30/60オウン・カミーノ虹が祝福/スペインおじいさん行動に驚愕!
5/15(土)→マンシージャ 虹が祝福 19km/€24 中庭のアルベルゲ @€5×2
朝ご飯の時、昨日のミサで隣だったおじさんがアーモンドの付いたマドレーヌをわけてくれました。
パンとオレンジとスープの朝ごはんを食べました。
8時、ほとんどの巡礼者たちは出発していきました。いつもと違うのは、出掛けにわざわざ声を掛けてくたことでした。
あっ!虹🌈
Chaiが窓の外に虹を発見しました。
ホントだー!
空がOwn Caminoや昨日のミサを、
虹をかけて祝福し応援てくれたような気がしました。
アルベルゲの中に貼ってあったポスターのデザインは、ハグ!
オスピタレラを昔から知っているような感覚
時どき見かけるカミーノのゆるキャラ?
ちょっと、おじさんぽい犬だね。
朝8時半、出発しました。
オスピタレラ(女性の宿の世話人はオスピタレラと言います。)とアルベルゲの前で写真を撮りました。
この小さな2階建てのアルベルゲは
心に沢山の贈り物をくれました。
さらに今朝の虹は、それを印象付けてくれました。
さらに、このアルベルゲでは不思議な感覚を感じました。スペイン語を話すオスピタレラと、たどたどしい英語しか話せない私は、一泊の滞在中、会話らしい会話はほとんどすることが出来ませんでした。
けれど、初めてここのオスピタレラと会ったとき、
以前からよく知っていたような感覚を覚えました。
それで、ほとんど言葉を交わすことがなくても、オスピタレラに何故かとても親しみを感じ、リラックスしてアルベルゲで過ごすことができました。
オスピタレラの温かいおもてなしに、Chai、Den、私は名残り惜しく、それぞれハグをしてお別れました。
映画のような並木道を行く
歩き出しました。
すぐに町が終わります。
朝日を浴びながら、町をあとにしました。
ママ、昨日のミサ、ノート書いた?見せて。
空の色がやさしいね。
昨日のミサ、良かったね、あんなの初めてだね。
あれはなんだろう。
スプリンクラーだよ。タイヤが付いてるでしょ。横に移動して畑に水を撒くのね。
いっぽん一本に植えないで、すき間をあけて2本ずつ植える木、面白いなと思いました。
何これ~?歯車が付いてるよ!
町が見えてきたね。
驚愕のおじいちゃん
12時ぐらい、途中の町に入りました。日差しがだんだん強くなってきました。
ようこそ、僕らの町へ。ワンッ!
13km歩いたレリエゴスという町でランチをとることにしました。
レンガ壁の前に、丁度いいベンチを見つけました。
今日のランチは、パンにサラミとチーズを挟んだサンドイッチでした。
私たちは早速、食べ始めました。
すると、どこからかおじいさんが近付いて来ました。足が不自由なようで、トッコトッコと左右に揺れながら歩いていました。
私たちの目の前で立ち止まると、スペイン語で
激しくまくし立て、何か訴えていました。
その剣幕に3人は驚き、動揺しました。
ねえ、ここに座っちゃいけないんじゃない?
あああ、そうかも!
ね、すぐ立って!
すみません!
直ぐにどきますから、
というアピールとジェスチャーを加えました。
ん?
いや違うみたい…。
おじいさんは指差し、まだ激しく何かを訴えていました。その指の先は、Chai の持っているペットボトルでした。
あ!、おじいさんは水が欲しいのかな?
でも、私たちのペットボトルの水は、3人が回し飲みしている飲みかけです。ぬるい水が3分の一しか入っていませんでした。
いいのかな、こんなもので?暑くなってきたしね…。このおじいさん、とにかく水が飲みたいんだナ。
Chai、おじいさんお水が飲みたいらしいよ。ペットボトルの水を渡してあげて。
おじいさん、迫力があり、なんか怖い…。
しかも、こんな飲みかけの水が欲しいなんて、認知症じゃないよね?
逆らったらややこしいことになりそう…などと、瞬時に思い巡らせました。
Chai は直ぐ、おじいさんにペットボトルを差し出しました。
おじいさんは
「そのとおり!」とばかりに
Chai の手からペットボトルをもぎ取りました。
ひっ!
そして何と!
おじいさんはすぐに蓋を開け、
水を、赤土の上に全部ぶちまけてしまいました。
ジャバジャバババーッ!
あああ~!
ああ~ッ!ああああ!
え~ッ!貴重な水がああ…
なんで、ひどい~!
そしておじいさんは、カラのペットボトルを持ったまま、立ち去ってしまいました。
私たちは
あ然...
立ち尽くしました。
突然、いじわるをされた気分でした。 意味わかんな~い!
もお~、なんだよっ!、ぶちまけジジイ!
水っていうか、ペットボトルがないと水道から水が汲めないじゃない。この先、お店がすぐあればいいけれど。まったくもお~。
3人はブーブー文句を言いながらランチの続きを始めました。パンを飲みこむにも水が無いので、口の中がぱさぱさでした。
5分ぐらいして。
あれれ?
うわっ!おじいさんまた来た!
おじいさんがトッコトコ…、トッコトコ…
見ると、ペットボトルを手に持っていました。
そして、おじいさんはChaiに手渡しました。
えっ、わあ!冷たい‼︎
そう、おじいさんは、家から冷えた水をたっぷりと汲んできてくれたのでした。
そして「巡礼がんばれ~!(たぶん)」
と言いながら、
皆んなの手を取り握手をしてくれました。
グラシアス、ムーチョグラシアス!!
あれこれ疑ったりしてごめんなさい!
予想外の嬉しいビックリでした。
地元スペイン人の
おじいさんのやさしさに感謝!!
チュロスの勘違い再び
昨日、食料雑貨店で買った冷凍チュロスを持っていたのを思い出しました。袋にチュロスの写真が大きく載っていました。以前、バルでたのんだチュロスが塩っぱくて、ビックリしたことがありました。けれど、甘くないチュロスは塩味の揚げパンみたいで案外美味しかったのでした。スーパーの冷凍食品売り場で見つけたので、買ってみたのでした。
チュロスもあるわよ!
袋を開けてみると、
あっ…。
チュロスは跡形もなくとろけて、ひとつの大きな固まりになっていました。
あら!そうだったんだ〜。
あー、失敗した。でも、待てよ?
スプーンですくって食べてみました。
あら、美味しい!マッシュポテトみたいよ~。
Denが横で、露骨にイヤがっていました。
ペケーニョ バモス!
日差しはポカポカしていますが、風が少し冷たくなってきました。
一本道を行く途中、荷物を預けたのかしら、それともピクニックかしら。小さなリュックを背負ったスペイン人男女10人ぐらいが、私たちを追い越して行きました。
追い抜くたび、ひとりひとりがDen の頭を撫でたり叩いたり、Chai の肩を叩いたり、腕を掴んだりして
「ペケーニョ バモス!」(おちびさん、行け行け〜!)
「チャンピオ〜ン‼︎」などと声をかけ、励ましてくれました。
グラシアス~!
でも、なんて賑やか!騒がしいの〜!絶えず喋りながら歩いているのでした。
Denの顔をみると、案の定、ムッとしていました。
「まあまあ、機嫌なおして。悪気はないんだから、ワンっ!」
芝生の誘惑
一本道は続きました。
暑い、疲れた…。
青い空と緑の芝生に、私たちは吸い込まれていきました。
3人はばバックパックぶん投げ、芝生の真ん中に倒れこみました。
ドサッ!
私たちは倒れたまんまの形で、芝生の引力に抵抗できず、それぞれに呟きました。
あー、つかれた~!
あー、気持ちいい~。
も~、寝る~。
動くのをすっかりやめ、流れる雲を眺めました。
芝生の上、日差しの下、素晴らしい休息タイム。この瞬間を味わいました。
しばらくして
もう、ここに泊まらない?
うん、いいね~!
うん、そうしようかっ!
答えながら、3人ともバックパックをのろのろと背負いました。行かなきゃいけないことが分かっていても、言葉にしたいのでした。
さ、道に戻ろうか。
マンシージャ中庭のあるアルベルゲ
家がちらほらと増えてきました。
暑いよ~。疲れたよ~。
どうやら目的の町に着いたようです。
それほど大きくない街のようでした。
よろよろの私たちは、モニュメントの動きに同調してみました。
町が終わりそうになり、不安になって来ました。
まさか、アルベルゲを通り過ぎたか~?
教会を越えtあところで、やっとアルベルゲを見つけることが出来ました。
クレデンシャルを出しスタンプを押してもらうと、女性のオスピタレラが「アリガトー」と返してくれました。前に日本人が来たからね、と言いながら。親日的でナイス!でした。
中庭があるアルベルゲでした。日向ぼっこしている人がちらほら見えました。ここは巡礼路の半ば過ぎ。そして今日の暑さに皆んな歩き疲れ、顔も服もすすけて、ぐったりとしていました。
さて、シャワーはどうかしら。それが大きな心配ごとです。今日は、きのうハズレだった、Chaiが優先でした。
シャワーは男女別に分かれていました。お湯の量がちょろちょろと少ないけれど、まあ、なんとか温かさはOKでした。
Denは、シャンプーを渡すと、タッタターと男シャワーを見つけ、ひとりでササッと浴びてきました。ずいぶんと巡礼生活に慣れてきました。
ママも一緒じゃなきゃヤダよ、来てよ~!などと、ぐずることも無くなりました。
無事シャワーを終え、汚れた服は「洗濯物5ユーロ」という張り紙のところに出してみました。洗濯機で洗ってくれた上に乾かしてくれるというのです。がくすんできていました。
わーい。楽ちん!家事に解放された〜。
キッチンのテーブルで今日の宿題をそれぞれ済ませました。 Denは漢字ドリル、Chaiは英語かな。そして日誌書きでした。それらを終えるともう、今日のノルマはなしでした。
さあ、買い物と町探索に行くとしようか~。
待ちに待ったフリータイム!でした。
エクアドルの頭痛治し
さて、出掛けようとすると、Denは元気がありません。
ちょっと、頭が痛いんだ~
あら、熱中症かな?、風邪ぎみかな。休んで水分をいっぱいとって。
その様子を見ていた、エクアドルから来たおばちゃんが心配そうに私に聞いてきました。
私はDenを指して「ヘッド エイク」と言いました。
おばちゃんは「頭痛はこれで治るわよ。うちの子たちもこうよ。ちょっと坊や、じっとしてて。」と言いながら、人差し指でDenのおでこの真ん中を、ぐるぐると渦巻きのようにマッサージをし始めました。
5分間ぐらい、ずっとそうしたあと「オッケー!」と言うとにっこり笑い、行ってしまいました。
ムーチョ・ グラシアス!
もう、痛くないや!
わあ、すご~いね!
いい事を教わりました。
町の探索、エンパナーダ発見!
お向いにある食料品屋さんで桃やチョコパンを買いました。
うまい!中までチョコ入ってた~!
そして、あったあった!エンパナーダです。店のおじさんが「これは自家製だよ!」と自慢げに切り売りしてくれました。
DenとChaiに食べさせると
うまっ!
おいし〜!
そうでしょ!今日のはツナピザみたい。
このあたりは、お店それぞれの自家製のエンパナーダがありました。長野県のおやきみたいでした。ガリシア地方の名物だそうです。探索の楽しみが増えました。
1日に50㎞歩いたベイサン
アルベルゲにはキッチンがありました。どうしようかな。晩御飯は、溶けたチュロスを使いたいな。袋に固まって残っていました。それを水で溶きのばし煮立て、ブイヨンと豆を入れ、スープを作りました。
うん!味はまずまず。それとパンとチーズとサラダでいいかしらね。
もう一つの電気コンロ台で料理を作っていた目のキョロッとしたお兄さんがいました。
パスタ(マカロニ)を茹で、トマトソース、オリーブ、グリンピース、ツナ缶を入れると、ぐるぐるとかき混ぜ、鍋いっばいの大量パスタを、皿に取っては、バクバクと食べ始めました。
うーん、おいしそう!それにしてもあんな鍋一杯、食べられるのかしら?
うふふ、やはりね…。
彼は「ふーっ、、、」とため息をつくと、しばらく動かずに考えてから
「よし!」と立ち上がりました。そして意を決したように鍋の残りのパスタをゴミ箱に捨てようとしました。
私はかけ寄り
あー。ちょっと待って!私たちそれ食べていいかしら?
もったいな~い!
「もちろん!助かるよ‼︎」
とお兄さんは、快く私たちにパスタを分けてくれました。
これがベイサンとの出会いでした。
そのパスタはおいしくて、日本に帰ってから何回も作りました。今日のパスタはベイサンスタイルよ〜!と名前をつけたりして。
ベイサンはカナダのケベック州出身で、いま大学生でした。
今日、このアルベルゲに着いたのは一番最後だったそうです。
なにしろ、今日は50kmを歩いてここに来たのでした。
「一日に50km!いつもそんなに歩くの?」と聞くと
「今日だけだよ。自分でもクレイジーな一日だった。アルベルゲを探して、ほとんど走っているようだったよ。」ということでした。
お母さんは世界中、誰もが忙しい!
夕食の後、アルベルゲにあったテーブルゲームをその場に居合わせたメンバーで楽しみました。
私は、Chaiのほつれたズボンのすそを繕いながら、針を片手に、自分の番が来ると針を布に刺し置いてから、サイコロを投げ、駒を進めていました。
それを見たフランス人のおじさんが
「あんた、忙しいね。」といいました。
すると隣のスペイン人のおばさんが私の代わりに答えてくれました。
「お母さんは世界中、誰もが忙しいのよ!」
夜は、冷え込んできました。ベッドはたまたまヒーターの近くでした。
ラッキー!
同じ部屋に、昨日のミサで一緒だった、おじさんや4人組のお母さんたちがいました。目が合うと、ハーイ!と笑顔を交わし手を振り合いました。
それだけで、安心して眠りにつくことができました。