16/60カミーノで見たタトゥ、名前の漢字を頼まれたら責任重大!
5/1(土)→サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ メーデー 22km/€25 ニワトリがいる 公営宿 寄付 €5(3人分)
朝食は、昨日スーパーマーケットで買っておいた2ユーロの甘~いパンセットでした。
これ、他の店で前に見て食べたかったんだよね!
今日は22㎞を歩く予定だよね。エネルギー充電しなくちゃ!
オスピタレロのおじさんが
「今日は土曜日だけれど、お店はみんな閉まっているよ。メーデーだからね!」と教えてくれました。
メーデー: 労働者が団結して権利を要求する日、スペイン各地でデモや祭典が行われます。
おじさんは
「買い物ができないだろうから、持っていきなさい!」とキッチンに残っていたパスタ、マカロニ、ビン詰トマトピューレ、ツナ、ソーセージの缶詰め、オリーブ漬け袋をおせん別にくれました。
わあ!嬉しいです!!!
しかし、待てよ…。
あ~重い!、重過ぎるわ…。でも有難い!でも、でもーっ!
結局わたしは、全部もらってしまいました…。
多分…2㎏ぐらい、重さが増えていました。
銀ピカのバッジ
一方、出発する直前まで、Denはオロオロしていました。
Teppiから貰ったホタテのブレスレットがない、ない、な〜い!
隣の人が「どうしたの?」と聞いてきました。Chaiが手首の同じブレスレットを見せ
これが無くなっちゃったの。
ブレスレットは見つからず、Denは半べそでリュックを背負い、うなだれて食堂を横切り靴を履きました。
「ほら!これあげるからな。元気だせ!」と銀ピカのバッジをくれました。
ムーチョ・グラシアス!
誰かが気にしてくれている!
7時半にアルベルゲを出発しました。
今日は肌寒いのでした。
Denは銀ピカのバッジがとても気に入って
帽子につけました。もう嬉しくてたまりません。元気が湧いてくるようでした。
しばらく田舎道を行きました。
嬉しいことに他の巡礼者たちが、Denを追い越すたびに
「あなたのブレスレット、探したけど無かったわ。」
「ヘイ、チビすけ、俺もあちこち見たけど無かったよ。」
「探したけど、見つからなかった。残念ね〜。」などと
声を掛け、励ましてくれました。
サンキュ~!グラシアス~!
皆、荷造りをしながら、少しでも早く出発しようとしているさなかに、ブレスレットを無くしオロオロしていたDenの様子を、さりげなく見てくれていたのでした。
気に掛けてくれたなんて、嬉しいね〜‼︎
えへへへ。
ありがとうオスピタレロ!でも重い〜‼︎
あ~、肩が痛~い、疲れた~…。
有り難いよ〜!オスピタレロおじさん!
でも、やっぱり重~い!!
と、私はアルベルゲからもらってきた食材の重さに、苦しむことになりました。バックパックが重いと本当に歩きがしんどくなるのでした。
仕方がないわ~。おじさんの厚い人情とお財布のために!
途中ですれ違った地元のおばさんが
「あら、日本から来たの⁈ 遠くから嬉しいわ!頑張って!」と励ましてくれました。
でも、今日は道が長いよ~。
曇り空でも美しい景色!
途中、ついに雨がパラつきました。
犬がひょっこり現れました。「なんかおやつ無いの?」
まだまだ、道は続きます。
寄り道しないでっ!早く行こうよ~!
随分と差がついちゃったなぁ。
カタツムリ料理、美味しいの?
菜の花畑、きれいだね~!
途中、バケツを持ち、右に左に動き回っているおじさんがいました。その人はカタツムリハンターでした。バケツの中に、カタツムリが30匹ぐらい入っていました。
カタツムリ料理はスペインでは、珍しくないのでした。
こんな雨降りの湿っぽい日は、たくさん捕まえることが出来るんだね。
あら!ふっくらほっこり、太っています。
カタツムリ料理、美味しいのかな。チャレンジしてみようか? いい〜、遠慮する!
あー、やっと街が見えたよ〜!
カルサーダのアルベルゲ、設備も居心地もグー!
2時過ぎ、サント・ミンゴ・デ・ラ・カルサーダに着きました。
アルベルゲのレセプションで並んでいる間、素敵な衣装の人が出入りしていました。
メーデーで式典やパレードがあるって、ナヘラのオスピタレロのおじさんが言っていたね。
素敵な衣装を身に着けた、ご婦人と紳士が通りました。
この公営のアルベルゲは、新しく大きな建物でした。定員は72名まで宿泊可能でした。設備も素晴らしい上に、宿泊費は寄付でした。
有り難~い!
シャワーも温かいお湯がジャンジャン出たよ!もう最高〜!
今日は22㎞歩きました。一日中寒く、雨が降り、重くなった荷物を背負ってのこの距離は、なかなか骨が折れました。そんな日のご褒美は、温かいシャワーでした。
食堂へ行くと、昨日のアルベルゲで見かけた人が何人もいました。同じ今日の道を、頑張って歩いてきた仲間たちは、話さなくとも何となくお互いに親しみを感じました。
テーブルは相席で、ワイワイ賑やかで和やかな雰囲気に包まれました。
「ヘイ!大人でも大変なのに、子どもたち、やるじゃないか!」とDenとChaiはみんなから高評価を得て、ウハウハしていました。
一見、怖そうなパンクロックな格好のお兄ちゃんたちも、自動販売機やパソコンコーナーで、フレンドリーに話しかけてくれました。
スペイン語を勉強!
パンクなお兄ちゃんも、イケてるお姉さんも、ChaiとDenがスペイン語を片言でも話すと、ものすごくウケてくれました。
彼らは、挨拶、お天気、お菓子の名前などのスペイン語を教えてくれました。
もう少し、何か言えるかも!
早速イラストスペイン語の本を広げ、眺めていました。
もっと遊んでほし〜い‼︎
タトゥーの漢字
少しすると、Denが私にコソコソ声で報告に来ました。 あのお姉さんも、ここに来てるよ!
今日もタンクトップ姿なので、肩にタトゥ-の文字が見えました。
それは漢字でひと文字
「死」と彫ってありました。
それが、ChaiもDenも気になって仕方がないのでした。
ねえ、意味…、知ってるのかな…。 多分ね…。
名前を漢字で書いてと言われたら…
西洋の人は、気軽にタトゥーを入れているのを目にしました。それが、漢字であることもよくありました。
日本人に自分の名前を漢字で書いてもらい、それをそのままタトゥーに彫ってしまう人もいるのでした。
そう思うと
「名前を漢字で書いて~!」と言われたら責任重大だと思いました。
今までも、何人かに頼まれ名前を漢字で書いあげました。良い意味の字を使ってあげないと…と思うのですが、これがなかなか難しいのでした。
前に「泌羅留(ピラル)」というタトゥーを首の後ろに彫っている女の人を見掛けました。スペインでよく聞く名前です。日本の誰かが漢字を書いて教えたのでしょう。
私はピラルの「ピ」が分泌の「泌」という文字が、残念でなりませんでした。
せめて神秘的の「秘 (ピ)」とか、あるじゃないの〜、もうっ!
私は、食堂で皆のヒマつぶしに「名前書いて〜」と言われ、こんな風に名前を漢字にして書きました。
ミゲル=美芸得
ホセ=歩世
ソニア=想仁愛
カミレ=神礼
ジョーン=自由音
リーナ=里菜
クリスチーナ=空理想智奈 などです。
クリスチーナ5文字は長いです…。
「栗」を使えばいいのかもしれませんが、
本人は見た感じが栗っぽくないのでした。
(まあ、私のヘンなこだわりですが…。)
名前の文字を頼まれたら、
出来る限りポジティブでハッピーで、美しい意味の漢字で書いてあげないといけないわ!
変な漢字をタトゥーで入れてしまう可能性が、多いにあるからです。
そう思うと、相手にとっては、ほんの暇つぶしの気まぐれのお遊びで頼まれたとしても
「できた〜?」と何回も催促されても
「ちょっと待っててっ!」と頭を捻り、考えに考え、レシートの裏側や紙の切れっ端しに、名前の漢字を最大限の努力をしてよい文字を探し、書いてあげるのでした。
こんな傑作タトゥーみたよ!
日本語の文字で、時々傑作がありました。
「おいしい水」へぇー。透明感あるね。
「緑色」あら、いいかも!
「強く」あ~、ストロングって感じかな!
「冷蔵庫」へ?クールを保つって意味??どうしてこんな…、とても残念。
そして、カミーノを歩くことは、人生の大事件でもあります。
思い出に「Bien Camino」と入れる巡礼者も見られました。
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダの街
街の探索に出かけました。
お店、みんな閉まってるね。
あはは、バックパックが無いと身体が軽~い!
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダの教会は、大聖堂と呼ばれています。教会の中に司教座というものがあり、他の教会より格式があります。別称カテドラルといいました。
カテドラルの近くにあったポスター。
街を気ままに歩いていくと...
スペインの伝統的な衣装を身に着けたお姉さんたちがいました。
あら素敵!メーデーの式典か何かに出るのかしら?
街中でパン屋さんとバルは開いていました。どちらもスペイン人の大動脈です。焼きたてのパン、焼き菓子を買いました。
ベリーパイ、サクッと。
わお!チョコレートケーキ!
ケーキをお皿に乗せる時
大きいの取ってくれますように!とお店のおばさんの手をガン見して心の中で祈りました。
ところが
ひと切れでいくらじゃなくて、グラムでの計り売りだったのね…。
ニワトリが生き還った伝説の街
🐓ニワトリの伝説
この街には、死んだニワトリが生き返ったという伝説がありました。
昔、親子で巡礼した家族のうちの息子が、カルサーダの街で無実の罪を着せられてしまい、絞首刑になってしまいます。両親は落胆し、失意のまま、サンティアゴ大聖堂まで巡礼を続けました。
巡礼を果たし、カルサーダまで戻ると、なんと、見上げる高さの絞首台に吊り下がった息子は、まだ息をしていました。聖ドミンゴが支えてくれていたのでした。
両親は「息子を下ろして欲しい、まだ生きているのです!」と主張するのですが、役人は全く取り合いませんでした。
懇願する両親に、役人は「お皿の上のニワトリの丸焼きが歌いだすようなもんだ!」と言い捨てるのでした。
すると、テーブルの上のニワトリの丸焼きが、高らかに鳴き声をあげました。驚いた役人は、慌てて息子を絞首台から下ろし、息子は命を取り留めることができました。
その奇蹟からカルサーダの街は、聖ドミンゴとニワトリを讃えているのでした。
※引用書籍:聖地サンティアゴ巡礼・世界遺産を歩く旅
アルベルゲでもニワトリが飼われていました。
街中でも、しばしばニワトリの飾りやモニュメントを見ることができました。
カミーノの自炊の定番、ごちそうディナー
さて、今日の夕飯のメニューは決まっています。ラッキーなことにアルベルゲにはキッチンがありました。
パスタを山ほど茹で、トマトピューレ瓶を開けて混ぜ、ソーセージ缶、ツナ缶とオリーブのサラダを食べました。
ナヘラのオスピタレロおじさんが贈呈してくれた食材のおかげで、素敵なディナーになりました。 頑張った甲斐があったわ!
そして、明日の荷物は軽くなりました!
アルベルゲのパソコン
夕食後、アルベルゲのコインを入れて動くパソコンで、家にメールをしようとしました。
ここは1ユーロで60分もできるよ!
通常、他のアルベルゲでは1ユーロで20分が相場でした。
お父さんとお姉ちゃんからメールが来てるかもね。
1ユーロのコインを入れて、パソコンを開いてみると、
なんと!
日本語を見ることが出来ないのでした。
あらら?どうやっても日本語にならないわ!!
ChaiとDenがあれこれいじってみましたが、ダメでした。
うーん、ダメだね。誰か詳しそうな人呼んでくる!
ムーチョ・グラシアス!
使える時間は60分しかありません。
仕方ないわ、ローマ字でメールを打とうか~。
Minna genki desu! Kyou wa 22km aruitayo.
Mainichi pan to pasuta wo tabete iruyo. Aruite itumo onaka pekopeko dakara zenzen akinaiyo.
Inu no Pu-chan ha genki? Aitaina…
こんな風に近況報告をして、ベッドに向かいました。