サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

56/60大西洋フィステラ巡礼証明書もらう、カミーノ無償の思いやり

Kumi3
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610フィステラ巡礼証明書
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Kumi3
「学校に行けないなら、旅に出てみようよ!」と不登校をきっかけに15歳次女と弟10歳を連れ、サンティアゴ巡礼・カミーノへ行くことにしました。930kmを60日間かけて歩きました。もちろんカミーノは初めてです。英語もろくに出来ない私は、一体どんな旅になるのか見当もつきませんでした。そんな体で子どもたちを、異国のスペインに連れ出してしまうのですから、本当にチャレンジャーでした(-_-;)。けれど、何かを変えてみたかったのでした。
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6/10(木)→フィステラ  消防署内で朝食  14km/€30  公営 親切オスピタレラ @5×2人分

 

昨日は、32㎞とがんばったので、今日は朝寝坊をすることにしました。

他の巡礼者たちは、みんな出発していました。Koreaのお姉さんテレサも、8時には行ってしまいました。

610スペイン巡礼 セー朝ごはん  カミーノ フィステラ 

部屋でサクランボ、チーズ、パンの朝食をとりました。ソファの上に、置き去りになっていたファンタもいただくことにしました。

外の通路のヒモに、干しておいた洗濯物を取り込みに行きました。

そこは、通り道だったようで、ヒモは取り払われ、靴下やシャツ、パンツが、近くの椅子に申し訳なさそうに置かれていました。

あら~、消防士さんの通り道に靴下、パンツ…、悪かったわぁ。すいませ~ん。

Kumi3

消防署を出発

 

9時に消防署を出発しました。

 

610スペイン巡礼 セー消防署12  カミーノ フィステラ 

消防士さんにご挨拶をすると

「がんばれよ!」とエールを送ってくれました。

 

610スペイン巡礼 セー 町12  カミーノ フィステラ 

道なりに歩き出したのですが…

どこなの~?黄色い矢印が見つからないわ~。

Kumi3

歩き出して30もしないうちに、町の中ですっかり道に迷ってしまいました。

610スペイン巡礼 セー 町12右ビル 海 カミーノ フィステラ 

おまけに、雨が降ってきました。慌てて雨支度、レインウエアを着込みました。

610スペイン巡礼 セー 町12左 海 カミーノ フィステラ 

結構、強く降って来たね~。

Chai

610スペイン巡礼 セー 町 紫陽花 カミーノ フィステラ 

スペインでもアジサイは同じだね。雨が大好き!

 

一人で買い物する頼もしさ

 

軒下でワンコがしっぽを振っていました。

610スペイン巡礼 セー 町 犬 カミーノ フィステラ 

遊びたいけど、雨がヤダわんっ

 

610スペイン巡礼 セー 町12石畳  カミーノ フィステラ 

途中、Diaスーパーマーケットを見つけました。

おやつのチョコビスケットを買っていこうよ!

Chai

それは、ChaiDenの一番お気に入りでした。

しかし、お店に入るにも、このザーザ降りの雨の中、私とChai雨カッパのポンチョを脱がないといけません。それは、なかなか面倒なことでした。

裾がめくれないように3か所留めた洗濯バサミを外し、ビショビショのポンチョを脱いでバックパックを降ろすのでした。

また、買い物をしたあとは、バックパックを背負い、ビショ濡れのポンチョを着てから、洗濯ばさみで再び裾を留めるのでした。

その点、Denはレインウェアの上下を着ていました。そのまま、バックパックを降ろし、水滴を払いさえすれば、お店に入れるのでした。

Den、お願い~。待ってるから買ってきて〜。

Kumi3

えぇっ~!、Denが?一人で?

Den

だってポンチョ、脱ぐの大変~!

Chai

わかったよ~!

Den

渋々、1ユーロ玉を握りしめ、入り口で待つ私たちを背にして、Diaスーパーマーケットに入っていきました。

 

5分ぐらいして

610スペイン巡礼 セー 町 チョコビス カミーノ フィステラ 

Denは、ディアビスケットを手にして戻ってきました。

中で、ちょっと迷ったけど、パンの近くだった。

Den

Den ナ~イス! サンキュ~!!

Chai

ただビスケットを買ってくる、というだけのことなのですが

スペインの言葉の通じない、初めて入る大きなスーパーマーケットで、一人で品物を探し出して買ってくるということは、なかなかの冒険でした。

Denもこの国に慣れてきたというか、成長したというか! イイね~。

Kumi3


私の中で、ささやかな感動がありました。Denも雨の中、足取りも軽く嬉しそう歩いていました。

 

自分で道を探す頼もしさ

 

セーの町の教会を通りました。

610スペイン巡礼 セー 教会風景 カミーノ フィステラ 

古いけれど、海辺らしい屋根の飾りがステキな教会でした。

 

610スペイン巡礼 セー 町12正面教会  カミーノ フィステラ 

しかし私たちは、教会付近で完全に迷子になってしまいました。行ったり来たりして、黄色い矢印を探しました。

すると3人で、立ち話をしているおばちゃんたちがいました。

道を聞くと「あっちよ、あっち~。」

と、皆大きな声とゼスチャーで方向を指してくれました。

グラシアス!

Kumi3

私たちはお礼を言い、示されたほうへと行ってみるのですが、分かれ道らしきところで、どこを見ても黄色い矢印が見当たりませんでした。

分かる所まで道を戻ろうとするのですが、途中でおばちゃんたちが

「違う、ちがう!あっち~!!」と大声で言われ、ブロックされてしまうのでした。

 

610スペイン巡礼 セー 12石町並み カミーノ フィステラ 

は~い!グラシアス!!

Kumi3

と、再び言われたように歩き直すのですが、途中でどうしても 進めなくなってしまうのでした。そんなことを3回も繰り返していました。

すると、Chaiが小走りに他の通行人を呼び止め、道を聞き始めました。

ドンデ エスタ カミーノ?

Chai

最低限のスペイン語で聞いて回るのでした。返事がわからなくても、ジェスチャーを読み取り、それでやっと道を発見することができました。

 

610スペイン巡礼 セー 町12 細道 カミーノ フィステラ 

な~んだ、ここ入るのかぁ!

Den

細い路地の壁に、黄色い矢印を発見しました。

こりゃ、わからないわ!この路地の入口、何度も通り過ぎたね~。

Kumi3

迷子になりかけ、とにかく何とかしなきゃ!と、ついに道を見つけ出したChaiの姿に、目が細まる思いがしました。

巡礼が始まったころ、私があれこれ聞いて回る後ろで、臆していたChaiの姿を思い出しました。

ずいぶんと、たくましくなったわぁ。

Kumi3

 

ペケーニョ攻撃

 

山道に入ったとたん、雨が上がりました。

610スペイン巡礼 セー 町12 風景カミーノ フィステラ 

木々の途切れた先に、セーの町が広がりました。

 

また、道は細い路地になりました。

 

610スペイン巡礼 セー 町12 舗装路 カミーノ フィステラ 

アスファルトの道に出ました。雨はあがりました。

 

610スペイン巡礼 道標 田舎道  カミーノ フィステラ 

この見慣れたホタテマークの道標、あといくつ見られるのだろう…?

Chai

610スペイン巡礼 12犬 2匹カミーノ フィステラ 

ワンコがあいさつに来ました。

ギャハハ!かじらないでよ。

Den

610スペイン巡礼 右緑 12犬 カミーノ フィステラ 

何、なに?おいらも入れて~、ワンッ!

 

610スペイン巡礼町並み風景 芝生まえフィステラ 

しばらくの間、左手に大西洋を見ながら歩きました。

後ろから賑やかな声がしました。4人組のおばちゃんグループでした。フィステラを

目指して歩くショートトリップでした。荷物が小さいのでわかりました。ずっとおしゃべりをしながら楽しそうに歩いていました。

私たちと4、5回にわたる抜きつ抜かれつになっていました。

一人のおばちゃんが、ひょうきんでとてもフレンドリーでした。

Denを見ると「ペケーニョ!チャンピョ~ン!」などと言い、必ず頭をポカっ!と叩いていくのでした。

まわりは見ていて楽しいのですが、当のDenはそれがたまらなく腹立たしいのでした。

610スペイン巡礼 2正面 田舎道くもカミーノ フィステラ 

もおおっ!ヤダよ~!!

Den

目を三角にしてプンプンしていました。

まあまあ、かわいいんだからイジられることもあるのよ~。

Kumi3

と変ななぐさめをしてみました。

 

610スペイン巡礼 1後ろ 田舎道くもカミーノ フィステラ 

青空が広がってきました。

 

610スペイン巡礼田舎 田舎右 杉12 フィステラ 

左側に海があるのは分かっているのだけど、なかなか近くに寄れないのでした。

 

オレンジ通信「プ!」

 

610スペイン巡礼田舎 田舎左 杉12 フィステラ 

すぐそばに会いたい人がいるのに、なかなか会えない、そんなストレスを感じながら海岸沿いの道をいきました。

はやく、海の水に足つけたいナ。

Den

上り、下り、アップダウンをいくつか越えると、大きく海が見渡せる場所に出ました。

610スペイン巡礼田舎道海風景カミーノ フィステラ 

「やっほ~!大西洋~!」と思わず叫びました。

610スペイン巡礼田舎 正面海12フィステラ 

わは~!嬉しい~!ついに来たね!!

Chai

うふふ!ひと休みしようか。

Kumi3

私は、バックパックからオレンジを取り出し、ChaiDenに一つずつ渡しました。

すると二人は、妙なことをしました。

オレンジのヘタとヘタをコツンと合わせ

!」

と同時に言いました。

それはオレンジを食べる前の当然の儀式といった感じでした。

なにそれ?

Kumi3

「オレンジ通信」だよ。こうするとオレンジが甘くなるの。

Den

ほんとかな〜??

Kumi3

それから、両手でコロコロしてから皮をむくと、さらに甘くなるんだよ。

Chai

そうなの??不思議ね…。

Kumi3

まあ、面白いからいいか…。

二人は、アラン先生に教わったオレンジの皮のむき方を始めました。

610スペイン巡礼田舎 オレンジ12 フィステラ 

ナイフの使い方も上手になりました。

 

610スペイン巡礼田舎 オレンジ2 フィステラ 

Denはサンティアゴの街で、巡礼の記念に買った丈夫なナイフを上手に使いこなしていました。オレンジは水分補給にもってこいでした。

 

日焼け止めクリーム

 

さっきの雨がうそのようでした。晴れてきたとなると、日焼け止めクリームを塗っておかないといけません。スペインの日差しは強烈でした。

さて、疲れが取れたね。日焼け止め塗って出発~!

Kumi3

610スペイン巡礼 日焼けどめ フィステラ 

これは、スペインのスーパーマーケットで買った日焼け止めでした。ショルダーバッグに入れ、いつでも使えるように持ち歩いていました。

(ちなみに、右側のオレンジ色のボトルはシャンプーです。カミーノではこのシャンプーひとつで、頭、身体、そして服の洗濯まで使いました。石鹸類を数多く持つと荷物が重くなるのです!)

ChaiとDenの手のひらに、それぞれ日焼け止めを絞り、私自身も顔や手に塗り込みました。

ママ~、ヘンだよ~!

Chai

ギャハハハ!ほんとだ。

Den

ええ?なに何が?なによ?

Kumi3

日本から小さな鏡を持って来ていたのですが、バックパックの洗面用具に入れてありました。わざわざ出すのも面倒でした。

それで、たいていはお互いの顔を見て「歯に何か付いてるよ。」とか「目やにが付いてるよ。」などと伝え合っていました。

じゃ、写真を撮るから見て!

Chai

Chaiが写真を撮ってくれました。そして、デジカメのファインダーをのぞきました。

610スペイン巡礼3 日焼けどめ フィステラ 

あ…。日焼け止めが瞼にたまり、変な目になってるってことねっ!

Kumi3

 

610スペイン巡礼大西洋 風景 木3本フィステラ カミーノ

それから大西洋は、ちらちらと顔を出すようになりました。

 

610スペイン巡礼大西洋 風景 岩壁フィステラ カミーノ

海、きれいだね。透き通ってる!

Den

 

大西洋の砂浜を歩く

 

再び林に囲まれてた山道になりました。

うっそうとした木が途切れました。

不意に目の前に、砂浜がふわあっ!と広がりました。

610スペイン巡礼大西洋12 フィステラ カミーノ

ああ~、やっと砂浜だ~!

Den

私たちは、くたびれた靴を脱ぎました。

それから裸足で、砂浜を歩いてみました。

610スペイン巡礼大西洋 風景 フィステラ カミーノ

水が冷たい!気持ちいい~!

Chai

わははは!膝の下までぬれちゃった~!

Den

波の音、潮の香り、砂の感触。

目の前の大西洋は、五感に迫ってきました。しばらく裸足で砂の感触を楽しみました。

 

610スペイン巡礼 1 海カミーノ フィステラ 

途中クロックスに履き替え、海外通りの巡礼路に戻りました。

 

610スペイン巡礼田舎 大西洋 自転車ピヨ12 フィステラ 

幼稚園のちびっ子たちが20ぐらいが、お散歩をしていました。その中に紛れ一緒に歩きました。

私たちは、大西洋に来た嬉しさがこみあげてきて、笑い浮かれながら歩いていました。

ちょうどよい道連れでした。

海だ~大西洋だ!うひゃひゃ~!

 

610スペイン巡礼田舎 大西洋 ピヨ12 フィステラ 

やっほ~、僕よりペケーニョだね!

Den

 

610スペイン巡礼田舎 大西洋 道後ろ12 フィステラ 

みんな、お昼ご飯の時間かな?

Chai

ちびっ子たちは、かけっこをしながら、行ってしまいました。

 

フィステラの巡礼証明書

 

フィステラの街に入りました。

610スペイン巡礼町並み風景 フィステラ 

フィステラは、お店が多く、海辺の明るい雰囲気を感じました。

しばらく歩いていくと、公営のアルベルゲがありました。

入ると、費用は一人5ユーロでした。

ここの女性のオスピタレラは、とても親切でした。

「あら、小学生?この子の分はいらないわよ。」と宿代を2人分におまけしてくれました。

ベッドチケットは、3人分を渡してくれました。

そのあと、一人分のチケット代5ユーロを、自分のお財布から出して、レジに入れてくれたのでした。

私は、そのことに気が付きませんでした。

そのちょっとした瞬間を、Chaiは見ていました。

オスピタレラ自身も、お子さんが居るらしく、その後チラッと子どもがふたり来ているのを見掛けました。

 

クレデンシャルを見せスタンプを押してもらうと、オスタピレラは巡礼証明書を発行してくれました。

610フィステラ巡礼証明書

フィステラで手にした巡礼証明書。

わあ、うれしいなぁ!

Den

絵がステキ~!サンティアゴの巡礼証明書とデザインが全然違いうね、

Chai

 

ちなみにこれは、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼事務所で発行された巡礼証明書です。

606サンティアゴ巡礼クレデンシャルcredential Camino 

 

 

懐かしい顔に再会

 

バックパックをほどき、シャワーを浴び、洗濯を済ませました。

思いがけず、アルベルゲの玄関で懐かしい顔に再会しました。

ホセ!

イニゴ!

610スペイン巡礼 12 h I フィステラ 

ChaiDen2人の姿を見るなり、飛びついてハグをしました。

また会えるなんて!!

Chai

ケニアは?

Den

 

610スペイン巡礼 12 3h フィステラ Camino

「もちろん、いるさ!」とイニゴが答え、一緒に写真を撮ってくれました。

 ホセに会うのはパラス・デ・レイで別れて8日ぶり、

イニゴに会うのはアストルガで別れて20日ぶりでした。犬のケニアも元気そうでした。

カミーノ が終わったあと、ホセの住むメノルカ島へ行く約束をしました。

 

赤ワイン尻もち事件

 

雨があがり青空が見えていたのですが、いきなり激しいスコールが降りました。けたたましい雨音で、いっきに道路がびしょ濡れになりました。

しかし、それも束の間、気が付けばピタリと止んでいました。

さて、夕食の買い出しに行こうか。

Kumi3

ここのアルベルゲはキッチンがあり、道具もそろっていました。

スーパーマーケットは、アルベルゲの45軒先にありました。

肉と野菜、果物のほか、ホセやイニゴも飲むかもしれないと思い、少し良い赤ワインのボトルを買いました。いつもの巡礼路では、紙パックの赤ワインばかりを買っていたのでした。

レジでお金を払い、買った品々をビニール袋に入れて歩き出すと

Denが持つよ!

Den

と、嬉しい申し出がありました。

あら、けっこう重いよ。だいじょうぶ?

Kumi3

うん、大丈夫

Den

まかせとけ〜っ!と頼もしい態度でした。

Denを先頭にして、Chaiと私はニコニコしながら後ろに続きました。

すぐにアルベルゲに帰りつき、玄関に入ったとたん

わあっ!

Den

ツルッ!

ガッシャーン‼︎

Denは勢いよく、床に尻もちをついて転んでしまいました。

さっきのスコールでか床が濡れ、サンダルの底が滑ったのでした。

袋は床に叩きつけられ、赤ワインのボトルが割れました。赤い液体が床にみるみる広がりました。割れたガラスのかけらも飛び散っていました。

いま、まさにたどり着いた7~8人の巡礼者が並んでいる目の前でした。

Den

ごめんなさい、ごめんなさい~。

Den

と、みるみる泣き出してしまいました。

ビンの割れた音にびっくり…。

血のように流れ出たした赤ワインが恐ろしく…。

床に打ったおしりが痛み…。

みんなの目の前で恥ずかしく….

せっかくのいいワインを無駄にして申し訳ない…。

いろんなことが、

どうしょうもなくDenを悲しくさせました。

その場に居合わせた巡礼者たちが

It’s OK! (平気さ~)

Don’t cry! (泣かないでいいよ!)

Está bien! (大丈夫だよ!)

、口々に声を掛けてくれました。

Chaiと私は、手伝ってくれた周りの人と一緒にガラスのかけらを集めました。

Denのせいじゃないよ。さっきの雨で床が濡れいて滑りやすかったんだね。ママでも転んでいたよ。持ってくれるって言ってくれて嬉しかったよ~。ありがとう!

Kumi3

うっうう、うん

Den

お手伝いしたのに、失敗して怒られる...。

子どもの頃の悲しい思い出は、そういったシチュエーションでした。悲しくて悔しくて、とてもやり場のない気持ちでした。

そんなシーンが目の前で起きたなら、気持ちを汲み取ってやらねば…と思いました。

自分が子どもの頃嫌だったことは、しないようにしたいと思うのでした。

まわりの皆の協力もあり、床はササッ〜と片付きました。

Denの表情も、次第に明るくなっていきました。

 

キッチンで和食ディナー

 

キッチンで夕ご飯の支度を始めました。買ってきたものは、牛肉、玉ねぎ、茄子、マッシュルームでした。

肉と野菜を炒めてから、醤油と砂糖を加えました。

 

610スペイン巡礼 ディナー フィステラ 

すき焼き風の味付けになりました。

おいし〜い!

Den

610スペイン巡礼 ディナーマカロニ フィステラ 

マカロニがかわいいね!

Chai

3人は、バクバク食べてお腹いっぱいになりました。

 

道の途中で、Denの頭をボンボンと叩いたおばちゃんも、同じアルベルゲでした。

610スペイン巡礼 2 おばちゃんフィステラ Camino

ここでも

「ほら、ペケーニョ!(ちび助)、食べカスが付いてるわよ!」と構ってくれるのでした。

 

チョコクッキーを焼く

 

6時過ぎには、夕ご飯を食べ終わりました。

スペインの夕暮れには、まだまだ時間がありました。9時半ぐらいまで、空は明るいのでした。

街を散歩し、再びスーパーマーケットへ行きました。

Chaiは、キッチンにあるオーブンが使えることをチェックしていました。使っていい調味料に砂糖がありました。

スーパーマーケットで小麦粉、玉子、バター、チョコレート、ピーナツを買いました。

アルベルゲに戻ると、すぐにキッチンへ向かい

クッキーを作るね!

Chai

と材料を並べ始めました。

Chaiは料理好きで、お菓子作りなどは、カンで材料を配合し生地を作ることができました。

しばらくすると、オーブンからクッキーの焼けるバターと小麦粉の甘い香りが流れてきました。

ウーン、いいにおい!

何を作ってるの~?

キッチンの横を行き来する巡礼者たちは、みんなのぞき込んでいきました。

610スペイン巡礼 1横クッキーオーブン フィステラ 

クッキーを作っているのです~!

Chai

わ~お!食べたいナ~!!!!!

みんな陽気に、声を掛けていきました。

そろそろ出来たころかな?と思い

張り切って作ってますね〜!

Kumi3

とキッチンへ行くと

このクッキーね、オスピタレラさんにあげたいと思うの。自腹を切ってDenのベッド代を出してくれたんだよ!

Chai

Chaiは、お礼をしたいと思ったのでした。

クッキーが焼き上がりました。真っ先にオスピタレラさんに

610スペイン巡礼 クッキー小皿 フィステラ 

「どうぞ。食べてくださ~い!」と差し入れをしました。

オスピタレラさんは、ワオ!と驚いてニコニコ笑いながら受け取ってくれました。

それから

クッキー、どうぞ〜!

Chai

とアルベルゲに居合わせたみんなに、シェアしました。

 

610スペイン巡礼 クッキー皿 フィステラ 

オオ、サンキュー‼︎

ヤミ〜!

 

無償の思いやり

 

時間は夜の8時半でした。

焼き上がったクッキーを食べていた時、

突然、目の前にテレサが現れました。

テレサ!会えた‼︎ テレサにも、食べてもらいたかったんだ‼︎

Chai

Chaiはテレサに駆け寄り

610スペイン巡礼 アルベルゲ 1t フィステラ 

「どうぞ〜!」とクッキーを勧めました。

テレサのほうもビックリしたように眼を丸くして、Chaiの作ったクッキーを手にしながら言いました。

「いま、教会へ行ってきました。ちょうど、あなたたち家族のことを、祈ってきたところでした!」と言いました。

ええ~っ!なんて嬉しい…。いつも助けてもらってばかりだったのよ。私たちのために祈ってくれるなんて…。

Kumi3

私は、心に衝撃を受けました。

クッキーをもらったからといって、お世辞を言うようなテレサではありませんでした。テレサはクリスチャンで、いつでも謙虚で誠実でした。

私たち家族のために祈る…、その考えにとても驚きました。

たいてい祈る時って...

神社で、パンパンと手を叩き手を合わせ目を閉じる。

お墓の前で、お線香をあげ手を合わせ目を閉じる。

今まで、通り過ぎて来たいくつものカトリック教会の祭壇の前で、手を組み目を閉じる。そして…

自分と家族の健康、成功、その時どきに心に掛かる問題の解決や、うまくいったことの感謝などを心に浮かべ祈るのでした。

それらの祈りは、自分に直結していることばかりでした。

ここ、カミーノ で出会う巡礼者同士は、アルベルゲ、バル、スーパーマーケットなど出入りするタイミングが違えば、二度と会えないのでした。

テレサは多分もう会えない私たちのために祈ってくれていたのでした。

Chaiの念の強さ?で、ナイスタイミングでテレサに再会し、クッキーをあげることができ、たまたま、テレサの祈りの言葉を知ることができました。

思いがけず知った、その無償の思いやりに圧倒されたのでした。

その後、Chaiとテレサはあれこれおしゃべりをしていました。そして最後に

「巡礼が終わってしまうなんて、本当に淋しいよね~。」と頷きあっていました。

そう、カミーノは見返りなんか気にしない思いやりがいっぱいだった…。それが終わってしまうことが淋しいわ…。

Kumi3

今日だけでも

オスピタレラのお財布、ワインの瓶の破片を片付けてくれた巡礼者たち、テレサの祈り…。

たくさんの思いやりに出会っていたのでした。

 

真夜中にママはどこ?

 

ベッドに落ち着くことにしました。

ここのベッドは、一部屋に2段ベッドが20台ほど並んでいました。

ChaiとDenは上の段、私がひとりだけ下の段でした。ここは柵があるので落下の心配がなく、安心できました。

10時に消灯すると、部屋の中は真っ暗になりました。鼻をつままれても、まったくわからないぐらいの暗さでした。

今日は、夕方から料理を作り、再びスーパーマーケット探索、ワイン事件、散歩、クッキーと、楽しく忙しく過ごしました。

日誌を書く時間もなく、あっという間にアルベルゲの消灯時間になってしまいました。

何がなんでも、大西洋の砂浜が広がった瞬間、波の感触を、今日のうちにノートに書き付けておきたいわ!

Kumi3

と思いました。

いったん、ChaiDenと同時に、二段ベッドの寝袋に入り眠りました。

夜中、トイレに起きたとき、洗面の薄暗い電気の下でノートを広げました。

思い浮かぶことを、何でもかんでも忘れないようにと、大急ぎのなぐり書きで、ノートに書きつけました。

お、誰か来た気配?

邪魔にならないように、隅に寄りました。

ゆっくりと洗面のドアが開き、のぞくように

ママ~?

Den

と聞き慣れた声がしました。

Denでした。

いま、午前3でした。

よく真っ暗闇の中、ベッドから降りてここまで来れたね…。

Kumi3

ママが居ないから、探しに来たんだよ。はやく戻って寝ようよ〜。

Den

うん、もう少しで今日のこと、書き終わるから。ちょっとだけ待ってて。ママは、日誌に書き留めておかないと、すぐに忘れちゃうんだ。だけど、こうやって、旅の一日を書いておくとね、何十年経っても、その言葉を読むと、そのまわりに起きたこと、会った人、泊まった宿のことなんかが、びっくりするほど鮮やかに思い出すことができるんだ。このノートは宝物になるんだよ。

Kumi3

Denは、聞きながら洗面の台に寄りかかり、立ったまま半分眠っていました。

それを見て、日誌に書く項目が増えました。

夜中、Denが目を覚まし、ママをが居ない!と探しに来てくれた。こんなこと、この先いつまであるのだろうか…。

Denの膝がガクッ!と軽く折れそうになった時、私は日誌を書き終えました。

お待たせ!戻って寝よう。

Kumi3

半分寝ぼけたようなDenの肩かかえ、そろそろと歩いて部屋へ向いました。

寝息といびきが真っ盛りの、真っ暗な部屋に入りました。

私は小さなペンライトで足元を照らしながら、ベッドへとたどり着きました。

Denを2段ベッドのはしごに押し上げました。ペンライトの灯りで隣でChaiがスースー眠っているのが見えました。横になったDenを見て

「おやすみ~。」

と、ひそひそ声でいいました。私も寝袋に入り横になりました。

 

 

 

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