サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

11/60カミーノ最悪のアルベルゲ体験、悲しくなったキッチン

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426ロスアルコス夕焼け
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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4/26(月)→トレス・デ・リオ / 道草カミーノ  8km /€29  民間宿@€7×2

 

ロス・アルコスのアルベルゲで朝食をとりました。7時半でした。

426 スペイン旅 子どもと一緒 ロスアルコス サンティアゴ巡礼 田舎道 アルベルゲ 12朝食

Chaiは『町名と宿のプリント』を見ながら

今日は、どの町まで行く?

Chai

と距離を調べていました。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 ロスアルコス サンティアゴ巡礼 田舎道 アルベルゲ2寝転がる

ほんのちょとだけ、横になるね。

Den

えー、寝ないでよ~っ。

Kumi3

8時には出発したかったのですが8時半の出発になりました。

426 スペイン旅 子どもと一緒 ロスアルコス サンティアゴ巡礼 田舎道 アルベルゲ看板

アルベルゲの看板。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 ロスアルコス サンティアゴ巡礼 田舎道 アルベルゲ

ロス・アルコスのアルベルゲ、さようなら!

 

カミーノを歩く集中力が散漫

 

 

天気が良い!暑くなりそうでした。

426伝左手みち

歩きやすい平坦な道なのですが、歩みが遅いのでした。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 道に犬

オラー!こっちおいで。ね、パンのかけら出そうよ。

Den

犬を追いかけてみたり…。

 

泥の顔

泥に落書きを描いてみたり…。

 

426積み石

わあ、石を積んでいこうよ。

Den

アルベルゲ着くのが遅くなっちゃう、はやく行こうよ~。

Chai

426 スペイン旅 子どもと一緒 ロスアルコス サンティアゴ巡礼 田舎道 アルベルゲ 白い花

菜の花がのんびり揺れて咲いていました。

でも、まあ、急ぐ旅ではないから、好きなように探索していいじゃない?

Kumi3

わたしたちは 道草カミーノなんだから。

暑さと荷物が重いのと、きのうおとといの2日間、炎天下の中を20km以上歩いたので、さすがに今日は疲れが出たのでしょう。

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 道に影

さ、歩き出そうか。

 

 

休憩、休憩、休憩…

 

ちょっと休みたい。

Den

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 休憩13

水分補給は大事です。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 左道12

緩やかな上り坂が続きました。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 田舎道 2

チュッパチャプスある?

Den

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 道しるべ左12

「こっち!、こっちだよ!、こっちね~!」黄色い矢印と道標が主張していました。

しかし、今日のDenは、ちょっと歩くと、水飲みたい〜、チュッパチャプス食べたい〜があまりにも頻繁でした。

 

トレス・デル・レオの町が見えてきた

 

トレス・デル・レオの町が見えてきました。

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 町遠く12

飛行機雲がいっぱいだ~。

Chai

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 町遠く風景

町は見えたものの、なかなかたどり着きませんでした。

あーん、疲れた。休んでいい?

Den

えー、また? 5分前に休んでるんですけど…。

Kumi3

 

426伝茶路

もう少しです。

けれど、すでにDenはバテバテでした。

休みたい~。疲れたよ~。うっうっ〜

Den

ついに、へたりこんでしまいました。

 

426伝路ダウン沈黙…3分経過…5分経過…。

 

あら~…。ずっと、こうしてもいられないよね。どうする?どうしたい?

Kumi3

休みたいから歩く…。

Den

おお!Den、なんだかすごい名言…。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 2道で座る

休みたいから歩く…。一見、矛盾しているようですがアルベルゲに着かない限りは本当には休めないのです。

そうよ。その通り!

Kumi3

そうしてDenはノロノロと立ち上がり、歩き出しました。

 

間違って入ったアルベルゲ

 

トレス・デ・レオにたどり着きました。

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 町入った12

まだ、12時前ですがアルベルゲに入ることにしました。

今日あたり、がっつり洗濯がしたいので、ちょうど良いと思いました。服がどれも薄汚れ、汗臭くなっていました。

アルベルゲを探しました。公営のアルベルゲに泊まる予定だったのですが、その少し手前に、よく似た名前の看板を出していた民間アルベルゲに、うっかり入ってしまいました。

426チェックイン

1人€7はちょっと高いけれど(公営は€5ぐらい)宿泊代は私とChaiの分だけでいいというので、まあ、いいか…とチェックインしました。

レセプションの男の人に設備を確認したところ

「ここは洗濯機もあるよ、キッチンも使えるよ!」ということでした。

うん!それならいいね、バッチリだわ‼︎

Kumi3

 

 

サンティアゴ巡礼の定番お昼ご飯

 

荷物を置くと、外にあるテーブルに座り、昼ご飯を食べました。

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 休憩ランチ食品

カミーノでいつもの定番のパンとサラミと果物でした。ナイフでパンに切れ込みを入れササッとサラミサンドにしました。

日差しがせまってテーブルは影がなくなってきました。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 アルベルゲ前

バルの向かいの家の前にベンチがあり、日陰で食休みをしました。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 仲間2人

ロス・アルコスで親切にしてくれたカップルが手を振りながら通り過ぎていきました。

 

最悪の洗濯、私はどなる!

 

さて、腹ごしらえをしたので、お洗濯です。

ChaiとDenに声をかけました。

洗濯物を出して~

Kumi3

2人とも、バックパックの中の下着やTシャツ、泥だらけのズボンなど、山のように出しました。

しかしDenは室内着のズボンを、もう10日もはいているのに、洗濯に出さずにいました。

それも脱いで。洗うから。着替え持ってるじゃない?

Kumi3

と言うと

もう一つのズボンは、ママが勝手に選んだから、ゴムが伸びててヤダ。

Den

と言うのでした。

え?荷作りした時に、最終チェックは自分でしてもらったはずだよ⁈

Kumi3

ずり落ちてきて、はけないもん。

Den

じゃ、Denは今まで、はけないズボンをリュックに入れて、日本からフランス、ピレネー山脈を越えてスペインまで、ずっと運んできてるってわけ?荷物が重い重いとさんざん文句を言いながら?なにそれ⁈

Kumi3

 

だってママが~!

Den

と、むくれ顔で口走りました。
私は遂にブチ切れて

人のせいにするなっ!

Kumi3

どなってしまいました。
ムカムカしながら、汚れたものを集め洗濯機に入れ、洗い始めました。

すると、洗濯機が途中で止まってしまいました。

アルベルゲの人を呼んだのですが、どうやっても動きません。故障したようでした。

もお〜っ!やだ〜!

Kumi3

踏んだり蹴ったりとはこのことです。

洗濯槽から水を含んだ重い服をバケツに移し、流しに運び、手洗いをしていきました。3人分の着替え、タオルはけっこうな量でした。手洗いだけでなく、服をしぼる作業も、力仕事でした。

 

最悪の洗濯、私は再びどなる!

 

私とChaiが、汗をダラダラ垂らしながら働いている横で、Denは床に座り込み、膝の間に頭を埋め、イジけたたまま、手伝おうとしませんでした。

ムカッ!! 私は再びどなりました。

みんな働いてるのに何なのっ、その態度はっ‼

Kumi3

 Denは、思いきり私をにらみつけ、ふくれっ面でイヤイヤ手伝い始めました。

2階の窓のロープに、洗濯物を全て干し終わるまで約1時間半私とDenは険悪な時間を過ごしました。

 こういう時、Chaiは妙に気を使い、サクサクとよく動くのでした。

終わって外のベンチに座りました。見上げると、いま干した洗濯物が目に入りました。汚れた服がお日さまのにおいになって乾いていく、そんなシアワセな感覚を、少しも感じませんでした。

つまらない気持ちが胸いっぱいに充満していました。

たまたま、アルベルゲの隣にティエンダ(食料品店)がありました。

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 休憩ランチ3

ビールとチップスを買い、日誌を集中して書くことで私は個室に入った気持ちになることにしました。

 

426睨む犬

「どないしたんねん?」と犬がにらんでいました。 

 

426漢字ドリル

Denは漢字ドリルをやり始めました。

普段はイヤイヤ取り掛かるはずなのですが、ムカつくママの側に居なければならない時間を、それで潰すようでした。

ここは海外です。見知らぬ街です。旅の親子は24時間、基本的にはずっと一緒なのでした。気分転換に1人で町をほっつき歩く訳にはにいかないのでした。

日誌を書いているうちに、私のささくれた気持ちも段々と収まってきました。

 

最悪のキッチン、私はどなられる!

 

そうだ!、今晩は美味しいトマトパスタを作って、みんなの気持ちを寄せよう!

Kumi3

そう思い、さっきのティエンダで食材を探しました。

大きな玉ねぎ、パスタ、瓶入りトマトソース、ツナ缶を買いました。

アルベルゲのキッチンでお湯をわかし、フライパンを温め油を敷きました。刻んだタマネギを炒めようとザザッとフライパンに入れたその時

不意に宿の若い女の人が現れました。そして

「ここでは料理はできない!」と言うのでした。

私は「どうしてですか?」と聞くと

「換気扇が壊れているから無理!」と言うのでした。

そうは見えないけれど。動いているし…。

「受け付けの男の人は、ここはキッチンが使えると言っていましたよ。」と言うと

「No!」

せめてフライパンの上のタマネギに火をいれさせて下さいと、お願いしてみました。

「No!」

女の人の態度は頑なでした。そして

「GET OUT!! Right now!」

(キッチンから出てって、ほら早く!)

どなり、追い立てました。

私は、彼女の目を見てゾッとしました。

凍りそうな冷たい目一瞬で怯えてしまいました。

その表情には、考えたくはないけれど「人種差別」という言葉が浮かびました。

慌ててChaiに指示をだし、用意したビニール袋にフライパンからタマネギをザザッーと入れました。大急ぎで食材を片付けると、私たちはキッチンから慌てて出ました。

再び外のベンチに座りました。

ひどいねっ、あの態度!意味わかんないこと言われて追い出されたね!

Chai

キッチンを使っていけないなら、いけないで

普通に…。ふつうに言ってくれたってわかるのにっ!

Kumi3

あの恐ろしく見下した態度は何だろう?

心がぞわぞわしました。

生の刻んだタマネギの入ったビニール袋はここにあります。油が付いていて生あたたかいままでした。こんな風に料理を中断されることの無念さも相まって、怒り心頭でした。

私たちリュック一つで旅をしている身にとって、ビニール袋の1枚だって貴重なのです。今だってタマネギを入れるために、洗濯バサミの入っていた袋を慌てて逆さにし、空のビニール袋を作り、タマネギを入れたぐらいでした。

この先、キッチンがどこにあるかわかりません。明日の宿にあるとは限らないのでした。刻んだタマネギ、パスタ、トマトソースの瓶、ツナ缶を持って歩くか、泣く泣く置いていくかのどちらかです。  

全部、封を開けてしまいました。お店には返せません。

 私たちにとって、重さは大問題でした。これらを持って運ぶことは大変すぎるのでした。

なんだか騙された気持ちになりました。

キッチンが使えないなら、食材も買わなかった…。

洗濯機も結局、壊れて手洗いだった…!

泊まるんじゃなかった。こんなところに‼︎

Kumi3

 

最悪のキッチン、さらに私はショックを受ける

 

アルベルゲの受付の男の人が戻ってきました。

私は「キッチンが使えると聞いていたのに、女の人にダメと言われました、どうなっているのですか?」と尋ねました。

すると男の人は「待ってて!」と言って女の人のほうに行ったようでした。

 少しして、さっきの女の人が私たちを呼びに来ました。キッチンを案内しながら、私たちに向かって言いました。

信じられないことに、いま全くの別人になっていました。満面の笑顔を浮かべながら

「ハイ、換気扇はここ、お皿はここ、フォークはここ、ゴミはここね。どうぞゆっくりしてね。ウフフ!」とキッチン内を丁寧に説明をしてくれました。

私は、このあまりの豹変ぶりショックを受け、息をするのも苦しく感じるほどでした。

怒鳴られニラまれた時より、優しくされている今のほうが100倍恐ろしく感じました。

すぐ近くで男の人(上司かな…) が作業をしていました。

他の巡礼者もキッチンで料理を始めました。女の人は特に注意をするでもありませんでした。

私はボーゼンとツナとトマトのパスタを作りました。

テーブルに運び3人で食べ始めました。味もよくわかりませんでした。ChaiとDenはおいしいと言ってくれたけれど、私は返事も上の空、抜け殻のようになってしまいました。

Denは自分のせいかと思ったようで

ママ、今日はごめんね…。

Den

と謝ってきました。

違う、違うよ…。

Denのことなんて、とっくに許しているよ!

あの女の人の態度の豹変ぶり…。

あんな風に憎しみのこもった目で人を見る事が出来るなんて。

一方で、男の人(上司)がいるからって、気味の悪いほど優しい態度に変わった…。

何でそんなことが出来るんだろう?

悲しくて、悔しくて、そういうことが嫌すぎて動揺がおさまりませんでした。

そして今日、アルベルゲに泊まっている巡礼者は私たち以外、皆んな欧米人でした。

今日、感じたことなんだけどね。人によって態度を変えるって、すごくイヤなことだね。やるほうも、やられたほうも本当に悲しいことだよね…。

Kumi3

 

オレンジの光はいつも優しい

 

散歩に行こうよ。

Chai

うんいいね。まだまだ、日が暮れないものね。

Kumi3

歩き出しました。このアルベルゲに居たくありませんでした。

426ロスアルコス教会大

教会が夕陽を待ち始めました。

 

426ロスアルコス街なみ

町も夕陽を待っていました。

 

426ロスアルコス夕焼け

オレンジの光はいつも優しいね。

あたりを暖かい色に染め、今日一日をなだめてくれるようでした。

 

426 スペイン旅 子どもと一緒 トレス・デル・リオ サンティアゴ巡礼 公夕焼け

夕日が山の向こうに完全に落ちたのが21時半でした。

もう帰ろう、眠くなっちゃった~。

Den

その夜、私はなかなか寝付けませんでした。今日のキッチンのことを考えまいとしても考えてしまうのでした。

ダメだ~。あした一刻も早くここを出よう。

Kumi3

 

 

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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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