44/60カミーノで風邪の治し方・バナナれもんジンジャーエール
5/29(土)→トリアカステーリャ Den発熱 0km/€35 同じ町の民間アルベルゲ @€9×2
Denは昨日の夜から、とてもだるそうでした。
喉がイタイ〜、お腹も痛いよ〜。
あら、まだ熱あるね〜。
体温計はないけれど、日本でも喉に痛みが出ると、たいてい38.5度ぐらいの熱を出しました。そしてお腹も壊すのでした。
それでも、この公営の野っぱらアルベルゲは8時半に出ないといけません。公営アルベルゲは、宿泊は一泊という決まりがあるのでした。医者の診断書などを出せば別ですが、そんな段取りも出来ませんでした。
次の町のアルベルゲまで15kmありました。今日、歩くのはとうてい無理でした。
とりあえず、アルベルゲを出て、外のベンチにDenを寝かせました。
この町の、別のアルベルゲを探してみよう。
オッケー!
私はDenをみていることにして
アラン先生とChaiは、別のアルベルゲを探しに行きました。
灰色の空、肌寒く雨が降ってきそうでした。しかし、しばらくここに居るしかありません。
2人は15分ぐらいして、戻って来ました。 ここから5分ぐらい歩いたところに、民間のアルベルゲがあったよ。10時に来ていいって。一人、5ユーロだって。 いいね、バッチリだね!
民間アルベルゲが開くまで、1時間以上ここで待たないといけません。
それではと、私とChaiは寝ているDenの横で、アラン先生の指導のもと、みっちりとヨガをやることにしました。
「頭の中心から気を入れて〜…」
「はいっ!」
あー、身体がすっきりしてきた〜!
そうしているうちに、10時になりました。野っぱらベンチで熟睡しているDenを起こし、今日泊まるアルベルゲへと移動しました。
Denに合わせ、ゆっくりと歩きました。
民間アルベルゲに移動
そのアルベルゲは、出来たての新しい宿でした。アラン先生とChaiが聞いてきた時は、一人5ユーロということでしたが、おじさんは「一人9ユーロ」と言うのでした。
「先ほど、一人5ユーロと聞いていますが…?」と身振り手振りで言うと、
「一人9ユーロ!ただし、小さい子は無料にするから、くっついたベッド二つでどうだい?」と言ってきました。
それでOKです。お世話になります。
ここのアルベルゲは、家族で経営していました。Denの体調不良に気が付いたおばあちゃんが、お腹の薬を5錠くれました。
「朝昼晩、食後に一粒飲むといいよ!」と言いながら。
それから「部屋の掃除をするので、ここらで待っていて~。」と言われました。
ムーチョ・グラシアス!
Denは、そこのソファで再びぐっすりと眠ってしまいました。
Chaiと私は、日誌をかいたり宿題をして過ごしました。
部屋の掃除が終わり、ベッドに通されるとDenは寝袋を広げ潜り込み、そのまま眠り続けました。
私も疲れ気味だから、休むわ〜。
旅は24時間ず〜っと一緒!
思いも寄らず、私は午前中からひとりの時間ができました。
あら、なんだかフリータイム!
考えてみれば、4月13日のパリ上陸から、3人はずっと一緒なのでした。
朝から晩まで、24時間ずっとずーっと!
日本では、私はフルタイムで仕事、家事をし、3人の子どもたちも、それぞれが宿題、習い事、部活、など、毎日ザワザワと忙しく過ごしていました。
会話も、学校のお知らせ、忘れものの確認、ゲームし過ぎの注意といった、気がつけば必要最低限の声掛けとなっていました。
そんな中から切り取って、飛び出してきたカミーノは、
ゆっくりと時間の流れをともに過ごす…。
それもこの旅の目的のひとつでした。それは日々、達成していました。
しかし、ただ一緒に時間を過ごすわけではありません。歩くチャレンジのカミーノの日々は、ケンカもたっぷりでした。ちょっとした一言で、気持ちが離れ、荒ぶり、バラバラに歩き
休憩やランチの時にも、お互いそっぽを向いてパンをかじることもありました。
けれど、巡礼の初めの頃と、終わりの頃とでは、
明らかに仲直りの仕方が進歩していました。険悪な時間を過ごすことが短くなるように、努力ができるようになったのです。これは、長い旅がもたらすプラス効果だと思いました。
旅のあいだ、私たちは互いにどこにも逃げ場がないのですから!
そして、趣味も趣向も違い、年齢差もある姉と弟が、一緒に遊び、助け合うシーンが何度となくあったことも、共に過ごす長い時間が作った収穫でした。
貴重な自由時間にアンジーとブラピ
さて、ずっと一緒だったので、久しぶりに一人で抜け出すことの開放感!
アルベルゲにはキッチンがありました。広くて使いやすそうでした。
2人が寝ているあいだに、フラフラ〜と食材を見に町へ出掛けてみました。スーパーマーケットの中をしげしげと見て回りました。
野菜の形の面白さ!、肉の売り方の豪快さ!、魚の種類の珍しさ!
いつも発見があって、スーパーマーケットはめちゃくちゃ楽しいのでした。
お米売り場をまわり、トリ肉を見ていたら、
あ、そうだ!トリ肉のお粥でも作ろうかな。お腹にやさしそう。薬膳だわ!
いくつか買い物をしアルベルゲに戻りました。トリ肉は冷凍でカチンコチンでした。解凍すべく、しばらくキッチンに放っておきました。
その間、アルベルゲの共同スペースのソファに座り、そこにあった雑誌を手に取りました。英語の映画雑誌でした。アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットの特集記事がありました。
お互いの恋愛相手の写真が載っていました。 これなら英語でも、写真と一緒にみれば意味が解かるわ〜!
二人の写真と、別れたいくつもの恋のゴシップ記事を合わせて読んでいくと、結構なページを読み進んでいました。
へええ~、恋多き2人だわ。
あ~、面白かった‼︎
考えてみれば、ここしばらくテレビ、インターネット、ニュース、時事問題からも遠ざかっていました。
そんな中、アンジーとブラピの「今」を知ることができ、ただそれだけで何か世の中の動きを知った気になり細やかに満足したのでした。
アラン先生の風邪の治し方
料理の下ごしらえが済みました。さて、DenとChaiの様子はどうかな?と部屋へのぞきに行きました。
Chaiは起こさないと夜に眠れなくなってしまいます。 Chai、Chai 起きて~。 アー、疲れがたまってたわ~、まだまだ寝れそうだけどね~。 Denはもっと寝ていたほうがいいよ。
仕事をするといって出ていたアラン先生が、アルベルゲに戻ってきました。
アラン先生は、何か袋に入っているものをDenに渡しました。Denは、ヨロヨロとベッドサイドに座り、中を確かめました。
そこにはバナナと、レモンと、シュエップスのジンジャーエールが入っていました。
アラン先生は身振りと手振りを加えながら説明を始めました。
☝アラン先生流の風邪の治し方
1番、バナナを食べる。
2番、レモンをコップ一杯の水に絞ってレモン水にして飲む.
3番、約1時間ぐらいしてからジンジャーエールを飲む。
そうすると、熱も下がりお腹もすっきり楽になるということでした。
Denはさっそく言われた通りにやってみました。
最後のシュエップスのジンジャーエールは、ちょっと辛かったようでした。あまり甘くないドライタイプでした。その後、再び寝袋に潜り込むと、すぐに眠ってしまいました。
バナナ、レモン、ジンジャーエール、風邪に効き目あり!
Denは夕方、起きて来ました。
ああ、良く寝たー!!
なんとDen復活!
顔色が良くなり、元気を取り戻していました。
バナナのカリウム、には毒素を吐き出す利尿作用。
レモンのビタミンCは抵抗力を高める作用。
ジンジャーエールのジンジャーは生姜、殺菌作用と身体を温める作用。
などがありました。また欧米では風邪をひいたら炭酸飲料を飲む人も多いということでした。
さて、散歩がてら買い物に行くことにしました。アルベルゲの近くにお店がありました。
Denも行く!ねえ、なんか食べたーい!アイスとかコーラとか。
お、食欲が出て来たね!リンゴとかのがいいんじゃないの?
ええーっ、大丈夫だよ。
やっぱりリンゴね!
だるまさんが転んだ!=トントンサン!
アルベルゲに戻ると、夕方の5時でした。まだまだスペインの日は暮れません。Denとアラン先生とChaiと居合わせたKoreaの青年は、アルベルゲの庭で「トントンサン!」という遊びを始めました。
「だるまさん転んだ〜」とまったく一緒でした。
代わりに「トントンサン!」と叫ぶのでした。
途中、草の根に足を取られすっ転んだDen…
あれれ、まだ弱ってる?と思いきや
ギャハハッ〜!
と笑い転げ、皆に引っ張り起こされました。
よかった〜、元気になってる、レモンとバナナとジンジャーね!毎日歩いて体力も付いてるのね!
このアルベルゲは、9ユーロと値段が高めの設定なのに、いつの間にかフル(満員)になっていました。 明日からは、早起きして出発しないと、宿にありつけないかもしれない…。
昆布茶で日本食
夕食は、骨付きトリ肉のお粥でした。
味付けは、以前、鉄の十字架で会った観光バスの日本人のお客さんから貰った昆布茶を使いました。
昆布ダシの味です。ChaiとDenはそれだけで
これ日本食だ〜!
久しぶり〜、お米だ〜!
家の犬、会いたいな〜
1ユーロで20分使えるコインパソコンでメールを開くと、お父さんからメールが届いていました。そこには、家の犬プチャンの映像が添付されていました。
写真を見るなり
プチャンに会いたいよ…。
凶暴化してないかな…。
と心配顔、寂しい顔になってしまいました。
Chaiはプチャンの画像を、いつでも見れるようにと、パソコンの画面を自分のデジカメで撮りました。
私は絵葉書を書きました。家族とおじいちゃんおばあちゃん、友人に。
巡礼の道にある絵葉書で、エアメールを出すのなら切手が不要でした。巡礼者へのサービスでした。
スペイン政府ステキ!(2010年はカミーノの聖なる年だっだからかもしれません。)
Denはこのごろ、宿題も日誌も書かなくなっていました。エリカやアラン先生ほか、様々な国の巡礼者と話すこと?遊ぶことで忙しいのでした。
まあ、それもいいよね…。自分でコミュニケーションが取れるようになってきたということよね。
Chaiもアラン先生と映画の話をしていました。
英語を駆使し、夢中になって「レオン」や「ショーシャンクの空」 「アメリ」
ハッピーエンドの映画はいいよね~!
3大アディクション
Denが、毎日コーラ、コーラ!、チュッパチャプス、チュッパチャプス!と騒いでいるので
アラン先生がこんな話をしてくれました。
☝️砂糖とカフェインの中毒について。
1940年、第二次世界大戦のさなか、兵士たちにコーラを、無料で大量に配ったそうです。
戦争が終わり、コーラは無料ではなくなりました。しかし、兵士たちは、既にコーラの砂糖とカフェインの中毒になっていました。
「それをアディクション(中毒)というのだよ。
それが今に繋がって、コーラの会社はビッグビジネスをしているんだよ。」
因みに3大アディクションは、カフェイン、シュガー、コカインだそうです。
ちょっと、Den、コーラとチュッパチャプス、毎日はやめようね!
ええ〜っ!うひゃーん…。