57/60カミーノの教え、必要は与えられ不要は去る・クレマ酒で乾杯!


6/11(金)フィステラ観光日 / 心配ごと3つ 6km/€32 @€10×2 民間キッチン有
昨日は夜中に洗面で日誌を書き、Denに呼ばれベッドに戻ったものの、夜明けまで眠れませんでした。
いくつかの心配事が、頭から離れないのでした。
一つは…、
巡礼が終わってから、どうしよう…。


カミーノは、ここ数日で終わってしまいます。けれど、日本へはまだ帰れないのでした。
帰りの飛行機のチケットの日付は、あと1か月先でした。
まずは、ホセの住んでいるメノルカ島へ行く約束がありました。
今日は金曜日です。フィステラの街を一日観光する予定でした。
日曜日の夕方にホセと、バルセロナで待ち合わせをしようと約束をしていました。ホセの携帯電話の番号を教えてもらっていました。
明日の土曜日、私たちは、ムシアに行く計画をしていました。歩く距離は30㎞ありました。
ホセに会うには、ムシアに着いた翌日の早朝から、バスでバルセロナへ向かうことになります。バスで20時間近く掛かるのでした。 どうみても、ホセとの待ち合わせに間に合わないわ。

ホセはムシアには行かず、フィステラから直接バルセロナへ行く予定でした。
また、もし私たちがバルセロナにたどり着いたとしても、ホセに会えるだろうか。
大都会で右往左往する私たちは、重いバックパックも背負っているのでした。
たとえホセの携帯電話に繋がったとしても、うまく会えるかどうかがとても心配でした。
どちらにせよ、日曜日の夕方にバルセロナでの待ち合わせは、難しいことでした。
ムシアに行くとしたら、少なくとも、もう一日余裕がないと無理だわ。日曜日の待ち合わせの約束は、取り消しにしないと…。


オッケ~!
ホセの住むメノルカ島へ行くよ~!
と盛り上がって約束したものの、具体的な事を詰めていくと、心配な要素が山積みに浮き上がってくるのでした。
ホセは、同じアルベルゲに泊まっていました。予定変更の相談をするならば、目覚めたら、すぐにホセをつかまえないといけないのでした…。
二つ目は…、
ピノをどうやって探したらいいだろう…。

ピノは、日本人の巡礼仲間でした。
昨日、この公営のアルベルゲに現れませんでした。
フィステラに行くと言っていたので、多分この町のどこかに居るはずでした。けれど探そうにも何の手掛かりもないのでした。(私たちはケータイ電話を使っていませんでした。ピノも同様でした。)
ピノと一緒にホセの家に行きたい!

三つ目の心配は…、
どうしよう、ここフィスティラで巡礼を終わらせてしまおうか。ビーチでのんびりと過ごしたっていいのよね…。そうしたら、ホセとバルセロナで会えるだろうし…。


明日は、カミーノ最果ての地、ムシアまで歩く予定ですが、本当に行けるのだろうか…。
道がわかりにくく、悪路だと聞いていました。
でも、ChaiもDenもムシアまで行きたいと言っていたわよね…。う~ん。


そんなことを考えていたら、いっこうに眠れないのでした。
それでも朝5時ぐらいに少しウトウトしました。
ハッ!と目が覚め時計を見ると、7時でした。
寝袋を飛び出すとホセのところへいきました。 日曜日のバルセロナ待ち合わせは無理なので、予定変更していいかしら。メノルカ島へ船で行くときに、電話をします。

「OK!待ってるよ。ちょうどその頃、メノルカ島の大きなお祭りがあるんだ。ぜひ見て欲しいよ。」と言ってくれました。
ああ、ヨカッタ!
これで、心配事のひとつは消えました。
杖が無い!
今日は、フィステラを観光する予定でした。私たちが泊まっている公営のアルベルゲは一泊しかできない規則がありました。
朝食を食べた後、別のアルベルゲに移動し、そこに荷物を置いてから街の探索に行くことにしました。
バックパックを背負い、玄関にある杖立ての大きなバケツに向かいました。そこから、みんな自分のストックや杖を取って行こうとしたところ…、 あれ?私の杖がないっ??

バケツのまわり、玄関の周囲、外の壁廻り…、
探しても探しても、
私の木の杖は見つからないのでした。
DenとChaiのストックはありました。
あれ〜、誰か持って行ってしまったかな?今までずっと、間違えられたことなんて無いのに。あ~、なんてこと!

フランスのサンジャン・ピエ・ド・ポーから一緒だった杖でした。




ピレネー山脈を越え、街を抜け…






炎天下の日も、雨の日も、雪の日も…






困った時も、虫や動物と、バックパックと…


そして子どもたちと…、
ずっと一緒に歩いてきた杖!でした。
できれば、日本に持って帰りたいと思っていました。
道に杖を、置き忘れ失くしてしまった時、
私にとって掛け替えの無い杖〜!

居ても立ってもいられないほど、うろたえました。
無事に見つかった時は、飛び上がって喜びました。
そんな思い出がいっぱい詰まった杖が、無くなってしまったのでした…。
うわ~ん悲しい~。でも…、そうなんだ。


私がずっと歩いて来たカミーノの云い伝え。
『必要なものは与えられ、必要でないものは去っていく…。』
そんな言葉が、胸に浮かんできました。
今までも、願えばオムレツを作ることができたり、
靴が必要な時、靴を与えられたり、
使う必要が無い時は、ガイドブックを失い
使ってよい時になったら失くしたガイドブックと同じものをもらったり
困った時に、素晴らしい出会いがあったり…。
そうして、必ず助けられていたのでした。
カミーノは本当に、云い伝えの言葉どおりだったな…。巡礼の途中ではなく、最後のフィステラの地で杖が無くなるとは…。

今までの出来事を思い起こせば、
それは順当なことに思えて来ました。
ムシアの町に行く予定ではありますが、歩くのはあと1日を残すのみでした。
最後にカミーノに試された気がしました。
必要でないものにこだわり続けてはいけないよ、どうだい?出来るかい?
はいっ!大丈夫です。わかっています。落ち込んだりしないわっ!


ママ、杖が無くなって残念だね。Denのストック、2本あるから1本使えば?


うん、ありがとう!


アルベルゲは一泊の決まり
別のアルベルゲに移動しました。
昨日、散歩をしたときに、Encontroという民間のアルベルゲを見つけてありました。
”Encontro”とは、ポルトガル語で ”出会い”という意味でした。
いくつも、民間アルベルゲがありました。


ここは、宿泊費一泊10ユーロでしたが、二人分で良いという事と、キッチンがある事で、そこに決めたのでした。
大西洋フェロー岬へ行く
今日は大西洋を臨むフェロー岬へ行く予定でした。
巡礼の終わりの儀式をするためでした。


民間アルベルゲに荷物を置き、9時ごろ、軽装になってフェロー岬へと向かいました。
岬までの舗装路を、三人で手をつないで歩きました。ウイニングランではなく、ウイニングウォークでした。


途中、古い小さな教会がありました。


足取りは軽く、なんだか嬉しくて、ぴょんぴょんと弾んでしまうような歩き方でした。
途中、崖沿いに道が続きました。
ガードレールから、下をのぞきました。


わあ!大西洋。水がきれいだね!


しばらく歩くと公園がありました。
遊んでいこうよ!


いいね!遊ぼう遊ぼう‼


巡礼の時は、Denが公園で遊びたがると「早く行こうよ!」と却下していたChaiでした。


うきゃ~!






ビヨーン、ビヨーン!


ギッタンバッコ、ギッタンバッコ! Chaiとシーソーなんて、何年ぶりだろうね??

私たちは我を忘れ、無邪気に遊びました。
再び、歩き出しました。
ふざけながら歌いながら、曇り空を吹き飛ばす陽気な私たちでした。
ヤコブ像を真似る


ヤコブ像も、フェロー岬へと向かっていました。


まねしてみよう。こ~んな感じ?




そう、こ~んな感じ。




二人は犬が居たアルベルゲ、ビラメンテロ・デ・カンポスのオスピタレロにもらったホタテのリュックがお気に入りでした。


フェロー岬の道標は、カミーノの一番はじにあるんだね。


灯台の建物がありました。夜になると、屋根の上の円筒窓のライトが、暗い海を照らすのでした。






岩のてっぺんにあったクロスのモニュメントで、ポーズをとりました。
カミーノ・巡礼終わりの儀式
大西洋の岬に出ました。
十字架のモニュメントがありました。


その周りには、たくさんの巡礼を終えた持ち物たちが置かれていました。


近くの岩場には、服や靴を燃やした跡がありました。
『自分の持ち物をひとつ、フィステラの海で燃やすと巡礼が終わる。』
と云われていたのでした。
※しかし、これは、巡礼者が少ない時代のことでした。
現在、年間30万人を超える巡礼者がカミーノを訪れています。フィステラに来る巡礼者は、さらに少ないとしても、数万人に及ぶでしょう。服や靴や燃やした燃えカスや有毒ガスで、あたりの自然が脅かされているということでした。また、これらの品々は巡礼者にとっては、思い出の儀式ですが、その後それを片付ける人もいるわけです。その量は膨大となり、とても大きな労力が必要となっているということでした。
...このことは、あとで調べて分かったことでした。
そのときの私たちは、それぞれアルベルゲLuffyのミサの時、腕に結んだ毛糸のミサンガを燃やしました。
それは、Own Camino・オウン カミーノの気持ちで歩きなさい!と教わったアルベルゲでした。
本や有名な人のカミーノなんて届かない、自分の歩くあなた自身のカミーノが最高なのですよ!と。


一か月ほど、ずっと腕にしていました。
ミサンガが切れたり、外れることは願い事が叶ったということです。
3人無事に、サンティアゴ大聖堂にたどり着いて、それから大西洋まで、歩いて来れたものね!ここで外して燃やそう!




ミサンガに自分で火を点けました。
今まで、守ってくれてありがとう!




おっと風が…。やっと火が点いた~。ブエン・カミーノ!




私たちは、それぞれにミサンガが燃えていくさまを、静かに見つめていました。
スペインの果て、大西洋で好きなこと
わ~い!


崖を駆け下りました。
それから、気に入った岩に座り、好きなことをしました。


私は、ポケットに入れてきたリンゴをかじりました。


Chaiは、爪を切りました。


Denはポテトチップスの大袋をもしゃもしゃと食べました。
3人三様、想いおもいのことをして、大西洋の水平線をしみじみと眺めました。
それから、叫びました。


大西洋、でっかいよ~う!

ヤッタ~!ブエン・カミーノ!

プちゃん~っ!会いたいヨ~!

なぜか、家に残して来た犬の名前も叫ぶのでした。
すると突然
ゲフォッ! オエッ~。

Denがチップスの食べ過ぎで、草むらに吐いていました。
スペインのポテトチップスは半端ない量でした。一人で一気に一袋を食べたのでした。
あら、まあ…。でも巡礼のゴールで、それがしたかったのよね…。

ねずみ色の空から、ポツポツと雨が落ちてきました。
そろそろ、行こうか。
私たちは、大西洋を見下ろす岩場を後にしました。
フィステラの街へ戻る
Chaiがトイレに行きたいというので、灯台の建物でトイレを借りました。


中に、地図の展示がありました。ガリシア地方の地図でした。
ここがフィステラでしょ。えっとムシアは…?




小高いフェロー岬から、街へ下っていきました。


草の穂をいっきにしごく「コックor ヘン!」の草遊びをしながら歩きました。


ビスケットちょっぴり、食べる?




フィステラの港に沿って歩きました。


細長い魚が、たくさん見えました。
けっこう大きい魚ね。食べられそうね!


寄り道をしながらアルベルゲへ戻りました。お昼になっていました。


キッチンでササッとインスタントラーメンを作りました。
毎度、思うのですが、アルベルゲのキッチンに「どんぶり」という深さのある食器がないのでした。ラーメンを作ると、小鍋やマグカップを器として注ぎ、食べるしかないのでした。
スープ皿も平たく、ラーメンを盛るには違和感がありました。食文化の違いは、お皿でも感じられました。
ここはパン文化だからね。ま、美味しればいいわよね…。


それから、DenとChaiは昼寝を決め込みました。
巡礼仲間を探し出す
その間、私はフィステラの街へと繰り出しました。
一人で気ままに探索するのは、これまた楽しいことでした。


アルベルゲを出ると、犬がくつろぎ過ぎて、のび~をしていました。


港からフィステラの海を眺めました。
そこでふと、思い出しました。
ああ、そうだ!ピノを探さなくちゃ。この町のどこかにいる、っていうヒントしかないわ。どうやって探し出したらいいのだろう…。


しかし、私たちが泊まった公営のアルベルゲには現れませんでした。
どうしたものかな~と考えながら、お土産屋さんの前を通りました。面白そうなものが見え、中に入ることにしました。
今まで荷物が重くなることを考え、お土産は積極的に買っていませんでした。
フィステラは賑やかな街で、お土産のセンスがなかなか良いのでした。
ここで買っておかないと、もうカミーノのお土産は手に入らないわ~!


重くなると分かっていても…


カミーノ道標、手のひらサイズ、石製…。


ホタテ矢印のタイル、陶器製…。
などを買いました。
これは、バックパックがかなり重くなるわ~、仕方ない。数日したら、カミーノを出てしまうのだから。


お土産屋さんを出た後、スーパーマーケットに寄りました。
果物とパン、ハムとアイスキャンディーを買いました。
奇跡的に巡礼仲間を見つけ出す
アイスが溶ける前に、アルベルゲに戻らなくては~!


あれ?
道路の向こうの歩道に、見覚えのあるお姉さんがいました。
ピラルだ!
横断歩道のところまで歩いたら、見失いそうでした。車の往来を緊張しながら上手によけ、道路の向こう側に渡りました。そして、ピラルを呼び止めました。
「オラ~、ピラル?」
「オラ~!ワオ!」
話したことはなかったけれど、ピノたちといっしょに歩いている仲間の一人でした。彼女も私のことを覚えていてくれました。
ピノの居場所を聞くと、仲間 6~7人で一軒家を借りているということでした。
「その家まで案内するから、付いてきて~。」
OK!、わあ、良かった。ピノに会えるね。Denが喜ぶわ~!

あ、そうだ…。
ピラルと一緒に歩きながら、私はChaiとDenに買ったアイスが溶けてしまうと思いました。それでピラルに食べてもらおうと
「どうぞ~!」と渡しました。
「ムーチョ・グラシアス!」
ピラルはすごく喜んでくれました。アイスは、ちょっとしたぜいたく品かもしれません。彼女やピノの仲間たちは、かなりの節約スタイルで、超サバイバルにカミーノ800kmを歩いて来た猛者たちでした。
美味しそうにアイスバーを食べるピラルの後ろに付いて、私ももう一本のアイスバーを食べました。
歩きながら、
しかし、よく会えたな~!

5分ぐらい歩くと


2階建ての家の前に着きました。
玄関のドアを開くと、ピノが出てきました。 おお!ピノ~!

「わあ、Kumi3!」
私たちは、奇跡的に会うことが出来ました。ほかのメンバーたちとも代わる代わるハグをし、再会とカミーノの完歩を歓び合いました。
たまたま道でピラルを見掛けたこと、
Denがピノ、ピノってうるさいこと、
ホセのいるメノルカ島へ行く予定のこと
などを話しました。
パエリヤパーティーに呼ばれる
キッチンにいたエンカリに
「あとでパエリヤパーティーをするから、一緒にどう?」と誘われました。
それは楽しそう、ぜひ!
「時間は、7時ぐらいね。」ということでした。
今、3時半でした。
私はアルベルゲに戻りました。
ChaiとDenはまだ、昼寝をしていました。
起きて、起きて~!ピノたちを見つけたよ!パエリヤパーティーに招待されたよ!!


やった~!


わぁい!嬉しい~!!




このあたりの桃は、お饅頭みたいに平ぺったく潰れた形をしていました。。
味は甘くて最高~!!
それから私たちは、明日のムシア出発のため、荷物の準備をしました。
クレマ・デ・オルホで再会、乾杯!
夕方7時、一軒家に向かいました。
わあ、ピノ!


Den~!
Chai~!!




ふたりは大歓迎のハグを受けました。
パーティーが始まりました。テーブルにみんながぎっしりと座りました。
すると、甘くて濃厚なミルク色のお酒が配られました。
「これを飲んで、巡礼が終わるのさ!」と誰かが言いました。
そのお酒の名前はCrema de Orujo/クレマ・デ・オルホ と言いました。


DenとChaiも乾杯だけ持て~!と、紙コップを手渡されました。
みんなで
サル~ゥ!
最高の乾杯!
美味しいパエリヤ、ステキなデザート
ピノとエンカリが料理を担当していました。
パエリヤがまわってきました。


うわあ!美味し~い!

みんなでわしわしパクパクと食べました。
おなかいっぱ~い!
美味しかった~!!
みんな、お皿が空っぽになり、お腹をポンポンと叩いていました。


その横で食の細いDenは、一人お皿にパエリヤが残っていました。 うう、もう無理…。食べられない。

わたしも自分のパエリヤを食べ、お腹がいっぱいになっていました。 ママもおなかパンパンよ!

横目で「激」を飛ばしました。
Denは困った顔で、口にパエリヤを詰め込みハムスターのようにになっていました。
それに気が付いたピノは
「なに、Den、もうお腹いっぱいなの?、んじゃほれ、お皿よこせ。」とささっとお皿を取り替えて、Denの分のパエリヤも食べてくれました。
さっき、すごい山盛りを平らげて、くはぁ~と満足げにため息をついていたピノでした。お腹がいっぱいだっただろうに…、Den の分も全部たいらげてくれたのでした。
ありがとう、ピノ!

そうして、パエリヤを作ってくれたエンカリがお皿を集めにきたとき、全員が空っぽのお皿を出しました。
「デザートもあるのよ!」
わ~い!
みんな歓声をあげました。
甘いものは、別腹でした‼
エンカリはとても料理が上手でした。
彼女が作ってくれたデザートは美味しいだけでなく、盛り付けに素敵なセンスがありました。
よくあるリーズナブルなクッキーと、お徳用マドレーヌの上にマシュマロを乗せ、上から程よい甘さに作ったチョコレートソースを、たっぷりと掛けました。
最後に1ℓで1ユーロの四角いアイスクリームを、切って添えました。


フレンチレストランに出てきそうな高級デザート風になりました。 うわぁ!お金をかけないで、こんなにおしゃれなデザートができるなんて!素敵~!!



♫いっただきま~す!
こんな素敵なデザートで締めくりなんて嬉しいわ!


子どもが感じ取る、見た目や肩書ではないこと
そしてこのデザートも、Denは半分食べたところでお腹いっぱいになってしまいました。
そして、再び助けを求めるように隣のピノを見ました。
するとピノは、わからないように
「ほら、貸して!」
とサッ!とお皿を取り換え、Denの分も食べてくれました。
残したってそりゃ構わないのだけれど、きっと作ってくれたエンカリのことを思い、ピノは食べてくれたのでした。 このヒト、ほんといい人だわ…。

子どもには、見た目や肩書きでは判断しない、子どもならではの目線があるのでした。
正直、初めてピノに会った時は
国籍不明の年齢不詳の文無しヒッピーのようでした。
私は最初の頃、遠巻きに接していましたが、Denは妙になついていました。私は、それならば…とDenのその感覚を尊重することにしたのでした。
しかしDen…、甘えっぱなしではないか〜。いいのか、それで?しっかり食べようよ!

その晩は、酔っぱらいながら、山道や野っぱら、雨風にあたりながら歩き通したカミーノを、互いに思い出し、おしゃべりし合いました。誰もが主役で、ゲラゲラと笑い声が絶えない素敵なパーティーでした。
明日、もう一つのカミーノ 最終地ムシアに行くつもりでしたが、この部屋のみんなは
「明日は、大西洋で海水浴をするぞ~!」と盛り上がっていました。
DenもChai 大西洋で泳ぎた~い!

絶対、Denも一緒に行く~!


そうね、ムシア行きは、その後にしようか。

あしたは海に決まりね!














