39/60カミーノで笑い者?応援されてる?前世療法士に出会う
5/24(月)→ビジャフランカ 22.7km/€29 公営、星形の天窓 @€6×2
マフィンを買いに、子どもたちを連れ出してくれたエリカと朝ご飯を食べました。
昨日の歩きは、暑さと荷物の重さ、ヨロヨロに疲れケンカが勃発した散々な到着でした。険悪な私たちの前に現れたエリカ、は絶妙なタイミングで、子どもたちを連れ出してくれたのでした。
不思議な魅力のオスピタレロ
今朝、出発する直前にポンフェラーダのオスピタレロ、イゴルがお別れを言いに来てくれました。
一緒に、ハイチーズ!
パチリ。
イゴルは、持って来た青りんごを両手で持ち
「んんーッ」と力んで
カパッ!
見事に二つに割り、DenとChaiに分けてくれました。
わあ!イゴルすごいっ! カッコイイ~!!
ChaiとDenの目がハート♥になっていました。
イゴルは「昨日は、具合が悪くなった友だちを病院へ連れて行って、付き添っていたから、ほとんど眠っていないんだよ。」と言いました。
途中で声かけていく巡礼者がいました。イゴルもその人に「元気でね!」と答えていました。
「あの人に僕のリュックをあげたんだ。彼が持っていたほうがいいと感じたからね。」
昨日もChaiに、色鉛筆をくれました。なんだかイゴルは、所有欲が無く時間と労力を惜しまない素敵な人でした。
それでいてどこかフャンキー。不思議な魅力が漂っていました。
私たちは、それぞれハグをして別れました。
歩く仲間が増えた
今日も暑くなりそうです。
お城の横を抜けました。
町の中を抜けました。
なんだろう、遊園地かな?
途中、ディア・スーパーマーケットを発見しました。入ってみると、オレンジが8個で1ユーロでした。お買い得だわ‼︎ と重いけれど買ってしまいました。3人で朝晩に食べれば、すぐに無くなってしまいます。野菜不足に陥りやすいので、果物を持って歩くのは必須でした。
ほか、パン、チーズ、チョコレート、缶詰などを買い込み、歩き出しました。 うわっ、ずっしり。重いっ!けれど仕方がない…。
ヤギのチーズに大警戒!
道端の芝生に座ってランチをすることにしました。木陰の下は気持ちいい〜。
スーパーマーケットでChaiは、大きなカップに入ったチーズケーキを買いました。私にも分けてくれましたが、口に入れたとたんヤギのチーズのにおいがして、私にはどうしても食べられませんでした。
・・・昨日のアルベルゲのキッチンでパスタを茹でている時、チーズを切っているおじさんがいました。横で場所を譲りながら料理をしていると
「ほら、食べてごらん!ヤギのチーズだよ。」と一切れ分けてくれました。
「わーい!」とその場でパクッと口に入れた途端
本当に目が白黒しました。 うひゃあ、この味、ダメだぁ〜!
けれどおじさんの手前、がんばって飲み込みました。
うぐッ!
今までカミーノで沢山チーズを食べて来た中で、こんなチーズは初めてでした。ガリシア地方の特産らしく、まさにサンティアゴに近付いて来たという証でした。
ヤギのチーズ、怖っ…、
この味は何ていうか…、
雨の日の生乾きの洗濯物の味!
それが口の中いっぱいに広がりました。見た目やニオイではほとんど分かりません。口に入れて初めてわかるのでした。
その後も、サラダに削ったヤギのチーズが掛かっていたりすると、
もう無理!
サラダに手をつけることは、出来なくなってしまうのでした。
そして、Chaiの分けてくれたチーズケーキにもヤギのチーズのニオイを感じてしまいました。
ここから、全てのチーズに大警戒でした。
今まで何気なく買っていたスーパーのポピュラーなチーズも、牛なのかヤギなのか執拗にチェックするようになってしまいました。
芝生に座る時の大警戒!
道端の芝生に座ってのランチに、ドイツ人のハイケが飛び入り参加しました。オレンジやパンを分けてあげました。
すると突然、彼女は
「ウワオッ!」
と変な声を上げました。騒ぎながら座る場所を移動しました。
どうやら、犬のうんちの上に座ってしまったらしいのです。
カミーノの道では、犬、牛、馬、ヤギのうんちも油断なりません。特に芝生に座って休む時は要チェックでした。これも大警戒事項でした。
地元の子どもがお面を見せびらかしにきました。
わあ、かっこいいよ~っ!!
ワイン工場 €1の試飲
途中、ワイン工場の試飲ハウスがありました。
1ユーロでワインが一杯飲め、ピンチョス(おつまみ)が付くらしいのです。
私とハイケが面白いから入ってみよう!と中に吸い込まれました。エリカとChaiとDenは暑い外で「あぢ~…。」といいながら待っていてくれました。
ハイケが、ランチのお礼にとワイン試飲代をご馳走してくれました。
嬉しい〜!
2人は渡されたワイングラスを持ち、ワクワクと待っていました。
しかし、思ったよりちょっとしか注いでくれませんでした。ピンチョスも小さなパンとハムの一口サイズでした。
ハイケと私は、お互い目と目を合わせました。言いたいことは同じでした。
「たったこんだけ〜⁉ 1ユーロじゃ仕方ないか…。」
仲間と歩くと楽しい
カリカリコーンをエリカが持ち、チョコサンドビスケットを私が持ちました。食べて無くなると、皆それぞれ「ちょうだーい!」と取りに来てはポリポリ歩きながら食べました。
まだまだ、遠いね~。
水道発見!水を汲んでおかなくちゃ。
教会のコウノトリの巣、大きいね!
馬の巡礼者が通りました。
あ、町が見えてきたね。
けれど、アルベルゲはありませんでした。
あの木の向こうに町があるかな~。
ぶどう畑は慣れ親しんだ風景だよね!
まだまだ、町は先だったね。
林を抜けました。
早く行こうよオーラ
公園があり、休憩をしました。
私たちが着いたと同時に、芝生に埋め込まれていたスプリンクラーが水撒きを始めました。スプリンクラーのしぶきに虹を見つけました。
(あれれ?写っていないかな。ホースの上に確かに虹が・・・)
Denはスプリンクラーのシャワーにはしゃいで
見てみて!『しょんべん小僧』
ハイハイ…。
ブランコに乗る人、移動するスプリンクラーのシャワーを走って飛び越える人、私はベンチで足を投げ出しながら虹を目で追いました。
みんなそれぞれに、公園での遊びを楽しんでいました。
素敵な休憩時間だな…。
しかし、ふと見るとChaiは一人、早く行こうよオーラを出していました。
ヤッホー!(お気楽) vsうるさい!(生真面目)
今までも、カミーノで山に登った時、目の前に景色が開けた瞬間、思わすDenが
ヤッホー!
すると うるさいよ!人に迷惑でしょ。
素敵な景色だもの。ヤッホーと言いたくなるわ…。
自転車の巡礼が、並行している舗装路を通った時、Denが持っていた笛をピューピュー!と吹き、手を振りました。
すると やめなよ、うるさいでしょ。
見ると自転車の人たちは、Denのホイッスルに気が付くと、手を振りガッツポーズをして通り過ぎていきました。
はたまた、橋の欄干に杖を軽く当て、カラカラカラ~と音をさせて歩くと やめて!。壊れたらどうするの?
これ、けっこう楽しいのだけど…ね。
きょうだい解釈の違い
ある時、泥と石ころが延々に続く荒野を歩いていました。
ふと、後ろから車が一台近づいてきました。
Chaiは、私の30m先を歩いていました。Denは5mぐらい先でした。車は私たちをそれぞれに追い抜いて、土けむりをあげて走り去りました。
そのあと「休憩にしようか〜。」と道端に座りビスケットと水を補給しました。
そのとき、Denが嬉しそうに さっきの車、見た?後ろに乗ってたお兄さんたちがDenたちを抜かすとき、がんばれー!って手を振って応援してくれてたね。
すると 何言ってるの?車の中でさんざんバカにして笑い者にしてたじゃない。わからなかったの?
え?
私は驚いて目が点になりました。
二人のコメントのどちらが正しいか…、それは問題ではありませんでした。
確かに車は、私たちを追い抜いて行く時、乗り込んでいた若者たちは私たちを見て何か大げさにゼスチャーをして騒いでいました。窓が閉まっていたから、声は聞こえなかったけれど。
その意味を、2人はこんなにも対照的にとらえるなんて…。
若者たちの騒ぎっぷりは、どちらともとれました。 どちらともとれるなら、応援してくれていると思ったほうが楽しいんじゃない?
そう私が言うと、Chaiは早口で何か言い、立ち上がって先に歩き出しました。
お姉ちゃん速いなぁ~。
遊びながら歩くエリカ
暑い暑〜い!
羊さん毛皮で暑そう、でも歩かないでいいんだから、楽だね!
エリカは、公園があると
必ずブランコに乗り
見晴しがいいと
「ヤッホー!」と大声で叫び
自転車が通ると
ヒュウウウール!
という大きな音のホイッスルを吹き
橋や工場の柵を
杖でカタカタカタ~と打ち当てながら歩きました。
エリカは、その日一日で
今までのDenと全く同じ事をして歩きました。
Chaiは何も言わず、ただ後に付いて歩いていました。
あひゃー、ChaiはDenと同じことをするエリカに怒ってるのじゃないかな…?
私は内心、心配をしながら見ていました。
しかし、Chaiはむしろエリカの後を追いかけるように歩きました。
エリカの話は面白くて、、、
「カミーノはシャワーしかないじゃない。とっても寒い日にね。ずっとお願いしながら歩いていたの。お風呂に入りたい、お風呂に入りたい!ってね。
知ってる?
強く願うと叶うんだよ。
途中からバスタブに浸かりたい、バスタブ、バスタブ~!って願いながら歩いたの。
そしたらね。なんとアルベルゲに有ったの!!
バスタブが!
でもそのバスタブはね、アルベルゲの外にあって、ゴミが放り込まれていたのよ。
願い方を間違えたかな…、あはははは!」
へええ、惜しかったね。面白いね!
熟れたサクランボが「もう180㎞でサンティアゴだよ~!」と言っているようでした。
前世療法
歩きながらエリカに聞きました。
ねえ、エリカはニューヨークに住んでるんだよね?
「そうだよ。」
仕事は何?
「Kumi3に言ってもわかるかな…。私、前世療法というのをやっているんだ。ヒプノセラピーとも言うんだ。」
ええっ!『魂の伴侶・ソウルメイト』という本を読んだよ。知ってる?その中で言っている前世療法のこと?
「そうだよ。」
ええっ、じゃあ、それを書いたワイス博士を知ってる?
「もちろん!ワイス博士の最後のワークショップを受けることができたんだ。ものすごく人気があって倍率があった中、ラッキーなことに申し込みが通ったんだよ。それは退行催眠によって人のこころの歪みを正すんだ。」
私はこの言葉を聞くなり背中に電気が走るほど驚きました。
パウロ・コエーリョ著作の『星の巡礼』を読んだその後、この本の翻訳者に目が留まりました。
すると山川鉱矢・亜希子夫妻とありました。この二人が翻訳した本を読んでみました。それが『魂の伴侶・ソウルメイト』ブライアンLワイス博士著 (PHP文庫)という本でした。
それは、米国のマイアミ大学附属病院の精神科首席教授を経て、マイアミ市で開業をしているワイス博士により書かれた本でした。
ワイス博士は、精神科の医師である立場で立ち会った数多くの患者たちが語る、輪廻転生であるとしか思えない口述について、葛藤をしながらも公表すべきであると決断し、その実体験を綴った本でした。
それが『魂の伴侶・ソウルメイト』という前世について書かれている本でした。
私は その本を、このカミーノに来る直前に読みました。それで 前世ってホントにあるのかな? 前世療法士って職業の人がいたら会ってみたいな。会って実際のところ、どうなのかを聞いてみたいな。
それがなんと!目の前に前世療法士が現れたのでした。しかも、私が読んだ本の著者、ワイス博士の直接教えを受けた人が…‼︎
なんて巡り合わせ!奇跡だぁ!カミーノの神様、出来過ぎです!!
エリカの話、もっと聞きたい!とChaiとDenは、並んで歩くのでした。
ウッドハウスのアルベルゲ、ビアフランカ
着いたアルベルゲは、古いけれど居心地のいいウッドハウスでした。
なんだか落ち着くね~。
シャワーを浴びて、洗濯をした後は、やっとフリータイムです。
エリカ、ピンポンの試合しようよ!
Denとエリカは、しばらくピンポンに燃えていました。Chaiはその辺を探索して、他の国の巡礼者とおしゃべりをしていました。私は日誌を書いて過ごしました。
ひと段落してDen、Chai、エリカの足にクリームを塗り、マッサージをしました。
疲れた足に、マッサージは最高!
一人でも、壁打ちピンポン!
笑顔のピルグリムディナー
今日はピルグリムディナーを頼みました。
野菜たっぷりのスープがおいしい!
主菜はサラダとソーセージ、デザートにヨーグルトでした。
今日は、いつになくChaiがよくしゃべりました。そして、よく笑いました。
食事のあと、フランス人のアランが私たちに石鹸を一個分けてくれました。それがきっかけで私たちは話すようになりました。
二階から目薬
ビジャフランカのアルベルゲの部屋は、星型の窓がありました。
日が落ちるのが夜10時ぐらいです。それまで明るいのでした。電気がなくても、自然光で生活できるスペインは電気代がお得だなぁと思いました。
アルベルゲはいつものように二段ベッドが並んでいました。
Chaiの上の段のベッドに、エリカがいました。
Chaiが、目がゴロゴロすると言い出しました。するとエリカが目薬を持っているヨ、と言いました。
エリカが、Chaiに点眼してあげるネ、と言いました。
Chaiは下の段のベッドから顔をはみ出し、目を指で見開いて待っていました。
エリカが2段ベッドの上から、手を出して構えました。
私は、そんな上から?と思いました。
「いい?、目薬、いくよ~!」
エリカが、一滴の目薬を垂らしました。
ハーイ!
ポチャッ!
ワオ!
大成功~‼
見事、Chaiの瞳に命中‼︎
その光景は「二階から目薬」ということわざを思い出し、その意味を覆すものでした。
なんだか私は、一人でウケて笑いが止まりませんでした。