サンティアゴ巡礼が教えてくれた学校では教えてくれないこと。

29/60今歩いてるあなた自身のカミーノが最高! Own Camino

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514エル・ブルゴ・ラネル カミーノLuffy ドア キリスト
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2010年4月、母と15歳娘と10歳息子の3人は、東京からスペインへと向かいました。サンティアゴ巡礼の道(カミーノ)930㎞を歩くためです。期間は60日間、学校は3か月休みました。私と子どもたちは旅生活の中、世界中の人々と出会い、素晴らしい奇跡、また、がっかりな事件…と、学校では教わらないことをカミーノは教えてくれたました。スペインの景色や巡礼の生活風景を写真とともに紹介していきます。
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5/14(金)→エル・ブルゴ・ラネル  寝ぼけたDen 17.8km/€14  小ぢんまりした公営で寄付 

 

昨晩、木の間仕切りがあったおかげで、とてもリラックスして眠ることができました。

しかも3人とも下の段のベッドが取れ、落下の心配もありませんでした。

ところが夜中の2時過ぎ、Denが私のベッドに飛び込んできました。寝袋をひきずり血相を変えて。

どぉしたの??

Kumi3

聞いても、訳が分からない言葉を口にしていました。

〇▲★‐□◎gΔ§☆彡◎◆□!!

Den

完全に寝ぼけてるね~。

そのまま、私のとなりでうずくまり、眠ってしまいました。

まあ、よいか~。

朝になり、Chaiの証言によると

待って、待って、まってぇええ~!って叫んでたよ。

Chai

Den本人の証言によると

ポケットの中に、なめくじや、かたつむり毛虫ネバネバチクチクしたものがいっぱい詰まってる夢みた~!

Den

あんなに寝心地のいいベッドだったのにねぇ。

Kumi3

 

 

ごちそうの副作用

 

昨日の晩御飯は、久しぶりの手作りディナーでした。

パエリア、ポークソテー、イチゴ生クリームパンケーキ。

スーパーマーケットで買い物ができた上、キッチンがあったものだから、張り切ってご馳走ごはんを作り、お腹いっぱい食べました。

 

514 スペイン巡礼 camino 朝食 breakfast

今朝は、Chaiの作ったパンケーキコラカオパエリアの残り、イチゴを食べました。

 

514 スペイン巡礼 camino kitchen  キッチン

キッチンを片付け、出発です。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 出発、青空 ホステル看板1.2

朝、8時20分、出発しました。

天気はいいけど、空気が寒いね。

Chai

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 黄色壁 橋近く1.2

パワーはフル充電でした。

514 スペイン巡礼 camino 犬散歩

犬を散歩中の地元の人とすれ違いました。犬はハーネスなどしていないのでした。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 田舎道 キリストクロス

古い石橋を渡りました。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 田舎道 橋の上 1.2

橋を渡るとき、何だかちょっぴりワクワクするのでした。

睡眠十分、栄養十分で、今日はたっぷり歩けるかというと、そうでもないのでした…。

昨日、ごちそうを食べたから、今日は疲れっぽいよね~。

Den

前日にご馳走を食べると、翌日あまり歩けないことが3人の経験上わかってきたのでした。

ホントね~、身体が重いわ。ごちそうの副作用だね…。

Kumi3

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 田舎看板 1.2さらに今日の道は、工事現場の横を延々と歩くようでした。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 舗装道 工事中1

景色が人工的で単調でした。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 舗装道 1

雨は降っていないけれど、かなり寒くなってきました。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ ペルグリノ 白いクロス

誰かのお墓かな。時々、こういったモニュメントを見掛けました。

 

514 スペイン巡礼 camino サンティアゴ田舎道1

3人とも疲れやすく、進みが遅くなっていました。

 

スペイン巡礼は犬が多い!

 

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ 田舎道 親父犬

「何か持ってないの~?腹減ってるんだけど~!」おじさん犬がアピール。

 

514 スペイン巡礼 camino 田舎道の犬

自由な犬が道を占領していました。スペインの巡礼の道を歩いていると、本当に犬が多いのを感じました。それも、猫みたいに自由に路地を歩いて、道で昼寝している犬たちを、どこの町に行っても目にするのでした。

野犬ではなさそうです。いちおう、飼い主が居て所属先がありそうでした。

巡礼に来て犬が苦手だと、けっこう、しんどいかもしれないと思うのでした。

犬のほうは、嬉しくて遊んで欲しい!と飛びついてくることも有りました。

犬慣れしていないと、時には恐怖を感じてしまうかもしれません。

私たちは、たまたまカミーノに来る一年前から犬を飼い始めていました。初めて、家族で飼った動物でした。

それまでは、犬や猫にほとんど触れ合う機会もなく、触ったり抱いたりするなど、気後れしていました。かわいい!などと楽しめるなんて程遠いものでした。

カミーノに来た時点で、ちょうど犬との暮らしや扱いに慣れた頃でした。

犬を飼うなんて、まるでカミーノに来る準備をしていたみたい。犬を怖がっていたら、この道は楽しめないものね!

Kumi3

 

道端ランチ

 

朝ごはんをお腹いっぱい食べたとしても、やはりお昼になればお腹が減るのでした。

514 スペイン巡礼 camino 田舎道 ランチ12

途中、ベンチに座りランチにしました。いつも通りのシンプルランチにしました。パンチーズスモモでした。

 

 

田舎道が続く

 

514 スペイン巡礼 camino サンティアゴ田舎道12

しばらく同じような景色が続きました。

 

514 スペイン巡礼 camino サンティアゴ田舎道2

なんか寒いし、今日の道、飽きてきちゃった~。

Den

はいはい、じゃ取って置きのおやつね!

Kumi3

514 スペイン巡礼 camino 綿菓子

袋入りの綿菓子。スペインにもありました~。

 

514 スペイン巡礼 camino サンティアゴ田舎道 一列12

やっと町がみえてきました。

 

514 スペイン巡礼 camino 田舎道のクロス

町の入り口にクロスのモニュメントがありました。

 

ドンデ エスタ アルベルゲ?=アルベルゲはどこですか?

 

町にはいりました。

気持ちはアルベルゲ探しバージョンに突入です。

町名と宿泊所のプリントはほとんどが公営の宿泊所でした。

民間のアルベルゲは、設備はいいのですが、たいていが割高でキッチンが無い所が多く、さらにバルを併設していることが多いので思わず出費してしまうのでした。

好きな時にカモミールティーを飲みたいので、できれば公営に泊まりたいのでした。

一番いいのは公営で寄付のところでした。

1ユーロでも100ユーロでもOK!

任意の金額を箱に入れるのでした。

サンティアゴ巡礼は長旅です。一日にかかる費用はなるべく抑えたいのでした。

私たちは一人1ユーロ、箱に入れていました。

「少なくてゴメンなさいね、でもありがとう!」という感じなのです。

そんな感じなので、寄付のアルベルゲは、巡礼者からはお金を儲けていないと思われました。

しかし意外にも充実しているところが多いのでした。

寄付なのに食事まで付くアルベルゲもありました。そこには、おもてなしの心意気を感じました。

また寄付の宿は、オスピタレロの個性がかなり反映されていて、面白いのでした。

この町のアルベルゲはどうだろう。寄付って書いてあります。町名と宿泊所のプリントをみて、アルベルゲの名前を確認しました。名前を忘れないように、3人は口に唱えながら街並みを歩きました。

アルベルゲの名前はラフィー?Luffy  Luffy  Luffy...

Den

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノLuffy 水溜り、シエスタ町

町に着いたのは14時、シエスタの時間でした。

きれいさっぱり人がいませんでした。

あ、人影発見!

ドンデ エスタ アルベルゲ?

Chai

「アルベルゲはどこですか?」と聞きました。

私たちにはわからないスペイン語で、早口でまくしたてられたとしても、たいてい皆んな大きなアクション付きで、あっち、そっちと示してくれるのでした。

それをヒントにアルベルゲを探し当てるのでした。

 

寄付でキッチンと暖炉のあるアルベルゲ

 

あった!

寄付のアルベルゲ、Luffyでした。

514 スペイン巡礼 camino アルベルゲ

小さな二階建ての家でした。

中に入ると

わあ、暖炉がある!暖か~い。キッチンもあるのね。そして寄付!理想的~!

Kumi3

薪がいい色に赤く燃えていました。

こじんまりして雰囲気がいい感じです。

オスピタレラは穏やかな女性でした。

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノLuffy 受付

手続きをした後、しばし暖炉で暖まりました。

ベッドは3人とも下の段にしてくれました。やったラッキー!

さあ、ここまで来ればひと安心。シャワーを浴びて洗濯をしよう!

 

 

シャワーの不運

 

ここのシャワーは、お湯貯めタンク式の湯沸かし器でした。先にシャワーを浴びた私とDenは、温かいお湯にありつくことが出来ました。

ところがChaiが浴びる時には、もうタンクの温かいお湯が品切れでした。

ギャー!

Chai

この寒い日に。水シャワー。あー、お気の毒〜、、、。

しかもドアに掛けていたChai の着替えの服が、ドサッ!

私がドアを開けた瞬間、ドアがその服に当たってしまいぬれた床に落ちてしまいました。

すぐに拾ったのですが、着換えは濡れてしまいました。

私たちはぎりぎりの服で旅をしているのでした。冷たいシャワーで冷えた身体に、濡れた服を着るしかないのでした。

もおおお、やだ〜っ!

Chai

それからChaiはプン!として口をきかなくなりました。

ごめんね。でも、わざとじゃないの。事故なのよ…。

Kumi3

Chaiは怒ったまま、寝袋にこもってしまいました。

あらー、やっちゃったわ…。

Kumi3

 

キッチンのお残し品

 

とりあえず、気分転換に料理をしようと、キッチンへ行ってみました。

わおっ!何でもそろっていました。

食器調味料も!

おまけに「please take it 使ってください。」と張り紙の付いた前の巡礼者のお残し品もありました。

それらを調査してみると、パンパスタ瓶詰め野菜

そしてお米酢と塩、砂糖もありました。

そうだ!Chai がすし飯が食べた~いって言ってたっけ…。よーし。お寿司を作って仲直りだ!

Kumi3

 

エンパナーダとの出会い 

 

上に乗せるネタ、具材はどうしよう…。

Kumi3

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノLuffy 町 買い物3

町へ買い物に出掛けました。広場の向こうにティエンダ(食料雑貨店)が見えました。

そのお店に入ってみると、目についたのはエンパナーダでした。

わあ、美味しそう!

手作りの大きなおかずパイ。魚とハムと2種類ありました。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ エンパナーダ 魚Luffy

魚のエンパナーダを一切れをお願いすると、その場で切ってくれ、重さを計りました。

こっちの人ってマメね~。ひと切れいくらじゃダメなのかしら。まあ、公平でいいんだけれど…。

Kumi3

マト、玉ねぎ、ハーブツナパイ皮に包んで焼いてありました。

この日、このお店でエンパナーダを知ってから、パン屋、食料品店に入ると、必ず探すようになりました。

見つけると買って味のチェックをするという楽しみが増えました。

 

あるもので創作寿司

 

店内を見回り、お寿司のネタを探しました。生ものは諦めです。残念ながら醤油もありません。

ツナ缶、タコの缶詰、イワシのオイル漬け缶、キュウリ、レモンを買いました。

鍋でお残し品のコメを炊きました。いつも、たいてい焦がしてしまうので、今日は、気合を入れて火加減に徹しました。

始め、強火でグラグラと米を茹でるようにして、そのまま3分してから弱火にし、じっくりと蒸し煮。水分が飛んで、なべ底がちりちりっと音がしてきたら、火を大きくして10秒数えます。

ウ・マ・ク・タ・ケ・マ・ス・ヨ・ウ・ニ!

「よし!」と言って火を止め、そのまま、15分ぐらい蒸らしました。

その間、ツナ缶を塩とレモンとコショウで調味、イワシ缶とタコ缶のオイルをふき取りました。

ご飯はどうかな…。鍋のふたを取ってみました。

ほわーんっ!と湯気。おコメちゃんかわいい!

お米がうまく炊けました。

さて、すし飯を作ります。醤油がない分、このごはんで決まります。ワインビネガーでした。砂糖を加え、濃い目のはっきりした味にしてみました。

洋皿にすし飯を小判のかたちに握り、ツナ、イワシ、タコを乗せました。二列にならべ、一応、寿司っぽい見た目にはなりました。

Chai を起こしに行きました。

 

ささやかなスシパーティー

 

お寿司、作ったのよ。どう?食べてみて!

Kumi3

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy 寿司 カミーノ

わあ、お米!おいしい‼︎ うん、何とか寿司でしょう!

Chai

平皿5枚に、10個づつ乗せ、夕方、テーブルでくつろいでいる他の巡礼者たちに

スシ、どうぞ〜!」Chai がお皿を差し出しながら回ってくれました。

パクッ!と口にほうばり「うまい!」と叫ぶ人。

恐る恐る手を伸ばす人。

「ノーサンキュー」とすまなそうに言う人。

皆んなの反応はそれぞれでしたが、言えるのは、そこにいた20人ぐらいの国籍も年齢も性別もバラバラの人びとの気持ちが「スシ」というアイテムで、急に近くなったことでした。

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy 寿司パーティー1.2

 

Own Camino = オウン カミーノ

 

スシパーティーが終わり、お皿を洗っていると、買い物をする前に、一言二言、言葉を交わしたアメリカ人女性のジェニファーが

「素晴らしいスシパーティーをありがとう!」と話しかけてきました。彼女は11年に一度、聖なる年にスペインへ巡礼に来ているのでした。

「あなたは、なんでこの巡礼を知ったの?」と尋ねられました。

私は、彼女がアメリカ人だと言うので、ハリウッド女優の名前を出しました。

「シャーリーマクレーンのカミーノという本を読んだよ!」と言いました。伝わりやすいと思ったのです。

すると、彼女の表情がガラリと変わりました。

“I hate her!” 

あなは、シャーリーが好きなの?私はきらい!巡礼の伝え方がマジで気に入らない!」と興奮して言いました。

私はアタフタして

「パウロ・コエーリョの星の巡礼という本も読んだから…。」 と、とっさにほこ先を変えました。

するとジェニファーは今度は低い声「あの人は歩いていない、車で回ったのよ。」と顔をしかめて言いました。(この真実はわかりません。彼女の言葉です。あくまでも。)

彼女は、とても注意深く、大切そうに「実際に歩いている、無名の私たちの…、あなた自身のカミーノ、Own Caminoが何よりも最高なのよ!それは間違いないわ‼」と言いました。

あの人がすごい体験のカミーノをした、この人のカミーノはもっとすごい、なんて、そんな会話は無意味だということ。

Own Camino=自分自身のカミーノ

それが最高!

私は、貧弱な英語の聞き取り力です。途中、何度も聞き返し、言い換えてもらい、そうして、ほぼ完全に意味を理解しました。するとジェニファーは、すっかり笑顔になっていました。

 

アンジェロのクレデンシャル

 

ジェニファーは

「さあ、ダイニングに行って、ドイツの友人アンジェロのクレデンシャルにサインをしてあげてちょうだい。」と言いました。

ダイニングに戻り、ジェニファーが目線を投げた先に、ニコニコしたひげのおじさんがいました。

彼はスシ最高!」と親指を立て、手招きをしながら言いました。

そこに居たChaiとDenもアンジェロおじさんの近くに行きました。

アンジェロはDenに向かってペンを差し出し

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノLuffy クレデンシャル アンジェロ

この絵の裏にサインをしておくれ。」と言いました。

アンジェロは、自分で描いた魚の絵のキャンパスの裏を、クレデンシャルにしていました。そこには、アルベルゲのスタンプとたくさんの人のサインがありました。

わあ、嬉しいなあ、この中に名前を入れてもらえるなんて!

Kumi3

Denは漢字で氏名を書きました。アンジェロはそれを不思議そうに眺め、私とChaiにも書いてくれと言いました。

私たちは、それぞれ漢字で名前をサインをすると、まわりに人が集まってきました。漢字がとてもエキゾチックで面白いらしいのです。

なんだか、今日は、スシー、カンジーといった日本文化紹介大会のようでした。

 

アルベルゲ Luffy の素敵なミサ

 

 皆んなのディナータイムが、終った頃、夜7時半にミサが始まりました。巡礼者の一人だと思っていたおじさんが、実は神父さまでした。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy ミサ 神父様

白いミサの服を着て上座に立ったとたん、部屋に急におごそかな空気が流れました。

銀色のワインカップを手に持ち、飲む仕草から始まりました。歌とお話しの後、お皿がまわって来ました。小さなお煎餅が載っていました。巡礼者たちは、一言何かをささやいてお煎餅を取り、お皿を隣の人に渡しました。

私たちはカトリックではないので、お煎餅を取りませんでした。(以前、失敗して学習済みでした。)

お皿を持ち「巡礼が無事に終えられますように。」と言い、お隣にまわしました。お皿が全員に回りました。

再びお話し、歌。

それから神父さまは、胸から何かつまみ出すような仕草をし、それを両手に閉じ込めました。

それから隣の人に、その空気カエル?を逃げないように慎重に手渡すと、何かささやきました。

そうして、空気カエルバトンのように、人から人へと廻り始めました。

手渡すときに、隣の人を見つめながらささやく人、考え考え頷きながらささやく人、声を詰まらせたようにささやく人、短く号令のようにささやく人…と皆んなそれぞれでした。

私の隣のおじさんは、昨日、バケツサラダを食べていた大きなおじさんでした。耳元で何か祈るようにささやきました。

早口だったので何て言ったのか、わかりませんでした。おじさんは、わからなくても気にしないからね!、というように最後にニコッと笑いました。

おっとと~、おじさんの手の中の空気カエルが逃げないようにっと…。

その見えない何かを手渡す、ちょっとごっこ遊びみたいな仕草を、大人同士が真剣にすることの嬉しさ楽しさも感じていました。

私はおじさんから空気カエルを受け取った瞬間

えッ⁉手の中が温かい…。

Kumi3

と感じました。

これはなにか目に見えない魂?のようなものなのかな??

両手でそれを大事に包み込み、となりのDenの手に、逃げないようにゆっくりと手の隙間を開きながら手渡しました。

この道で感じたこと、晴れただけでも嬉しくて、水が飲めるだけでも有難いことを思い出し、これからも1日1日を大切にしていきます。

Kumi3

と小さな声で言いました。

私はいつものママとしてではなく、私個人として淡々と言いました。Denは他人行儀に言う私に戸惑うかな、と思ったらそうでもなく、コクンと真顔で頷きました。

その空気カエルのをChaiに手渡しながら、Denなりに何かささやいていました。 

そうやって21人の間をまわったは、無事神父さまのもとへ還りました。

それからオスピタレラが20cmぐらいに切ってある、色とりどりの毛糸の束を皆んなに回しました。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy ミサ ホスタピレロとおじさん

一本取り、隣の人の手首に結んであげるのでした。そして簡単な一言を添えるのでした。

私の番が来ました。隣のおじさんが

「何色がいいかい?」と聞いてくれました。

私はブルーをお願いしました。家で留守番をしている上のお姉ちゃんが好きな色でした。

おじさんが私の手首に結ぶと、それはミサンガになりました。

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy ミサ ミサンガ

ミサンガはその後ずっと、その時結んだまま一度もほどかず、カミーノが終わるまで腕に付けて過ごしました。

おじさんは再び私に、一言くれました。それは聞き取れました。「ゴッドプレスユー!あなたに神のご加護がありますように!」と。

わたしはDenの手首に毛糸を結びながら

一緒に巡礼に来れて嬉しいです。

Kumi3

と言いました。

 

514エル・ブルゴ・ラネル カミーノ Luffy ミサ 1.2

そうして、そこにいる全員の手首にミサンガが巻かれていきました。

最後に神父さまの誘導で、皆んなで手を取り、輪になりました。

神父さまが巡礼の無事を祈る言葉を捧げ、ステレオからギターのイントロ、女性ボーカルの曲が流れてきました。それは、ドラマティックなメロディでした。

音楽を聴きながらミサは終わりました。

心がこもった素敵なミサでした。終ってからもしばらく胸がジーンとしていました。

このミサは、女性のオスピタレラのさりげなく皆んなを気遣い、サポートしている姿を感じました。

 

もったいなくて眠れない

 

夜、寝袋に入ってからも、しばらく眠れませんでした。

部屋の空気は寒かったけれど、寝袋はフカフカと温かく、心もホカホカしています。だから、すぐにウトウトしても良さそうなのですが…。

もったいないのでした。

今夜、ミサで感動した余韻を終わらせることが…。

居合わせた世界中から来た巡礼者が、この小さなミサで心が一つになり祈ったこと奇跡を感じました。

皆んなここに辿り付くまで、500㎞以上歩いていました。爽快な日もあれば耐える日もありました。皆んなそれを体験していることが共感となり、出会って数時間だというのにお互いを信頼できるという感覚を持ちました。

空気カエルを持ちながら思いや希望を、ある人は笑顔で、ある人は考えながら、または声に詰まりながら、真剣にささやく、そんな人たちの横顔を見ました。

ミサの最後で輪になり手を取って祈った時、名前も知らないこのテーブルの人たちを家族のように感じました。

いままで、神社やお寺で「祈る」ということは、自分のお願い事、家族の幸せや健康、成功を願っていました。それを当たり前に思っていました。

今日は、違ったのでした。

他人である皆んなの夢や成功を心から願いました。

そのことに、新鮮な驚きを感じました。ミサンガはそのアイデアの証人でした。

 

子どもだからってオマメのカミーノじゃない

 

そしてジェニファーとのキッチンでのやりとりを思い出しました。私はなんだか、カミーノに小さな気遅れがありました。

節約しているから、体験の幅がちょっと狭いのかな…とか。

ガイドブックもスマートフォンもないから、歴史や情報がちょっと不足気味かな…とか。

パウロ・コエーリョシャーリーマクレーンの記したカミーノは、本となり、世に影響するぐらいのカミーノだから、どこかちょっと仰ぎみていた…とか。

無名の、今歩いている、あなた自身のカミーノが最高なのよ!

Own Camino! 

今日のその言葉もいい意味の衝撃でした。

有名人や、誰のカミーノより

1ミリも下に感じることはないんだ。

子どもたちもそうなのだ。小さいからってオマメのカミーノじゃない。むしろ短い歩幅で歩いているのだから、大人のカミーノの1.5倍は歩いているんじゃないかしら⁉︎

ただ、残念なのは…、子どもたちはこれから中学、高校、受験、部活、バイト…、やる事が目白押しのはずです。

カミーノの貴重な日々の出来事のほとんどを、惜しむ間も無く忘れてしまうでしょう。多分…。

それは、私が日誌に書いて覚えておこう。そうして、いつか見せてあげよう!

Kumi3

そのことが、私に日誌を書かせる原動力になっていたのでした。

(それを、いま、しばらく寝かせたのち、ブログでどんな日々だったかと書き起こし、シェアしているという訳です。私自身も、こんなに毎日さまざまなエピソードがあったとは!!、と驚いているのでした。)

そんなことを考えていたら、眠るのが惜しくなってしまいました。

 

Own Camino Life・オウン カミーノ ライフ

 

 

514 スペイン巡礼 camino ベッド

部屋はベッドが6つ。皆が眠りについて部屋中に、寝息やいびきが響いていました。

やっと眠ろうか、と思ったとき、Denが寝袋を抱え、私のベッドに飛び込んできました。

そして、すぐにグーグーと寝息を立てました。

あら、どしたのかしら?Denのベッドは下の段で、落ちる心配は無いはずなんだけど…。

Kumi3

10歳…、まだまだ甘えたい時もあるんだね。

いいよいいよ、狭いけど一緒に寝よう。

でも、朝になったら西洋人たちがびっくりするだろう。

彼らは赤ちゃんの時から親と子が別の部屋で寝る文化なのです。

「あんな大きい子がママの横で寝てるぞ!」と言われ兼ねないね。(まあペケーニョ、Den は5歳ぐらいに見えるらしいのだけど)

まあ、いいじゃない。

アジア人の我々は、親子「川」になって眠るんだ。それが私たちの文化なのだから。

それも Own Camino Life!

オウン カミーノ ライフ!

東洋人も西洋人も、1ミリも下に感じないってことだよね。

 

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