19/60スペイン巡礼・異常気象5月に雪、挨拶はメリークリスマス!
5/4(火)→オルテガ / 今日は雪になるよ!19.2km / €26 古い教会 @€5×3
トサントスのアルベルゲは、
寄付なのに、朝食まで出るとは!
嬉しいね〜!
ChaiとDenはコラカオ
エネルギーフルチャージした~!
「今日は雪に
と、誰かが言っていました。
え~、5月なのに~‼︎
黒いズボン事件
朝、忘れてはいけないのが洗濯物の取り込みでした。乾いていれば夜
昨日から外は雨なので、アルベルゲの皆は、洗濯物を暖房がある書斎部屋に吊るし干してい
さあ、取り込みに行かなくちゃ〜!と思って廊下に出たところ
一人のおじさんが、私の黒いズボンを手にし
「これ、
「ハイ、はいありがとうございます!」
とお礼を言うと
「俺の黒いズボンが無いんだ。」
「あなたが、持っていないですか?」と連れの女性が、英語で通訳をしてくれました。
私は、一体なんのこと?
何のズボン?...全くわかりませんでした。
なので…
知りません。
しかし、彼らは納得がいかないようで、再び
「 I don’t know. 知りません。 Sorry I don’t have.
そのあと4回も…
「あなたが間違えて持っていませんか?」
「あなたが持っていませんか?」
「あなたが持っていませんか?」
「あなたが私の黒いズボンを持っていませんか?」
そして、終いには
と語気を強め、顔を寄せて言うのでした。
女性の口調に剣があるのを感じました。横でおじさんが前のめりになって、私を注視していました。
なんだか、あやしい雰囲気でした。 なんか、怖っ!本当に知らない、持っていないって言ってるじゃない!
私はくるりと向きを変え、洗濯物を干していた書斎部屋へと向かい
何回言ってもらちが開かないわ…。現場を確かめに行くしかないね。
書斎の部屋は、みんなが洗濯物を取り込んだようで、もう
「ほら、無いんだよ~っ!」
はて?
私は
そのすき間に 黒いズボンが落ちていました。
「これですか?」と拾って持ち上げると
「あ、それだ!それ!」 もおお~っ!なんか気分悪いわ~っ。疑っておいて!出発を急いでいるかもしれないけど、お礼ぐらい言ってよ!
レインウエア事件
一方で、Denは部屋から廊下から 無い、無い、無い、無い、
不思議だよ~。どこにも見つからないの。
玄関から2階に上がった窓に、
同じフロアに『置いてきます貰いますコーナー』があり
そこに入ってしまったかな…?
いやいや、それは無い。 部屋やベッド回りを、もう一度みてごらん? 何回も見たもん。もお〜、あれがないと、雨の中、
うーん、確かに…。
Denのレインウエアは雨避けでもあり、
これは、本当にマズイね…。
仕方なく、私のウインドブレイカーとオーバパンツを着せることにし
玄関で袖と裾をまくっていると、
Denが
「あ~っ!Denの~!!」
なぜか彼女が、Denのレインウエアの上下を着ているのでした。
「His rainwear! =彼のレインウェアです。」
と私が言うと、ブロンドの彼女は
「Oh!」
と言うなり、素早くその場でレインウェア脱いで、す~っと出て行ってしまいました。
なんで?、なんであの人着てるの?Denのなのにっ!もおお~!!
とにかくDenは自分のレインウェアを着て、私たち3人は遅れながらも出発しました。
歩きながらDenは、しばらくブツブツと文句を言っていました。 もおお、ずっとずっとず~っと探したんだから。何で着てるんだ!人のもの~‼
まあ、あったんだからいいじゃない、気分を変えてさ!きっとさ、『置いてきます貰いますコーナー』に入っちゃったんだよ。
すると あの人、怪しいよ。『置いてきます貰いますコーナー』には、絶対に入っていなかったもの。
実は、私もそう思っていました。
間違ったのなら
「
一瞬でも向かい合って話してくれたらいいのに…。
そして、さっきのおじさんも…。
あと味が非常に悪いのですが、今はDenもレインウエアを着て、 終わってしまったことのネガティブな感情は、ササッと吹き飛ばしてさ!せっかくのカミーノだもの。もう考えないで歩こうヨ!
それはDenだけでなく、自分にも言い聞かせているのでした。
雪、行くか止めるか….
出発は8時半過ぎでした。
鉛色の空でした。
それにしても寒いっ!
風も吹いてきました。Chaiはカッパのフードを帽子に洗濯ばさみで留めました。
右手に古い石造りの教会を、見ながら歩きました。
これは、噴水なのか、水道なのか…、うーん迷う~。
今日は手袋をしていないと、寒くてストックが持てないんだ!
しばらく、建物や町を見ることは無さそうな田舎道でした。
さらに、冷たい雨が降ってきました。
雨は、横なぶりになってきました。 気をつけて~。滑らないようにね~!
ううう、寒いよ〜。
靴に水が浸みてぐちゃぐちゃになってるよ~。
うひゃ~、ママも~。足が冷た~い。感覚が無いわ~。 Denも~!
バルで作戦会議
7kmちょっと歩いたところで、町に出ました。この町は小さいのですが、アルベルゲがあるようでした。
すぐ先に、バルが見えました。ここで温まることにしました。
カウンターで飲み物、チョコクロワッサン、マフィンをたのみました。
腹ぺこぺこ~!
やっぱり子どもはコラカオ、私はカフェレチェを頼みました。
バックパックを置いて椅子に座り、温かい飲み物とマフィンを食べると、心も身体もリラックス!落ち着いてきました。 どうする、今11時…。外は雪になってきたよ‼。この町に泊まる?それとも、
先に行こうかな…。行けそうな気がする!ね、Den⁉ うん!
Chaiと Denが心を決めました。
よしっ!レッツゴー!
と言ったものの
何て寒いのっ!ChaiもDenも強気ね~。雪がちらついて、道もぬかるんで靴も浸みていて、しかもあと12㎞もあるというのに…。
挨拶はメリークリスマス!
バルの先に続く道は、どんどん山に入っていくようで
あいかわらず、雨と雪が交互に降ってきました。
3人とも、靴に水が浸みていましたが、それはもう考えないことにしました。
山道に入ると、雪が積もっていました。
誰かが作った雪の矢印がありました。
そして、雪が驚くほど降ってきました。
すれ違った巡礼者が、私たち3人の写真を撮ってくれました。
そして、挨拶は「ビエン カミーノ!」から
「
そして「参ったね~!」
ほんと、参った~…。体中冷えた~!
私とは対照的に、DenとChaiは、楽しそうにはしゃいでいました。
♪雪やこんこん~を歌い、雪合戦をしながら歩き、雪を食べていました…。
さらに、雪だるまを作ったり…。
雪を頭に載せたり、、、。
顔型を作ったり…。
ママもやろうよ!
いや~、遠慮しておくってば~。
子どもって夢中になると、寒さなんて全く気にならないんだなぁ。すごいなあ〜!
雪は止んできましたが、この坂~ッ!!
カミーノは、まるで四季を見せてくれる
私たちのカミーノは、
四季をいっぺんに見せてくれるようでした。
今日は、真冬の雪景色でした。
雪道のピークを越えたところで、遅いランチタイムにしました。2時になっていました。
さすがに、疲れが出て来ました。3人は無口になりました。
とにかくパンとチーズ、チョコレートをかじり、エネルギーを補給しました。
さあ、はやくアルベルゲに着いて温まろうよ!
それぞれ、かなり疲れていましたが 大丈夫?
ChaiとDenは雪遊びを堪能した満足感?で、
気持ちがとてもポジティブになっていました。
雪にコーラかけて食べたいナ。
こんな歩きにくい道…。
私はつらいけれど…、ChaiとDenは楽しんでいました。
ギャハハ!ぐっちゃぐちゃ~‼
ちらほら、家が見えて来たね!
「もう少しだよ~!」白い馬が教えてくれたような…。
ちょっと待って、手がかじかんで、アメの袋が開けられないの~。
オルテガのアルベルゲ
やっと、オルテガのアルベルゲに着きました。
アルベルゲは大きな教会に隣接していました。
一人一泊5ユーロでした。
靴と杖の置き場です。
しめった靴たちが沢山集まり、ちょっとプーンとニオイました。
2段ベッドの下の段は、すでに
ここのベッドは、柵がありませんでした。 どうしようかしら…。
心の支えは温かいシャワー!
雨と雪の中、凍えて歩いた20km弱、
その、心の支えは温かいシャワーでした。
とにかく、
凍えた手でレバーをひねりました。 うわあっ!、冷たいっ…。
温水プールのような生あたたかい水温で、いくら浴びても身体が温まりませんでした。
こういう時のがっくり感、気持ちのやり場の無さと言ったら半端ないのでした。
他の巡礼者たちも
「オーッ・ノーッ‼︎」と叫び声をあげていました。 ひ・え・た、、うう~っ!
Denの男子シャワー室はどうだったのかしら?
「そっちはどう?」と聞くと うう~、ぶるぶるっ、全然ダメ…。
買って良かった高い寝袋!
私たちは、髪も濡れ冷えた身体でストーブを探しました。
このアルベルゲの暖房器具は、オイルヒーターのみでした。じわじわと温まるものでした。部屋は広く、巡礼者が行き来していてドアが開いており、暖かい場所がどこにもありませんでした。
仕方なく3人は、ベッドの上に広げた寝袋に潜り込みました。いつの間にか寝てしまうまで、手と足をこすり合わせ続けました。
そういえば…
巡礼の準備の時、寝袋だけは良いものを買ったほうがいいよ、 羽毛の軽くて小さくなるやつ。ひとつ2万4千円かぁ~。
さんざん悩んでいたところに、山のベテラン店員さんが現れました。
そして、寝袋の大切さを、こんこんと説くのでした。
決め手は、畳んだ時の大きさが小さいのと抜群の軽さでした。 カミーノは宿代が安いって聞いているから、寝袋にお金をかけてもいいのよね。
普段、子どもたちに ママはケチだから…。
と言われているのに、
あの時の私はよく買ったわ…。エラかったっ!
オルテガのニンニク粥
食堂で皆が集まっていました。
席に着きました。
ニンニクが
わあ!美味しい〜、温まる〜。
しかし、これだけでは物足りない~!
「これは前菜
しかし…
「これでおしまーい!」と言われてしまいました。
巡礼者たちは、食堂をぞろぞろと出て行きました。
そんな中、オスピタレロが
「ペケーニョおいで~!」
「残りは、ペケーニョたちにあげよう。」とお皿に注いでくれました。
いつも「ペケーニョ! = チビ助!」 やった~!ラッキ~!! ムーチョ・グラシアス!
空いたお皿とスプーンは、各自で運び流しで洗いました。
教会のミサ
教会でミサがありました。
私たちも参加することにしました。
教会ミサでの秘密
ちょうど、ミサの始まる時間に間に合いました。
教会の中は広く、古い木の机、椅子が連なっていました。ここも暖房が無く、底冷えしました。
隣りには、昨日の宿のトサントスで一緒だった、ギターの上手なお姉さんが座っていました。彼女はドイツからきたリアと言いました。
自分の持ってきた毛布を、私たちの膝まで広げて掛けてくれました。
教会はあまりに寒く、4人は出来るだけギューギューにくっついて座りながら、ミサに参加しました。
アーメン~。
リアはカトリックなので、ミサの途中、聖なるお煎餅を貰う列に参加しました。大きさが500円玉ぐらいの白くて薄いお煎餅でした。その儀式を聖体拝領というのでした。
私たちは、以前にミサで大失敗をしているので、お煎餅は貰わず座って待っていました。
カトリックで無い人は、絶対にもらってはいけないのでした。
戻ってきたリアは
「ほら、こういうのよ。」
と、お煎餅を持ってきて、見せてくれました。
えび満月せんべいのエビと青のりが、付いてないものみたいでした。
トランプに燃える
本気でやると、楽しいね~。
いきなりDenの評価 ★5
あ~、わかった!
なぜなら…
この部屋はうるさい!のでした。
スペイン人の5〜6人の男女が、
10時半過ぎても、それは収まらず、
こっちの部屋の人はババ
という空気が漂っていました。
私も、Chaiも、見回した周りの人も寝袋を被ったり、ため息をついていました。
ハア~...
すると、突如!
寝付けず何度も寝返りをうっていたDenが、
むっくりとベッドの上に座り、
彼らのほうに向かい、日本語で
うるさ~
ゲゲっ!Den !!!!!
しかし、そんな心配はご無用でした。
Denの叫びはむなしく、彼らの笑い声にかき消されてしまいました…。
けれどDenは、
この部屋の誰もが思っている気持ちを 代弁してくれたのでした。
隣のお兄さんや、向こうのベッドのお姉さんが、
Denに
「ヘイ、グッジョブ!」
いきなりDenの評価★★★★★5 でした。
さて、とにかく、とにかく寝なくては!
私は二段ベッドの上段の 4本の柱に、持っている全ての紐、マフラー、
私自身もベッドから落ちるのが心配で、とても疲れているのに、眠りが浅く少しも寝た気がしませんでした。