChaiもね!

Kumi3

うん!!

Chai

同様にマッサージをしました。

ここは、1人だけという訳にはいきません。きょうだいの公平性を考えないと…。疲れていてもお母さんは、いつも忙しいのでした。

仕方ないわ~。

Kumi3

今日の暑さと疲れのせいもあり、二人とも直ぐにぐっすりと眠ってしまいました。私はそれから日誌を書いて寝ました。

 

真夜中トイレは星見日和

 

夜中2時…

トイレ〜。

Den

と起こしに来ました。

あら~、そうなの〜。

Kumi3

ここのアルベルゲは、トイレが外にありました。サンダルを履いて裏庭の草っぱらを30メートルほど歩くのでした。

外に出ました。

うわああ~!

Den

2人とも真夜中だというのに歓声をあげてしまいました。

夜空に満天の星!トイレのあと、あまりの壮大な夜空に

星がいっぱいだね!が降ってきそう‼︎

Den

外のベンチ座りこんでしばらく観ていました。

Denがベッドに戻り、寝てから30分もしないタイミングで、今度はChaiが

ママ、トイレ〜。

Chai

と起こしに来ました。

あら、めずらし~。Chaiもなのね…。

Kumi3

夜中に「トイレ」と言われたら無条件で付き合うのでした

私たちはサンダルを履いて外に出ました。今度はChaiが歓声をあげました。

 うわああ〜、きれい‼︎

トイレの後、Chaiはベンチに仰向けに寝転がり星空を見上げました。

こんなに星があるんだね!

Chai

私も寝転がりました。

この辺りの地名は、コンポステラ=星の野原という意味なんだって。本当にそうね~!

Kumi3

夜中にトイレに付き合わされても、こんな素敵なはことがあるのなら、全然いいわ!

カミーノ初日、ピレネー山中腹のオリソンアルベルゲ

降るような星空を見ました。けれど風がとても強い寒い夜で、じっくり天体観測というわけにはいきませんでした。

今晩は、暑さも引いた涼しい夜でした。

星見日和とでも言うのかしら。虫の声がしました。

さあ、ベッドに戻って寝ようか。

Kumi3

明日も暑くなりそうです。おやすみなさい!

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
アバター
2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です