32/60カミーノお金の持ち方、首絞め強盗に遭った人が教えてくれた
5/17(月)→レオン / 朝ごはんのジャム 観光日 0km/€53 @€4×2
アルベルゲRRMMの朝食は6時からでした。私たちは、5分過ぎに食堂のテーブルに付きました。
ベイサンは、もうテーブルに付いていました。
ここは寄付なのに、朝食が付くなんて!なんとも有難いわぁ。
そして各テーブルの上には、手作りのイチゴジャム、アプリコットジャムが置いてありました。
今日、40㎞を歩く予定と言っていたベイサンは
パンに た~っぷりのジャム
を乗せていました。エネルギー補給しなきゃね。
Denが目を丸くして耳元でコソコソ言いました。 ねえママ、ベイサン見て!あんなにいっぱいジャム乗せてる!いいんだよね、Denもやろ~うっと!
Denも、パンにパンの厚さと同じぐらい山盛りのジャムをのせました。
パクリ!
うっまーい!!
お別れの手紙は雲の形
玄関で出発するベイサンを、見送りました。
ベイサンは、私たち渡すものがあるとポケットから何かを取り出しました。
それは、ノートを雲の形のようにちぎって作ってくれたカードでした。
私には
“会えてよかった!。子どもたちと素晴らしい旅を。日本にいつか行きたいと思うよ!”
Chaiには
“菜の花みたいに明るくニコニコ輝いているChai。僕の英語を辛抱強くわかろうとしてくれてありがとう。”
Denには
“赤く小さな火の玉のようなDen、素晴らしいパワーを持っているね。巡礼がんばるんだよ!”
そして、昨日の日本語レッスンで聞いたのかな。
「Saiyonara」(さよなら) と最後に書いてありました。 ベイサンは時間を割いて、一人ひとりにこんな心のこもったカードを作ってくれたなんて!
ベイサンありがとう!
私も出会えて嬉しいよ!
3人は、それぞれハグをして別れました。
このカードをお守りにして、カミーノ歩こうよ!
スーパーマーケットの東洋人
今日は、レオンの街の観光日です。歩きながらEroskiスーパーマーケットを見つけました。
お昼ご飯を仕入れて行こうか!
オッケー!
お店の中をうろちょろしていたDenが、興奮した様子で報告しに来ました。
ね、あそこに、日本人ぽい人がいるよ!
へ?どこ?
Denは、隣の食品通路を指しました。そこに東洋人の男性が見えました。けれど、Korea(韓国)の人かもしれません。
西洋人のほとんどの人は、東洋人を見ても
Japan? Korea? China?…
全く区別がつかないようでした。
私たち日本人からするとChinaの人は、すぐにわかりました。なんとなく服装や身のこなしが、少し私たちとは違う感じがしました。
しかしKorea の人は、さっぱり分かりませんでした。向こうもそう思っているようでした。近づいて顔を合わせ、
「あ~っと、Korea?Japan?」と同時に声を掛け、言葉の違いでお互いにわかるのでした。
首絞め強盗に遭った日本人
あの…、日本のかたですか⁈ こんにちは!
その人は、S木さんと言いました。スペインへ来たのは、3回目だそうです。今回のスペイン旅行は30歳の誕生日をサンチャゴ・デ・コンポステラで迎えるため、ということでした。
S木さんは、初めてスペインに来た6年前
スペイン南部の街、ゴルドバで
首絞め強盗 に遭っていました‼
財布、パスポート、時計、カメラ…、
身ぐるみ全てはがされた!そうです。
パスポートを取り戻そうと抵抗したので、ボコボコにされてしまいました。
そのあと、日本領事館へ助けを求めパスポートの再発行をしてもらい、無事に帰国することが出来たそうです。
わあ、怖いですね・・・。
「命があってヨカッタです!」と言っていました。
そんなことがあってもまた、よく、スペインへ来たのですね?
「地中海を挟んで、すぐ向こうにアフリカ大陸があり、イスラム文化とキリスト文化が入り混じり、古い石造りの建物や教会、ワインと食事、おおらかな人々…。
スペインは、あふれる魅力がいっぱいの国なのですよ。」と言いました。
私たちはスペインについて、このカミーノの巡礼の道しか知りません。
けれど、その気持ち分かるなぁ!とうなづきました。
このレオンの街ひとつをとっても、建物のすばらしさ!
建物に施してある装飾や彫刻、
まるで、美術館が街になったよう。
街の通りは、映画の中の街並みを歩くようでした。
美味しい食べ物
パエリヤ~!
またお店はお客さんが店内にいても、午後はシエスタで2、3時間お店を閉めるのが決まりでした。
そして平日の仕事が6時に終わり、それからも日没が遅く、夜の9時半すぎが夕焼けでした。
それまで、大人も子どもも公園でサッカー、バスケ、卓球をしたり
バルでビールやワインで飲みながら、ワイワイガヤガヤとおしゃべりをするのが見られました。
仕事のあとの明るい時間が長く、フリータイムがたっぷりあるように見えました。
誰かが言っていました。
世界で一番の楽しみ上手は
スペイン人なんだよ!と。
ヨーロッパの中でも、特にスペインっていうのは
飾り気のない生き方が際立つ国!なのでした。
スペイン旅ベテランの防犯チェック
憧ればかりを話していると、S木さんは
「油断をしないでスペインの旅をしないとね。」と身の引き締まる声掛けをしてくれました。
実体験で学んだS木さんに、私たちは巡礼の後、マドリッド、バルセロナへ行くつもりだと話しました。それでは、と貴重品の持ち方のセーフティーチェックをしてもらいました。
私は、少し自信がありました。お腹の薄っぺらいウエストバッグに現金と3人のパスポートを入れていました。もうこれは、シャワーを浴びる時でも、寝袋の中にでも肌身離さずに持っていました。
その上に、タンクトップ、Tシャツ、長袖のプルオーバーシャツを着ていました。
ズボンは、アウトドア用のパンツで四つのポケットにチャックが付いていました。そのポケットの中にお財布を入れていました。
まあ、こんな感じでフランスから、ここレオンまで旅をしてきた訳ですが、特に危ないことは無かったのでした。
セーフティーチェックは、すんなり合格かな~!
さらに、子どもたちも私も、日に焼け、雨風にさらされ、いいカンジにすすけていました。
とてもお金持ちには見えない!のでした。
が、しか~しっ!
間髪を入れず、チェックが入りました。
「あ~、全然ダメですね!
もう、お財布を使っていること自体がアウトです。
ここにお金が入ってます盗ってください!と言っているようなものです。 もう、今日からお財布はやめてください。
「どれどれ…、中を見せて・・・。
わ~っ!
カードまで入れているんですか?
最悪です!!!!!!
カードは、腹巻にいれてください。
使ったら腹巻に戻して、持つようにしてください。
お札はポケットに
10ユーロづつ分散して
持つようにください。
ちょっと多めにお金を使うときは、
靴下のすね、靴の中に100ユーロ札を隠して持ち、払う直前にササッ!と見られないように出してくださいね。と完璧なアドバイスをしてくれました。 ひえ~!わかりました。ありがとう、S木さん!今日からお財布を使わないようにしますね!
私は、その日から『現金分散10ユーロ方式』を実践することにしました。
それは日本に帰国するまで、ずっと続けていました。
サン・マルコス修道院、今はパラドール
サンマルコス修道院の前に出ました。
大きい!彫刻が素敵!
いまはパラドール(五つ星の国営ホテル)となっていました。
ひとり一泊2万5千円は無理なので、レセプションで
クレデンシャルにスタンプだけ、押してもらいました。
レオン大聖堂のステンドグラス
さあ、レオンのカテドラル。どんなだろうね。行こうか~!
角を曲がると、いきなり目の前に大きな三つのとんがりが現れました。
わああ~、カッコイイ! 大きい!素敵なデザインね~!
入場料は
大人一人5ユーロ、
子どもは半額の2.5ユーロでした。
中に入ると
わぁ!ステンドグラスに透けてくる光がまぶしい~!
窓の図柄が物語のように繋がっているのでした。
この窓からの光を見ていると、神秘的な気持ちになるね。
わあ~、素敵。いつまでも見ていたいな~。
大聖堂の祭壇も、素晴らしい装飾でした。絶えず祈りを捧げる人の行き来がありました。
レオンの街でうっとり!⇒ がっくり!
ステンドグラスって、いろんな色が混ざった、光のシャワーを浴びているみたいね~。
天井が高くて開放感~、光が降ってくるね~!見とれちゃう。うっとり~!
それもつかの間。 ママっ!トイレ、トイレっ!もう我慢の限界~!
ええっ!…そうなの?いま~⁈
がっくり…。
トイレを探し大慌てで一緒に走ることになりました。
聞いて回るとカテドラルの中にトイレは無いということでした。
仕方なく、カテドラルの外に出てしまいました。
バルを探しトイレを借りました。
あ~あ、中をもっと観たかった…。
せめて外観の美しさに癒されようとベンチに座りました。
巡礼仲間のリアは、これを描きたいと、ブルゴスからレオンへ行ってしまいました…。
わかるな~、うんうん、と思いを巡らせ、再び
うっとり~!
と見とれるもつかの間…。 うわっ!ママ、きゃっ! ええっ何?やだぁ~!
今度は私の頭に空から
鳥の糞が直撃!
髪に白いドロドロがくっ付いていました。
がっくり…。
レオンの街のあれこれ
スーパーマーケットの前でお行儀よく、ご主人を待つプードルちゃん。
肉売り場で見た豚肉。
うひゃ、顔が付いてるわ、料理出来ないわ~。
街中のおしゃれな水道の注ぎ口。
街のゴミ箱。テレビのような扉を開け、ゴミを捨てるのでした。
ブレスレットを買おうとレジに行ったChaiは
「14時を過ぎたから、ダメ!」と言われ売ってもらえませんでした。Chaiは、お金もピッタリの金額を持っていて、ただ支払うだけだったのですが…。
お店の人は、私たちに店を出るように誘導し、そのあとすぐに鍵を閉めました。時計を見ると14時を5分過ぎていました。
シエスタは絶対!なのでした。
日本だったら、売ってくれると思うんだけど、、、。
街角の時計、おしゃれ~。なぜか、スペインは温度計がセットなっていました。
モニュメントは、ベンチに合体していていました。見て触れて、楽しむことができました。
こういうモニュメントってイイナ、楽しいね!
スーパーマーケットでエンパナーダとアイスクリーム、オレンジが7個が1.5€、重いけれど買いました。広場に座りランチにしました。
レオンの二つ目のアルベルゲに移動
今晩の宿は、レオンにあるもう一つの公営アルベルゲに移動しました。
5階建ての大きなアルベルゲでした。部屋は小じんまりしていてシャワーも温かく、まあまあの居心地でした。
ちょっと、ドアノブが壊れていましたが…。
荷物を置くと、大きなショッピングモールの看板が見えました。そちらのほうへ行ってみることにしました。
おじさん店員の親切は勘違い
スーパーマーケット、エロスキのライバル的存在
カリファーというところでした。とても広く、一階のフロアに食料品、服、電化製品、家具まで全て置いてありました。巨大倉庫といった感じのお店でした。
あちらこちら、スペインの生活用品を見て回りました。どれも買えないけれど、キッチン用品、スポーツ用品、おもちゃ、家具など、見て回るだけでも楽しくなりました。
子ども服売り場で、赤ちゃんサイズの赤いTシャツを自宅のワンコ、プちゃんのお土産に買いました。
さて、夕食を探そうと、調理済みの冷蔵コーナーへと行きました。
私はピザを買うことにしました。ChaiとDenは、ハンバーガーを手に取りました。
どちらも、電子レンジでチンすれば、チーズも溶け、ハンバーガーもアツアツ、それでもう今日のディナーは決まり!、手抜きができるわ!と目論んでいました。 きっとレジの近くに、電子レンジがあるでしょ~。
それは、日本のお店を想定したのではなく、以前カミーノの途中で寄ったカリファースーパーマーケットで、買ったピザをお店の電子レンジで温めて食べている人を見たからでした。
な~んだ、日本と同じなのね〜!とそこで思ったのでした。
Chaiは、それを見ていなかったので
ここじゃ、温めるのは無理だよ~。
大丈夫よ、温めて食べてる人、前に見たのよ。じゃ、聞いてみるからね!
と、通りがかった店員のおじさんに
「これを今、温めて食べたいのですが…。」
とピザとバーガーを見せながら、電子レンジを身振り手振りの英語で説明しました。
私の英語もダメだけれど、おじさんも英語が苦手ようでした。
お互い困った変な笑い顔で、会話を続けていました。
おじさんは、途中でわかった!といったふうに
「そうだ、こっちへ来い!」というゼスチャーをしました。
私たちは、カルガモの親子のようにピザとハンバーガーを水平に持ち、一列になって付いて行きました。 ここ広~い! ずいぶん奥まで歩いていくのね…。
私はもしかして...
こんなに奥まで来るなんて…。もしや従業員用の温めるところがあるのかな、そこを貸してくれるとか?
しかし…
着いたのは
電子レンジ売場…でした。
『お買い得80ユーロ電子レンジ』を指さし
にっこり満面の笑顔のおじさん でした。
あ~、違うの。電子レンジを買いたいんじゃなくて、これを温めたいの…。
「ありがとう~。ムーチョグラシアス!」
と お礼の言葉と笑顔をバラまいて
「電子レンジは買わないです~!」と身振り手振りで丁重にお断りしました。 くくく~っ!
3人は笑いをこらえるので精一杯でした。
胃袋が達者になる
ピザやハンバーガーをもとのところに戻すのもおっくうになり、そのまま近くのレジで買い、お店を出ました。
スーパーマーケットの外の芝生に座り、夕飯にしました。
もう、いいね。これで。冷たくても我慢して~!
冷たいピザは溶けていない小さなビットのチーズがポロポロとのっていました。ナイフで切って食べてみると、、 あら!、でも美味しいじゃない。味は問題ない、大丈夫だわ。ただチーズが伸びないだけよ!!
ハンバーガーも同様に電子レンジで温めなくても大丈夫!冷たくても味がしっかり付いているので食べやすいのでした。
私たちは、ここからスーパーマーケットグルメ達人に昇格しました。
『ピザを買って温めずに食べることが出来る技』を身に付けたのでした。
足腰同様、胃袋も達者になっていたのでした。
置き忘れにショック!自分災害
スーパーマーケットの近くに、ショッピングモールがありました。私はそこでトイレを借りました。
そのとき、いくらかの現金、カメラ、パスポートのコピーや生活小道具一式入ったショルダーバッグをトイレの壁にかけたまま、皆のところへ戻ってしまいました。 あれっ!ないっ!
しかしっ!
ああ、たるんでいる!
ダメだダメだダメだ…。
今日、S木さんにチェックしてもらったばかりだというのに。
置き引きならともかく
置き忘れは、もう自分災害だわ~。自分で難民になって苦しむのよ~。
わたしはバッグ忘れに自己嫌悪になり、ひどく落ち込んでしまいました。 ダメだわ~。どうしてこう不注意なのかしら…。 まあ、あったのだから、いいじゃない。
ショッピングモールでChaiと一緒にお土産のブレスレット、ピアス、ミサンガを買いました。
いつも楽しいはずのお買い物も、選ぶ気力に欠け楽しめませんでした。
アルベルゲに戻ると 卓球の練習するね!
Denはラケットを買ってよかったね...。