サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教わらないこと

17/60カミーノフランス人の言葉、子どもに旅は素晴らしく貴重な体験

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502鹿くび
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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5/2 (日)→レデシージャ・デル・カミーノ / 靴下捜索隊! 10.3km/€10   暖炉がある宿 寄付€3

 

昨日は荷物が重たく、一晩寝ても疲れがとれた気がしませんでした。ちょっと朝寝坊してと…、のん気にしていたら

ここは8時に出されてしまうよ!

Chai

聞きつけてきました。

急げ~!

慌てて荷造りをしていると、アメリカ人の女の人が、しきりに探し物をしていました。這いつくばって、寝袋をひっくり返し、マットレスをこじ上げ…、その取り乱し様は、だんだんまわりの人にも伝染してきました。

どうも、片一方の靴下が行方不明らしいのでした。

「ええっ〜、それは大変!」と部屋中のメンバーが急きょ、靴下捜索隊となりました。

私も、それっ協力!とあたりを見回し、いくつかのベッドの下を、杖で探ってみました。暗いベッド下から、埃がついた何かが、杖に引きづられ、出てきました。

「これかしら?」と振ってみせると

彼女は「オーマイガッ〜‼」と私にハグをし、飛び上がって喜びました。

部屋のメンバーの誰からともなく「グッジョブ〜!」と声が掛かり拍手がわき起こりました。

 これで靴下捜索隊は、無事解散となりました。

そう、これは大袈裟でもなんでもなく、持ち物のうち、靴下一足でも失くしたら大変なことなのでした。

長いこと道を歩くカミーノは、背中の荷物を軽くするため、最低限の家財道具しか持ち合わせていないのです。その内の何かひとつでも無くなると、旅の生活や行動が不便になり、調子が狂ってしまうのでした。

ボールペン、ハンカチ、髪を束ねるゴム、ヘアピン、ビニール袋、スプーン、洗濯バサミ…どれ1つ取っても、いま持っているものは、選ばれたものたちばかり、決して失くせないのでした。

 

例えば…、失くせない持ち物たち。

502 スペイン サンティアゴ巡礼 必需品レシデージャ・デル・ カミーノ 

爪切りは重く感じましたが、私たちは3人なのでけっこう重宝しました。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 靴下ほか レシデージャ・デル・ カミーノ 

食べ物が無いニャーン!

 

 

小雨、寒い朝ごはん。

 

アルベルゲの閉まる時間が迫っていたため、朝ごはんは道すがら食べようということにして出発しました。寒い〜!

502伝茶カルサーダ町出発町を出発。

 

502カルサーダクミあ〜、もう少しゆっくりしたかった〜。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 町アーチ12 レシデージャ・デル・ カミーノ向かう

サント・ミンゴ・デ・ラ・カルサーダ街、さよなら~!

Den

502カルサーダ信号柱伝赤信号の鉄柱に必ず乗る人…。

502伝茶カルサーダから小さな教会こんな素朴な教会がありました。

 

502伝茶橋、茶まえ

橋からの景色はどうなってるのかな?

Den

502 スペイン サンティアゴ巡礼 橋2 レシデージャ・デル・ カミーノドミンゴ橋からオハ川が見えました。

 

502羊番犬2羊番の犬。爆音で吠えるんだから、グッジョブだね!

 

502茶道の向こう山しばらく田舎道だよ。

 

502茶振り返って

水たまり、すべるよ。気をつけて〜。

Chai

502 スペイン サンティアゴ巡礼 景色レシデージャ・デル・ カミーノ麦畑、麦畑、麦畑~!

 

502ナシとパン

朝ごはん休憩しよう~。洋ナシとハムパンと水。

温かいものは無いのよ~。寒いね…。

Kumi3

502伝手袋みち

杖を持つ手がかじかむね。手袋が必要だ〜。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 景色 田舎道1 レシデージャ・デル・ カミーノ

小雨が少し降ってきました。まだ、カッパを着なくてもだいじょうぶ。

 

502カルサーダまち、出発伝茶

途中、小さな町を通過しました。

 

502カルサーダ教会グラニョンの教会です。目指すアルベルゲは次の町でした。

 

502雨伝茶みち小雨が強くなってきました。ポンチョタイプのカッパを着ました。

 

502矢印茶もう少しでアルベルゲのある町だ~!

 

カモミールティーで温まる 

 

10km歩いたところの町の公営アルベルゲに入ることにしました。天気も良くない上、寒いので早めに休むことにしました。

私は昨日、22㎞をいつもより重たい荷物で歩いたので、疲れがなかなか取れませんでした。いいタイミングでアルベルゲがあり、ホッとしました。

あら、嬉しい!宿泊費は寄付だったわ!

Kumi3

今日は寒かったね〜!

Chai

そこはキッチンが有りました。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 食事ランチ レシデージャ・デル・ カミーノ 

パスタを茹で、簡単なパスタランチにしました。

持っていたカモミールティーを入れて温まると、3人はベッドに広げた寝袋に入り、2時間ほどグッタリと昼寝しました。

カモミールティーは、3人が好きで、一緒に飲むことができるハーブティでした。ノンカフェインでお値段もお手頃、どこでも手に入りました。味と香りがスッキリしていて、リラックス効果も抜群でした。

 

本物の暖炉

 

昼寝から覚め外を眺めると、まだ小雨が降っていました。寒い〜。

アルベルゲの1階がバルになっていて暖炉があるよ!

Den

調査をしてきました。

わあ~、本物の暖炉‼︎  あたろう、あたろう!

Chai

ChaiもDenも宿題とノートを持って集合です。

 

502クミ日誌

私も日誌を書くことにしました。飲み物とお菓子を買い、午後はバルで過ごしました。

 

502部屋の暖炉

薪をくべる本物の暖炉を、間近に見るのは初めてでした。暖かくて離れられなくなりました。

 

学校を休むチャレンジの大先輩!

 

フランス人のおじさんが英語で話しかけてきました。

「日本の子どもは、この時期はホリデーなのかい?」

いいえ。学校は休んできているのです。だから、いま宿題をやっているのです。

Kumi3

 おじさんは言いました。

「いいんだよ、勉強なんて大丈夫さ。私は10年前、12歳と14歳の娘を連れて

家族で南米大陸を6ヶ月間

旅をしたんだよ。

学校?もちろん休んでね。

帰ってきてから子どもたちは、勉強が遅れるどころか、

かえってできるようになっていたさ。

子どもにとって旅ってのは、素晴らしく貴重な体験なんだよ。

そのために学校を休むことなんて、これっぽっちも問題じゃないんだ。

わあ~、そうですか‼

Kumi3

その言葉を聞き、心強く感じました。私たちはカミーノを歩くチャレンジをしていると同時に学校を休むというチャレンジをしている最中なのでした。

フランス人のおじさんは、旅で学校を休むチャレンジをした大先輩でした。

その結果「勉強がかえって出来るようになった!」というその言葉は、帰国後の不安をやわらげてくれるような嬉しい南風でした。

そして、おじさんの言葉で、学校を休む時のことを思い出しました。

 

小学校を休む時はそよ風

 

Denは小学校5年、Chaiは中学校3年でした。

カミーノへ行くためにそれぞれ学校を休む段取りが必要でした。

Denは春休み開けに

「スペイン巡礼の道、900kmを歩いてきますので、来週から学校を3ヶ月お休みします。」と新学期早々、担任の先生に伝えにいきました。

担任の先生は、他校から移動してきたばかりでした。

「はあ、スペインですか!お気をつけて…。後で写真をみせてくださいね!!」

小学校はそれで済んでしまいました。

そよ風のように、穏やかに事が運びました。

 

中学校の担任の先生は追い風!

 

問題はChaiの中学校でした。彼女は来年の春、高校受験でした。

まず始め、年明け早々に中2の担任の先生に相談しました。

「中3の春から2、3ヶ月、学校を休んでスペイン巡礼の道、900km、徒歩の旅に行きたいと考えているのですが、先生はどう思われますか。高校受験を考えると、無謀過ぎるでしょうか?」

すると、先生は、とがめるどころか

「それは素晴らしい経験です。一生でそんな経験をできるチャンスは、なかなか無い。今の状況の中、行けるなら、ぜひ行くといいと思います。2か月でも、6か月でも。高校受験の当日には居るのでしょう?問題ないですよ!」と言ってくれたのでした。 

嬉しい!解ってくれる人がいた!

Kumi3

うん、よかった。担任の先生はとても心配してくれていたから。

Chai

担任の先生の言葉は、強く私の背中を押してくれる

追い風になりました。

 

中学校長は強風注意報発令!

 

担任の先生から報告が伝わったのでしょう。Chaiと私は校長室へ呼ばれました。

私たちは、小さくなって校長室のソファに座りました。向かいに校長先生、学年主任の先生が並び、私たちとお見合い状態です。

校長先生は「この中3の大事な時期に、学校を3か月も休むのですか?こういうことは前例にないんですよ。カトリックでもないのに、カトリックの巡礼ですか?お子さんの評定ゼロですよ。高校受験をちゃんと考えているのかね?」

「評定ゼロ、承知いたしました。家の方針です。

「旅行に行くなら、今じゃなくてもいいでしょう。お母さんのわがままに、付き合わされるようですな…。」

「家の方針です。」「家の方針です。」「家の方針です。」「家の方針です。」

Kumi3

何を言われても、その一点張りで通しました。

校長先生の言葉の中には、お姉ちゃんが学校へ行けていない状況についてのコメントは、ひと言もありませんでした。

知らないのかしら…。

Kumi3

最後は「では、どうぞ、ご自由にしてください!」で面談は終わりました。

校長は私たちにとって、まさしく台風ような

向かい風でした。

 

世界中の人に慣れる、心配はどこ吹く風

 

このヤマは大きいなぁ。校長先生、怖かったなぁ。900kmも歩けるかなあ。スリや強盗に遭わないかなぁ。ケガと病気、大丈夫なぁ。ちゃんと迷わず宿にたどり着くかなぁ。野良犬に噛まれないかなぁ。学校を休んで平気かなぁ。高校受験、大丈夫かなぁ。

行くと決めたものの、次々といろんなことが心配になってきました。

けれど

行ってみなければ、わからな~い

Kumi3

もし、家にいるならば、学校、勉強、受験などあれこれ気にしながら、登校で出る頭痛と腰痛の通院やスクールカウンセリングなどを勧められて過ごすでことしょう。

ここしばらくChaiの笑顔を見ていませんでした。

食事も、空腹感なくただ食べているといった感じでした…。

 

ところが実際 スペイン、カミーノを歩き出すと

心配なんてどこ吹く風!でした。

始めのころは勝手がわからず、精神的にも体力的にも大変でしたが、歩く日々の中

あ~、お腹すいた~!

Chai

と大きなバケットサンドをパクパクパクッ~!

夢中になって食べる姿生命力がみなぎっていました。

また、巡礼2週間を過ぎ、カミーノでChaiとDenは

世界中の人に慣れてきました。

そうよね、ずっとママと一緒ばかりじゃ、飽きちゃうわよね…。

Kumi3

スペイン人、フランス人、ドイツ人、韓国人、イギリス人、…

歩く道で、またアルベルゲに着いて何かわからないことがあれば

各国の人とコミュニケーションをとり、自分たちで調査し情報を得てくるのでした。

これでガイドブックもスマホも無い私は

本当にChaiとDenに助けられたのでした。

 

民家のポストが郵便ポスト?

 

アルベルゲのBar(バル)で、家族や友人にポストカードを書きました。

外は雨が止んだようです。

寒いけど、町の探索に出よう。ポストを探しに行こう~。

Kumi3

アルベルゲのオスピタレロに聞くと

「大通りをまっすぐいくと、大きなレンガの建物にポストがあるから、すぐにわかるよ。」ということでした。

私たちは、出てすぐの大通りを行きましたが、ポストは見当たりません。

レンガの建物はいくつかあり、通り過ぎる度に、辺りを見回すのですが、やはりポストはありませんでした。

反対側の通りだったのかな??

寒〜い!

Den

どこなの?

Chai

何回も行ったり来たりで2人は
不機嫌になってきました。

たまたま、向こうから来た地元のおばちゃん2人に

502 スペイン サンティアゴ巡礼 教会 街探索3 おばちゃんレシデージャ・デル・ カミーノ向かうハガキを見せると

「Si 、Si (オッケー)」と言って、わざわざポストまで案内してくれました。

あ〜、そこ、何回も通ったのよ!

Kumi3

ポストは、普通の家の郵便受けのように小さいものでした。建物の横に入ったレンガの壁に付いていました。

 

502黄色ポスト

あ、これだったのね…。

黄色い丸いポストは、前に目にしていました。

人の家のポストだと思ったわ〜、小さいわぁ、こりゃわからん!

Kumi3

 

バル慣れしてきた!

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 教会 街探索12 レシデージャ・デル・ カミーノ向かう

教会が見えました。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 町円形教会 12 レシデージャ・デル・ カミーノ向かう

教会のこちら側は丸い窓があるしゃれた建物でした。

 

ミニスーパーを見つけ、買い物をしました。

その帰り道、Denはトイレに行きたくなってしまいました。

道すがらバルを見つけると

ちょっとトイレ借りてくるね!

Den

ためらい無くドアを開け、中にずんずんと入って行ってしまいました。

小さなバルだけどね…。

Chai

勇気あるよね…。

Kumi3

私たちは、待ちながら話していました。

Denは無事トイレを借り、バルのドアから出る時に

「グラシアス〜!」と身をよじりながら言い

寒い、はやく帰ろ!

Den

と先をスタスタと歩き出しました。

へぇ〜、随分と慣れたものです。

はじめの頃は

バルでトイレ貸してくれるから!行っておいで!

Kumi3

と言っても

一緒に来て~。1人じゃ入れないよ~ッ‼︎

Den

と気後れしていました。それで、必ず私が付いて行ったものでした。

Denイイね〜、こんな風にサクッと1人でトイレに行ってくれると助かるわ〜!

Kumi3

 

インスタントラーメンは強い味方

 

ごくたまに、スペインのスーパーやお店の棚にインスタントラーメンが置いてあります。見つけると積極的に買っていました。

日本では、夕食にインスタントラーメンというのは、手抜き感が否めないのですが、カミーノの借り物キッチンではちょっと話が違うのでした。

むしろ、とても重宝しました。パスタよりも短時間で火が通り、茹でこぼさず、スープに具を入れることができ、しかも味に「ハズレ」がないのでした。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 食事キッチン レシデージャ・デル・ カミーノ 今日はChaiが作ってくれました。

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 食事ディナー レシデージャ・デル・ カミーノ 

アルベルゲには、どんぶり型の食器はありませんでした。

コップにラーメンを注ぎました。温かいスープが胸に沁みました。寒い日のヒットメニューでした。

パスタの献立が多い中、マンネリ打破になり、実はインスタントラーメンはカミーノ自炊の強い味方なのでした。

 

暖炉の部屋で再び

 

夕食後もまだ陽が暮れません。

寒いので暖炉のあるバルへいきました。

502 スペイン サンティアゴ巡礼 教会 食堂テレビ12 レシデージャ・デル・ カミーノ

ChaiとDenはテレビをみていました。

 

502暖炉火暖炉の薪が白い灰になるまで、バルで過ごしました。

火が燃えているのを見るのって、飽きないね。

Den

 

502 スペイン サンティアゴ巡礼 教会 アルベルゲベッド レシデージャ・デル・ カミーノ向かう

今日はChaiとDenが二段ベッドの下の段なので、私も安心して眠ることができました。

 

 

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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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