26/60スペイン巡礼で不思議な出来事、オムレツ願えば降って来る
5/11 (火)→ ビラメンテロ・デ・カンポス 不思議なことが続く 5.7km/€21 ハンモックと犬の宿@€6×2
不思議なことを見逃さないようにしなくては…。
昨日Denは… コーラがたっぷり飲みた〜い!1リットル入りの買って〜!
普通、500mlで1ユーロでした。
Denのお小遣いは、1日に1ユーロでした。
コーラ1ℓ が1ユーロだったら買ってあげる、あり得ないだろうけどね!
そんなの無理だ~!
ところが、着いたアルベルゲ近くのバルで、
なんと…
1ℓで1ユーロのコーラがあったのでした。
ヤッター!
Denの幸せそうな顔といったら!
オムレツの奇跡
そしてまた昨日、歩きながらChaiが… 卵を料理して食べたいな〜。
ここのアルベルゲは、キッチンの調理道具やオイル、調味料が揃っていました。
昨夜、何人かの巡礼者が、パスタを茹でようとした時「電気が来てない!お湯が沸かない!」と怒っていました。
遅くに着いたオーストラリア人カップルが、隣のホテルに駐在しているオスピタレロに、電気のブレーカーの場所を聞きにいきました。
オスピタレロが来て、ブレーカーを上げてくれました。
それは、アルベルゲの外にあり、とても分かりにくい場所でした。
その後、夜遅くにオスピタレロがブレイカーを切ったようでした。
そして、翌朝、私たちは寝坊をしてしまいました。まず私が目覚め、時計をみると8時でした。30人泊まっていたアルベルゲの部屋は、どこも静まりかえっていました。
価格が安い公営のアルベルゲは早い者勝ちなので、みんな一刻も早く支度をし、大急ぎで出発してしまうのでした。
あ~もう、出遅れた!失敗した~。今日はゆっくりだわ、仕方ないか…。
開き直り、キッチンで朝パスタでもしていこうかな…、と思いました。
それに、今持っている食材を使って荷物を少しでも軽くしたいと思いました。
そうそう、ミントティのティーバックも一つ残っているし…。
そんなことを考えながらキッチンへ行き、お湯を沸かそうと電気コンロ台のスイッチを押すと、コンロは温まりませんでした。
あ、電気が点かないわ。ブレーカーを切ってあるのね?
キッチンに戻りました。電気コンロ台のまわりを見回すと、フライパンがありました。
フライパンはオイルがひいてあり、テカテカしていました。
ふと見ると、その横に 割りほぐした卵液 がボールに入ったまま、置いてありました。
ええっ、どうして?
あたりを見回しましたが、誰もいませんでした。
いちおう、走って階段を上り、2階建てのアルベルゲの全ての部屋を、ドア越しに覗いて回りました。
どこも、もぬけのから、誰もいませんでした。
居るのは、ベッドに寝ているDenとChaiだけでした。
キッチンに戻りました。
他には誰もいない。
それなら、これ、貰ってもいいよね…。
だって、生の卵液だし…。
ってことは、つまり…
オムレツが作れるんだ!
昨日、Chaiがつぶやいた夢が叶う‼︎
私は走って、子どもたちの寝ている部屋へ戻りました。
Chai、Chai 起きて!すごい、すごいよ。神様からのギフト!
ええっ~、なに~?
超びっくりなのよ、とにかくキッチンへ来て!
あれ~?たまご…、オムレツが作れる。何で??
もう、ここは誰も居ないの。きっと誰かがオムレツ作ろうとしたのだけれど、電気コンロ台が温まらなかったのね。出発が遅れるのがイヤで、そのまま放置して行っちゃったんじゃないかな。もったいないから料理しちゃおう!
願えば叶うカミーノの言い伝え
わあ!あははは!オムレツが作れるなんて!! 強く願えば、それは叶うって本当だね!
何か大きな存在が私たちを見ていてくれる!
心から願えば叶えてくれる!
そんなメッセージを カミーノから 受け取った気がしました。
キリスト様、仏様、お天道様、、、とにかく
出来過ぎです~、カミサマ~!
カミーノは、Chaiが言葉にした願いを物質化して示してくれたのでした。
思いも寄らずにオムレツを作ることができて、Chaiは大満足でした。
ジョン・レノン『イマジン』に吸い寄せられる
せっかくだから、朝食をしっかり食べていくことにしました。
昼は、たいていパンをかじって終わってしまいます。夜は、泊まるアルベルゲの近くにお店やキッチンがあれば、バランスのとれた食事をとることが出来ますが、そうでなければ夕食もまた、パンをかじって終わることもよくありました。
きちんとした食事、温かいものが食べられる時は、逃さずしっかり食べておきたいのでした。
ごちそう朝ごはん。オムレツ、キュウリ、ツナのパスタ、オレンジ、ミントティー、コーラの残りでした。
アルベルゲを出発するのが9時過ぎになってしまいました。
まあ、いいか…。
小さな町が終わります。
しばらく田舎道を行きました。
何の変哲もない道に、こういった壁のアート作品は、さりげなく嬉しいものでした。
ふと、歩いている途中、遠くから音楽が流れてきました。
あ、これ、ジョンレノンの『イマジン』じゃない?
それは、音楽が空気に溶けているようでした。
歩くにつれ、音が大きくなっていきました。私たちは、吸い寄せられるように音のするほうへ歩いて行きました。
そこには、バルとアルベルゲの看板がありました。
このあたりには、アルベルゲがあるって書いてないよね?
私たちが頼りにしている巡礼事務所でもらった、町名と公営アルベルゲ所在のプリントには、記載がありませんでした。
民間のアルベルゲかしら?
突き当りの建物の右手で垣根が終わり、音がはっきりしてきました。
わあ~!
途切れた垣根から中のぞくと、牧場のような広い芝生が広がっていました。その奥にバルの建物が見えました。
ハンモックと犬と芝生と音楽
わーお!ハンモックがある!
DenとChaiは荷物を放り投げ、駆け出してハンモックにダイブ!しました。
ワーイワーイ!
ハンモック大好き~!
あっ!犬がいる、しかも2匹!!
あら~、いいとこね。ここで休憩にしようか。
私はバルにカフェラテ、コラカオを頼みに行きました。
外のテーブルチェアに座り、ひと休みをすることにしました。
犬、かわいい〜!
Chaiが調査して来ました。
犬の名前を教えてください。
茶色が「シエテ」で、まだら模様が「アパス」だって。
うちで留守番してるトイプードルのプちゃんはどうしているかなぁ…。会いたいナ…。
久しぶりに犬と触れ合えて、ChaiとDenはすごく嬉しそうでした。
天国?と思えば『テア・イズ・ヘブン』が流れる、小さな奇跡!
ママもハンモック大好き~!
子どもたちが芝生で犬と戯れている姿が目に入りました。
ハンモックに揺られながら、それを見つつ
シアワセな感覚 が押し寄せて来ました。
そして、しみじみと今朝のことを思い出しました。 ああ~、オムレツにはびっくりしたなぁ、そんなこともあるんだナ~。
願えば…、
不可能と思えることも可能になるのね。
カミーノって不思議…。
ふしぎ、ふしぎ…
スピーカーから絶えず曲が流れてきました。
青い空、白い雲、緑の芝生、ステキな音楽…。
あ~、なんか、ここは天国かもしれない…。
と思ったそのとき‼
天国のような美しい曲
エリッククラプトンの「テア・イズ・ヘブン」が流れてきました。
あ~、やっぱり?
ここは天国なのね⁈
私は、気持ちよくウトウト眠りかけてしまうと
突如…ドッカン‼︎。
あえなく天国から転げ落ちたのでした。
アルベルゲ決めでバトル勃発
Denがジャンプして、お尻からハンモックに飛び乗ってきたのでした。
イタイッ!イテテ〜、もう~、痛いよっ!、ウトウトしてたのにっ!
ママ、お願い、ここに泊まりたい。ね、ね、お願い。お願い‼︎
すると、 Chaiが猛ダッシュで駆けてきました。
え~っ、ダメだよ。まだ、5kmしか歩いていないよ。先に進もうよ。進みたい!
「泊まりたいっ!」
「行こうよっ!」
DenとChaiのニラみ合いのバトルになりました。
私は検証してみました。
一人一泊6ユーロ…、安くはない。(通常の公営宿は5ユーロでした。)
けれど、今まで20軒以上、アルベルゲに泊まってきたけれど、ハンモックと芝生はなかったナ…。
今日はまだ、5kmしか歩いていない…か。
巡礼サボってる感があるかな…。
とりあえず、ここで早ランチを食べて考えよう。
バルのおじさんマスターは、親切そうでした。
まだ、11時でした。バルは貸し切り状態でした。
オーダーするのに、いろいろ調べなくちゃ~、とイラストスペイン語の本を取り出しました。
サンドイッチはボカディージョっていうんだね。
ボカディージョ(サンドイッチ)を頼みました。
安くてボリューム、そして美味しい‼
ここ、いいかも!
しかし、今日の目標の町はカリオン・デ・ロス・コンデスでした。アルベルゲが2つあると、プリントに書いてありました。ということは、比較的大きな街のようでした。
ブルゴスを出てから5日間、スーパーメルカド(マーケット)に行っていませんでした。Chaiが賑やかな街へ泊まり、まわりの探索、買い物をしたい気持ちもわかりました。 サンドイッチを食べたら出発しようか。 え~ッ!
前の日に、そのスタートの街に着いておきたい、という気持ちもありました。
犬と芝生のアルベルゲを去る
サンドイッチを食べ終わりました。
荷物を背負い、歩き出しました。
すると、アパスがChaiに飛び付いて構って欲しいようでした。そのまま、付いてきました。
アパスは、猫を見つけると猛ダッシュをし、先を行きました。
猫が穴に入ってしまうと、再びChaiに甘えてきました。
アルベルゲに戻る
Den、ここに泊まりたい? うん!
アルベルゲに戻ろうか…。
アパスを引き連れ、私たちはUターンをしました。
Denは嬉しくてスキップをしていました。
結局、5分だけ歩いた後、アルベルゲに戻ることにしたのでした…。
泊まる部屋を見せてもらいました。
あら、キッチンがある!シャワーは?まあ、まあね。
お金を支払いにいくと、Denは無料にしてくれました。
ラッキー‼︎ グラシアス!
クレデンシャルにスタンプをもらい、部屋に落ち着くことにしました。
DenとChaiは、芝生で遊んでくるというので 先に宿題やってしまえば、一日中フリーよ!
2人は、しばし青空の教室で、宿題、漢字ドリル、日誌などをやっつけました。
私はアルベルゲの中で、今まで洗えなかったものを洗濯したり、靴を拭いたり、日誌を書いて過ごしました。
犬のおかげとはいえ、ChaiがDenの気持ちを汲み取って、このアルベルゲに残ったことを嬉しく感じました。
犬はリードで繋がれることもなく、自由に芝生を駆け回り、好きなところで昼寝をしていました。
ラム肉バーベキュー
しばらくして、Denが私を呼びにきました。
なんか、食べろって。 え?
「コメール、コメール!」(食べろ食べろ!)と言っていました。
わあ~お!
ラム肉の骨付きが、山ほどいい匂いに焼けていました。
羊飼いのおじさんが作ったポテトサラダを、勧められました。Denが食べると 辛~いっ!
赤ワインも出てきました。
おじさんは「全部タダだからね、ご馳走するよ。気にしないいでいいから。いっぱい食べろ!いっぱい食べろ〜」と勧めてくれました。
うれしい~!
羊飼いのおじさんはひょうきんで、来る人来る人にポテトサラダを勧め、辛い顔のリアクションに大笑いしていました。
肉を焼き、ワインを飲み、わいわいガヤガヤは続きました。
チラホラと巡礼者が到着して来ました。フランス人、ドイツ人のおばさんも加わり、さらに賑やかなバーベキューになっていきました。
スペイン名物「血入りソーセージ」
バルのマスターは
「さて、この地方の名物。みんなに食べてもらうぞ!」と
『血入りソーセージ』を出してきました。それは、豚の血液、脂肪、香辛料、そして米らしきものが腸詰めになっているものでした。
見たとたん、私とDenは ちょっと、トイレ…、ていうかあの~、お腹いっぱい!!
危機一髪!
一人残ったはChaiは、仕方なく、いや、ありがたく『血入りソーセージ』を食べました。
えらい!えらい~!
あとで みんなズルいんだから!
私は、普段からべジタリアン様の食事でした。ラム肉は、せっかくのバーベキューなのでいただきました。
が、しかし血入りソ―セ―ジは、さすがに強すぎてドン引きしてしまったのでした。
Chaiは小さい頃から、ミョウガ、ピーマン、春菊、セロリといったくせの強い味のものを、全く抵抗なく食べることができました。
見た目、怖かったわ。で、どんな味だっだ?
赤味噌あじのレバーみたいで、そんなに食べづらくなかったよ。
国際指圧大会
バーベキューご馳走のお礼にと、マスターにうつ伏せになってもらい、指圧マッサージをすることにしました。
マスターも羊飼いおじさんも、ついでにドイツ人おばさんにも施術をしました。
みなさん、とても喜んでくれました。
途中、フランス人のおばちゃんが
「私はフランスで指圧セラピストを10年やってるわ!」と言うので、お互いの手技の勉強会をしました。
おばちゃんのやり方は、手の平全体で押して撫でるというスタイルでした。
これ、指圧とは違う気もするけれど…?ま、気持ちいいからいいわね~!うっとり~。
カミーノで食べたラム肉が新鮮な理由
バーベキューは終わり、おじさんたちは片付けを始めました。
私は実を言うと、ラム肉は苦手でした。しかし、ここで食べたラム肉は、ぜんぜんラム臭くなかったのでした。それで美味しく食べる事ができました。
「このラム肉、匂わないのは何故ですか?」
と、羊飼いのおじさんに聞いてみました。すると
「フレッシュだからさ。来てごらん。」というのでした。
私たち3人は、おじさんの後に付いて行きました。道を渡ると、すぐにおじさんの家がありました。
その裏側に廻ると…
おお!
所狭しと羊たちが、ひしめいていました。 あ~、新鮮…、なるほどね…。
なんだか、すみません…。
鼻の敏感なChaiとDenは、ニオイにノックアウト!
スペインの人気スポーツ、卓球にはまる
マスターが
「バルのテラスの脇に卓球台があるから、使っていいよ」とラケットと玉を貸してくれました。
そう言えば歩くこと以外、公園でちょっと遊ぶほかは身体を動かす機会がありませんでした。
最初の1時間は、私も卓球遊びに加わり、エクササイズがてら楽しみました。
その後私が抜けたあと、DenとChaiはず~っと卓球に没頭していました。
夜7時。
晩ご飯が出来たよ~!
いただきま~す!
ChaiとDenは、パスタを一瞬でかき込み
ごちそうさまっ!また続きやるね!
ときおりヒマな巡礼者が対戦相手に入ってくれました。
そろそろ、止めてさ。明日の準備ないの?
スペインの日暮れは遅く、夜の10時ぐらいまで明るいのでした。2人は玉が見えなくなるまでやっていました。
私は、しまいには卓球台へ行き もう、いい加減にして!
そのあと、2人は寝袋にピュ~っと飛び込み、すぐさまグーグーと寝てしまいました。
ヤダ、あの人たち、8時間も卓球してた…。今日は犬でもハンモックでもなく卓球デ~だったのね…。
そして、今まで屋外の公園に、卓球台があるのをずっと不思議に思っていました。
アルベルゲにもあるとは…。
サッカーだけでなく、実は卓球もスペインの超人気スポーツなのだ!と確信したのでした。