58/60サンティアゴ巡礼終了夕焼けの儀式・最後まで残った持ち物


6/12(土)→ファロー岬 フィステラ海水浴・夕焼け 6km/€52 民間貸し切り状態 @10€×2
ピノたちと海水浴をするために、フィステラ(フィニステラ)の滞在を一日延ばしました。
今日は、朝寝坊をしようと9時ごろ起きました。
朝ごはんを食べました。いつもと変わりませんが、オリーブの瓶詰がありました。もう道を歩いていないので、重い瓶のものが買えたのでした。
この民間アルベルゲは、私たちのほかに宿泊者はいませんでした。貸し切り状態でした。
食べ終わった私は、便利だった小物を床に並べ出しました。
写真を撮っておけば、もし、また次にカミーノに来ることがあった時、わかりやすいと思ったのでした。
いろいろ、置いて来たり、手に入れたりで最終的に残ったモノたちでした。
拡大すると…
①ナイフ(サンジュアンピエドポーで購入)②スプーンフォーク:軽くて丈夫(日本で)③ミントケースに塩:料理に味がない時。買った野菜をかじる時の必需品!④100均一のライト:真っ暗な夜中トイレに行くとき足元を照らす(日本)⑤靴づれ用パッチ(巡礼仲間にもらった)⑥フィステラ海で拾った貝(スペイン・お土産)⑦鏡(日本)⑧日焼け止め(スペイン)⑨手、足に塗るクリーム(スペイン)⑩髪ゴム、袋を束ねたり(日本)⑪3色ボールペン(日本)⑫糸と針一本(日本)⑬爪切り:3人なので出番多し。でも重い…(パリ)⑭化膿止め軟膏(日本)⑮かゆみ止め塗り薬(日本)⑯バンドエイド(日本)⑰頭痛薬(日本)⑱布テープ(日本)⑲ライター(日本)⑳ナプキン(日本)㉑デジタルカメラ電池とデジタルカメラ:写真を撮っているのでカメラは写っていないけれど(日本)㉒カメラメモリー(日本、スペイン)㉓アイフォン:しまってほとんど使わなかったけれど(日本)㉔クレデンシャル(子どもたちはスペイン、サンジュアンピエドポー巡礼事務所)㉕クレデンシャル(私は日本で日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会にて)㉖パスポート:最初はウエストバッグに入れていたが、アルベルゲで出すのでショルダーバッグに入れていた(日本)㉗近眼用メガネ(日本)㉘財布:途中から使わなくなる。防犯のためお金はポケットに分散して持った(日本)㉙海外旅行保険証書・ウエストバッグ持ち(日本)㉚トラベラーズチェック:2010年はまだ多く使われていた。ウエストバッグ持ち(日本)㉛エコバッグ:主に食料入れ(日本)㉜ショルダーバッグ:軽くて丈夫なもの(日本)㉝防水ビニール袋(日本)㉞歩きながら拾った石(スペイン)
※歯ブラシと歯磨き粉は洗面に置いてしまったのでここにはありません。
他、バックパックなど全ての持ち物はこちらに載せてあります。
さて、みんな食べ終わりました。
お皿洗いは、子どもたちの仕事でした。
海沿い通り散歩、気持ちのアップダウン
それから、海沿いの通りを散歩しました。
道から小さな砂浜に下りると、きれいな小石を発見しました。
しばし、石集めに熱中しました。 これ、透き通ってるよ!
海沿いの通りに戻り、再び歩き出しました。
すると…
今度は、死んだ鳥を発見しました。
なんで死んじゃったんだろうね?
私たちの弾んだ気持ちは急降下、なんだか沈んでしまいました。
再び歩き出すと、スーパーマーケットを発見しました。
Denは、棚にインスタントラーメンを見つけ、いっきに気持ちが急上昇、スキップをする勢いでした。
おまけに、店内で巡礼仲間のピノとバッタリ会いました。
わあ!ピノ。これ、うまいんだよ!買ったら?
それからピノと
昼間は、大西洋のビーチで海水浴
晩の7時に、フェロー岬へ行き夕焼けを見る
という約束をしました。
フィステラ街の老犬
アルベルゲへと歩き出しました。
♬タッタッタッタ~
ヤッホ!、おじいちゃん犬!おばあちゃん犬かな?
パン、ちぎってあげたら?
おっけ~!
「わしゃ要らんて。お前さんたち、いっぱい食べなさい。」と動じないおじいちゃん?、いや、おばあちゃん犬?でした。
フィステラの丘の上の階段から、静かに世の中を眺めているのでした。この街のことは、何でも知っている、というような風格がありました。
大西洋ビーチへピクニック
アルベルゲに戻ると、海水浴の支度、お弁当作りを始めました。
スーパーマーケットで買った食材を並べました。
白いご飯を鍋で炊き、カニかまぼこ、ツナ缶、きゅうりを乗せ、お醤油をかけました。
それは、ここで出来る精いっぱいの日本食でした。
海へ向かい、歩き出しました。
リュックの中には、お弁当と水が入っていました。水着はありませんでした。
そのままでそれなりに…。
すぐ、乾くでしょ!
フィステラの大西洋ビーチへ着きました。
こんな貝があったよ。
タニシのような円錐形の巻貝や、小さな貝がチラホラと落ちていました。
砂浜から海までぐるりと写真を撮りました。
天気がいいね! 昨日は曇っていたから、今日、海に来れてよかった~!
波は「そうでしょ~!」と応えるように押し寄せては還しました。
わっ!水が冷たい!!
天気が良く、日差しも強くなってきたのですが、海の水はびっくりするほど冷たいのでした。
砂浜に場所を決め、首巻の布を敷き座ると
おなかへっちゃった~!
早速、お弁当を広げました。
うまっ!和食!!
醤油かけ白飯、カニかまぼこ、ツナ缶…、たった、これだけで気分はお寿司でした。
ピノの巡礼仲間たち5,6人もビーチに到着しました。すると、
ピラルとカービとDenは
海に向かって猛ダッシュをしました。
冷たさや波の高さなんて、まったくチェックせず、
いきなり海にダ~イブッ!
バッシャ~ン!
ぎゃああ~!
3人は絶叫しながらも、ものすごく楽しそうでした。
すご〜い、信じらんない!
Chaiも私も、驚愕と尊敬の眼差しでした。
私は、どのみち海には入れないのでした。
薄着にしていても、ズボンの前下腹に貴重品入りの腹巻きをしていました。現金5万円とカードと3人のパスポートが入っていました。
アルベルゲには、貴重品を入れる金庫というものは無く、オスピタレラの姿も見つかりませんでした。
バックパックの底に隠して来ても大丈夫かな??と一瞬思ったものの、絶対に失くせないものは腹巻に持っているのが安心でした。
Denたちは、水の冷たさに慣れたのか、犬かきをして泳いでいました。
天気が良くても、海の水と同様に、海風も冷たく、とてもじゃないけれど、寒がりで冷え症の私には、ドボンっ!と海に入るのは さらに無理!に思えました。
フィステラの海は、南の島の海とは光の映り方が違いました。
日本の海に近い感じで、何となく親しみを覚えました。
青や黄色の魚がいるというよりも、アジやイワシが近くを泳いでいるようでした。
大西洋でジャ~ンプ!
Denは砂に埋められていました。
うひゃひゃ~!
海で泳いだ面々は、ビーチで寝っ転がり休んでいました。
しばらくしてマリアーノ兄さんが、みんなに号令をかけました。
「ハイ、みんな起きて~。写真を撮るよ!!」
みんな、ぞろぞろとマリアーノに付いて行きました。
マリアーノは足を引きずって、砂に一本の線を引きました。
それからカメラを持ち、みんなに指示を出しました。
「海をバックに走ってきて、この線に来たら、ジャンプするんだ、いいね!」
オッケー!
「みんな、5mぐらい下がって~。」
ハーイ!
「用意はいいかい?」
うん!
「スタート!」
みんなでダダダダ〜っ!と走りました。
砂のラインの上に来た時、
それっ!
ジャ~ンプッ!
カシャカシャカシャ!とカメラは連写しました。
イヤッホー!!
カミーノを歩き終わった気持ちが
パチリ!
雲が笑って見ていました。
私は、裸足で砂浜を端から端まで歩きました。海へ来ると、必ずそうするのでした。
波打ち際を歩くと、波と対話をするようで面白いのでした。
歩きながら、嬉しくて胸がフルフルしてきました。
今、大西洋の海とおしゃべりしているのだわ~!
歩く足の裏が、ワクワクしているのが分かりました。
今日はいい天気!
空の青。
雲の白。
海の銀青。
風の透明。
裸足の感触。
すべて美しい、すべて心地良い、すべて完璧!
恐怖のトイレ
ふと、トイレに行きたくなりました。
公共トイレなどは、見当たりませんでした。砂浜の奥地まで来ていて、近くのバルへ行くには遠すぎました。
波打ち際から離れ、背の高い草地を探しました。周りから隠れたナイスな場所を見つけました。
しゃがみこむと
ん…? えっっ!! 何??
しゃがんだ両足の間から
ヘビっ⁈
蛇 がニョロニョロ〜と前に抜けて出て来ました。
ヒイィッッ〜!
なんと!
ヘビをまたいで、しゃがんでしまったのでした。
お、お尻を噛まれたらどうする~! あわあわわ〜!!!!!!
長さ4、50センチあるヘビでした。ヘビも怖かったのでしょう。慌てて逃げて行きました。
あんなにトイレがしたかったのに、なんだか引っこんでしまいました。
安全な砂地へ出て、熱い砂にうつ伏せになり、しばらくへたり込んでしまいました。
危機一髪!ああ…、自分はなんて強運なのだろう…。カミサマ、ありがとう!
「大変だったね~。」と、雑草がなぐさめてくれました。
大西洋で見つけたメッセージ
恐ろしい目に遭った私は、ヨロヨロとみんなのところへ戻りました。するとChaiが近づいて来ました。
ママ、見て!こんなの見つけたよ!!
うへーん、今怖かったのよ!! そっちは何、なにがあったの⁉
Chaiに付いて行くと、そこにはこんなものがありました。
大西洋からのシンプルで力強いメッセージ!
それは…I LOVE YOU!
アルベルゲに戻ろう
夕方4時になりました。
少し疲れたので、私たちはアルベルゲに戻ることにしました。
久しぶりの海、楽しかった~!
ね!もう一日フィステラに居て良かったでしょ!
昨日、Denがピノピノピノ〜!、ピノたちと海で遊びたいと騒いだので、ムシアへ行く予定を一日遅らせたのでした。
歩きながら、途中で
Denはピノやお兄さんお姉さんたちの家に行きたい!
はいな。じゃ、あとでね。
私とChaiはアルベルゲに戻り、拾った貝を洗い、夕食のボカディージョ(サンドイッチ)を作りました。
夕方5時ごろ、Chaiと街へ買い物に出掛けました。
ディスカウントショップや服、アクセサリー屋を見て回りました。
思う存分見れるね!
ほ~んと!まだ?まだ見るの~っ?って攻撃がないものね~。
フェロー岬へ向かう
夕方7時前、ピノたちが借りている一軒家へと向かいました。
ドアを開けると、玄関で誰かがシエスタをしていました。
「オラ~おはよ~!すぐ出掛ける支度するね~。」
中で待たせてもらいました。
7人で借りているこの家は、洗濯物や服がごっちゃごちゃに散らかっていました。
けれど、みんな好きなようにくつろいで、めちゃくちゃ楽しそうでした。
さあ、行こうか!
海風が強いかも。夜になると冷えるから、防寒着を持って行かないとね。
フェロー灯台まで3、4㎞ありました。みんなで歩き始めました。
夕方8時、まだまだ外は明るいのでした。
一回、滑り台に行ってくるね!
来たぜ!ヤッコブ~!
ねえピノ、イゴルってオスタピレロさん知ってる?リンゴを手で二つに割るんだよ!
ええっホント⁉ 私もデッサン用の鉛筆セット、僕より君が持っていたほうがいい、ってイゴルがくれたの。不思議な人だよね~。
大西洋をバックにハイポーズ、
カシャッ!
向こうに見えるのは、フェロー灯台でした。
8時半、フェロー岬へ到着しました。
スペインの果ての岩壁
岩場でトカゲが歓迎してくれました。
「ようこそ~!フェロー岬へ。夕焼けショーが始まるよ~。ケッケッケ~!」
岩場に出ると、靴のモニュメントがありました。
その下で火が焚かれていました。
(2010年当時は、巡礼で使った持ち物を燃やすという儀式をしていました。現在は禁止されているようです。)
炎は、いくら眺めていても飽きないのでした。しばらく、目を凝らして見ていました。
岸壁に座り、海を見下ろしました。
おお~っ崖っぷち、見てるほうが怖いわ。気を付けてよ!!
大西洋のこの岩の上は「スペインの果て」なんだね! そして、あの水平線の向こうはアメリカ大陸、ニューヨークだよね!
大西洋に沈む夕焼けを見る巡礼終わりの儀式
岩場に、人々が集まってきました。カミーノの締めくくりは、大西洋の海に沈む夕焼けを見届けるということでした。それは、巡礼の終わりの儀式でした。
私たちは、夕焼けが見やすい岩場に座りました。
さあ!
夕焼けショーが始まりました。
金色に光る海と太陽~。
Denはマンゴーの種をしゃぶりながら見ていました。
まぶしい~!
DenとChaiは、すっかりお兄さんお姉さんの中に入りこみ、リラックスしていました。
一度、太陽は黒い雲に隠れました。
太陽は再び、海と雲のすき間に姿を現すでしょう。 待ってるよ~!
私たちは1つのリンゴを投げ回してはかじり、ピーナツを分け、ワインを回し飲みしました。
見逃さないからね!
太陽が隠れた今は休憩タイムでした。
このチョコビスケット、美味しいよ!
しばし、おやつタイムになりました。
さあ、夕焼けショーが再び始まるよ!
ピカ〜 ッ!
太陽が顔を出しました。
わあ!
わあああ!
あああ、まぶし~い!!
私たちは、うっとりと夕焼けに見惚れてしまいました。
すると…
「なんだ~、これぇ!」
突然、マリアーノが変な声を上げました。
どうやらヤギのフンの上に座ってしまったようでした。
「そんなの知らんメェ~!」ヤギたちは、どこ吹く風でした。岩場を自由にうろついていました。
そして…
夕焼けショーはクライマックス‼
空と雲と海と太陽~!
秒刻みに表情を変えて行きました。
ああ~、太陽がまた雲に隠れたよ~!
もう終わり?また会えるかな…?
あ~太陽、行ってしまった…。ついに終わったんだね…。
何言ってるの、これからが本番よ!
海の向こうへ行ってしまったと思った太陽は、再び雲の間から光を射し込んで来ました。
カービが「今、これを飲まなきゃ!」と
「クレマ・デ・オルホ」というカフェオレみたいな洋酒を、紙コップに注いでくれました。
また会えた!綺麗だぁ~!!
わあああ~、海に沈むぞ!
今だ!
「サル~!」
「カンパ~イ!」
みんな、大声で叫びました。
クレマ・デ・オルホ酒をゴクリ、喉に流し込みました。
巡礼の終わりの儀式は無事終了しました。
Denこんな風に夕焼け、ちゃんと見たの初めて!
私たち、巡礼のやること、きちんとやってるね!ああ、楽しかった~!!
仲間の国籍は、スペイン、日本、ドイツ、オーストラリア、カナダでした。身を寄せ夕焼けを見ながら乾杯し、ここまで歩いて来たカミーノの日々をかみしめ、歓び、讃え合いました。
ぐっすん。素晴らしい夕焼けショーをありがとう。一生忘れないよ~!
そして太陽は、スコン!と海に沈んでいきました。
時間は夜10時半になっていました。
疲れていることに気付く
みんなで岩場を離れました。
少し歩いたところにある、フェロー灯台に向かいました。
いつの間にか、円窓が灯りを放っていました。みるみる辺りは暗くなっていきました。
フェロー灯台の光は、眩しく際立って見えました。夜の大西洋を照らしているのでした。
帰り道、ChaiもDenも、仲間たちと一緒に嬉しい歩き方になっていました。
わあ~、きれいだね~!
Denもピノたちの家に泊まりたい!
あしたは、ムシアまで歩くんじゃないの?アルベルゲに戻って支度して寝ないとね!
ピノたち巡礼仲間と、ハグをして別れました。
私たち3人だけになり、アルベルゲに向かい歩きだすと、急にとても疲れていることに気が付きました。
今日は大西洋のビーチで海水浴をしたあと、夕焼けショーを観にフェロー灯台まで往復7、8㎞を歩いたのでした。
アルベルゲに着くと、時間は午前0時を過ぎていました。
その晩も、アルベルゲは他の宿泊者が居ませんでした。
私たちは、自分の家のようにリラックスして眠ることができました。